“あ・く・ま”のカバーで2018年を締めくくり
2019年はツアーで幕開け!
あゆみくりかまきインタビュー
2017年末、クマに戻ることができないと決まり、人間として新たなスタートを切った“元クマ”のあゆみくりかまき。そんな彼女たちは2018年、“大逆襲”をテーマに全力疾走を続けてきた。そして年の瀬も近づく12月18日(火)、なんと聖飢魔Ⅱの名曲をカバーした配信EP『蝋人形の館』をリリース! この驚きの新作のこと、そしてクマではなく人間として活動したこの1年のことを、関西出身の3人が地元・大阪で話してくれた。リラックスしたムードにデビュー前の思い出もよみがえることに。
――2017年12月、もうクマに戻ることができないと決定。それから約1年が経ちますが今どんな心境ですか?
まき「昨年はクマに戻るか戻れないか?っていうプレッシャーもあって、ライブを純粋に楽しめてなかった部分が自分の中にあって。だからいつも威嚇していたような気がして……クマだけに(笑)」
全員「(笑)」
まき「そういう風に気持ちに余裕が持てなかったんです。もちろんクマに戻れないという結果は悔しいんですけど、でも今は人間として“あゆくま”(あゆみくりかまき)の輪を広げていきたいなってポジティブな姿勢に変わって、毎回ライブも楽しいと思えていますね。心の鎖が取れたみたいな感じが正直あります」
――人間になって変わった点はありますか?
まき「私はライブでは“盛り上げ役”なんですけど、個人的には少し煽りの考え方を変わりました。クマの時代は、とにかく激しく攻撃的に煽っていたんですけど、人間になって、改めてライブに来てくれる人を全員楽しませたいっていう思いに変わって、今は自分自身も楽しんでいるし、お客さんを楽しませたいという気持ちがいっぱいですね」
くりか「やっていることや気持ちは基本的に変わってないんですけど、でもクマに戻るためにまたぎ(ファン)のみんなとずっと目標に向けて突っ走って来て、達成はできなかったけど、またぎとの絆がすごく強くなったって感じています。今、一緒にいてくれるまたぎとライブをもっともっと楽しめるようになったし、これからもずっと一緒にいたいっていう気持ちが強くなったので、これからも一緒に大きくなりたいです」
あゆみ「それと、私たちが人間の姿になって他のアイドルさんと容姿が変わらなくなったから、自分たちの強みは何やろう?っていうのを3人で改めて考え直したんです。それまでは(目標達成)できなかったらどうしよう?っていう悲壮感が漂ったり、焦ったりしていたんですけど、やっぱり私たちのいいところって、みんなと一緒に楽しいライブができるところやなって。まずは自分たちが楽しもう!ってライブに挑めるようになったかなと……3人で同じ方向を向けたなと思います」
まき「うん。今まで以上にめっちゃ仲よくなりましたね!」
あゆみ・くりか「……(笑)」
まき「あれ?」
――ある意味3人の関係性は変わっていないですね(笑)。以前お会いした時は、まきさんが“仮リーダー”ってことでしたが…。
まき「あ、正式にリーダーになりました! そこも変わった点かな(笑)」
くりか「そうやんな(笑)」
まき「仮が取れました(笑)」
――以前はあゆみさんがまきさんを師匠と呼んでいたと思いますが、それは?
まき「一応、師弟関係はまだ……(続いていて)お弟子なんで(笑)。でも最近、あんまり師匠って呼ばれてない気がする」
全員「(笑)」
――変わらず仲がよいですね(笑)。ではここからは12月18日(火)にリリースの配信EP『蝋人形の館』のことを。これは聖飢魔Ⅱさんの名曲のカバーですが、実は原曲は以前からライブの登場SEとして流していたんですね。
まき「そうなんです。スタッフさんと、ライブの登場SEはあんまりアイドルが使ってない曲にしたいよねって話をして、(曲冒頭の)“お前も蠟人形にしてやろうか!”というフレーズを“お前もまたぎにしてやろうか!”ってしたらおもしろくなりそうじゃない?って、この曲に決めたんです」
――そして曲をカバーすることになったのは?
まき「今年の夏に、今回のEPにも収録されているプリンセス プリンセスさんの『19 GROWING UP -ode to my buddy-』という曲をカバーさせていただいて。冬に向けてもう1曲カバーしたいよねという話の中で、ライブの登場SEでもおなじみの『蝋人形の館』を思い切ってカバーしてみようとなったんです」
あゆみ「あとやっぱり『蝋人形の館』をカバーしてるアイドルはいないし……」
まき「でも実際にキー合わせでカラオケに行って、3人で歌った時に、私たちに合うんかな?って少し心配だったんですけど、PABLOさん(あゆみくりかまきのギターを担当)のアレンジの上に、私たちの声が乗って、楽曲が仕上がったものを聴いた時、すごくライブが想像できてあゆくまにとって起爆剤になりそうやなって感じましたね」
――名曲だけにプレッシャーはありました?
あゆみ「めっちゃありました。しかもメタルの曲を歌ったことがないし、どう歌ったらいいのかすごく悩んだんですけど、いろいろアドバイスをいただいてレコーディングの時には、今までで一番いい!ってなりました」
――レコーディング前にはどんなアドバイスがあったんですか?
あゆみ「“閣下になり切って”って歌ってと言われて、“あ、自分じゃなくて閣下になればいいんや!”って思って歌ったらすごくすんなり歌えました」
――クマから人間、そして人間から悪魔に……。
まき「一応、(あゆみ、くりか、まきは)頭文字が“あ・く・ま”なんで!」
――おぉ!
まき「私はカバーが決まった時点で、気づいてたんですけどね~」
――さすがリーダー(笑)。そしてEPの2曲目は先ほど話にもあった『19 GROWING UP -ode to my buddy-』で、これもプリンセス プリンセスのカバー。この世代の方は沸き立ったんじゃないですか?
あゆみ「そうだと嬉しいですね。やっぱりカバーをさせていただくことで、その楽曲をリアルタイムに聞いていた世代の方に少しでも“あゆくま”のことを知ってもらいたいです」
――リアルタイムで聴いていた世代にはとても懐かしいです。
あゆみ「そういう方がめちゃくちゃ多かったですね。“世代やわ~”って言ってくださる方もいました」
――若いまたぎの反応は?
まき「原曲は知らないと思うんですけど、1回披露したあとはみんな口ずさんでくれていたので、曲の持つパワーを感じましたね」
――そして今作には、さらにもう1曲、デビュー曲をアレンジした『アナログマガール’18』も収録。
まき「あゆみが加入する前のくりかまき時代の曲です。」
くりか「今回はサウンド的にロックなアレンジに仕上がりましたね。あゆみが入ってからの楽曲は生音のロックサウンドが多いんですけど、(原曲の)『アナログマガール』は、打ち込みの曲だったということもあって、やっぱりセットリストを考える時も、どこで入れよう?って迷ったりすることが多くて……。それが今回のアレンジで、今の“あゆくま”のサウンドでさらにパワーアップした曲になったと思います」
――くりかさん、ニコニコが止まらないですね。
くりか「うれしかったんです。ライブ音源としてはあゆみの声が入っているのはあったんですけど、ちゃんとした音源としてはなくて…。それってやっぱり寂しいじゃないですか。今回、またぎもすごく喜んでくれました」
――ライブで聴くのが楽しみになりますね。そのライブですが、ツアーが2019年1月26日(土)からスタートしますね。タイトルは「ボクらの熊魂2019 お前もまたぎにしてやろうか!!TOUR」です。
まき「ツアータイトル通り来てくださった人は全員まだぎにしたいし、今までまたぎだった人も、もっともっとまたぎにしたいです! もう“あゆくま”がいないとムリ!……みたいに」
――初日は3人の地元・関西、大阪公演です。どうですか、大阪?
まき「正直、前回のツアーで大阪はソールドアウトできなかったし、なかなか厳しい現状で……(笑)。なので不安は不安なんですけど、2018年、私たちは“大逆襲”を掲げてやってきたので、改めて“あゆくま”を好きになってくださった方が大阪に足を運んでくれたらなっていう期待もあります。楽しさも大きくなってきているツアーだと思うので、ぜひ来て欲しいです!」
あゆみ「私たちとしては地元・関西で自分たちの音楽を響かせたい!っていう思いがすごくあるので、もっと地元で頑張りたいです」
――だから衣装がタイガースのカラーなんですか?
くりか「ほんまや! 阪神カラーや!!」
まき「これ着て、甲子園行きたい(笑)」
――タイガースファンのおじさんも喜ぶはず(笑)。
まき「甲子園で『ゴマスリッパー』歌おうかな。たむけん(たむらけんじ)さんに作詞してもらった、サラリーマンの方への応援ソングなので、ハマりそうな気がします」
――今作もおじさん世代がリアルタイムで聴いていた曲ですしね。
あゆみ「フフフ……おじさんに向けてばっかり(笑)」
――阪神甲子園球場から“あゆくま”の輪を広げましょう(笑)!
まき「(阪神甲子園球場には)昔、普通に行ってたんで!」
――いつか阪神甲子園球場でもライブを! 今日はありがとうございました。
全員「ありがとうございました!」
text by 服田昌子
(2018年12月 5日更新)
Check