セックスマシーン結成20周年目にして、バンド名を変える!? 今だからこそ明かされるJBへの想いとは! 森田剛史、日野亮インタビュー&動画コメント
セックスマシーンを初めて知ったのは、もう15年くらい前の事だろうか。単純にJB(ジェームス・ブラウン)の「セックスマシーン」から取ったんだなと思っていた。ところが、セックスに捉われ過ぎて、何かを破壊しそうな暴れ者と勘違いする人もいるらしく、未だにOAを拒否する放送局があるという風の噂も聴いた事がある。
まぁ、時には「さわやか倶楽部」に名義変更したりと本人たちはネタにもしているが、こんなグッドメロディーで気持ちを揺さぶってくる素晴らしいバンドが誤解されているのは、どうしても納得がいかない。そこで恥ずかしがる彼らを説得して、今回は敢えて音楽のルーツやバンド名のルーツについて語ってもらった。思わぬクラウドファウンディング話も出たりして、とても愉快かつ、とても充実したインタビューになったので是非とも読んで頂きたい。で、個人的には、バンド名を変えなくていいと思っています!
VIDEO
――今日はセックスマシーンをサルにもわかるように、しっかりと紐解いていきたいと想います。本格的に音楽をやり始めたのは、いつ頃ですか?
森田(vo&key) 「20年前の高校生の時ですかね」
――いわゆる灘高校時代ですよね。
森田 「そうですね。先輩2人いるだけのブラスバンド部を乗っ取ろうと思ったんです。で、先輩2人見送って、のさばりましたね。ロックは志していたんですが、ブラスバンド部の活動をしないと部屋取り上げられて困りますから。部室にドラムセット2台とベースがあって、代々ブラスバンドというよりはハミ出た部やったみたい」
日野(b&key&cho) 「ビッグバンド!?」
森田 「ビッグでもないけど(笑)。ただ、ファンキーなものはいいんじゃないかとは思っていて。JB(ジェームス・ブラウン)とかオーティス・レディングとかね。ブルースブラザーズにも映画を観て、衝撃を受けたし。実際、ロックをやりたいという気持ちもあったので」
――そこが原点となり、バンドを始めていくんですね。
森田 「そうですね。とにかく名前はショッキングなものがいいねとは言ってました。それで『セックスマシーンでいいんちゃう!』となって。『JB(の曲)やし、かっこいい!』って。JBの『セックスマシーン』を練習した事もありましたからね。カタカナ表記だとインパクトも強いですしね。それが過ちの始まりですね! アルファベットだとクールと思う人もいるかなと…いないか(笑)」
――(笑)。途中からセックスマシーンに入った日野君は、バンド名は気にならなかったですか?
日野 「気にならなかったですね。卑猥とも思わなかったですし。JBも知ってましたから。ちゃんと通ってはなくても、知ってはいますし。その後、このバンド名がアカンくて色々NG食らうとも思ってなかったです(笑)」
森田 「クイーンの歌詞にも出てくるし、間違いないと思っていたので。でも、極端な事をしでかしそうなイメージがあるんでしょうね。むちゃくちゃ物を壊す奴とか、むちゃくちゃ考え浅い奴とか思われているんでしょうね(笑)」
日野 「バカヤロー(笑)」
――いや、ほんま、そんなん思ってる奴バカヤローでしょ(笑)。
森田 「めちゃ勉強してきた、人一倍怒られた、悲しい人間なんですけどね(笑)。だからこそ、そういう色々な意見を受け止めた上でプラスにしたいですから」
――まぁ、ズタボロのジーパンという衣装も誤解を生みやすいんでしょうね。
森田 「ベレー帽をかぶろうと考えています!」
――渋谷系(笑)。元々どうして、あの衣装なんですか?
森田 「およそミュージシャンのいでたちではないというギャップを作りたかったし、そういう演出としてありましたね。普段着と切り替えて、エネルギーをまといたいなと。その上で『バンド名だけでも覚えて帰って下さい!』と思ってましたね。実際に言った事はないんですけど」
――でも、そのバンド名が誤解を生んでいくキッカケにもなった訳ですよね。
日野 「最近は、ちょっと緩まって感じがしますけどね。エゴサーチしたら、『名前を知ってたけど観た事なくて、初めて観て、勘違いしていた事がわかった』みたいのがあるんですよ。名前だけ先走りして、バンドの本質を観てもらえてなかったんでしょうね。観てもらったらわかるし、ちょっとずつ認知してもらっているかなと」
――いや、だから完全なる食わず嫌いなんですよ。
森田 「関西のメディアはわかってくれる人が増えてきているんですが、やはり東京や他の街ですよね…。『バンド名がちょっとね…』という人々にライブを観てもらってわかってもらうまで、僕らが出来ていないといけないんです」
日野 「バンド名とライブの良さが一致ができたらいいんですよ」
森田 「この立派な十字架を背負って生きたいですね。変な無茶な暴れ方はしませんが、ロックスピリット、パンクスピリット、反骨精神で『ほら、観た事か』と言えるようにないりたいです」
――今日は敢えてJBとか音楽ルーツやバンド名ルーツを語ってもらっているのは、ほんまセックスに捉えられ過ぎて、音楽的要素をわかってない輩が多いんですよ、残念ながら。
森田 「JBのお墓参りとかしますか(笑)!? JBの銅像とか立っていたら、そこで写真を撮りますけどね! 銅像の前で『「そのままでいいぞー!」ってJBの声が聴こえたんです!』とか言いましょうか(笑)。お金貯めてJBの墓参り行きたいですね!」
日野 「JB墓参り企画、クラウドファウンディングで、どれくらいかかるか調べてみます!」
森田 「アカンかったらアカンかったで面白い! 『あいつらをJBに逢わせたくない!』ってなったと言えますから(笑)」
――JB墓参り企画は、むちゃくちゃ良いですね!
森田 「ベスト盤の『バンド名変えたい』を出しても、結論は特に出ていないのでJBの墓参りをする事で色々見えてくるかもですね!」
――個人的にはセックスマシーンという名前でJBと結びつかない人が多くて、ただただ卑猥とか壊し屋とか暴れ者とか思われていた事が心外なんですよね。
森田 「でもね、20代の頃ってバンド名のルーツをわざわざ言うのも恥ずかしかったんですよ。だって、影響を受けたものに勝ちたいわけですから。ルーツを言う事で、そのイメージになるかなと思って言えなかったんです。でも、今やJBのセックスマシーンと僕らのセックスマシーンは離れたイメージなんで(笑)、逆に言えますね! 今やったら言える。で、バンド名は変えたくない!!」
――最高です!!
text by 鈴木淳史
(2018年5月 1日更新)
Check