第2章の幕開けを告げるニューシングルをリリース!
ЯeaLインタビュー&動画コメント
1stアルバム『19.』の発表から約1年。大阪発のガールズロックバンド・ЯeaLがニューシングル『未来コネクション』をリリースした! この1年の間には、初のワンマンツアー、メンバー脱退、上京と、さまざまな変化があった彼女たち。今、どんな進化した姿を見せて、そして聴かせてくれるのか? 3人を直撃した!
――5月2日発表のシングル『未来コネクション』は、久々、約1年ぶりとなるリリース。この1年間はどんな活動を?
Ryoko「1stアルバム『19.』を昨年5月にリリースして、その後にワンマンツアーがあって、さらに上京をして……。それで一人暮らしがやっと落ち着いた頃に、ポケモンの(オープニングテーマを担当する)お話をいただいて『未来コネクション』の制作に取りかかって、c/wの制作も始まり、レコーディングが今年1月にあってと……めまぐるしい毎日でした」
――東京の暮らしはどうですか?
Ryoko「もう慣れたよね」
Aika「最初はちょっとバタバタしたけど」
Ryoko「メンバーが全員近くに住んでるんです。上京する前、大阪では家が遠かったので、プライベートで一緒に遊ぶとかなかったんですけど、今はプライベートも一緒にいて、全員20歳にもなってお酒も飲めるようになって……(笑)。メンバーと飲んでバンドの話をしてますね」
――コミュニケーションが密に?
Fumiha「めっちゃ増えたよな」
Ryoko「昨年、メンバーが脱退したことでも団結力が増したけど、上京して(メンバーが)一緒にいることが増えて、さらに増しましたね。大阪にいたらバラバラになってたかも」
――さて『未来コネクション』ですが、先ほども出たように表題曲はアニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」のテーマ。
Ryoko「メロディーはもともとあったんですけど、歌詞は書き下ろしです。ポケモンの制作チームと話をさせてもらってから作ったのでアニメを意識してますね。物語に出てくるベベノムっていうポケモンの目線で書いてて…」
Fumiha「テーマはポケモンです」
Ryoko「そう、それが自分の世界からアローラ地方っていう場所に…」
Fumiha「もともと異次元にいたポケモンなんです」
Ryoko「そう、そこからアローラっていう場所に飛び出す話になんです。ЯeaLも上京して感じた、アニメと共通する新しい世界に行く不安やキラキラした気持ちを1番に取り込みました。2番以降は、仲間がいて大切なファンがいて……という気持ちを書きました。メンバーの脱退があって、ちょっと先が見えない時期があったんですが、こないだのワンマンツアーを終えて新たにスタートラインに立った時、メンバーと仲間がいて、まだ夢が続いているのを感じたんですよね。だからポケモンが好きな人も、ЯeaLのファンの人も共感してもらえる歌詞になったと思います」
――今、解説を入れてくださったFumihaさんは、ポケモン大好きなんですよね?
Fumiha「好きです!」
Ryoko「3人の中で一番好きですね」
――では、テーマ曲に決まった時、かなりうれしかったのでは?
Fumiha「それが、わりと決まった瞬間はあんまり実感がなくて(笑)」
Ryoko「まだ決まるかどうかわからない状況の中で頑張って作ったんです。だからプレッシャーがすごくて(笑)」
Fumiha「いつも以上に楽曲制作がどうなってるのか気になって……」
Aika「(Ryokoの)焦りがすごくて」
Fumiha「ここ(Ryoko)にかかってたんでね」
Ryoko「決まりました!ってなって、私は“は~”て」
Fumiha「“は~”やし……」
Aika「こっちは“ふ~”やし(笑)」
Ryoko「うれしかったね」
Fumiha「最初にアニメで流れた時は、ホンモノや!って思いました(笑)」
Ryoko「泣けた! あとЯeaLのこの曲で大丈夫かな?って思った」
Aika「確かに」
Fumiha「というのも、ここ1、2年はサトシがずっとオープニングを歌っていたんです。だからそこからの新人バンドやしって……」
Aika「反応が怖かったですね」
――SNSでのファンの反応は?
Fumiha「めっちゃ見ました! Twitter」
Ryoko「“ЯeaL”って“Я”の変換が難しくてみんな入力できないと思うから、“ポケモン オープニング”って調べて……」
Aika「反応はめっちゃ良かったよな」
Ryoko「うん。言ったら私たちは途中参加やないけど飛び入った形。それでもちゃんと愛してもらえてうれしいなと思いましたね」
――楽曲の力ですね。本当にイヤならイヤという意見がツイートされそうですから。
Fumiha「そういう人少なかったよな」
Ryoko「いても“サトシじゃなくて、ちょっと寂しい”くらい。でも、その人が2、3週目ってなったら……」
Fumiha「“めっちゃいい”って!」
――うれしいですね。さっき詞はアニメを意識してということでしたが、その詞にぴったりのキラキラしたアレンジも印象的でした。
Ryoko「シンセとかのアレンジやフレーズは、南国というか物語のアローラ地方をイメージしたんです」
Fumiha「ハワイっぽいな」
――ЯeaLの過去の楽曲から受けるイメージは、テンポが速くてもっと攻撃的ですよね。
Ryoko「ガッチガチで、イケイケですね(笑)」
――それに比べると随分違いますね。
Ryoko「実はЯeaL、結構こういう曲あるんですよ。リリースしてないだけで」
Fumiha「Ryokoの中にね」
Ryoko「そうなんです。ЯeaLっていうバンドは、アップテンポじゃないと不安というか……」
Fumiha「そう、(テンポが下がると)ごまかしがきかないんですよ」
Ryoko「攻めないと、一歩引いて見られて、どう思われるんだろう?と……」
Fumiha「“豆腐メンタル”なんで(笑)」
Ryoko「そう。だからいつも攻めてたんですけど、『19.』でЯeaLの第1章が終わって、新たに3人になった今だから『未来コネクション』でいけるかなって思ったし、ライブのセットリストにも違和感なく入れられる。新しいЯeaL、ЯeaLの第2章が始まったなって思います」
――そして、c/wの『光になれない』ですが、この曲のテーマは?
Ryoko「『未来コネクション』は希望とかキラキラしたところや、ありがとうという気持ちを詰め込んだんですけど、『光になれない』も同じようなテーマではあります。去年、暗いこと(メンバー脱退)があって何も見えない時に、なんか、強がらなくてもいいなと思ったんです。それまでは完璧でなければいけないと思ってたんですよ、アーティストとして。プロとして完璧なステージや人間性を見せようと頑張ってたところが崩れ去って、本当の、偽りない自分でいいんやと思えたんです。どうしようもないことってあるじゃないですか? それって私たちだけじゃなく、誰にでもあって、それをステージで隠さずぶつけられるようになった。強がらないでいい自分でステージに立てるようになって、ファンのみんなにも、日々のことはどうにもならないし、仕方のないこともたくさんあるけど、弱くてもいいんだよ!って、素直になっていいんだよ!って伝えたくて書いたのが『光になれない』ですね。ライブでは素の自分でいられるから、そこを逃げ場にして日々頑張ろう!っていう考えにシフトした感じです。この曲も今だから書けたんじゃないかと思います」
――素を見せられるのは強さかもしれないですね。そういう意味ではメンタルがパワーアップしたのかも?
Fumiha「……(笑)」
――ん?
Fumiha「メンタルは……一生弱いです(笑)」
――そっか(笑)。ま、その反動が音楽になるんですもんね。
Ryoko「“豆腐メンタルですがっ!”っみたいな……(笑)。けど、そこをさらけ出せるようになって、たくさんのファンの人にそれも受け入れてもらえたんで」
Aika「助けてもらったな」
Ryoko「それで、次は私たちが支えたいなって。私たちも弱いけど、一緒に頑張ろう!っていうところに落ち着きました」
――この『光になれない』は疾走感があってライブ映えしそうですが、もう一つのc/w『リスキーゲーム』もアグレッシブです。
Ryoko「これは“ザ・ЯeaL”って感じですね。今までのЯeaLに一番近しいものかなと思います」
――歌詞も大人っぽいし、ちょっとセクシーです(笑)。
Ryoko「私、この曲の感じの女性が好きなんです。(『ルパン三世』の)峰不二子みたいな、人を翻弄できる女子。涙にくれてしまう女の子もかわいいなって思うけど、実は孤独を抱えてるのに、相手のことを巻き込んで落として最後は捨ててしまうような女の人ってすごくカッコいいじゃないですか?」
Aika・Fumiha「……(笑)」
Ryoko「女を最大限に使って……あ、悪い意味じゃないですよ。そういう女っぽさとかも。私、LiSAさんも好きなんです。LiSAさんの曲ってピンクと黒って感じ。かわいいだけじゃなくてちょっと毒っ気があるという。実は『19.』にも『H.O.L』っていう少し危険な曲を入れてたりします。普通の恋愛というより駆け引きとかのギリギリの感じがすごく好き」
Aika「女が憧れる女みたいなね」
Ryoko「ピンヒールはいてミニのタイトスカートはいて……みたいな」
――あれ、でも3人とも今日の服装は……(笑)。
Aika「パジャマみたいなんで、すみません(笑)!」
Ryoko「ロングスカートで、ほんとすみません(笑)!」
Fumiha「あ、でもこれ(シースルーの袖)(笑)」
Aika「そうそう、こんな感じ(笑)」
Ryoko「これが全身!みたいな感じです(笑)。でも、みんな思ってると思うんですよ。一回は危ないことしてみたいとか……。セクシーなお姉さんに憧れる時期あるじゃないですか? 壇蜜さんとか」
――なるほど(笑)。しかし、峰不二子に孤独を感じる人に初めて会いました。
Ryoko「いや、孤独やと思いますよ~。ああいう人って!」
――二人もそう思いますか?
Fumiha「知らないです!」
全員「(笑)」
Aika「でも(Ryokoは)詞を書くから“この物語の主人公は……”とか、そういうことをすごく考えるんですよ」
Fumiha「映画もアニメも観るしな」
Ryoko「グーッと入っちゃうんです。でも、不二子ちゃんは絶対孤独だと思います。孤独な人ほど、ああいうカッコいい感じになるんです!」
――カッコいい人ほど、孤独と……。
Ryoko「ЯeaLの楽曲のテーマには一貫して孤独があるんです。それは、バンド名の由来もなんですが、光があれば影があるという、すべて表裏一体っていうことで、孤独と(反する)愛というのが楽曲にずっとあるのは変わらないですね。表現の仕方は変わるけど……」
――でも、もし孤独をまったく感じない紛う方なき愛や幸せがやってきたらどうします(笑)?
Fumiha「聞きたい、聞きたい!」
Ryoko「実は高校の先生に1回言われたことがあって……当時めっちゃ悩んでたんですけど……」
Fumiha「……常に悩んでるからな(笑)」
Ryoko「“ああ、ムリ!”ってなって、高校の先生に相談したら“Ryokoは一生幸せになれない。幸せになると腐ってしまうし、曲が書けなくなる。ハテナがなくなるとアーティストとしておもしろみがなくなるし、幸せがあっても自分からそっちをつかみに行くような人ではない”って言われたんです。でも“私だって幸せになりたいし、なんでそんなこと言う?”ってむかついて(笑)! ま、でも、今思えば先生の言ったことは的を射てたなって思います」
――幸せになれない体質(笑)。
Fumiha「かわいそう(笑)」
Ryoko「いつか(幸せに)たどり着けたらいいですね。30歳ぐらいに……(笑)」
――でも生き様が曲に表れそうなので、今後どんな曲が聴けるのか楽しみです。
Ryoko「申し訳ないけど、ЯeaLは私の生き様。頑張りま~す!」
Aika「めちゃくちゃ幸せな曲がきたら、その時は察するよ」
Ryoko「でも実は結構幸せだから」
Fumiha「前向き!」
Aika「今までに比べたらね。いっつも一人だったし、『仮面ミーハー女子』(2016年リリースのシングル)とか特に」
Fumiha「今回4枚目にして、ちょっと友達増えたかな?」
Ryoko「大切な仲間ができた! ほんと、どんどんやっていくに連れて、お客さんのありがたみも昔に増して感じるし、みんなの前でライブしてたら、幸せだな~って思いますね。絶望してもメンバーがいてファンがいてチームがいて……やっぱり愛されているな、ЯeaLは!って」
――さて、間もなくリリースツアーがスタート! 今回はどんなツアーになりそうですか?
Ryoko「さっき言ったように、みんなの逃げ場になりたいので、みんなの居場所を作れたらいいなと思います。誰一人として置いて行きたくない。ライブは楽曲だけじゃなく一つのステージとして作っているので、MCも曲もすべて楽しんでください。あと、子どもや女の子の専用スペースも設けようと思っているので、親子連れとかでも来てほしいです」
Aika「ЯeaLのライブ、ちょっと激しめなんで……」
Ryoko「老若男女、小さい子からガチガチに盛り上がりたい人まで楽しめるので、ぜひ来てください!」
text by 服田昌子
(2018年5月28日更新)
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