HAPPY、踊Foot Works、TOMMYを招き
"大阪の新しい遊び場”『GEEKS AND FREAKS Season 2』開催!
GEEKS AND FREAKSクルーの
FM802 DJ 板東さえか&DJ KiMインタビュー
“大阪に新しい遊び場を創りたい”との想いから、音楽・ファッション・アートが好きな同世代のミュージシャン・DJらが集まってスタートした『GEEKS AND FREAKS(以下、ギーフリ)』。昨年11月に行われた初回のパーティーは大成功。会場の東心斎橋CONPASSには約200人が詰めかけ、オーディエンスはライブやDJ、ライブペインティング、ヘナタトゥーやアクセサリーショップなど、カルチャーへの愛情と熱気に溢れた自由な空間を思い思いに楽しんだ。パーティーの様子は、後日アップされたクルーの一員である透明回線が手がけたアフタームービーからも伺い知ることができる。そして6月2日(土)再び、東心斎橋CONPASSにて『GEEKS AND FREAKS Season2』の開催が決定した。ゲストアクトにはHAPPY、踊Foot Works、渋谷にあるユースカルチャーの情報基地とも称される、古着ショップ“BOY”のオーナーTOMMY。DJ陣にはギーフリクルーである、FM802 DJから板東さえか(Banchan)と三原勇希(YUUKI MIHARA)、DJ KiM、鞆 良磨(AFRICA)が名を連ねる。また、透明回線のライブペイントやに、ショップやフードの出店も予定されている。今回は一体どんな化学反応が起きるのだろうか。BanchanとKiMの2人に、前回のイベントで感じた手応えや、次回ギーフリへの想いを聞いた。
良いパーティーの条件は、お客さんが
そのパーティーの一部になるぞという気持ちがあること
――“ギーフリ”第2回目、開催決定しましたか!
Banchan「はい! このイベント立ち上げた時、どのくらいのスパンでやるかあんまり見えてなかったんですけど、半年ぐらいの間隔でやれたらいいねというイメージはあって、ブッキングも決まってなかったんですけど、とりあえず6月に日程を押さえたんですよ」
KiM「継続が大事かなというので」
――初回が終わってからも、アジトで定期的に集まっていたんですか?
Banchan「前回のギーフリを打つまでの1年間のような、ただ集まって喋ったり飲んだり、というようなことが今回はちょっと少なかったんですよね。みんな忙しくて。でもやっぱりイベントはやりたいねとなって、打ち合わせはやりつつ、忘年会と新年会、お花見はしましたね(笑)」
KiM「花見は去年クルーが集まってすぐの頃にやって、そこでみんなのグルーヴ感が高まった気がしたんです。だから今年もやろうと」
――実際どうでしたか、Season 1は。
Banchan「今回がSeason 2やから、そうなりますね(笑)」
KiM「僕が“vol.2は嫌や。Season 2にしよう”って言ったんです。みんな海外ドラマが好きなんで」
――なるほど(笑)。
Banchan「そもそもギーフリのイベント名が、『FREAKS & GEEKS』という海外ドラマのタイトルをもじっているので。今回は、より私たちの見せたいものを表現したいという想いがタイトルにも現れてるかなと。めっちゃ細かいですけどね、“Season 2”とか(笑)」
KiM「少しでも我々なりのギークな部分を出そうと思って。細かいところでも遊んでいこうよ、とは話してましたね」
Banchan「小さなこだわりですね(笑)」
――大事だと思います(笑)。前回のお客さんの反響はどうでしたか。
Banchan「かなりエネルギッシュでした!!」
――転換DJをする時に、お2人は意識していることはあるんですか?
KiM「ライブの合間の転換DJって、BGM的な感覚というか、メインじゃないし時間も短いから、表現したいものが全部出せるわけでも、お客さんを引っ張ってフロアコントロールという雰囲気でもない。だから転換っぽくもギーフリのお客さんを意識した選曲をしてたんですけど、フロアのお客さんからいい反応がダイレクトに返ってきて。来てくれた後輩も言ってたんですけど、最初は“何かやってるぞ”みたいな感じで不思議そうに見てた人が、だんだん前のめりになって、ライブが終わったらDJフロアに近づいてくれたりして。転換DJではああいうこと、ほんまにないんでビックリしました」
Banchan「前のアクトから次のアクトに自然にシフトしていくような選曲を意識したりしますけど前回のギーフリのDJタイムに関しては、単なるつなぎの時間じゃなくて、DJタイムを楽しむ時間になってたというか、そんな感じがあったかなあ」
KiM「素晴らしいお客さんに恵まれたなと思いました。良いパーティーの条件って、メンツが良いことや、演者がすごいライブをすることももちろん含むんですけど、お客さんがそのパーティーの一部になるぞっていう気持ちがあること。そこが1番肝な気がしていて」
Banchan「うん、うん、うん」
KiM「こないだの1回目は、それがどのお客さんにもあったというか」
Banchan「あったね」
KiM「だから、反響はすごいありましたね。僕はよく海外アーティストのライブ終わりにフライヤーを配りに行ったりするんですけど、“ギーフリいつやるんですか”と聞かれることもあったりしました」
――すごい。
Banchan「やっぱり1回目はお祝いなんで、“見届けようかな”みたいな気持ちで集まってくれた人も多いと思うんですけど、本当に予想以上の人が来てくれて。ビックリでしたね。奇跡でした」
KiM「オープンの最初のDJからお客さんの入り方が凄かった。オープンDJの後ライブを見ようとフロアに出たら、バーカウンターの近くまでお客さんでパンパンで」
Banchan「私も普通にライブを見たり、友達と喋ったりしてて、自由度がすごく高かったんですよね。そうさせてくれたのはお客さんの雰囲気やと思います」
KiM「思いのほか、年齢層ちょっと上のお客さんも多くて“若いのがおもしろそうなことやってるね、良いもん見たわ”とか、“昔は私もDJイベントとか結構行ってたけど、久々に来てみたら楽しいね”、とか言ってくれました」
――それは嬉しいですね。世代を超えて注目されているというのが。クルーはその後、増えたりはしたんですか?
Banchan「ブース出店してくれた、ヘナタトゥーのゆきのちゃんと、アクセサリーショップのめぐちゃんがクルーとして加わってくれることになりました。これからもそういう人を増やしていきたいし “GEEKS AND FREAKS”っていう仲間を増やしていきたい。それは私たちの主旨というか、同じ気持ちを持ってる同志がもっとたくさんいるはずだから、そういう人たちと出会いたいと思っています」
みんながカルチャーの全部を受け取ってくれたという感じがした
――KiMくんはイベント後Twitterで“何かが起こりそうな足音が確かにした”と書いておられましたが、初回が終わってから体感的に感じていることはありますか?
KiM「僕的には、まだ目に見える変化は起こってない気がするんですよね。それはもっと後の話というか。でもギーフリ1回目をやったことと、個人的に今年に入って『Vandalism』というパーティーをNAHAVANDというバンドと一緒にやって、その時にも思ったんですけど、何かが起こる準備は出来始めてるな、という感じがあって。ギーフリで、それのほんまにさざ波ぐらいの音が聞こえた気がしたというか」
――さざ波。
KiM「僕もいろんなライブやイベントに行ってるんですけど、今までほんまにこういう感覚はなかったなと。その瞬間を演者としてじゃなく、お客さんとしても見たという感想です。ここから徐々にでっかい変化が起こるんじゃないかなという予想を勝手にしてます。そういうわけで、まずは2回目」
Banchan「1回目をやった結果、音楽だけじゃなくアートに興味がある人もたくさん来てくれて。“自分も何かに参加したい”とか、“もっと表現したい”、“やる気に溢れました”という声をすごく頂けて。音楽ももちろんメインに置いてますけど、アートや別のコンテンツにも、自分たちが好きなものを全部詰め込みたいイベントなので、あの日はみんながカルチャーの全部を受け取ってくれたなぁという感じがしました」
――会場が全てを楽しめる雰囲気だったんですね。
Banchan「ライブやDJを楽しんでもらうのはもちろん、喋れる場所や、お酒を飲むだけの場所もほしい。そういうことを考えて、レイアウトを工夫したり、自分たちが好きな映画の映像をマッシュアップしてプロジェクターで流したり、それこそ透明回線がライブペインティングをやってたり、1人で来ても時間を過ごせる場所を作ってて。で、すごく嬉しかったのが、1人で遊びに来てくれた友達同士が、お酒を飲みながら過ごしてくれてて2人はたまたま居合わせたわけですが、そういう場所にできたのもすごく嬉しかったです」
完璧だった前回のブッキング
――今回の出演者は、良い意味で価値観に捉われないマインドを持ったメンツが揃ったんじゃないかと。
Banchan「そう言っていただけると嬉しいです。まず、前回の出演者のバランスが絶妙やったなと。私たちもやる前は実感してなかったんですけど、終わって改めて考えると、完璧やったな(笑)」
KiM「完璧なバランス配分だったと思います」
Banchan「プププランドとAFRICAっていうロックバンドに加えて、そこにラッパーのあっこゴリラさんとトラックメイカー/DJのimaiさん。ジャンルやパフォーマンス形態もバラバラで、他では観られない面白いラインナップだったと思います。あっこゴリラさんはバンドセットでは大阪初ライブで、imaiさんもソロ活動し始めたばかり。タイミングも含めてあのブッキングが成立したのは凄かったと思うんです! それを経ての今回のブッキングだったので、私たちの中でもいろいろ理想があったんですけど、その理想がまた邪魔するんですね(笑)」
KiM「確かに。“それ言ってたら前進まへんよ”、みたいな話し合いが結構あったんです(笑)」
Banchan「そもそもブッキングは、“私たちが観たい”というのを真ん中に置いてるんですけど “誰と2回目のギーフリを一緒に作りたいか?”という観点で話し合って。 そうして挙がったのがHAPPY。KiMが沖縄のイベントでHAPPYと一緒になってたんですよね」
――沖縄で!
KiM「去年の10月、沖縄のThe Hypesっていうバンドのボーカルと仲良くなってイベントに呼んでもらって、そのイベントにHAPPYも出てて、紹介してもらったんです。その時、最新のUSヒップホップばりばりのDJをしたんですけど、HAPPYのメンバーがすごい楽しんでくれて、リクエストしてくれたりして。打ち上げでもお酒飲んで仲良くなって、たまに東京行った時にメンバーに会ったら、“また何かやりたいね”っていう話をしたりしてたんです」
――つながってますね。
Banchan「クルーと全く面識のないゲストはもちろんいなくて。ブッキングに関しては、普段東京での活動が多いゆーきー(三原勇希)のアンテナや、人とのつながりが大きいですね。“この人のライブを大阪で、私たちのイベントでという熱い気持ちで声をかけてくれています。前回のあっこゴリラさんもimai(group_inou)さんもそうだったし。踊Foot Worksは去年の『MINAMI WHEEL 2017』でゆーきーからかっこいいバンドだって聞いて気になって私もライブを観に行って。その頃から呼びたいねと話してたんですけど、あちらから“是非出たいです”と言ってくれて」
――TOMMYさんはどうブッキングされたんですか?
Banchan「HAPPYと踊Foot Worksが決まって、このバランスをどう取ろうかということになって、“ギークな存在がほしい”、という話をしてたら、ゆーきーが“それならTOMMYさんじゃないか”とアツくプレゼンしてくれて」
――プレゼン方式なんですね(笑)。
Banchan「そうなんです(笑)」
KiM「“お客さんが釘付けになる”って聞いて、“それは観たい”ってみんなで話しをして」
Banchan「4月末にみんなで集まって打ち合わせをした時にTOMMYさんに電話をしたら、その場で即OKくれたんです」
――すごい!
Banchan「もうほんとに二つ返事で。そんなこんなでようやく1ヶ月前にして、フライヤーを打ち出せるところまでいけたという感じでした(笑)。今回もかなり面白いラインナップが揃ったと思います!」
――フライヤーは透明回線のデザインで、毎回オシャレで素敵ですが、オレンジとブラックというカラーの組み合わせは、何かイメージがあるんですか?
KiM「うーん、彼らが思う、我々のイメージカラーなんですかね」
――いつもお任せなんですか?
Banchan「お任せです。イラストがshunくんで、デザインがうきちくん。確かコンセプトがあったよね」
KiM「ギーク女子でしょ?」
Banchan「そう。えーと、(メールを見ながら)今回のテーマは“超ギーク女子”。“ファッションなんか、周りの目なんか気にしない、興味ない、音楽オタク”らしいです」
――そういう設定があるんですね。
KiM「サイドストーリーもあったけど(笑)。そんなに詳しく聞かないですね、信頼してるので」
Banchan「“どういう意味なん?”とかナンセンスなことは聞かないです。単純に好きなものを詰め込んでる感じがいいなーと思うんですよね。フライヤーデザインやティーザー映像もギーフリならではですし、今回も透明回線のライブペインティングは楽しませてくれること間違いなしなので楽しみにして来てほしいです」
スポンサーもいないし、後ろ盾なんて何もない。
ただ “おもしろいことしたい!”っていう熱意を買ってくれている
――今回はお2人に加えて三原勇希ちゃんとAFRICAの鞆くんもDJされるんですね。
Banchan「まだどんな感じで演出するか現時点で決まってないんですけど、基本的には前回同様、KiMにフロアのお客さんを向かせるぐらいのDJをやってもらいつつ」
KiM「めっちゃプレッシャーかけるやん。責任重大やなあ」
全員「(笑)」
Banchan「クルー総動員です!」
KiM「結局ギーフリの理想の雰囲気って、僕らが飲んでる席の感じなんですよね。楽しくワイワイやってるところに、“一緒に遊ぼう”的な感じなので、結構何でもありというか」
――フードの出店はありますか?
Banchan「ゆーきーの友達でブリトー屋さんをやってる子がいて」
KiM「ゆーきー曰く“すごいおもしろい子やからみんなにも会ってほしい”と。で、“こういうイベントやるねんけどお願いできるかな?”って聞いたら、即“やる”とだけ返ってきてて、漢気ある! みたいな(笑)」
――TOMMYさんもブリトー屋さんも二つ返事というのはすごいですね。
Banchan「ゆーきーの人徳ですね。同世代のクルーだけで企画してるイベントだし、スポンサーもいないし、後ろ盾なんて何もない。ただ、私たちの“おもしろいことをしたい!”っていう熱意を向こうが買ってくれてる。TOMMYさんとブリトー屋さんも、“勇希ちゃんの友達やったら、おもろいやろ!”と思って返事をくれてるだろうから、私たちもおもしろがってパーティーの一部にならなければ。HAPPYと踊Foot Works、我々クルーも一緒に遊ぶ感覚で!」
ギーフリで観たアーティストを好きになって、ライブに行ってほしい
――次回の理想の着地点というか、“こうなったらいいな”というイメージはありますか?
Banchan「それ確かに必要ですよね! 続けていくイベントって、どういうところを狙うべきなんでしょうね」
KiM「いやー、1回目があまりに感動的なクライマックスやったんで(笑)」
Banchan「……まあでもひとつ、1回目の時にも感じたことなんですけど、imaiさんとあっこゴリラさんは大阪でライブ観たことない人が多かったと思うんですよ。でもギーフリのたった1回で好きになったっていう人がめちゃくちゃ多かったんです。それは今回も目指したいゴールですね」
KiM「4月末にあっこゴリラさんのワンマンライブ行ったら、ギーフリに来てくれたお客さんが居て、“ギーフリの後好きになりました”みたいな」
Banchan「めっちゃ嬉しい」
――それは嬉しいですね。ほんとに純粋に音楽への熱意を持った人、好きな人が集まったんだという感じがします。引き寄せられて感度の高いお客さんが来るんじゃないかなと。
Banchan「そうだといいなあ。別に、カルチャーについて何も知らなくて良いと思うんです」
KiM「ちょっと興味あるとか好きとかで全然良い。僕らも、全部好きの気持ちでやってることなんです。だからカルチャーに詳しくなくても、初めてでも大丈夫」
Banchan「うん」
KiM「多分、本当にギークカルチャーに触れてる人からしたら、ギークではない部分もいっぱいあると思うんですよ。でもそれは、あえてこっち側から言うのは違うのかもしれないんですけど……僕らなりの『GEEKS AND FREAKS』なんです」
Banchan「そういう敷居の高くないカルチャーイベントをやりたいのが根本にあるので、“なんか楽しそう、行ってみよう”っていうライトな感じで、今回も来てもらえたらなと思ってます」
――今後も続いていくように。
KiM「僕は『GROOVER』っていうパーティーでDJをやっていて、主宰のseoさんが師匠なんですけど、毎回“とにかくがむしゃらにやるしかないよ”と言われてて、それが今じわじわとわかってきた感じです」
Banchan「『GROOVER』なんて定期的にずっとやってるイベントですからね」
KiM「月イチ開催で18年目ですからね」
Banchan「なので私たちももっと定期的にやっていきたいです」
――やるのみですね。
Banchan「そうですね、1回目やって見えたものがあるから、2回目に向けて考えられてる。だからまた何か新しいものが得られると思います。」
KiM「初回来てくれた人は、皆勤賞狙うくらい来てほしいです。あと記念にDJとしても何かを作ろうと思ってます。クルー全員がお客さんと一緒に遊びたいと思っているので、ほんとに遊びに来てほしいですね」
――イベントの大成功、願っております!
text by ERI KUBOTA
(2018年5月25日更新)
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