前代未聞!? 1stぬいぐるみを発表したコレサワが 映像と一つになるライブ『コレシアター』を開催
自身をキャラクター化した、れ子ちゃんというビジュアルと、日常の風景から展開されるエッジのきいた言葉をポップに仕立てた楽曲で注目を集める大阪出身のシンガーソングライター・コレサワを直撃! 4月4日(水)にリリースする1stぬいぐるみ「れ子ちゃん×コントロール ベア」(おまけCD「君とぬいぐるみ」付き)の話から広がったトークは、その素顔を暴くことに!?
――4月に1stぬいぐるみがリリースに…。ぬいぐるみのリリースって珍しいですよね。
「もともと、れ子ちゃんのぬいぐるみを作りたいという願望はあったんですが、昨年8月にアルバムを出して次に何を出そうかな?ってなった時、コントロール ベア(デザインTシャツストアグラニフのキャラクター)とのコラボのOKをもらって……。最初はCDにぬいぐるみを付けようと思ったんですけど、これはもうぬいぐるみメインでいいんじゃないか!ということになりました。その方がいつも、れ子ちゃんでやっている私らしいかなと思ったんですよね」
――コントロール ベアは前から好きだったんですか?
「はい。シュールなものやブラックユーモアが好きやから、あんなにかわいいクマが自分の頭を切り離しているっていうのが、まずツボやったんです。で、調べたら、そこに作者さんの、自分の頭をコントロールできるようになってほしいっていう意思があって、それをブラックユーモアで表現しているのがステキやなって……。それに、私は一本筋が通っている人とか周りに流されない人とかが好きやから、そういう意味でも好きですね」
――コントロール ベアのブレないところとコレサワさんの主体性のある感じは共通していますよね。自分のために歌っている姿勢に好感を持ちます!
「いつも歌を作る時は、この人に届けたい! この人に感動してもらえればいいや!みたいな対象が一人いるんですけど、そっちの方がみんなに聴いてもらえるんですよね。全員に当てはまるより、対象を絞った方が結局聴いてもらえるのかなって思います」
――それがコレサワさんらしい生々しい詞の世界に通じるんですね。1stアルバム『コレカラー』の曲『お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな』には特に共感。曲に描かれた弟さんの反応は?
「あの曲、ファンの人には人気あるんですよ(笑)。でも弟は何も言ってこないんですよ。いつもCDは渡してるんですけど、感想がないっていうのが怖い。たぶん聴いてないと思います(笑)。弟はSEKAI NO OWARIさんや西野カナさんとかが売れてるっていうことや!って言ってるから、私もあそこまでいかないと認めてもらえないです(笑)」
――お母さんのことを描いた『24歳』という曲もですが、コレサワさんには家族愛がありますよね。
「確かに。でも家族のことは大好き!で感じでもなくて、ただ感謝はしているというか……。この前、お母さんに一泊二日で東京旅行をプレゼントしたんですけど、(一緒にいるのは)1日が限度やな、親子って!思いました(笑)。ワガママも出るし、お母さんの歩くスピードが遅いのもイライラするし。それでも感謝はすごくしてて、親ってすごいなって思います。弟も同じで、2人で遊びにとかは行かないけど、家に帰ったら話すし、切っても切れない絆を感じますね」
――旅行のイライラした場面からも曲ができそう(笑)。
「でも、また家族をネタにしやがってって怒られる(笑)。もうネタにできるのが、おじいちゃんとおばあちゃんしか残ってない!」
――そんな身の回りの“あるある”から世界が広がるのがコレサワさんの曲。おまけCDの曲『君とぬいぐるみ』も、「無駄金をつぎ込んで ゲーセンのぬいぐるみ取るなら 普通に買ったほうがきっと安いよ」という日本中で何回も言われていそうな言葉から、少しせつなくハッピーな世界が膨らんでいきます。
「この曲はぬいぐるみを出すから、それをテーマに書きたいって思ったんですけど、私は自分でぬいぐるみをそんなに買うタイプじゃないから、ぬいぐるみと言ったらゲーセンのしか思い浮かばなくて……。でも最近カップルでライブに来てくれる人が増えたんで、そういう子たちがイヤホンを半分こしながら聴いてくれるような、リア充の曲を書きたいなってちょうど思っていたんで、こんな感じにしてみました(笑)。私、『たばこ』とか失恋の曲ばっかりで、不満ばっかり言ってる人みたいになってるんで、そういうカップルが聴いてくれる曲になればいいなって……(笑)」
VIDEO
――ありふれた1シーンを物語に広げられるのがすごいですよね。
「ん~。でも私は日常にあるような物語にしか触れてなくて、逆に自分が体験してないこと……本当にファンタジーというか全部作り上げた話を作れる人はすごいなって思いますね」
――あと、センテンスが短く、読みやすくて頭に入りやすいのも良いですよね。
「あ~。長々しくはないですね。私、以前、大人の人が超長々しく話をしているのを聞いて、これってひと言でまとまるのに、なんでこんなに長く話しているんだろう?って思ったことがあったんです。簡単なことを長く話す大人が嫌いだから、自分は難しいことを簡単に言える人になりたいっていう憧れがあるんですよ。無駄なことを話して長いな~って思われたくない(笑)!」
――そういう理由(笑)。考え方も潔い方ですか?
「そんなに迷わないですね。迷うってことは、それは私にとってどうでもいいことだから。迷った時は、どっちでも好きにしてください!って振っちゃいます(笑)」
――経営者っぽい(笑)。
「私、占い師のゲッターズ飯田さんに社長に向いてるよって言われたんです(笑)。でも社長はできないですよ~。経理とかできないし」
――経理も人に任せられるから大丈夫(笑)。
「今は周りのみんなが(自分を)社長みたいに立ててくれるんです。逆に、好きにしてください!って言ってもらえるからやりやすい。全部ダメって言われていたら、私もまた違うことになってると思います」
――それはさっきの家族愛同様、コレサワさんが人に対して愛があってちゃんとコミュニケーションを取れる人だからかも?
「でも、人見知りなんです……けど、(人当たりは)悪くはない(笑)」
――顔は出さないけど人間性があふれているという楽曲と同じですね(笑)。
「そうですね。顔を隠すことに関しては、恥ずかしいというか、カメラマンの人に笑顔で!って言われても、おもしろくない時に笑われへんっていうのもあって……(笑)。あと、私は自分のことをかわいいとは思ってないけど、自分の顔は好きなんですよ。でも顔を出すといろんな人が、いろんなことを言うじゃないですか。それを言われたくないんですよね。だったら隠した方が手っ取り早いし、あとウチボリさんの絵が好きやから一緒にやっていきたいっていうのもあって……」
――今は誰かしらに何かしら言われますよね。
「女性ソロアーティストは華やかさとかビジュアルが大事やから、私はそういうところで勝負したら負けると思ったんですよ。自分の顔がCDジャケットになったところで、売上が上がるわけじゃないだろうなって……もし、売上が上がるなら私、顔出しますよ(笑)。でもそれよりは、私じゃない、れ子ちゃんの方が客観視できるし、外側から(自分のことが)わかる」
――セルフプロデュース力、ありますね。
「でも、それができないと生きていけなかったんです。今の事務所に入る前は一人でやっていたから、毎日ライブをしてても対バンのいろんな女の子たちの中に埋もれちゃう。そうならないためには?って、ずっと考えてました」
――賢い。そんなコレサワさんの計算できる一面を見ると、つい『君とぬいぐるみ』の曲中の彼はわざとゲーセンで金と時間をつぎ込んでぬいぐるみを取るのを彼女に見せ、騙しているのでは? しかも彼女はそれをわかったうえでも彼が嫌いになれないという悲しい裏話があるのではないかという深読みをしたり……(笑)。
「計算しているんじゃないか、この男は?……と(笑)?? でも、この詞はそこまでではなかったです(笑)。彼はバカな男の子なんですよ。彼女へのプレゼントを買ってないのに、その代わりにゲーセンで金を使ってぬいぐるみを取るっていうバカ。で、女の子は生真面目なんですよ。でも、彼のバカなところにたまに救われているんです」
――なるほど。
「でも、人によっては女の子がカモにされてると思うかもしれないし、私のキュンキュンする感じをわかってくれる人もいるかもしれないし……感想は分かれるだろうなって思いながら作りました。でも、それくらいの方がいろいろ考えられるスペースがあっていいかなって(笑)」
――もし曲の彼女だったら?
「私は、ほんわかしながら彼を見られますね。競馬とかパチンコやられるよりはいいかなって思います(笑)」
――人を許す心……懐深い(笑)。
「許せるんじゃないですかね。私、子供の頃お母さんから、人に迷惑をかけたり警察にお世話になったりするのは絶対にあかん!って言われてたんですけど、ほかは自由だったんですよ。夜遅く帰って来てもいいとか……」
――お母さんも懐深い(笑)。
「懐深過ぎてヤバいです(笑)! 門限もないし、小学校の時から自分の通帳も自分で管理していて、お年玉を預けて自分で引き出してってやらせてもらってました。なんであんなに信じてもらっていたんだろう?って思います(笑)。そんな感じだったので昔から何でも一人でできるなっていう自信はありましたね」
――子供時代の話まで! ありがとうございます(笑)。ではそろそろライブの話も……。まずは昨年11、12月の初ワンマンツアーですが、ツアーを通していろいろなことを感じたのでは?
「いろいろあり過ぎて(笑)。統括すると、今までは曲と歌詞さえ良ければいいんだって思っていたんですけど、初ワンマンツアーで、ライブを良いものにしていかなきゃいけないんだ!って、初めてちゃんとライブというものと向き合いました。それがすごく大きかったですね。いかにステージの上でお客さんを巻き込めるかっていうところを考えていかなきゃあかんねんなって思いましたね」
――何か良いやり方など見つかりましたか?
「気合いが入り過ぎるとダメだなとかですね。特に大阪は地元だからどうしても頑張ろうって思い過ぎちゃうところがあるから、今度は他の場所の気分でやってみようって思ったり(笑)。あと、2デイズ公演もあったんですけど、同じ箱でもお客さんが変わるだけで、全然違うんや!っていうのも実感しましたね。だから、うまく自分の気持ちをコントロールして、お客さんも巻き込んでいけるようにならないとあかんなって思いました。本番にちゃんと自由にできるようにするには、それまでに綿密な準備がいるなって」
――では5月にある映像とライブが一体となるワンマンライブ『コレシアター04』は、さらに綿密な準備が必要ですね。
「大変ですよ! これは大変です(笑)!! 早々にどうしたいかを考えてウチボリさんと打ち合わせして映像を描いてもらわないといけない。それに過去にお客さんは、『コレシアター』は普通のライブとは違うからってツイートしてくれるくらい『コレシアター』が特別ってことを知ってるし、プレッシャーです(笑)。でも、みんなそのつもりで来てくれるから、今までで一番いいものを見せたいですね」
――ライブの神様が降りてくるようお祈りしています(笑)。
「あ。私、家に神様あるんですよ(笑)。京都の車折神社っていう芸能の神様のお札をもらってそれを置いてて、ライブの日は、良いライブができるように!って、手を合わせてるんです(笑)」
――綿密な準備からの神頼み(笑)。
「結構信じちゃうんですよ。良い行いをしている方が、運が良くなるとか……。トイレとか超きれいにしてますもん。水回りが汚いとダメって聞いたんで。あと、信号無視もしない!」
――交通安全にも貢献。れ子ちゃんが交通安全ポスターとかになったりして(笑)。
「それやりたーい! 一日警察署長、れ子ちゃんがやったらかわいくないですか? あとピーポくんとコラボ! やりたい! やりたい!! (警官の制服の)れ子ちゃんの着せ替えもやっちゃいますか(笑)?」
――楽しみです(笑)。では最後にコレサワさんの地元・関西のファンへひと言!
「実は大阪で『コレシアター』をやるのは初なんです。いつものライブはバンドと私だけなんですけど、『コレシアター』は映像も入ってすごくセンチメンタルな気持ちになれると思うので、映画館に行くような気持ちで『コレシアター04』に遊びに来てもらいたいですね。」
text by 服田昌子
(2018年2月 8日更新)
Check