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School Food Punishment→la la larksの覚醒の5年間を刻んだ
初アルバム『Culture Vulture』を手にツアー中!
内村友美(vo)インタビュー&動画コメント
「昔の自分を今の自分が手放していく」 School Food Punishment→la la larksの覚醒の5年間を刻んだ 初アルバム『Culture Vulture』を手にツアー中! 内村友美(vo)インタビュー&動画コメント
内村友美(vo・ex. School Food Punishment)、坂本真綾、ポルノグラフィティ、LiSA、さユり、いきものがかりなど数多くのアーティストのアレンジャー/プロデューサーとして活躍する江口亮(key&g・Stereo Fabrication of Youth、MIM)、三井律郎(g・THE YOUTH、LOST IN TIME)、クボタケイスケ(b・ex.Sads)、ターキー(ds・ex.GO!GO!7188)という実力者5人により’12年に結成されたla la larksから、5年越しの1stアルバム『Culture Vulture』がついに届いた。School Food Punishmentの活動休止後、音楽から遠ざかりかけていた内村のため江口が無理やりライブを設定したことが、la la larksの始まり。そこから5年でシングル2枚、そして今作と、通常なら1年で完結してしまいそうなリリースペースだが、様々なキャリアを経た彼らがライブを軸にじっくり音と時間と絆を束ねた『Culture Vulture』は、このバンドに5人が持ち寄った純度と妥協なきクリエイティブを示しているかのよう。そんな結晶を手に二度目の音楽人生を歩む内村友美(vo)に、この5年間の変化と熟成を聞いたインタビュー。この声質、この質感、久しぶりに会った彼女の歌声は相変わらず聴く者を魅了し、あの頃のいつだって壊れそうな儚さと引き換えに手に入れた、視野と志が宿っている。そういつだって、自分を変えるのは、自分。
今のla la larksの音楽がすごく好き
――la la larksとしての5年間って、今振り返ってみてどういう時間だったと思います?
「インディーズの頃はいろんなことを誰かがやってくれてたのに何となく進んできちゃって、そのままSchool Food Punishmentでデビューして。デビューしたらしたでもっと関わる人が増えて、実際に自分でやったことがないから、誰がどう動いてくれていたのかを全然知らないまま来ちゃってたんです。そういう意味でla la larksの5年間は、音楽をやっていくこと、それを人に届けることがどういうことかを再確認していくような…そんな5年間でしたね」
「la la larksって、本当に何でもできるんだなって思ったし、自分はそういうふうに何かに寄っていない音楽が好きなんだなって。いろんな人の音楽を聴いてても、もうちょっとジャンル分けができるというか。今のla la larksの音楽がすごく好きだし、そういうバンドってあんまりいないよなと思うと、このアルバムを作ってよかったなって」
――そう考えたら、内村さんはやっぱりタフになったかもしれない。だったら、『Q And A - Album Ver. -』(M-8)とかの方がよっぽど苦しいというか。
「『Q And A』は結構悩んでるときに書いてたから、もう悩んだまま終わりたいと思ったんですよね。そのときにベースのクボタ(ケイスケ)さんが、“これはこれでいいとは思うけど、これってもう素の内村友美じゃん。俺はうっちーのことを知ってるからこれが本音だと分かるし、こういう歌詞を書きたいのも分かる。けど、世の人が観てる内村友美はそうじゃないんだよ。もっと強くあってほしいし、辛くてもその先の光を見せてくれる存在でいてほしい。だから、最後のサビはもう少し救いを見せて終われないかな”って言われて、なるほど確かになって。その視点が加わったのはすごく大きくて、今回のアルバムの曲を書くときも、その感覚はすごくありましたね」
「『たりない』は、自分のメロディがla la larksで初めて音源化されたんですよね。School Food Punishmentのときはメロディは全部自分が作って、それを江口さんがアレンジしたりしてたんですけど、la la larksは基本江口さんが曲を書いて、私は歌詞を書くっていうのがほとんどで。なので、自分がメロディを作って、律郎さんがコードを直して、江口さん抜きで1回アレンジして、江口さんがもう1回アレンジに加わって、そこにブラスアレンジが入って、みたいな感じだったんで、みんなで作ってる感が強いというか」
――la la larksはアニメとの親和性も高いバンドですけど、『色彩 - Album Ver. -』(M-2)に関しては坂本真綾さんへの提供曲をセルフカバーして、かつ真綾さんがコーラスも入れ直してくれたと。
「やっぱり真綾さんと一緒にやると喜んでくれる人が多くて、『Fate/Grand Order』っていうスマホゲームの周年イベントにサプライズで真綾さんが出るとき、バックバンドがla la larksで私がコーラスをさせてもらったんですけど、Twitterとかでもすごく反響があって。真綾さんの書く歌詞も声も好きだし、一緒にやれてすごく嬉しいなって」
――あと、今回のリード曲的な『Massive Passive』(M-1)は、みんなが求めるla la larksに応えるというか、ダークでストリングスが入って速くて、みたいな曲をあえて書いてみたと。MVは何か得体が知れなくて怖いけど(笑)。
「同時に、本当に会いに行きたい人が各地にちゃんといるのがすごくいいなと思ってて。そういうことを思いながら活動できるのが本当に嬉しい。メンバーからは、“今回は本番で泣かないでね、歌えなくなるから”とか言われますけど(笑)。最近、ライブで泣いちゃうんですよ私。la la larksになってから、感極まるようになっちゃって…。この間も大阪で、最後の『ハレルヤ』(M-3)の前に感謝を伝えて、また『ハレルヤ』がお客さんに感謝する感じの曲だったので、歌詞を噛み締めてたらウルウルきちゃって、途中から歌えなくなっちゃって、もうボロボロみたいな(笑)。みんなの顔を見ると、“ありがとう”っていう気持ちになって…」
Album 『Culture Vulture』 発売中 2900円(税別) FlyingDog VTCL-60454
<収録曲> 01. Massive Passive 02. 色彩 -Album Ver.- 03. ハレルヤ 04. end of refrain 05. loop 06. たりない 07. さよならワルツ 08. Q And A -Album Ver.- 09. 失う 10. ego-izm 11. Reset 12. Self
Profile
ラ・ラ・ラークス…メンバーは、内村友美(vo・ex. School Food Punishment)、江口亮(key&g・Stereo Fabrication of Youth、MIM)、三井律郎(g・THE YOUTH、LOST IN TIME)、クボタケイスケ(b・ex.Sads)、ターキー(ds・ex.GO!GO!7188)。確固たるキャリアを有するメンバー5人が集まり、’12年に結成されたモダンポップロックバンド。坂本真綾、ポルノグラフィティ、LiSA、さユり、いきものがかりなど数多くのアーティストのアレンジャー/プロデューサーとして活躍する江口をはじめ、内村を除くメンバー全員が様々なアーティストのサポートを行いながらも、ライブを重視する活動姿勢により徐々に認知度を上げていく中、’14年にはJ-WAVE の人気番組『TOKYO REAL-EYES』とのコラボ企画にて、クラウドファウンディングによるCD『28時』を制作。さらに同年6月には、アニメ『M3 ~ソノ黒キ鋼~』のエンディングテーマ『ego-izm』、’15年7月にはアニメ『空戦魔導士候補生の教官』のエンディングテーマ『ハレルヤ』を発表。そして、’17年8月30日には、待望の1stアルバム『Culture Vulture』をリリースした。