ホーム > インタビュー&レポート > 演歌・歌謡界期待の星としてキャリアを重ねる 徳永ゆうきに新作、出演映画、鉄道への思いを聞いた!
■和装で挑む勝負曲
--新曲「津軽の風」は、これまでの楽曲に比べて力強く、本格的な演歌作品になりましたね。
気持ちを全面に出す、直球のド演歌ですね。衣装も袴姿の和装なので気持ちが引き締まります。
--これまでにもイベントでは着られていましたが、曲のイメージとしての和装は初めてですよね。
三波春夫さんをはじめ、子どもの頃から和装でカッコよく歌われている方々を見ていたので、着物や袴で歌いたいという憧れは常に持っていました。今回、その夢がかなって嬉しく思います。
--徳永さんの中では、こういう曲を歌いたいという気持ちは募っていたのですか?
そうですね。人生の応援歌みたいな曲を歌いたいなというのは前から思っていました。前作の「函館慕情」はちょっとポップな感じでしたが、今回は対照的に本当にストレートで。
--作曲を担当された水森英夫先生からのアドバイスなどは?
水森先生からは「芯を食った歌い方」というのをかねてから教えていただいているのですが、変に力を抜いて歌ったりすると注意されますね。今回も「芯を食った歌い方で若さをアピールして、力強く!」とお言葉をいただきました。
--思い切りコブシを回したくなるような曲調ですが、結構抑えめにされていますね。
そうですね。回しすぎても聴きづらいので、要所を押さえて味付けぐらいにとどめています。
--今回のサビ部分のようにうなりが強調される曲だと、水森先生の指導にも違いがあったのでは?
このうなりも初めての試みで、レッスンを受けに行って最初は普通に歌っていたんです。でも、それだと味がないなと言われて。それでうなりを入れてみたら、これでいこう!となりました。
--情景が浮かんでくるような歌詞ですが、歌う際のイメージづくりなどは?
実際に津軽に行ったのはレコーディング後で、「春は名ばかり ひゅるひゅると」という風の舞う感じだとか、そういうのは自分の想像なんですけど。吹雪が厳しく、風が冷たくて…みなさんも想像されるような津軽の情景をイメージして歌いました。
--実際に訪れた津軽はいかがでしたか?
外ヶ浜の海岸や五所川原など歌詞に出てくる場所を巡らせてもらいました。ちょうど大寒波が来ていて、吹雪というかしんしんとずっと雪が降っているような気候だったので、もうめちゃくちゃ寒くて。岩木山は天気が優れなかったので下の方しか見えなかったけど、すごく雄大な感じがしましたね。
--津軽を題材にした楽曲はたくさんありますが、その中に徳永さんの楽曲も加わるわけで。
数ある津軽演歌の中でも「津軽と言えば徳永だろ!」と言われるように頑張りたいですね。
--この曲をカラオケで歌うにあたってのポイントなどは?
ダイナミックな演歌なので気持ちを全面に出して。さっき言ったようにサビにはうなりを入れてほしいんですけど、それを引き立たせるために出だしはしなやかに、心を落ち着かせ歌ってください。サビ部分でドンと気持ちを前に出して、歌い締めはご自身の世界観でゆったりと締めていただければまとまると思います。
--お客さまの反応はいかがですか?
歌も力強いし、衣装もかっこいい、今まででいちばん良い!など好評な声が多くて。こういうド演歌を待っている方がいらっしゃったんだなって感じました。
--デビュー曲「さよならは涙に」の頃から比べるとイメージがガラッと変わりましたよね。
全然違いますね。今までは衣装にイメージカラーである青が入っていたんですけど、今回はそれもなしで。イメージキャラクターのカピやんもお休みです(笑)
--キャッチコピーに「孫も男だ」とありますが、これまでに見たことがない徳永さんが見られるような期待が感じられます。
より貫禄も増して、おっちゃんみたいになってきましたけど(笑)。18歳でデビューして2月で23歳になるんですけど、キャンペーンで年齢を言うと、みなさん「えぇ!?」って驚かれます。
--「津軽の風」のような曲だと、長く歌い続けることで味が出てきそうですよね。
そうですね。歳を重ねるごとに深みが出てくるように、大切に歌っていきたいです。
--カップリングの「帰ろう我が家へ」は、対照的で。
ほのぼのした歌謡曲ですね。この曲もみなさんから好評いただいています。歌声もやさしめなので、「津軽の風」とのギャップがすごいねとよく言われます。
--こちらの曲は、どのようにアプローチしていきたいですか?
僕が出演している映画「家族はつらいよ2」の応援ソングにもなっているのですが、映画を見てから、改めて曲を聴き直していただきたいです。そうすることで歌詞に込められたメッセージや雰囲気をより分かっていただけると思います。
■俳優・徳永ゆうきの活躍
--その「家族はつらいよ2」ですが、今回も役柄は鰻屋さんで?
はい。前と同じ1、2シーンぐらいの出演なんですけど。前回もみなさんからインパクトあった、印象に残ったと言っていただけて、今回もそういう感じになったかなと思っています。
--橋爪功さんを中心としたあの一家と、どう絡むのか気になる人も多いのでは。
前回は夏川結衣さん、妻夫木聡さんとのやりとりだけだったんですけど、今回は、あの一家が揃って家族会議をしている中に僕が配達に行きます。
--現場の空気感はいかがでしたか?
いや~、映画の現場の緊張感はいまだに慣れないですね。歌は自分ひとりのステージなので好きにできますけど、お芝居はみなさんいらっしゃるから。あんな素晴らしいみなさんとご一緒させていただく中で、噛んだりしたらどうしようと、マイナスなことばかり考えてしまうんですよ。
--今回の映画の見所は?
今回も笑いはもちろんあるけど、高齢者の自動車運転や孤独死だったり、今の時代が抱える問題をみなさんに問いかけるような部分があります。家庭内のドラマを楽しく描きながら、ほろっと泣かせるような場面も入って見応え抜群ですよ。z
--昨年は映画以外に舞台のお仕事もやってらっしゃったんですよね。
歌よりも役者業が中心の一年でしたね。8~10月の3ヶ月間、劇団☆新感線『ヴァン!バン!バーン』で、東京・大阪・長野・富山の4都市を回りまして。稽古期間を入れると4ヶ月ですね。やりやすかったのは、役どころが僕のそのままだったということ。駅員さんの役で、名前が「徳永ゆうき」だったんですよ。平安京と現代を行き来する物語なんですけど、かぐや姫や藤原家の人がいたりする中で、僕だけ「徳永ゆうき」で。台本に「徳永ゆうき……徳永ゆうき」って書かれていたので、最初は印刷ミスかと思いました(笑)。
--お得意の駅員さんナレーションも。
西武線の野方という実際にある駅が舞台で、もちろん台本はあるんですけど、かなり好きなようにさせていただきました。
--映画に比べると、まだ舞台のほうが歌のお仕事と共通項もあるのでは?
いや、でもやっぱりみなさんで作るという意味では、僕がミスるとみなさんに迷惑がかかりますし。3ヶ月間やりましたけど、初日から千秋楽まで緊張が解けなかったです。ずっと足が震えて。
■鉄道への思い
--鉄道関係のものも含め、お仕事の幅もかなり広がったのでは?
そうですね、みなさんとのつながりもできて。鉄道関係のお仕事は、2月のはじめに鉄道模型ショーという横浜で開催されたイベントに出て歌わせてもらったり、徐々に増えていますね。
--最近、メディアで鉄道関連の話題を目にすることがすごく増えましたよね。
新幹線が新しくなったり、豪華な寝台列車が復活したりで鉄道業界はいろいろなニュースがありますので。特に3月はダイヤ改正で新旧の車両が入れ替わったりするので、その時期になると鉄道ニュースが盛り上がりますよね。
--ちなみに今、乗りたい電車は?
気になっているのが、JR東日本のトランスイート四季島と、JR西日本のTWILIGHT EXPRESS 瑞風という豪華寝台列車。四季島は北海道や日光を周遊する列車で、瑞風は近畿から山陰地方をぐるっと周遊するプランです。乗りたいけど、料金も結構するようなので僕には無理でしょうね~。JR西日本では瑞風が高すぎて乗れないという人のために、もう少しリーズナブルな寝台列車を開発しているようです。
--これまでに乗って思い出に残っている列車などは?
一番好きな路線というか、景色が好きなのは道南いさりび鉄道ですね。応援隊長もやってるんですけど、それを抜きにしても、ここは好きな路線です。都会で生まれ育った僕にとっては海沿いを走ったり、函館の雪景色や海、漁火が見られたりするのがとても新鮮で。天気が良い日は函館山もきれいに見えるんですよ。一両のディーゼルカーで、加速がゆっくりなのもたまらないですね。
--最後に読者の方へのメッセージを。
昨年は歌以外にも役者など、たくさんのことをさせていただきました。その分、今年は歌いたいという想いが募っているので、歌でみなさんに恩返ししながら、全国に「津軽の風」旋風を巻き起こせるよう頑張ります!
取材・文・構成/伊東孝晃(クエストルーム)
(2017年7月13日更新)
発売中
UPCY-5029 1,300円(税込)
<収録曲>
01.津軽の風
02.帰ろう我が家へ
03.津軽の風(オリジナル・カラオケ)
04.帰ろう我が家へ(オリジナル・カラオケ)
▼なんばパークスシネマほかにて上映中
出演:橋爪功
吉行和子
西村雅彦
夏川結衣
中嶋朋子
林家正蔵
妻夫木聡
蒼井優
藤山扇治郎
オクダサトシ
有薗芳記
広岡由里子
近藤公園
北山雅康
徳永ゆうき
小林稔侍
風吹ジュン
中村鷹之資
丸山歩夢
劇団ひとり
笑福亭鶴瓶
ぴあ映画生活
http://cinema.pia.co.jp/title/171079/