関西のコンサートプロモーター、サウンドクリエーターが
音楽シーンの発信基地として土壌を支え続ける
ライブハウスの方に話を聞く企画第一弾!
十三ファンダンゴの加藤さんと村上さんにインタビュー
関西の音楽シーンを盛り上げるべく、関西のコンサートプロモーター、サウンドクリエーターが仕掛ける夏のイベント「サンクリ夏休み特別企画『RockSteady’17 -HIRABI NO HATCH-』」。古くからその土地土地で、音楽シーンの発信基地として土壌を支え続けるライブハウスの大先輩方からいろいろなことを学ぶインタビュー企画! 第一弾は十三ファンダンゴの加藤さん(写真右)と村上さん(写真左)です!!
【ファンダンゴの30年】
「今と昔じゃ若い子の考え方は違う。運が良かった30年だったね」(加藤)
「一番インパクトを受けたライブハウスです」(村上)
──今年30周年ですね。加藤さんが店長になられてどれぐらいですか?
加藤「バイトで入って、20何年になると思うけど覚えてないねん」
──この30年の歴史のなかで色々あったと思いますが、ここまで続けてこられた秘訣やターニングポイントはどんなことだったんでしょう?」
加藤「俺の場合はあまり何も考えてないから、勢いとタイミングだけちゃうかな(笑)。バンドブームの終わりぐらいにファンダンゴができて、その流れで運よく上手く生き残っていけた。実際、今が一番苦しいですから(苦笑)」
──昔と今とでは全然違いますか?
加藤「30年も経つと世間もいろいろ変わってきてるからね。今の若い子は昔の若い子と全然考え方が違うから、その部分でちょっと難しい部分を感じたりもする。ちょっと賢すぎる。若い子は特に考えが固いかなって、思うこともあるね」
──来られるお客さんの雰囲気でもそう思いますか?
加藤「お酒を飲まない人が増えてるでしょ。面白い子は色々といるんですけど、ライブハウスの楽しみ方というのが昔と比べたら変わってきてるんじゃないかなあ」
──例えばですけど…今は好きなバンドが出演するから観に行く!っていう感じが多いのかもしれないですね。ふらっとライブハウス行って、このバンド、カッコイイとかそういう音楽の聴き方ではないかもしれませんね。
加藤「まあ薄くなってきてるね。昔はそんなに情報がなくて、自分で探すしかなかったし、音楽を求めようと思ったらライブハウスに行って、遊んで、友達増やして、いろいろ情報を仕入れてという広がりはあったと思うけど、今は確実に好きなバンドのみを観にきているというのが多いですね」
──そうですね。では、スタッフの村上さんにも質問を。ファンダンゴに勤められてどのぐらいになられますか?
村上「 2010年の10月からですので、もうすぐ7年が経ちます」
──実際ファンダンゴで働こうと思われたキッカケは?
村上「中学校の頃にバンドや音楽を好きになったんですけど、地元が愛媛県のど田舎なので、観に行ける環境じゃなかったんです。自分の故郷にはライブハウスが無かったし、愛媛県には松山サロンキティとかありますけど、そこまで行くとライブが終わった頃には終電がなくて自宅に帰れないんですよ。でも、高校3年生の夏休みシーズンに、HAWAIIAN6がサロンキティに来ると知って、友達んちに泊まり込んでライブハウスに初めて行った時、「わ、楽しい」という感じを覚えて。その後、大阪出てきていろんなライブハウスに行って感動したんですけど、その中でファンダンゴに来た時のインパクトがすごすぎて。ホールではない、ライブハウスという場所を感じたのはここが初めてだったんですよね。ライブを楽しんでいたら、受付の人がめっちゃベロベロやったなあという感じとか(笑)。1番最初に来た時に感じた、閉鎖的な空間やけどこんなに自由で遊べる場所があるんやというのがすごく印象的でした。出会いから働くまではちょっと時間があったんですけど、ずっとここが忘れられなくて。自分も何か変わりたいなと思っていたので、バイト募集もしてないのに、道端で偶然出会った加藤さんに「俺ここで働きたいんですけど」って。そこから働かせてもらってますが、今でも初めて来たお客さんの顔とか面白いですね。壁とか雰囲気とかを見て、「え、ここって?」って若い子ほど驚くからそれも面白いし、またそこから好きになってよく来てくれる人になってくれたらなって」
「音よりも面白味のある人間かどうかが大事」(加藤)
「自分たちをステージで表現できるバンドがカッコイイ」(村上)
──足を運んでもらった上で、ファンダンゴを好きになってもらえたら嬉しいですよね。加藤さんと村上さんはブッキングもされてますが、どのような基準で出演バンドとか決められてるんですか?
加藤「音はもちろん最初の入口やと思うから大事。でも俺はね、音よりも人の方に重きを置いていますね。俺もう50(歳)やから、どれだけ俺に刺激を与えてくれるかということも大事にしてる。まあ、夜中に一人で「ちょっと待てよ、今日遊んだやつは…22歳。28歳差!? え、こんなに年の差があって、向こうは実際どう思ってるんかな…」と不安に駆られる時もあるけど(苦笑)。そんな気持ちも忘れるぐらい接することができる人っていうのはやっぱりやってることも面白いし、そこから好きになったりもするしね」
──では、最近一番刺激を受けたことって?
加藤「忘れたなあ(笑)。なんかおもろいことあったけど、全部忘れるんよな…。
村上「音楽じゃないんですけど、ファンダンゴの近くに「桐麺」というラーメン屋があるんです。美味い不味いの情報ゼロで最初はひょんなことから行ったんですけど、「こんな美味いものがあるんや!」っていう感動があったんです。でも、2回、3回行っても毎回予想を上回る味で、どれだけ体調悪い状態で足を運んでも、そこは毎回感動させてくれるんです。だから、「桐麺」と出会って俺も生き方変えへんとなと思いました。好きになっちゃったからそう思ってるだけかもしれませんけど、別にそれがラーメンじゃなくても飲食じゃなくても、毎回が予想を超えるってすごいことやなって」
──なんか深い話ですね。
村上「予想より「ん?」っていうハテナが1回もない。僕は、何回リピートしても飲食店の人と全く会話しないんですが、それでも毎回感動させてくれるんですよね。5回目くらいに大将が「いつもありがとうござます」とボソっと言ってくれたんですが、その距離感を詰めるわけでもなく、遠くもない関係がいいなって。毎回満足できるというのはすごいことだと思って、そこであらためてバンドやライブハウスもそうじゃないといけないなっていう刺激を桐麺さんに与えてもらったというね」
加藤「それ言おうと思ってたのに。
村上「言ってくれると思ってたのに言わないから(笑)。そんなこんなで僕も色々とやりたくなって、バンドを連れていろんな所へツアーに行ったり、自分の場所だけではなく違う場所でも企画をしています」
──それが『FANDANGO NIGHT TOUR』ですね。
村上「僕がブッキングさせて頂いてます。同世代ぐらいのバンドは、いいものを持っているのに外とのつながりやエリアがどんどん小さくなっちゃってるんですよね。あれだけSNSが普及しててネット文化なのに、結局直接会わないから地方との繋がりがどんどん昔より薄くなっている。昔だったら「ツアー行きたいんですよ」っていう電話がライブハウスにきて、「じゃあ集めるな」という流れから県外のバンドとも知り合って、いろんな街へ行ってツアーというものが生まれたんですよね。でも今は東名阪が主体で、ちょっと行って福岡。もっともっと面白い街があるのにもったいないなっていうのを感じだしたからというのと、僕が知っているライブハウスの人たちに、大阪のバンドでこういうカッコイイのがおるんやぞと紹介したいのを兼ねて実施しています」
──全国いろんなところを回られてるんですか?
村上「前回が2年前なんですが、岩手の久慈と仙台、東京、名古屋、鹿児島、宮崎、小倉、広島、岡山で開催しました。また5月に東北と東京へ行きます」
加藤「1ツアーは、ずっと一緒の4バンドと回るんですよ」
村上「 1バンドは一緒なんですけど、あと3バンドは前回と違います。よく一緒にライブしている人たちってどこに行っても癒着感のような空間が生まれてしまう気がしたから、わざと密ではないバンドを集めて、連日でツアーするというのをやったんです。そうすると、負けたくないという思いが出るからか1日1日が良くなるんですよね。そういうことにも気づかされる自分にとってもプラスになる機会でした」
──村上さんが“いいバンドだ”と思われる基準は?
村上「我があるかどうかというのが大きいです。「自分たちはこういうバンド」という思いを持っていて、それがきちんとステージや表情に出ているかどうかっていうのがすごく大事。ジャンルは関係なく、どんな音楽であってもすごく良いバンドだと思うのは表情ですね。生きてきた経験や葛藤してる思いとかを、楽器や声に出して音楽として表現したりするのに、表情が曇っていたり味気なかったら何も伝わってこないと思う。汗かいてビチャビチャになりながらでも、「俺こう思っとんねん」というのを、フロアとか関係なく、100%出せているバンドがカッコイイと思うんですよ」
──時代は変われど、そういったガムシャラ感をぶつけてくるバンドは今もいるんでしょうか?
加藤「いると思います。例えばライブの出演にしても、自分たちから直接連絡してくるバンドの方がやる気を感じる。こっちから言うよりも、ホンマに出たいという気持ちがあったら、自分たちからいかなあかんと思うし、それができるかどうかは大きなことだと思うんです。そんな人ともっと会いたいわって毎日思ってるけど、俺も待ってるだけじゃアカンので、バンドの子に紹介してもらったり、色々調べたりもするんやけど…なかなかやっぱりね」
【ファンダンゴ スタッフのこと】
「一緒に遊べるから信頼できるよね」(加藤)
「加藤さんはウェルカムが止まらないピュアな人」(村上)
──スタッフの方と仲良くなれると足も運びやすいかもしれないですね。ではそんなファンダンゴ スタッフについて。村上さんから見た加藤さんってどんな人ですか?
村上「本人の前で言うのもなんですが、アホなおっさんやなって。知り合って十年弱、働いて7年。かなりの年月が経っているのにずっと変わらないんですよね。どこかでシビアになったり冷たくされんのかなって思っていたら、ずっと「村上あそぼう!!!!」って(笑)」
加藤「酒飲んで、遊んでもうてる」
村上「大阪のパパというかね、今でも上司後輩ではないのかもと感じます。僕が提案する、遊びや音楽などなんでも、感情100で応えてくれるんですよ。面白い面白くないもそうですし、行ったほうがいいのか、やったほうがいいのか、音楽的に面白いのか面白くないのか、等身大で受けとめて答えてくれる。働き出して1年ぐらい経った時、自分が好きなファンクやパンクのバンドを呼びたくて、初めて企画させてもらったんです。このメンツやったらお客さん入らんかもって話しても「やろ」って言ってくれて。でも結局、腐るぐらい赤字で、アワアワってなったんですけど、ただ怒られるというより、「その日がお客さんにとってよかったんかな」という振り返りを重視しつつ、「やっぱりこれじゃあ俺らが飯食われへんからそういう部分を考えながらやろ。でも感じたこと忘れんなよ」って言われて。なんだか嬉しくて、その日はベロベロになって、ファンダンゴの裏のホコリまみれの床で一緒に寝ました」
──素敵なお話しですね(笑)。ベロベロになって一緒にというのはよくあるんですか?
村上「よくあります。この前も夜中3時ぐらいにファンダンゴに帰ってきたら店開いてて、楽屋に入ったら真っ暗な中で加藤さんが階段に横たわってて。声をかけたら「アカン、力尽きてたわー」って言って、そのまま寝っ転がって一緒に寝ました。傍から見たら「何してんねん」なんですけど、濃いんですよね。ブッキングする時もね、少し空き日があったら「どっか行こ!」って。事務所に二人しかいないのにちっちゃい声で言ってきたり(笑)。僕は、東北へ行ってる関係もあるので、「どこ行きます? じゃあ久しぶりに岩手行きますか」と、やりたいことをやりつつも、本気で遊んでます」
──何事にも全力なんですね(笑)。
村上「僕は出かけるプランを考えるの好きですし、移動しながらも美味しい店や銭湯探してというのをしてますね。365日中、360日ぐらい一緒にいるんじゃないですか?」
加藤「ファンダンゴに泊まっても一緒に風呂行って、桐麺ラーメン食うて、ちょっと食いすぎたな言うて、もう一回寝よかって…。今日何してたんやろ、はたして仕事してるんかなと思う時あるけどな」
村上「それがすごいんですよね。僕も年数が経って、顔みしりのバンドやイベンターさんと繋がり、直接会って感情をぶつけあえる人ができたりするうちに、いろんな人が加藤さんすごいなって言うんですけど、それってどんな年代にも出し惜しみせず100で対応しているからで。バンドやお客さんに対してもなんですけど、もうウェルカムが止まらないんですよね」
加藤「それ好きやな」
村上「僕が歳をとった時にそういう遊び方が一緒にできるんかなって思ったら、すごいですよね。加藤さんは、十代や二十歳そこそこのバンドにも「お前ら本気出せ、コラッ!」って打ち上げで怒ったりするんですけど、今の20歳ぐらいの子って大人世代と好きなことに対して話すってあまりないと思う。だから歳をとってもそういう時間を変わらず作ってくれるというのは貴重なことだと思いますね」
──きっとバンドの人たちも、びっくりしつつも嬉しいんじゃないですかね?
村上「半分、なんやのこいつって思ってるかもですけどね」
加藤「次の日酔い覚めたら、またいらんこと言うた…って思うもん」
村上「僕がケラケラ笑いながら、その時のことを話したら「最悪、あかんわ」って(笑)。でも、それがすごいなって。だいたい打ち上げって、1時間ぐらいでお開きを求めるようになるんですけど「もっと行くぞ!」って踊りながら、また次の店へ。たいがい二軒目行ったら加藤さんは寝るので、僕がいろんな話をする。他の場所がどういうのか知らないですけど、そんな濃い時間をずっと変わらず過ごせるのはすごく魅力的だなと。今でも新しいことや美味しいもの、いい場所の話をすると、「うわマジか、そんなんあったんか」って感動してくれる。物事やバンドに対しても、感じ方がピュアなんです」
加藤「まだまだ知りたいからな」
村上「横に小4いるような感覚ですからね。「これ美味しいな! これ旨い!」って。遠出した時も同じで、この間、石巻に行った時は「わかめうまーい!」、風呂行って「気持ちええなあ!!」って。酒飲んでカーッて寝て、「朝やで!」ってまたブイーンって移動して。ずっとピュアです」
加藤「これからもピュアでおろう!」
──無意識ですもんね(笑)。
加藤「そやねん。それが癖悪いねん」
【今後のファンダンゴに関して】
「楽しませる自信はあるんで気軽に遊びにきて」(加藤)
「直接的な驚きを発信する場所であり続けたい」(村上)
──来てくださるお客さんへ心がけられてることはありますか? また今後の課題点などがあれば教えてください。
村上「カラ元気ぐらいがちょうどいいですよね。ステージはもちろんですけど、受付やバックもライブハウスの魅力のひとつだと思うから。来てくれた時「いらっしゃい、いらっしゃい」みたいに、縁日に来たぐらいの面白さがライブハウスにあったら、昔のようにぷらっと来られるお客さんが増えるんじゃないかと思いますね。元気なおっちゃんいるから面白い、美味しいお酒あるからなど、それらが積み重なったら来てくれる理由になると思うので」
加藤「バンドの人もお客さんもそうですけど、時間割いてきてくださるので、面白い思いをさせてあげないと、だんだんダメになると思うし。お客さんってライブハウスには日常生活とは違う、異次元のようなものを期待してるんじゃないかなと思うから。どれだけ楽しい思いをしてもらえるか、落ち着きではない居心地のよさを感じてもらえるか、ね」
──中には、元気になりたいからっていう理由でライブに来られる方もいらっしゃいますもんね。
加藤「そういう気持ち、大きいよね」
村上「忙しかったら二人受付がいるんですけど、どっちかに必ず加藤さんがいて、お酒を片手にライブをずっと見てる。お客さんからしたら、店員が酒飲んで見てるってどうんなんて思う人もいらっしゃると思う。でも加藤さんからしたら、「お客さんと一緒じゃなきゃ良さ分からへん」と。「呑んで一緒のフロアで観て、その時に良いか悪いかやから」って」
加藤「呑みたいがための言い訳(笑)」
村上「なんてカッコイイ言い訳や(笑)。でも僕も観てて呑みたくなるライブって、良いと思うんですよね。ええ1日ほど、打ち上げの時も軽い動きしてますもんね」
加藤「次の日しんどいねんけど、打ち上げ行って呑んでしまうねんな。そういうバンドって、喋れていい話が聞けたりするから、やっぱり楽しいし」
──なるほど。では、今後ファンダンゴとして音楽シーンをどのように盛り上げていきたいですか?
加藤「村上が答えます」
村上「ずっと前から感じるのは、今はネット文化になっていて、そこに行かんとわからへんっていう状況がほぼないこと。好きな情報は知れるし、どんな音なんやろって思えばすぐ聴ける状況なんですけど、時を経れば、直接的がやっぱりイイよねってもう一回戻ると思うんです。ネットは便利だし自分も使うので、宣伝のツールとしてあり続けると思いますが、やっぱりライブハウス行かんと駄目よねっていう感じを再燃させたいです。ライブって、いい意味で事件性やと思うんですよ。僕はブッキングイベントを企画する時に、このバンドを好きな人はこういうバンドを観たらちょっと衝動が生まれるんじゃないかとか思っていて。飛び道具的な要因というか、そういう出会いは動画サイトにはできないと思う。「何この人!!」っていう直接的な驚きを発信する場所が、僕らライブハウスだと思うんです。わけの分からんツーマンとかやり続けていったら、一割に満たなくても、その人の人生ゴロっと変わる出来事になる気がする。実際僕は、“ハードコアとかパンクバンドしかバンドじゃない”ぐらいの感覚だった時期がありましたが、ファンダンゴに来て色々変わったし、弾き語りでもパンク・マインドを持ってる人とも出会えたし。ジャンルを全部崩されたのはライブハウスでライブを観てなんです。もっともっと若い子たちにそういう感じを味わってほしいですし、バンドにも、もう一回そこで自分を作ってもらい音に反映させてほしいなと。いいイベント組んだらバンドも成長してくれますからね」
──素晴らしいですね。では、最後にファンダンゴに来てくださるお客さんに対してメッセージを。
加藤「やっぱりね、ちょっと気になったことがあったら、遊びに来てもらいたいだけかな。楽しませる自信はあるんで、と偉そうに言うときます(笑)」
村上「審査員ちゃうねんから、もっとラフでいいよと最近思うんですよね。せっかく時間割いてこんな街に来てるんやから、もうちょっと呑んで騒いで気楽に観てほしいです。お酒が呑めない人は無理しないで欲しいですけど、クターっと酔っ払いながら音を聴いて騒ぐ場所なんですよね、ライブハウスって。たまに居られますが、めっちゃ床汚かったり、酔っぱらってる子がいたら、そっちのほうが「いい一日やったんやな」とホッとする。ただただ弱いだけだったら困りもんですけど、よく来られて呑まれてるのに「今日この人ベロべロになってる」とかだったら、そんな状態になるほど楽しんでくれたんやってちょっと嬉しいですよ」
加藤「楽しみすぎて、目当てのバンドを観られずに撃沈してしまっている人もいるもんね。「もう終わったん?」って(笑)」
──そういうお客さんが増えたら面白いですね。活性化にもなるし。
加藤「街も盛り上がるし」
村上「僕らがライブハウスに行ってた頃は、そんなんばっかりでしたよ。もっと、グチャグチャで汚い場所だったけど、ココにしかないもんが得られる充実した場所でしたからね。
クタクタになってベロベロになっても後処理はしますので思いっきり遊びに来てください(笑)」
text by 小西麻美
(2017年6月 5日更新)
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