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“君ともう一度ワクワクしたいんだ”
これが僕らのニュースタンダード=『トーキョーダイブ』!
東京カランコロンが『ワンマ ソフェス in 大阪』前に
バンドの再起動と現在を語るインタビュー&動画コメント

 躍動するビートと絡み合う男女ツインボーカルが、疾走感を加速させるポップミュージックのエネルギーが、このバンドが再び前に動き出したことを明確に示している。昨春の日比谷野外音楽堂でのアニバーサリーワンマン以降、バンド内で幾度なくガチンコのミーティングを繰り返し、“東京カランコロンたる所以”をあぶり出した5人の回答。それが、レーベル移籍第1弾となるワンコインシングル、『トーキョーダイブ』だ。そのリリースツアーファイナルとなる主催イベント『ワンマ ソフェス in 大阪 ~外でーないとフィーバー☆~』を前に、“東京再起動”という秀逸なコピーを掲げ、絆と情熱を取り戻しシーンへと舞い戻った東京カランコロンのいちろー(vo&g)とせんせい(vo&key)が、この1年のバンドの内部事情を赤裸々に語るインタビュー。5月3日(水)には早くも2枚目のワンコインシングル『ビビディバビディ』がリリースされるなど、この心躍るアップデートはまだまだ終わりそうにない。

 
 
間にいろんなものを介さずに、ストレートに、自由に、
自分たちの意志が直で世の中に出るような形ができるかもって
 
 
――“東京再起動”と銘打ってリスタートするに至った過程をまずは聞きたいなと。
 
いちろー(vo&g)「去年の4月にアニバーサリーのワンマンライブが日比谷野音であったんですけど、自分たちの環境も結構ゴチャゴチャしてたので、そこで1回区切って、改めてここからどうしていくのかをずーっとみんなで話し合ってたんです。今まではいろいろとやりたがりのバンドだったんですけど、ここで“これが東京カランコロンだ!”っていうスタンダードを提示したい気持ちがすごくあって。自分たちが飽きずに続けられて、かつそれがお客さんにとっても違和感がないものは何なのか。アルバムを何枚も出していく中でメンバー間の意見も違ったりしてたんで、“こうかも”っていうものが見えるまで半年ぐらい掛かったんですよね。そのタイミングで新しいレーベルを立ち上げてもらえる話があったんで、間にいろんなものを介さずに、ストレートに、自由に、自分たちの意志が直で世の中に出る形ができるかもって。ただ、レーベル移籍っていうだけじゃ自分たちの気合がイマイチ伝わりにくいなと思ったんで、’17年は“東京再起動”というプロジェクトをやります!ってハッキリ言っていこうと。元々は、『トーキョーダイブ』の仮タイトルだったんですけど、スタッフの人が“この言葉には気合いを感じる”って。そういう流れですね」
 
せんせい(vo&key)「去年1年で大きい収穫やなと思ったのが、私といちろーさん以外の3人がすごく積極的になったというか。私といちろーさんがお互いにすごく意志が強いんで、“これがいい! あれがいい! こうしたい! こういう感じで弾いて!”とか言ってたんですけど、3人にも意見がしっかりあって、それをちゃんと伝えてくれるようになったのは変わったところかなって。それが曲にも表れてるし、今の東京カランコロンを作ってる大きい力というか。3人の力でこんなにも変わるんやって、今はすごく感じてます。私らも頼りたいって思えるようになったし、頼ってもいいんやとか、こんなに頼ってくれるんやとか…歌詞を書いてる私たちに対して、ヘンに気を使ってた部分も絶対あると思うから、逆にそれがそれぞれをちょっと窮屈にしてたのかなって、全員が気付いて」
 
――東京カランコロンの今後の指針を、具体的に言葉にすると?
 
いちろー「今までは、悪く言えばインテリっぽいというか、音楽的にもっとややこしいことをやっていく方向と、もっともっとシンプルにしていく方向と、みんなの趣味も含めてその間を取っていく感じだったし、それぞれのエゴを優先させることが多かったんです。けど、まずは“いいメロディがあって、それをツインボーカルで歌う”ことを最優先しようって。そこさえブレなければ、あとは各々が遊ぶところは遊ぶし、出るところは出るし、引くところは引くっていうことを、わざわざ言わなくてもみんなが共有してるんで、そういうエゴをいちいちぶつけ合う必要がなくなったというか。そこが一番デカいのかなって。本当に半年間話し合い続けたので、結構しんどい時期ではあったんですけどね。いや~本当に、もう結論は出ないのかなって思った」
 
せんせい「それまではとにかく曲を作る、ライブをする、リリースが終わったらツアー、ツアーが終わったら制作って、ずーっと駆け抜けてきてたから、足を止めることが全くなくて。野音が終わったタイミングで話したときに、お互いに何を考えてるのかをようやく知って…みんなでぶつかったりもしたし、でもそういうことが絶対に大事やから、リリースを遅らせてでも5人の考えとか意志とか、大切にするものが分かるまで絶対に話した方がいいって。“もっと話さな”みたいな気持ちにさせてもらいましたね」
 



めちゃめちゃ辛かったけど、苦しかったけど
あのときがあったから今がある
 
 
――そうやって方針が決まって『トーキョーダイブ』(M-1)が生まれて。この歌詞は5人で書いたとのことですけど、作曲はスタジオのセッションから生まれたらそういうこともあり得るけど、歌詞でそれはなかなかないのかなと。
 
いちろー「せんせいと僕が各々歌詞を書いてみたんですけど、やっぱりお互い個人のイメージが出過ぎて。今回は“東京再起動”の第1弾だから、バンドとしての意志が表明されてないとダメだなとはみんなが思ってて、メンバーの意見をいろいろピックアップして作業していくうちに、もう完全にどっちかが作ってるものじゃなくなったんですよね。だから、見せ方としてそうしてるというよりも、今の自分たち5人のテンションが、事実上そうなってる表れなんですよね。だいたいそれぞれが意見を言うとまとまらないことが多いんですけど、今は例え自分に強い主張があったとしても、“そうかもしれない”って思わせてくれる信頼感がみんなにあるんですよ。各々の意見にエネルギーを感じるからこそむげにはできないというか、やっぱりお互いの心に響いてるので。その中でみんなで“じゃあこれがベストじゃない?”っていうものを選択していくことが、今はそんなに回り道をせずにできてる感じですかね」
 
――今はバンドとしていい状態ですけど、“もう無理だ”とはならなかった?
 
いちろー「何度もあるよね?(笑) でも、やっぱりせんせいと僕の中でそれが起きることが多かったですかね」
 
せんせい「話し合ってるときに共倒れみたいなことがあって、ブワァ~ッ!って言い合って、3人はそれをずっと聞いてて、2人ともバタッ!みたいな(笑)。そのときに3人が“あ、ヤバい”みたいな感じになって、そこから何かが変わった。私たちも力を全部出し切っちゃって弱ったけど、その分3人が強くなったかな。今でもあのときのことは覚えてる。めちゃめちゃ辛かったけど、苦しかったけど、あのときがあったから今があるのをすごく感じるから」
 
――でも、それだけ激しく意見をぶつけ合える関係もなかなかないですよ。そんな中から生まれた『トーキョーダイブ』は、本当に新たな幕開けにふさわしいというか、“君ともう一度ワクワクしたいんだ”っていうラインが全てで。
 
いちろー「今まではリリースのペースも早かったし、その都度全力投球するんですけど、何で音楽をやってるのか、ちょっと分からなくなる瞬間はやっぱりあったから。それには、自分たちが今こういう音を鳴らしたくて、こういうことを伝えたいからやってるんだって再認識しないと、アウトプットはできないんで。『トーキョーダイブ』は幕開けの曲でもちろん大事なんですけど、ここから自分たちが出していくもので判断してほしいというか。自分たちの決意を、今年1年の、もっと先の自分たちで見てほしい気持ちはあります」
 
 
ライブを観に行くというよりは
お祭りに行くみたいな感覚で来てくれたら嬉しいなぁって
 
 
――C/Wには『ランチにお得なインディーズ縛りライブ「いっとく?」全曲収録音源』(M-2)が入っていますね。
 
いちろー「インディーズ時代の曲限定ライブを今までやったことがなかったのもあったし、とにかくライブ音源を入れたいというか、せっかくの再起動第1弾だからゴージャスなものにしたくて。じゃあそういうワンマンをやって収録すればバッチリじゃんっていう感じでしたね」
 
――この楽曲群を聴いてるとオリジナリティをすごく感じるというか、不可思議なのにポップであるところとか、ある意味整頓される前のドロッとした部分があって。『マドモアゼルと呼んでくれ』('10)とか、いったいどうやって作ったんだ?って改めて思ったり。何やねんこの展開はと(笑)。過去の自分たちの曲を聴いて何か思いました?
 
せんせい「これをステージの上で堂々とやってたと思うと、“怖いもんなしやなこの人たち”みたいな(笑)」
 
いちろー「よくこんな曲を思い付いたなっていうのはたくさんありますよね(笑)。でも、やっぱりカッコいいなと思えたり、長ぇなとかいろいろ感じるところはあったんですけど、意外と楽しかったですね。それは当日のお客さんにも伝わってると思うし、何となくのスピリットはやっぱり同じなんだなって感じるんで。それは気付いたというか、やってみて思ったんですよね」
 
――実質2曲と言えども特盛ですけど、お値段は売れば売るほど赤字覚悟の500円と(笑)。聴いてもらいたい気持ちが伝わってきますね。そして、東名阪でライブもあって、大阪は『ワンマ ソフェス in 大阪 ~外でーないとフィーバー☆~』が服部緑地野外音楽堂にて行われます。
 
いちろー「すごく緑が多いところなので、いわゆる普通の汗かいてドーン!みたいな野外フェスというよりは、音楽を純粋に自由に楽しんでもらえるようなイベントにできたらいいなって。『ワンマ ソフェス』は不定期でやってるんですけど、本当にいいと思う人を呼んで、いろんなジャンルがごちゃ混ぜになったらいいなと思ってるので、そこで何か出会いがあればというのもあるし。当日は『トーキョーダイブ』はもちろん新曲もやるつもりなんで」
 
せんせい「普段はライブハウスに来れない子供連れの人たちも楽しめるような、ライブを観に行くというよりは、お祭りに行くみたいな感覚で来てくれたら嬉しいなぁって」
 
――“東京再起動”以降、ライブに向かう気持ちは何か変わったりしました?
 
いちろー「去年は本当にいろいろ試したんですけど、去年の暮れぐらいに、メンバー各々がストレスなく、素直にやれる形を何となく見付けて。キャラクターはバラバラだけど、同じ方向にエネルギーを放ってるライブが今はできてると思うので。最近、僕らのライブを観てないっていう人にも、また観てほしい気持ちもありますね」
 
――最後に再起動以降の野望をそれぞれに語ってもらいたいなと!
 
せんせい「いろんな人と関わることもそうやし、ホールもすごい楽しかったし、日比谷野音もそう。そういうことを改めてもう1回やりたいなって。そこに対して、もっとやれたとか、もっと喜ばせたかったみたいな後悔が、自分の中にはちょっとあるんで。だから“もう1回やりたい”っていうのは、すごい思ってます」
 
いちろー「デビュー10周年のときには、トリビュートアルバムを出されるぐらいでありたいなと。そこまではちゃんと、“いい曲を作ってるな、ずーっと”って思われていたい。それにはもうストイックにというか、地道にいい曲を作り続けていきたいなと思ってます!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2017年4月21日更新)


Check

Movie Comment

再起動計画&大阪オススメスポット(笑)
いちろー&せんせいからの動画コメント

Release

エネルギーとポップセンスが爆発する
タイトル曲と長尺ライブ音源で500円

Single
『トーキョーダイブ』
発売中 500円(税別)
TALTO
TLTO-001

<収録曲>
01. トーキョーダイブ
02. ランチにお得なインディーズ縛りライブ「いっとく?」全曲収録音源

Profile

とうきょう・カランコロン…写真左より、せんせい(vo&key)、かみむー氏(ds)、おいたん(g)、佐藤全部(b)、いちろー(vo&g)。‘09年5月より現編成にて活動開始。’12年8月、ミニアルバム『ゆらめき☆ロマンティック』でメジャーデビュー。以降もコンスタントにリリースを続け、’15年には初の東名阪ホール公演を含む『ワンマ んツアー2015』を開催し、ファイナルの中野サンプラザ公演を大盛況に終えた。’16年1月には2枚組フルアルバム『noon/moom』をリリース、4月にはリリースツアーファイナルとなる『東京カランコロン 祝!結成2534日アニバーサリーだよ全員集合! in YAON』を日比谷野外音楽堂にて開催。’17年2月1日にはshibuya eggmanのレーベルmurffin discs内に発足した新ロックレーベルTALTOより、ワンコインシングル『トーキョーダイブ』をリリース。

東京カランコロン オフィシャルサイト
http://tokyokarankoron.com/

Live

再起動の東名阪ツアーファイナル
大阪公演は野外で主催フェス!

 
『東京再起動ツアー』

【東京公演】
チケット発売中 Pコード318-490
ワンマん ~スクールナイト編~
▼4月8日(土)18:00
ワンマん ~アダルトナイト編~
▼4月9日(日)18:00
shibuya eggman
立見3500円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※未就学児童は入場不可。ドレスコードあり。詳細は問合せ先まで。

【愛知公演】
~TALTO ナイト編~
チケット発売中 Pコード317-905
▼4月14日(金)19:00
池下CLUB UPSET
前売3500円
[共演]SAKANAMON/マカロニえんぴつ
ジェイルハウス■052(936)6041
※未就学児童は入場不可。

 

Pick Up!!

【大阪公演】

『ワンマ ソフェス in 大阪
~外でーないとフィーバー☆~』
チケット発売中 Pコード318-335
▼4月22日(土)13:00
服部緑地野外音楽堂
全自由3800円
[共演]Shiggy Jr./愛はズボーン/
山田将司(THE BACK HORN)/
Polaris/シナリオアート
清水音泉■06(6357)3666
※雨天決行・荒天中止。小学生以上は有料、未就学児童は大人1名につき1名まで無料。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら



Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「メジャーデビュー以降も案外一度もインタビューしないまま時が経って…みたいなパターンもちょくちょくあるんですが、東京カランコロンも実はそうで。でも、案外周りはつながってたり、いちろー(vo&g)くん単独ではやってたりと寸止めおあずけ状態だったのが、ここにきて遂に初取材ですよ。そんな縁を運んでくれた『トーキョーダイブ』は、聴いててバンドの血が入れ替わったのが分かるというか、生命力とワクワク感がパネェです。やっぱ音楽に出ちゃうよな~いいことも悪いことも。僕がこうやって彼らとつながったように、“東京再起動”でカランコロンと新たに接点ができていくリスナーもこれからたくさんいることでしょう。改めて過去の曲とか久々に聴いてみても、やっぱりちょっとおかしいわこのバンド(笑)。一筋縄ではいかないくせに痛快ポップな彼らのワンコインシングル。コンビニで知らない間に使っちゃう500円なら、こっちの扉を開けても絶対に後悔はさせませんよ~!」