ホーム > インタビュー&レポート > アイドルとバンドが垣根を越えて対バン! PassCode、Edge Dub Monkeyz、 yonige、HERO COMPLEXの4組による イベント『IDOL vs BAND』をレポート!!
HERO COMPLEX
イベントの先陣をきったのは北九州発のスリーピースバンド、HERO COMPLEX。ステージに上がった瞬間から、鼻息を荒くした気迫が伝わってくる。のっけから、やす(ds)の激しいドラミングに押し上げられるようにして、力強いナンバーを投下。
ハスキーな声で訴えかけるようにして歌うしんぺー(vo&b)と、爽やかな歌声を届ける風太(vo&g)のツインボーカルをスイッチさせながら、ストレートな日本語詞と英詞が織り交ぜられたメロディック・パンクを畳み掛けた。かと思えば、温かみのある楽曲をエモーショナルに歌い上げてはしっかりと聴かせる緩急で、観客をグイグイと引き込んでいく。この日の前日には、セカンドアルバム『Keep on going.』をリリースしたばかりとあって、収録曲の中から『チャレンジャー』など熱のこもったメッセージソングを披露。“負けたくなかった絶対/負けられなかった絶対に”と叫ぶ姿には、トップバッターとしての気概だったり、これからアルバムを引っ提げてシーンで闘っていく決意が伝わってきて胸が熱くなる。
ラストまでライブバンドとして真っ向勝負を貫き、しっかりと歌を届けたいという真摯な姿勢が印象的だった。
yonige
続いて登場したのは、寝屋川発の2人組ガールズロックバンド、yonige。「大阪寝屋川のyonigeです。よろしく!」と、牛丸ありさ(vo&g)の挨拶から『センチメンタルシスター』でライブがスタート。ごっきん(b)が髪を振り乱しながらベースを鳴らした『恋と退屈』では、“死に損ない死に損ない死に損ない”と強烈なフレーズを繰り返しては、沸き立つ激情を解き放つ赤裸々な楽曲をぶつけていく。「小さい箱(ライブハウス)で交わることがなかったから、今日ここでアイドルとライブができて嬉しいです」と牛丸が告げて、めったにない対バン企画を観客と共有できていることを喜び「最高の週末を」とつぶやく。
そんなMCから披露されたのは『バッドエンド週末』。ハッピーエンドな予定調和では終わらせない流れにゾクゾクしてしまう。さらに、ホームタウンの寝屋川を想って作ったという4月19日(水)リリースの新作『Neyagawa City Pop』から新曲も披露。
鮮やかなサウンドと、どこか淡く切ないポップスでフロアを包み込み、観客の心を躍らせる。牛丸が「“アイドルがなんぼのもんじゃ!”とか言いたかったけど、実はアイドルがめっちゃ好きなんです。エンターテインメントの鏡だと思います」と後攻の2組を讃えるMCから、ラストは『さよならアイデンティティ』へ。途切れてしまいそうなほど哀しい声でエモーショナルに歌いあげて、ステージを後にした。
Edge Dub Monkeys
これまでのバンドライブとは打って変わって、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)で観客を躍らせたのは5人組ガールズグループのEdge Dub Monkeyz。この日は、青木詩絵が体調不良のため不在であったにも関わらず、毅然としてステージに立つ4人。さらには、2月11日をもって現メンバーでの活動はラスト。
一時活動休止がすでに決まっていたこともあり、メンバーからは悔いのないようにと全力パフォーマンスで観客と向き合おうとするエネルギーを感じた。重厚なEDMサウンドに合わせて歌って踊り、「踊れーッ!」と会場を煽りながら、会場をダンスフロアへと変えていく。そろい踏みのステップをキメたかと思えば、『SAPE ON』、『THE PARTY type-0』、『WALK』、『KIRAMIJA』と途絶えることのない重低音に身を委ねて、観客と同じようにメンバーそれぞれが好きなように踊ったりポーズをとる場面も。ラストスパートの『愛してた(short)』、『EDM DOLL (後半高速ver)』では、「かかってこいや!」、「本気でぶつかってこいよ!!」とシャウトしながらフロアを波打たせるクライマックスに。コール&レスポンスも成功させ、パーティーチューン連発のアグレッシブなステージを終えた。
PassCode
トリを務めたのは、関西発4人組アイドルグループのPassCode。メジャーデビュー・シングル『MISS UNLIMITED』でライブをスタートさせると、すかさず疾走感溢れる『AXIS』を披露。のっけからアイドルらしいポップさと、ラウド・ロックなバンドサウンドを兼ね備えたナンバーを畳み掛けていき、瞬く間に興奮の渦を巻き起こす。キュートなルックスとは裏腹に、絶え間なく激しいステージングが繰り広げられるとフロアには異様な熱気が立ち込め、力強く握りしめた拳が続々と上がりクラウドサーフが巻き起こるほどもみくちゃの大盛り上がりに!
『TRACE』では、大上陽奈子らの突き抜ける歌声と、アイドルの固定概念を切り裂くような今田夢菜の壮絶スクリームが入り混じる。倒れこむほどのスクリームを見せつける今田だが、次の瞬間にははち切れんばかりの笑顔でダンス。アイドルという存在を超越したなりふり構わぬロック・スピリッツと、アイドルならではの眩いパワーの両刀使いにはとにかく圧倒させられる。ラストには、南 菜生が「アイドルとかバンドとかに、こだわっていたのは私たちの方かもしれません。今日はそんなこと関係なく、楽しんで帰りましょう!!」と呼びかけ、『Seize the day!!』で美しいハーモニーを届けて大団円を迎える。ジェットコースターのように展開する怒涛のパフォーマンスを仕掛けながらも、最後まで笑顔を絶やすことなく、バンドとアイドルの壁をぶち壊す前のめりなアクトでイベントを締めくくった。
text by 大西健斗
photo by 河上良
(2017年4月 6日更新)
EP
『Neyagawa City Pop』
4月19日(水)発売 1620円(税込)
small indies table
SIT-1004
<収録曲>
01. our time city
02. さよならプリズナー
03. 悲しみはいつもの中
04. しがないふたり
05. 最愛の恋人たち
Single
『bite the bullet[初回限定版DVD付]』
4月19日(水)発売 30000円(税込)
ユニバーサルミュージック
UICZ-9091
<収録曲>
01. bite the bullet
02. カタルシス
チケット発売中 Pコード328-199
▼4月12日(水)18:00
BRONZE
オールスタンディング2000円(ドリンク代別途要)
[出演]PassCode/ハルカミライ/THE GAME SHOP/NEVERSTAND
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]BRONZE■06(6282)7129
yonige Presents
「Neyagawa City Pop Tour」
【大阪公演】
▼5月8日(月)寝屋川VINTAGE
【宮城公演】
▼5月11日(木)仙台enn2
【北海道公演】
▼5月17日(水)札幌BESSIE HALL
【福岡公演】
▼5月26日(金)福岡Queblick
【広島公演】
▼6月2日(金)広島SECOND CLUTCH
【東京公演】
▼6月19日(月)渋谷CLUB QUATTRO
【愛知公演】
▼6月20日(火)名古屋CLUB QUATTRO
5月13日(土)発売 Pコード321-472
▼6月22日(木)19:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング2800円(ドリンク代別途要)
[共演]有
[問]サウンドクリエーター■06(6357)4400
『“bite the bullet” Short Tour 2017』
【東京公演】
▼6月28日(水)東京LIQUIDROOM
【愛知公演】
▼6月30日(金)名古屋CLUB QUATTRO
【大阪公演】
▼7月29日(土)umeda TRAD(前AKASO)