ユーミン、玉置浩二、久保田利伸、米米CLUB、スガシカオ…
数々の歌声を支える日本最高峰のコーラスグループAMAZONSが
結成30周年記念盤を手に久々のツアーでビルボードライブ大阪へ!
『Fantastic 30』インタビュー&動画コメント
‘85年に結成。ソウルフルなハーモニーとダンスで、松任谷由実、久保田利伸、玉置浩二、安全地帯、米米CLUB、藤井フミヤ、スガシカオ、Chageといった錚々たるアーティストのバックコーラスを務めながら、グループとしても数多くの作品を発表してきたAMAZONS。結成30周年を記念して昨年リリースした久々のミニアルバム『Fantastic 30』では、ともに数多くの現場で活躍してきたプレイヤーたちが集うC.C.KingやBIG HORNS BEEのメンバーを制作陣に迎え、全編英語詞によるファンク~ディスコ色の強いサウンドで日本最高峰のコーラスグループとしての実力をファンキーに発揮している。そのゴージャスな新作に参加したメンバーが勢揃いしてのライブを、3月14日(火)ビルボードライブ大阪にて開催するTOKO(吉川智子)、KUMI(斉藤久美)、YUKO(大滝裕子)の3人に話を聞いた。
今回は3人でもう“ファンクとディスコだよね”という話になって
やりたいことがそのまんま形になったし
曲もジャケットも含めて最高の作品ができた
――昨年リリースされた結成30周年記念ミニアルバム『Fantastic 30』は、AMAZONSとしてはかなり久々のレコーディング作品になったと思いますが。
TOKO「もう10年ぶりですね。今回のアルバムは、レーベルとかも関係なく自分たちの手で作ろうと思っていたので、ミュージシャン選びから作詞・作曲を誰に頼むのか、スタジオをどこにするのかも全て自分たちで決めて。結局は、C.C.KingやBIG HORNS BEEといった仲間の協力もあって完成させることができました。ただ、レコーディングは割と早い段階で終わっていたんですが、初めてだったので知らないこともいっぱいあって、JASRACに申請したりバーコードをどうやって取るのかなどで時間がかかってしまって(笑)。でも、30周年をきっかけにこうして新たな一歩が踏み出せたので、この先はコンスタントに発表していければと思っています」
――サウンド的には、全曲英語詞による70年代のディスコ~ファンク色の強いサウンドで、3人の原点にある音をストレートに打ち出した作品になっています。
YUKO「そうですね。コレも実は初めてみたいなもので、今までにやっていそうでいなかった感じになっています」
TOKO「以前はいろいろな人の意見を取り入れながら作っていたんですけど、今回は3人でもう“ファンクとディスコだよね”という話になって。曲ができた時点でも“英語詞だよね”と意見が一致して、やりたいことがそのまんま形になったし、曲もジャケットも含めて自分たちの中では最高の作品ができたと自負しています」
――ジャケットの写真は、世界的に活躍するレスリー・キーですよね。
TOKO「元々彼はユーミンの熱烈なファンで、彼女の誕生日パーティーが大々的に行われたときに私たちもお呼ばれしたんですが、そこで彼を紹介したもらって、私たちがユーミンのショーに出たときのステージも観てくれていたのが分かって。当時、彼が制作していた写真集で撮らせてくれないかという話になって。もう5~6年前の話ですけど」
YUKO「で、そのときに撮ってもらった写真がすごくキレイだったから、“コレをジャケットに使っちゃう?”ということで彼に連絡したら、“いやいや、僕はAMAZONSのことが大好きだし30周年のお祝いだから、また僕が撮るよ”と言ってくれて、新たに撮り下ろしてもらったんですよね」
――楽曲面でも、金子隆博、森俊之、松原秀樹といった米米CLUBやスガシカオなどで共演してきた日本の音楽シーンに欠かせない精鋭たちが手掛けていて、70年代のファンク~ディスコ的なグルーヴに対する愛情に溢れた音も、リアルタイムで体得してきた人たちならではの説得力や柔軟性があります。
TOKO「私たちがホントにディスコ通いしていた頃の感じの楽曲もイイし、他にも『Precious Melody』(M-3)のようなバラードも聴きどころで。80~90年代に作ったアルバムでは、誰かがソロをとって他の2人がサビなどでハモる曲が多かったんですけど、“3人でずっとハモるバラードを一度歌ってみたいよね”という話になって、それを森くんにリクエストして書いてもらった曲なんです。今回のアルバムで曲を書いてくれた人はみんな、AMAZONSのことをすごく分かってくれている人ばかりなので、私たちの希望をうまく捉えていい曲を書いてくれましたね」
名古屋と大阪はライブ自体がすごく久々ですし
3声のハーモニーに4管のホーンも入ってのゴージャスなライブは
自分たちも初めてなので、ぜひ皆さんに観てもらいたいなと
――今でこそR&Bの女性トリオやボーカル&ダンスグループというのは一般化してきましたけど、デビュー当時にはAMAZONSのようなグループは稀な存在でしたよね。
TOKO「私たちより前の世代まで遡ると、シュプリームスやスリー・ディグリーズのようなグループもいましたけど、当時はいませんでしたね。特に目標にしている存在もいなかったし」
KUMI「日本一のバックコーラスグループになるのが夢だったくらいで」
――80年代後半に久保田利伸のバックで歌われていたときのインパクトが強烈ですが、ソウルっぽいもの一辺倒ではなく、ポップスやジャズ色の強い音楽も幅広く歌いこなされてきましたし。
TOKO「例えば、シンガーズ・アンリミテッド(※ジャズ・コーラスの最高峰グループ)みたいなキレイなハーモニーも好きだったんですけど、3人の声がどちらかと言うとファンキー系のパワフルな響きだったので、テレビの現場などでもブラック系のサウンドを特集するときに呼ばれることが多かったですね。なので、ビブラートをブイブイ効かせてガオ~ッと歌う場面が多かったんですけど(笑)、現場によっては静かに歌うこともあって、いろいろな引き出しをバックコーラスの仕事で培えてよかったですし、そこで学んだことをAMAZONSに取り入れて曲を作ったりもできたので。30年を振り返ると(通常のミュージシャンの)倍楽しめたのもよかったと思います」
――80年代の久保田利伸や米米CLUBから、近年はスガシカオやChage、藤井フミヤまで、バックコーラスだけでもかなりの音楽的な振れ幅ですよね。
TOKO「そうですね。割と同世代の音楽家が並ぶんですけど、この前シンガーソングライターの前野健太くんと一緒にやったのは面白かったですね」
KUMI「Chageさんのフェスに出ていて知り合ったんですけど、そこですごく気に入ってくれて」
TOKO「私たちもこれまで一緒にやったことのないタイプだったので面白かったし、曲作りも斬新で刺激をいっぱい受けましたね。彼はすごく自由に歌うし、曲によってはどうハモればいいのか分からない曲もありましたけど(笑)、ミーティングをして彼がどういうものを求めているのかも見えてきて、アレンジを進めるのも楽しかったです」
KUMI「マエケンは歌詞も独特ですけど、『ファックミー』(‘13)でもちゃんとハモりました(笑)」
――そんな30周年を機に活発化しているAMAZONSの活動ですが、3月14日(火)にはビルボードライブ大阪で、『Fantastic 30』のレコーディングに参加した豪華メンバーが勢揃いしてのライブが行われます。
TOKO「名古屋と大阪はライブ自体がすごく久々ですし、3声のハーモニーに4管のホーンも入ってのゴージャスなライブは自分たちも初めてなので、ぜひ皆さんに観てもらいたいなと思っています。新しいアルバムに入っている曲をそのまま再現できるのはもちろん、昔の曲でも“アレは絶対に聴きたい”というのはだいたい分かるので(笑)、新曲と昔の曲を半々くらいでお送りできれば。また、80~90年代にアマゾンズの楽曲アレンジのほとんどを手がけてくれた清水信之さんもギターで参加してくれるので。20周年のときはあまりにも80年代っぽいのでリアレンジしてもらったところがあったんですけど、逆に今回は昔の楽曲をそのままよみがえらせたアレンジで聴いてもらおうと。なので、なかなか貴重なセットになると思います」
(2017年3月 9日更新)
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