「絶対に僕と同じ気持ちの人が
こういう音楽が必要な人がいるはずだ」
ココロオークションの使命感が導いた、寂しがりやのための音楽
『CINEMA』インタビュー&動画コメント
「いっぱい迷って…やっと歌いたいことができた」。大阪福島2nd LINEでの初ワンマンライブで粟子(vo&g)がそう語ってから約3年後の昨年、ミニアルバム『CANVAS』で遂にメジャーデビュー。多くのバンドをメジャーへと送り込んだ“関西イチゼロ世代”シーンより、独特の倍音を含んだ印象的な歌声とメロディアスな正統派バンドサウンドを武器に、全国各地のライブハウスやサーキットイベントへと侵攻するココロオークションが、メジャー2作目となるミニアルバム『CINEMA』をリリースした。夏の短編小説MVシリーズ『蝉時雨』(‘14)『夏の幻』(‘14)『雨音』(‘15)は累計再生回数が270万回を超え、昨年末には東名阪の大型フェス『COUNTDOWN JAPAN 16/17』『RADIO CRAZY』『MERRY ROCK PARADE』に初出演を果たすなど、1つずつ、ゆっくりと夢を叶えてきた彼らの旅路であったが、その水面下で生まれていたフロントマン粟子の苦悩とは――? 華やかなシーンの裏側で何度も敗北を経験し、その都度地道に乗り越えてきたバンドが今改めて、“歌いたいこと”が、あなたのための音楽が、『CINEMA』には込められている。心の揺れも弱さも隠さずに語ってくれた、不器用で誠実な音楽家の言葉に、耳を傾けてほしい。
“僕ら4人で作った音楽も、ちゃんと音楽だった”って思えた
――去年はデビューイヤーというのもあるけど、本当にすごい1年で。テンメイ(g)が正式加入してメジャーデビューして、夏には『RUSH BALL 2016』にも出られたし、締め括りも『FM802 RADIO CRAZY 2016』と『COUNTDOWN JAPAN 16/17』とは。
粟子(vo&g)「本当にたくさんの人のお陰で、このステージに立ててるんやなって感じながらやりましたね。毎回、感謝してライブができたというか」
大野(b)「ライブ前の心境はだいぶ変わった気がします。今まではメンバー4人と民やん(=マネージャー/『見放題』代表)さんと、っていう意識が強かったんですけど、関わる人が山ほど増えたんで、チームとしてみんなが幸せになるにはどうしたらいいんやろう?みたいに、今までは考えもしなかったことを考えるようになりましたね。ただ、ミニアルバム『CANVAS』(‘16)でデビューしても、アニメのタイアップが云々とかではなく今までの活動の延長線上にあったし、階段は上がっているけど何段飛ばしするわけでもない。でも、年末のフェスとか夏の『RUSH BALL』に出て、やっぱりチャンスは多大に与えられてるんだなって思いましたね」
粟子「同時に、自分だけの音楽じゃない怖さもすごくあるというか。ライブ前に身体が震えるじゃないですけど、下手なライブはできへんなっていうのはあります。そういう覚悟は特に去年で芽生えましたね。フェスとかに出させてもらっても、楽しむ余裕もないぐらい、“この人たちのために”っていう感じではありましたzx。でも一瞬、“俺、今何してんねんやろ? すごいステージにいてる! ヤバいヤバい!”みたいに(笑)、勝手に気持ちが高ぶることはありましたけど。嬉しかったです、本当に。ただ、“ものづくり”に関して言えば、インディーでもメジャーでも、自分に嘘のないように、いいと思うものを出すというところは、あんまり変わらないかもしれないです」
大野「プロデューサーの木崎(賢治)さんも、“バンドなんだから、自分たちでいろいろできないとダメだ”って。手法としては本当にインディーズ時代と何も変わってないんで、どっちかって言うとメンタル的な変化があったのかなと。いわゆるメジャーで戦ってる人とかを観てると、とにかく歌が上手いとか、おもしろいとか、やっぱり1つ飛び抜けてるというか、武器が研ぎ澄まされてる。観たことがあるアーティストさんでも、今観るともっとすごさが分かるというか。今までの僕らはいろんなところを向いて、いろんなことをやってきた部分もあるんですけど、そういう挑戦はしつつも、1つ武器を研ぎ澄ませる意識はありましたね」、
粟子「何でココロオークションはこの4人じゃないとあかんのか、何でこういう音楽をやっているのか、やっていくのか、ちゃんと向き合わなあかんなって思わされて。行き当たりばったりで、“何となくみんなが楽しく気持ちよくなったらいいんちゃう?”っていうところから、そういうことを考えるようになったのは、すごい変化でしたね」
――もっと貪欲に変わっていかなければって思わされるよね。周りの猛者どもを見るとね。
大野「この間、Shiggy Jr.とツアーを廻ったんですよ。僕は個人的にファンやったんですけど、お客さんの音楽を聴いている度合いが、僕らがよく対バンする層とあまりにも違い過ぎて。こんな音楽を、リズムを聴いている人の前で毎日演奏してる人らに敵うわけがない、これはマズい、と。すごく大切なことを忘れていたような気がして」
――ポップスって摂取する音楽の量と技術が要るし、その裏には緻密に構築されたものがあって。
大野「それは結構思いましたね。感覚がちょっとズレかけてたんやなっていうショックもありましたし、自分より上手いヤツが普通にいるという現実に、うわ~ってなりましたね」
粟子「やっぱり、売れてる人たちは視野が広いんですよね。『NIIGATA RAINBOW ROCK 2016』でのWANIMAのライブのスケールがすごくて…」
大野「WANIMAが手を振ったら、すぐ目の前で振ってくれてるような感覚になる。“WANIMAで~す!!”って言われたら、すぐ耳のそばで言われてるぐらい、無視できないんですよ。歌もホンマに近くで歌ってるような気がして」
粟子「僕らもライブ前に“この間ホールでやったあの感覚をもう1回取り戻そう”みたいに言ったりするんですけど、WANIMAはもうホールというか“山”(笑)。大きい山の上から山に向かってライブをしてるというか…もう全部の桁が違う! ヤバイTシャツ屋さんとか岡崎体育も一見イロモノに見えますけど、お客さんに対して真摯に向き合ってるというか、プロとしてどれだけ楽しませられるか、そのために自分はどうあるべきかを、めっちゃ考えてるなって。それを観てたら、自分なんて全然分かってなかった。お客さんとかリスナーの気持ちを考えられてなかったんだって、ショックでしたね…」
――もう打ちのめされてばっかり(笑)。逆に音楽にパワーをもらうこともいっぱいあったよね?
大野「アレンジしてるときに、こういう広いところで演奏して、ここで手拍子が起きて、みんなで歌えたら気持ちいいやろうなぁ~みたいにイメージするんですよね。そうやってパソコンの前で考えてたことが現実でホントに起こったときは、すごく感動しました。“もしかしたらみんなにダサいと思われてるかもしれない”みたいな不安って、どこかにあるじゃないですか?(笑) でも、“僕ら4人で作った音楽も、ちゃんと音楽だった”って思えたんで」
粟子「『RADIO CRAZY』では正直、声の調子はよくなかったんですけど、今までに感じたことがないくらい本当にホームやったんです。僕らでもこんな景色を観られることがあるのか、こんなに元気をもらえることがあるんだって、めちゃくちゃ嬉しかったですね。あと、『COUNTDOWN JAPAN』ってめっちゃ会場がデカいんですけど、いつも来てくれるお客さんの顔もやっぱり観えるし、本当に何回も観てきた憧れのミュージシャンが立っていた幕張メッセのステージで、“幕張メッセー!!”って叫んでる自分(笑)。夢って叶うんや、辞めないでよかったなって。年末のフェスはすごく感動しましたね」
――好きで始めた音楽でそんな気持ちにさせられるとはね。
粟子「そうなんですよ。好きを仕事にしてると本当にしんどいこともあるんですけど、『COUNTDOWN JAPAN』が終わった後に機材を片付けながら、“くっそぉ~これやから辞められへん”って心の声が出ちゃいました(笑)」
大野「結成してすぐぐらいのときに、よくチキンジョージの前で話してたもんな。“これやから辞められへんよなぁ”とか、“誰かに褒めてもらえた!”とか。何だかそれが一周した感覚はありましたね」
『CANVAS』のままの歌詞じゃ勝てへんなって痛感した
――最新作の『CINEMA』はそういう想いを背負いながら制作してたと思うけど、デビュー作の『CANVAS』はサウンド的にもメジャー感があったし、ある意味、分かりやすくいい服を着せてもらったところもあったと思う。それを踏まえた上で、次の一手はどういったものを作ろうと?
粟子「『CANVAS』辺りからトラックを先に作ってメロディを乗せる作り方に変わってきて、やっと慣れてはきたんですけど、フェスですごいミュージシャンの方たちと一緒にやる中で、『CANVAS』のままの歌詞じゃ勝てへんなって痛感した部分があって。歌詞を高めるにはどうしたらいいんやろう?ってすごく考えるようになった。でも、それってやっぱり人間力で、人間を磨くしかない。今まではいい曲をちゃんと演奏してたら伝わると思ってたんですけど、本当にすごい人たちはそれだけじゃない何かを持ってて、今の自分は全然足りてないんやって思わされたんで。だから、すごく辛かったです。制作期間はたくさんいただいてたんですけど、もう全然曲ができなくて…(苦笑)。なりたい自分となれない自分の間でもがきながら…辛かったですけど、何とか乗り越えて書いた感じです」
――それを乗り越えられたのは何やったんかな?
粟子「“使命感”じゃないですかね。“絶対に僕と同じ気持ちの人がいるはずだ。こういう音楽が必要な人がいるはずだ”って…。僕が音楽を始めたのは、音楽に助けてもらったから、僕もそういうお手伝いができたらいいなっていうところからだから。寂しかったから音楽を始めた。それが僕の音楽なんで。そういう寂しい人が寂しくならないように、そういう使命を持ってココロオークションっていうバンドができたのかなって」
――ちなみに、粟子くんって音楽から受けた刺激から音楽が出てくることが多かったと思うけど、今はそれだけじゃ足りなくなってきてるよね?
粟子「はい。だから映画を観たり、本を読んだり、どこかに出かけてみたりっていうのが、すごく増えました。あと、感情を消化し切れないというか、自分の血になるまでにちょっとタイムラグがあって。昨日映画を観たから今日歌詞ができるわけじゃなくて、1ヵ月後のある瞬間に閃いて自分のオリジナルとして出てくる、みたいなことが多いんで。ライブが多い期間はあんまりそういう刺激がないから大変でした。俺、引き出しも何もないやん!って(笑)」
大野「制作のタイミングでは、言ったらフルアルバムを作るぐらいのつもりで、初めて収録曲数以上にたくさん曲を作ったんですよ。その中で何となく核となる曲が見えてくるというか。それが『星座線』(M-1)と『M.A.P.』(M-3)で、『星座線』は一番最初に作ってたのあったし、僕的には『M.A.P.』の歌詞が上がってきたときに、何か1ついけたなっていう感覚はありましたけど」
――俺もそう思った。これぐらい言っていかなあかんと思う。
粟子「フフフ(笑)。本音っすね、これ(笑)。でも、トラックに音階を乗せるのがやっぱり難しくて…」
――歌モノのバンドなら、、普通は弾き語りを基点に作っていくもんね。
粟子「なので、“あれ? 僕はメロディがいいからここにいるんじゃないの? でもメロディが先じゃない…どうしよう?”みたいな(笑)。でも、そのお陰で僕の手癖的に好きな音階が減ったというか、新しい僕を引き出してもらったというか。そこは面白いなぁって」
――『M.A.P.』の歌詞は誰もが思い当たる節があるとも言えるし、バンドの現状みたいなところもあると思うけど。
粟子「この歌詞は全然できなくて、半分泣きながら書いたという(苦笑)。本当に何もないときって、本音しか出ないんやなって。“僕らの居場所はここじゃないはずやのに、まだそこには行けない”っていう気持ちが正直に出ました」
――ポップやからさらりと聴けちゃうけど、“なりたいものを思い出せ”とか“心震える ものはなんだっけ”とか、自分やリスナーを奮い立たせる言葉もあって。
粟子「各地でツアーをして、自分的には他のバンドに負けてると結構思ってたし、フェスに出ては全然実力が足りないことを知り…。今までは“僕のせいじゃない”みたいなところも、正直ちょっとあったんです。僕がバンドを引っ張ってきたんだぐらいの気持ちでやってた部分もあったんですけど、今は自分が一番足を引っ張ってることに気付かされたというか、それに気付けなかった自分が一番辛かった。そういうことが分かったからこそ、書けた歌詞じゃないかなって、今になって思いますね」
全部が“寂しい”からきてるのかなと
――そう考えたら、今回は産みの苦しみがちゃんとあったレコーディングですね。
粟子「もう、逃げ出したかった!(笑) 『星座線』とかヤバいっすよ。直前にメロディが変わって歌詞も書き直しになって。1ヵ月ぐらい掛けて書いた歌詞を、歌入れの1時間前に“これじゃ辻褄が合わないから最初からだね”とか言われる!? みたいな(笑)。もう頭が真っ白になって、“ちょっと待って”って逃げ出して(笑)。2時間ぐらい待たせて喫茶店で歌詞を書いて、戻ってきて歌ったという。全部がギリギリな感じでしたね」
大野「苦労した分、ある程度形になってたらそこにすがりたいじゃないですか。もうゴールが見えてるから。でも、木崎さんはいいものを作るという大前提の下、鬼になるので(笑)」
――もしかしたら敢えてこのタイミングで言うたろって思ってたかもしれないしね(笑)。
大野「あるかもしれないっすね(笑)。それこそ僕らがより歌詞とメロディに重点を置くようになったのは、やっぱり木崎さんと出会ったからやと思いますし、もしかしたらもっと違うバンドになってたかもしれないなって、今ふと」
――そして、『CINEMA』というタイトルはどこから?
大野「『CINEMA』は元々『星座線』の仮タイトルだったんですよ。それこそ木崎さんに、“ココロオークションはサウンドに興味が向いてるのはいいけど、言葉をおろそかにしがちだよね。曲ができたときにタイトルがないのは本当によくないと思う。後から付けるタイトルなんて何とでも考えられる=正解がないから、それは順序が間違ってるよ”みたいに言われたのが、僕の中でだいぶ残ってて。今までは2曲目やから『Ⅱ』にしたりとか、ホンマにそれぐらいのレベル(笑)。今回はどの曲も仮タイトルとかキーワードをちゃんと考えたんですよ。仮タイトルで出てくる言葉は間違いないっていう感覚が何となくあって、じゃあ方向性も合ってるし『CINEMA』でいいやんと思って」
――そんな『CINEMA』では、意外にも初めてラブソングに挑戦したと。
粟子「僕、ラブソングがあんまり好きじゃないんですよ。でも、ラブソングを書かないと次に行けないんですよ。さっき言った話じゃないですけど、“勝てない”。ずっと音楽を続けていきたいから、勇気を出して」
――あと、粟子くんが過去のインタビューで“僕はいつか死んでしまうから何か残したい”って言ってたけど、これってみんなが若いうちから持ってる発想ではないと思うので、この感覚はどこからきてるのかなと。
粟子「何でなんだろう…でも今、全部が“寂しい”からきてるのかなと思った。『蝉時雨』とかもそうですけど、いなくなるのが怖いとか、もう会えないとか…そこが一番心が震えるんですよね。そういうときに“残したい”って思うんです。音楽にするとその人がまだいるというか、ずっとつながれる気がして。曲って半永久だと思ってて、懐かしいその時代にタイムスリップできるというか。ココロオークションがそういうことを、誰かのために音楽の魔法が使えたらいいなっていうところですかね。後悔したくないというか、自分にこの歌があったらもっと今を大事にできたんじゃないかとか、そういうことは思いますね、うん」
いい人間というわけでもなく、大きい人間になりたい
――現在は、ツアーにイベントにと入り乱れてますけど、『PREMIUM AUCTION』という結成当初にやっていた企画が復活ということで。この冠を付けるということは、それなりの覚悟を持ってゲストを迎えようということだと思いますけど、この企画を今改めてやろうと思ったのは?
大野「単純に、前回のツアーがメジャーデビューのタイミングにも関わらず、他人のバンドのツアーに全部乗っかったっていうのが(笑)。やっぱり、その日のライブで一番カッコいいのって、最後にやるバンドやと思うんですよ。そういういろんなバンドさんの大事な日に参加してると、やっぱりマジックが起きるのも観てますし。観に来てくれる人がより楽しみになってくれるかなっていう意識はありますね」
――ちなみに大阪編はSAKANAMONとHOWL BE QUIETと対バンです。
大野「この3組に決まったときに、“あ、いいやん”ってなぜかしっくりきたというか。それは多分、それぞれのバンドに研ぎ澄まされたものがちゃんとあるからかなって」
――ココロオークションはココロオークションの戦い方を、勝ち方を見付けていかなあかんもんね。ココロオークションは今後どうしていけばいいんやろうね(笑)。
大野「それを最後に教えてもらおうと思って、ちょっとだけ…(笑)」
――やっぱりココロオークションは絶対的に人生経験が必要な部分が。俺の尊敬するあるシンガーソングライターも言ってたけど、音楽には人が出ちゃうからこそ、どういう人であるかが問われると。
大野「そうなんですよね。自分を出すのは簡単なんですけど、出すものがショボかったら(笑)。確かになぁ…」
――でも、変わりゆくバンドを刻めた1枚になったんちゃう? 『CINEMA』ができたときは何か思いました?
粟子「できたときは正直、“これで大丈夫かな?”って(笑)」
――アハハハハ!(笑)
大野「今までと違って、今回は顔が見えるCDなんですよ。それは単純にレコーディング方法が違うのもあるんですけど、ほとんど直してないし、テイクも重ねてない。基本的に自分の作品は“もっとこうしたらよかった”とか思っちゃうから聴かないんですけど、『CANVAS』を1回だけ聴いてみたとき、やっぱり顔が見えなくて。あれはあれで目指してたものだったんですけど、たくさんの人に長く愛されてるアーティストのCDって、聴いたときに顔が見えるし、そういう入れ物をちゃんと作っておけば、今後、粟子さんが最高の歌詞が書けたとき、より世の中に広がるんじゃないかって。そうしたらたまたま今回からエンジニアさんが変わって、その方の昔の記事を読んでたら、“顔が見えるミックスを目指す”って書いてて、“これはヤバい、巡り合わせや!”と(笑)。ただ、サウンドにすごく肉感があったから、最初は“大丈夫かなこれ? イケてんのかな?”って。リズムもちょっと揺れてるし」
粟子「“僕、音外れてないですか?”って(笑)」
大野「でも、そういう観点でいろんなCDを聴いてみると、意外と直してないんやなって気付いたところもあって。同時に、今回はすごくいい音で録れた感覚もあったので、これを聴いたらみんなはどう思うんやろう?って」
――ピッチが揺れてようが、ミスタッチがあろうが、一番エネルギーを感じるテイクが全てなんやろうね。今後のココロオークションについてはどうですか?
大野「制作に関しては、さっきも言ったいい入れ物を作りたい気持ちが強くなってきたので、そこは変わらず目指し続けたいなと。ライブに関しては、ココロオークションがこの4人じゃないとダメな理由をもっと作りたいというか、探したいのはありますね。それが説明せずともみんなに伝われば、いろんな人に愛されるのかなぁと思うんで。それをたくさんもらってるチャンスの中で見付けたいたいなっていうのはあります」
粟子「僕は自分にない新しい扉をいっぱい開けたいなぁと思ってますね。さっき奥さん(=筆者)の尊敬されてる方が話してたことを、僕も本当に感じたんで。人間力ってひと言で言うと難しいですけど、いい人間というわけでもなく、大きい人間になりたい。“粟子ってこうだよね”って言われるような、大っきい人間になります!」
(2017年2月24日更新)
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