ホーム > インタビュー&レポート > the chef cooks meのシモリョー(vo,key)が久しぶりに登場!!
Turntable FilmsとのスプリットCDを引っさげての
1/15(日)大阪ワンマンを前に、激動の2015年、2016年、
そして現在と未来を語るインタビュー&動画コメント
the chef cooks meのシモリョー(vo,key)が久しぶりに登場!! Turntable FilmsとのスプリットCDを引っさげての 1/15(日)大阪ワンマンを前に、激動の2015年、2016年、 そして現在と未来を語るインタビュー&動画コメント
the chef cooks meは関西出身のバンドではないけれど、彼らの関西でのライブが異様に熱いことは、周知の事実といっていい。それは、『RGBとその真ん中』(2015年)に収録の『PAINT IT BLUE』のコーラスを大阪のライブで収録したことにも明らかだ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONやGotchのソロ、チャットモンチーやカジヒデキらのサポートとしても活躍するフロントマンのシモリョーこと下村亮介に、今回話を聞くことができた。自身の喉の病気も含め、オリジナルメンバーの脱退、新メンバーの加入、さらに「バンドが始まって以来、もっともライブの本数が少なかったと思う」と語った2015年から、バンドにおけるマイルストーンといえる傑作アルバム『回転体』のアナログ盤がリリースされた2016年。ポップマエストロとしての力を発揮するのに十分な蓄えもすでに完了し、1月15日(日)Shangri-Laでのワンマンに向け準備も整いつつある彼が、さまざまな動きがあったここ数年について、改めてthe chef cooks meというバンドについて、じっくりと語ってくれた。
「あと、ちょうどシンセと被ったのが、今年新メンバーを迎えて新たにthe chef cooks meを始めるとなった時に、YMOとか山下達郎さんを改めて聴いたんですね。特にYMOは『パブリック・プレッシャー/公的抑圧』(1980年)、達郎さんは『IT’S A POPIN’ TIME』(1978年)を聴いていて、どちらもライブ盤なんですけど、それはもう一流だし演奏能力にしても楽曲、アイディアにしても、半分は楽しんで聴いてますけど、もう半分はお説教ですよね(笑)。達郎さんのライブには坂本龍一さんがキーボードで参加していて、YMOもロンドンとニューヨークと東京のライブを集めたアルバムで。達郎さんは25歳ぐらいだし、YMOも20代で、そりゃあ誰が聴いてもヘコむと思うんですよ。ただ、改めてもう一回the chef cooks meをやるとなった時に、それまでのストーリーの続きの話をやるつもりはなくて、絶対目標は高い方がいいと思ったし、去年の12月に中野サンプラザであった山下達郎さんのコンサートを観に行った時に達郎さんもMCでそういう事もおっしゃっていて。その時のMCを聴いていて、頭をパシーンとひっぱたかれて”すみませんでした”って土下座したくなる気持ちと同時に、バシーンとむちゃくちゃ背中を押された気持ちの両方があったんですね。それで、自分と同い年の頃に達郎さんは何をしてたかなと思っていろいろアルバムを引っ張り出して聴いたら、本当に最高でした。ライブ盤では特に演奏力もそうだし、自分たちがやりたいと思っていることを、もっとそれ以上のハイレベルでやられていて、改めてお手本になる人たちがいたなと思った。しかもスタジオアルバムよりも、ライブ盤から感じられるものがたくさんあったのも発見で。そこを聴き直しましたし、シンセサイザーを使う音楽としてはYMOは超一級品で、あれほどクールでロジカルでちょっと狂ったシンセサイザーは日本では他に追随はいませんよね。そこに1つ、教科書としてもらったアイディアがありましたね。その時のYMOは、歌詞がない曲がほとんどですけど、コード進行や音色でこんなにも雄弁なのかと思ったんですね。ただ、僕は歌詞を書いて歌いたいし、教科書からアイディアを拾いつつ、新しいものを生み出したい。そう思った時に中国人の友人の言葉とYMOや達郎さんの音楽とが自分の中でうまくピントが合ったんですね」
――はい。悪い意味ではなく、下村さんご自身の印象もthe chef cooks meの音楽も含めてそう思います。『回転体』、『RGBとその真ん中』もそうですが、どこまでも深く沈むような景色をここまで心地よく聴かせてしまえる人はそんなにいないと思いました。“踊りたくてしょうがない!”と思う曲ばかりではないけど、誰かと一緒に聴きたい曲もある。けど、4曲入りでも、10曲入りでも作品の中には必ず“この曲だけは誰にも触らせたくない”みたいなものもあって。
Split Single 『Tidings One』 発売中 1400円(税込) only in dreams ODCS-006
<収録曲> 01.Pitiful Island / Turntable Films 02.最新世界心心相印 / the chef cooks me 03.Walkin in the Magic / Turntable Films 04.オレンジの匂い / the chef cooks me
Profile
シェフ・クックス・ミー…写真左より佐藤ニーチェ(g)、下村亮介(vo&key他)、角谷翔平(b)。2003年結成。ASIAN KUNG-FU GENERATION、後藤正文のソロ”Gotch”、チャットモンチーなどのサポートメンバーとしても活躍するシモリョーこと下村亮介(Vocal,Keyboards,Programming,Songwriter,etc...)、佐藤ニーチェ(Guitar)、角谷翔平(Bass)の3ピースバンド。管楽器、コーラス、鍵盤などサポートメンバーを迎えた10人編成のポリフォニックなバンド・サウンドとなり、2013年9月、後藤正文のプロデュースのもと、3rdアルバム『回転体』をonly in dreamsよりリリース。『回転体』は各方面から大きな反響を得、アルバムをひっさげて約5年ぶりの全国ツアーとなった『回転体展開tour2014』は、東京キネマ倶楽部公演でファンの大歓声の中、幕を下ろした。 その後もRECORD STORE DAY2014での7inchEP『ハローアンセム』のリリースや、各地の夏フェスにも出演、更なる編成変更をしながら常に前に進み続ける。2015年2月4日には、4曲入りEP『RGBとその真ん中』をリリース、そして2016年4月には待望の『回転体』をアナログレコードでリリース! 同年「Return to the Focus Tour 2016」を東名阪で行い、東京は初のホール「Mt.RAINIER HALL」での公演、更には1日2公演を実施。大阪・名古屋公演も大盛況で終えた。2016年10月より、新曲『最新世界心心相印』を含むTurntable Filmsとのスプリットシングル『Tidings One』をライブ会場で発売し、12月よりタワーレコードやHMVなどCDショップでも発売を開始。2017年1月15日(日)大阪Shangri-La、1月21日(土)恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブ『無何有郷SHOW』が開催される。
「インタビューでシモリョー氏が、“僕らのライブは1人で来ても疎外感を与えない”と言われていた通り、過去に出かけたthe chef cooks meのライブはどれも楽しかった。自分もいつも1人で彼らのライブに行って、歌いたければ歌うし、手を叩いたり大声で笑ったり、そういう感じの人たちが他にもいっぱいいる。ギリギリッと心臓の擦れる音が聞こえそうな痛い曲も、彼らがその場で演奏し歌う姿もひっくるめて大音量で浴びているうちに、その曲と1つになれるような温かさが感じられる瞬間がある。実際にあった。1月のワンマンも、たまたまそこに居合わせた見知らぬ誰かと友達になりたくなるような、そういう素敵な夜になるに違いないでしょう」