ホーム > インタビュー&レポート > 男女混成5人組バンド、Awesome City Clubが
「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに作る
アルバムの3作品目『Awesome City Tracks 3』をリリース!!
atagi(vo/g)、PORIN(vo/syn)インタビュー&動画コメント
男女混成5人組バンド、Awesome City Clubが 「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに作る アルバムの3作品目『Awesome City Tracks 3』をリリース!! atagi(vo/g)、PORIN(vo/syn)インタビュー&動画コメント
「架空の街 Awesome City のサウンドトラック」をテーマにしたハイセンスな音作りを身上とする男女混成5人組――それは、昨年Awesome City ClubがCDデビューして以来、さまざまなところで耳目にしてきたイントロダクション。けれど、バンド名の通りまさに“awesome”と評したい最新アルバム『Awesome City Tracks 3』は、“センスが良い”とか“おしゃれ”だけでは到底語り切ることのできない、喜怒哀楽に富み人間味も汗も涙も入り混じった、胸に迫る1枚になっている。その中身をひもといていくうちに語られていったのは、このアルバムにたどり着く過程でバンドが経験した変化や、意識の覚醒etc. その結果、ブラックミュージックを根っこに持つ音楽的背景の確かさやグルーヴセンスの良さはそのままに、より聴き手に肉薄する楽曲を生み出すことに彼らは成功した。街の音楽から、僕らの音楽へ。この先、最強の“Awesome Cityポップミュージック”を生み出す鍵を手にしたバンドの現状についてフロントの2人、PORINとatagiが語ってくれた。この夏は『RUSH BALL 2016』を筆頭に各地のフェスに多数出演し、秋にはおなじみ『MINAMI WHEEL』にも出演が決定。日本中、世界中の街に彼らの音楽が鳴り響く日もそれほど遠くない。
――関西っぽい話題から。毎年7月に六甲山であるフェス『ROKKO SUN MUSIC』で去年、全アクトが終わった後の最後のDJタイムで『四月のマーチ』が流れてきて。大自然の中で、夕暮れ時で、小雨がパラパラしている状況でAwesome City Clubを聴くこと自体が新鮮だったのと、たまたま自分の近くにいた人は、“この曲、誰?”って言いながらもノリノリで楽しんでいて。知らないバンドでも、良い音楽にリスナーが反応する光景をいくつも目にしました。
atagi「それは嬉しい。いろんなフェスがありますけど、『ROKKO SUN MUSIC』ってフェス自体にロハスな雰囲気があって、いい感じの音楽好きなお客さんが集まってきているイメージがあって。『四月のマーチ』はどちらかというとキッズ人気が高そうな印象があるから、意外でもあり嬉しいです」
atagi「音楽って、みんなで聴いてわいわいできる音楽と、ひとりで聴いて“あぁ、いいなぁ”って感傷的になれる音楽の2種類あると思うんですけど、僕らの音楽って、みんなで聴いてわいわいできる音楽みたいなものを目指しながら、根っこにあるのは実は後者のほうで内向的な部分も出てしまっているというか。本当はその両方があればいいなと思っていて、だからさっき言われた『ROKKO SUN MUSIC』で『四月のマーチ』でみんなで踊れるのと、ひとりで料理を作っている時に、現実を一瞬忘れるっていうのは、まったく別の話なんですけど僕にとっては実は大事な2つの要素だなぁって」
――今回の3枚目のアルバムでは、その両方の要素が今まで以上に濃くなってきている気がしました。1st『Awesome City Tracks』(2015年)収録の『It’s So Fine』で“君とおどりたい”と歌われていた時よりも、今作の『Into The Sound』(M-1)や『Don’t Think, Feel』(M-2)のほうが、グッと距離が近付いているように感じます。
atagi「『Into The Sound』の歌詞を書いた時は、まさに『It’s So Fine』と同じテーマだったんですよ。例えば、すごく気になる女の子とクラブかどこかへ遊びに行って、バリバリ音楽が鳴ってる中で“踊らない?”っていう野暮ったさってあるでしょ? 野暮ったいけど、それが可愛いみたいな(笑)。『Into The Sound』は、精神性の部分ではその頃よりはちょっと大人で、音楽が鳴ってるからお互いが何も言わずに踊り出せるというか。『Don’t Think,Feel』もそういう大人の、普通に働いている人の目線も歌詞にはあって、過去の作品に比べると大人の生活感が少しあるのかもしれないですね」
――1st、2nd、今回の3rdときて、聴き手とバンドの距離も少しずつ近くなってきている感じがあって。『Into The Sound』の最初のほうの歌詞にある“一方通行の言葉”とか、“大事な一言は最後まで言わない主義で”のように、前作ぐらいまではもう少しお互いによそよそしい感じがあったように思います。ですが、『Around The World』(M-7)の“最後に繋ぐ手を探してる”ってところは、バンドと私たちリスナーの関係にも当てはまるんじゃないかなと思えるぐらい、距離の近さを感じました。
atagi「『Aroud The World』は、今自分たちが置かれている状況とか、誰もが人生に対して普段感じているであろう漠然としたことについて書いたんですね。この先の人生とかって、どれだけ考えても誰にも分からないことなんだけど、それに対して構える自分だったり、思ってることとかモヤモヤした心情を、今自分たちが抱いているものとして音楽に落とし込みたかったんですね。何か……“みんな、何で生きてるんだろう?”って考えたりして。唐突ですけど、何で生きてるんだと思います?」
――その『Around The World』で歌われている“確かな事だけ見ていても仕方ないでしょう”のところは、とても深く刺さる一節でもあって。Awesome City Clubの音楽は、たとえばラジオから流れてきた時に一瞬で耳を惹きつけるようなカッコよさや気持ちよさがありつつ、それとともに、その一節に代表されるとてもリアルな心情の吐露が心をとらえる。その両方があることは、とても大きな魅力なんだと思います。
atagi「結果、何が良かったかっていうと、音楽を通して何がしたいかとか、音楽が自分にとって何なんだっていう本当の根幹の部分を改めて話し合うことで、ちゃんとみんなにとってAwesome City Clubが自分のことになって、曲を作る、曲を演奏するっていうことが5人の共同作業によってちゃんとうまく機能し始めたってところで。おかげで制作のスピードも早くなりました。今回のアルバムも根っこの部分の再確認とか意識の共有ができてからは早くて、3か月かかってないぐらいの制作期間で全部できたんですね。“今、僕らが思ってることって何?”、“それをテーマに曲を作ろう”とか。今回のアルバムに入っている曲は、自分たちに向けた曲が多いんですね。アルバムのリード曲になった『Don’t Think, Feel』もまさにそうで、ちょっともやもやした中に一石を投じたくて、“このままじゃ良くないし、自分たちが本当にいいと思うものをちゃんと信念を持って作らなきゃ”って話をして。頭でっかちになり過ぎなんだよなぁなんて話してる時に、“Don’t Think, Feel”っていうブルース・リーの名台詞がテーマの1つにあった中でマツザカがある日、“本当に『Don’t Think, Feel』って曲を書いちゃったんだよ”って(笑)。けど、ぴったりだしイイんじゃないかってところから定まり出してきましたね」
PORIN「そうだね」
atagi「僕らのいいところでもあり、悪いところでもあるのが、音楽的なバックボーンとかこれまでそれぞれにバンド活動をしてきたキャリアがあるところで、そういう人間が、改めてもう1回バンドを作ろうって始まったのがAwesome City Clubなんですね。そういう成り立ちだから、いろんなことが器用にできる分、突き抜けられない弱さみたいなのもあって。小学校や中学時代の同級生が組んだバンドみたいに、“これしかできないけど、これだったら絶対に負けないよ”っていうストロングポイントみたいなのを僕らは持ってないなって。それがバンドとしてのコンプレックスでもあったけど、今回のアルバムを作るプロセスの中で、ちゃんと心のつながりってものができあがったことで、そういう弱みみたいなものは一切感じなくなりましたね」
――そういったことも関係あるのか、『Awesome City Tracks 3』はこれまで以上に、演奏している人の体温や匂い、人間味みたいなものを感じるアルバムでもありました。
チケット発売中 Pコード301-592 ▼8月19日(金)19:00 Shangri-La 前売3500円 [出演]Nabowa/Awesome City Club [DJ]板東さえか Shangri-La■06(6343)8601
チケットの購入はコチラ!
【大阪公演】 『RUSH BALL 2016』
▼8月28日(日)11:00 泉大津フェニックス 1DAY(大人)6500円 1DAY(小学生)3500円 [出演]BIGMAMA/go!go!vanillas/indigo la End/MAN WITH A MISSION/MONOEYES/SHISHAMO/WANIMA/キュウソネコカミ/ゲスの極み乙女。/ドラマチックアラスカ/感覚ピエロ(オープニングアクト) [ATMC出演]BURNOUT SYNDROMES/Creepy Nuts/Halo at 四畳半/lovefilm/ONIGAWARA/ココロオークション/パノラマパナマタウン/フレンズ/ヤバイTシャツ屋さん/忘れらんねえよ(クロージングアクト) GREENS■06(6882)1224 ※雨天決行、荒天中止。未就学児童は保護者同伴に限り無料。小学生以上は有料。小学生はチケットを購入の上、保護者同伴に限り入場可。出演者の変更・キャンセルに伴う払い戻しは行いません。2日通し券はPコード782-154にて販売。【オフィシャルHP】http://www.rushball.com/
【東京公演】 『BAYCAMP 2016』
チケット発売中 Pコード294-803 ▼9月3日(土) 14:00 川崎市東扇島東公園特設会場 入場券8900円 テントサイト利用券1500円(1名分) 駐車券-2000円(2輪・4輪/全長6m以内) [出演]浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS/雨のパレード/Wienners/Awesome City Club/大森靖子/Charisma.com/キュウソネコカミ/銀杏BOYZ/Creepy Nuts/group_inou/go!go!vanillas/SHISHAMO/シャムキャッツ/神聖かまってちゃん/水曜日のカンパネラ/スチャダラパー/ストレイテナー/SPARK!!SOUND!!SHOW!!/Czecho No Republic/tofubeats/Dragon Ash/NakamuraEmi/NOT WONK/THE BACK HORN/THE BEACHES/BIGMAMA/the pillows/THA BLUE HERB/フレンズ/Homecomings/My Hair is Bad/ヤバイTシャツ屋さん/Yogee New Waves/夜の本気ダンス/LEARNERS/lovefilm/リーガルリリー/LEGENDオブ伝説a.k.a.サイプレス上野/忘れらんねえよ/他 [DJ]FREE THROW/DJダイノジ/藤田琢己 a.k.a DJ SHOCK-PANG/他 ※ドリンク代別途必要。18歳未満は入場不可。要顔写真付身分証明書。雨天決行、荒天中止。詳細は問合せ先まで。自転車・徒歩での来場不可。駐車券・テントサイト利用券は入場券別途必要。必ずhttp://baycamp.netの注意事項をご確認の上ご来場ください。
「Awesome City Clubのプレイリストを作るなら、『GOLD』で始まって『アウトサイダー』で締めくくろうと思う。彼らの楽曲はいいものばかりだから、最新作『Awesome City Tracks 3』の7曲以外にも『P』、『愛ゆえに深度深い』、『僕らはここでお別れさ』等々、常に心のベストテン第3位までを脅かす曲はたくさんある。ただ、最初に挙げた2曲は2016年現在、自分の中で不動の2トップ。10代の頃に出会って以来聴き続けているスタイル・カウンシルは、腐った政治に対する強い糾弾と思わずうつむいてしまうほどの内省的な心情を、圧倒的にセンスの良いサウンドとグッドメロディーに乗せていた。初めて聴いた時から30年経った今でも、イントロが鳴った瞬間に燃えたぎるような想いが蘇るその曲と等しいメッセージ、熱が『GOLD』『アウトサイダー』に息づいている。けれど、それらを塗り替え更新するグッドメロディーをそう遠くない先にAwesome City Clubが聴かせてくれることも分かっている。」