「雰囲気だけの音楽をやりたくないんで」 変わらぬ絆と変わりゆくバンドの覚悟と情熱が生んだ 大胆進化の最新作『OK BALLADE』! PELICAN FANCLUB全員インタビュー&動画コメント
血のように赤いジャケットからほとばしるの情熱と覚悟が、このバンドの未来を変えた。前作『PELICAN FANCLUB』('15)から僅か10ヵ月で届いた最新作『OK BALLADE』は、過去最大のツアーを経験したエンドウ アンリ(g&vo)の明確な意識改革により、楽曲の構造が大胆変化。ニューウェーブでドリーミーポップな持ち味に、より筋肉質でオルタナティブなバンドサウンドを手に入れ、これまでの感覚的な言葉のチョイスは、時に痛みすら伴うような輪郭際立つ詞世界に変貌。楽曲に込められた1人の男としての情念や音楽家としての執念は、自らの存在に気付いてくれたオーディエンスへの感謝の想いをガソリンに、この音楽を世に届ける使命感でバンドワゴンを走らせる。現時点でのキャリア最高傑作と言える充実作『OK BALLADE』について、クールなイメージとは裏腹に人間味溢れるメンバー全員が語ってくれたインタビューは、まるでいつかの部室の光景のように、活気と輝きに満ちていた。そう、PELICAN FANCLUBは、いつだって今が最高だ。
もっと人に寄り添う作品を作りたいなって、気持ちが変わった
――前作『PELICAN FANCLUB』(‘15)は自分たちの名前を冠する手応えのある作品だったと思うんですけど、それ以降、今回の『OK BALLADE』(‘16)に至るまでを振り返って、バンドにとってどんな時間だったと思いますか?
エンドウ(vo&g) 「前作をリリースして、バンド史上最も本数の多いツアーを廻ったんですね。それによって、各地に聴いてくれる方がいるのを目の当たりにして…もっと人に寄り添う作品を作りたいなって、気持ちが変わったんですよね。それと同時に、ツアーでメンバーと過ごす時間も増えて、もっとメンバーといろいろ話したいとか、“今を大事にしたい”気持ちがすごく強くなって。それが今作につながる1つなんですけど、“人に寄り添いたい”というのは大きなテーマになって、歌詞にも影響が出ましたし」
カミヤマ(b) 「前作を作ったことで、1回自分たちを客観視できたというか、“じゃあ次はこういう曲が欲しいな”とかいうことが、ツアーを廻る中でたくさん出てきたんで、それは今作につながりましたね」
シミズ(ds) 「前の作品をリリースして、“俺らってもっとこういうことも出来るよね?”みたいなことも話しつつ、エンドウの気持ちを共有して、それをサウンド面でもストレートに出して。そういう新しいことに常にチャレンジし続ける期間でもありましたね」
クルマダ(g) 「前作はエンドウのやりたいことをそのまま受け入れてやってたんですけど、ツアーに行ったことでお客さんのことをもっと考えるようになって。やっぱり“伝えるためにどうするべきなのか”、改めてエンドウの歌詞にみんなで突っ込んだりもして、話し合いを重ねた結果の今作なので。すごくいい流れで出来たなと思いますね」
――やっぱり人に突き動かされるというか、自分の中から出てくるものだけじゃなくてね。
エンドウ 「そうですね。今作はみんなが曲について語れるというか。前作は僕が詞について説明して初めて、メンバーも“あ、こういう曲だったんだね”って分かるという」
カミヤマ 「ある種、僕らもちょっとリスナー側というか」
エンドウ 「でも、それは何故かと言うと、前作は“白だと思ったら黒、黒だと思ったら白”みたいに裏切る“フェイク”が1つのテーマだったし、それが僕自身だったのもあったし。でも、今回はありのままを見てもらいたいのもあって。詞の書き方としては、まず原文を書いて、そこから言葉を変えて詞にしていってるんですけど、もっと人に届く方法があるんじゃないかっていう提案もあったんで、恥ずかしかったんですけど原文をメンバーに見せたんですよ。そしたら“これが一番いいじゃん!”っていう話になって。そこで初めてメンバーに僕の裸を見られたというか、すごい開放的になれたなって…視野が広がるというか、翼が生えた気がしました(笑)」
――割と付き合いが長いメンバーだけど、まだまだ見せてない部分があったんやね。
エンドウ 「そうですね。やっぱり作品を作る上での“美意識”が僕の中にあって。僕の中で完璧な状態のものをメンバーに提供して、それを形にして、もっと美しく、みたいな感じだったんです。けど、もう汚くても何でも見せちゃえばいいんだって。まぁそれでボロボロになってすごい落ち込んだりもしたんですけどね(笑)。自分が持っていたプライドを捨てなきゃいけないとか、いろいろありましたけど、その背中を押してくれたのもメンバーだし、それを許してくれたのもメンバーだった。だから、今作の8曲についてはメンバーの1人1人が“こういう曲だよ”って語れる。ということは、リスナーにもそれが言えるんじゃないかなって。前作は僕だけにしか言えないこと、分からないことがあったんですけど、今作においては、聴いてくれた人が“こういう曲だよね”って分かってくれるといいなぁと思いますね。そういう気持ちを込めました」
このまま進んだら完全に自分にしか理解できない音楽になってた
――言ったら、エンドウくんはこのバンドのソングライターなわけで、その美意識を徹底的に作り上げていく方向性もあったけど、そうならなかったのがおもしろいね。そっちの道も全然アリだと思うから。
エンドウ 「改めて今こういう風に開いた状態で当時の自分の気持ちを考えてみると、このまま進んだら完全に自分にしか理解できない音楽になってたと思いますね。深く考え過ぎて麻痺しちゃうというか、人に対しても“いや、これは分かるでしょ!?”って」
――それが進むと“何でお前らは分からないんだよ!”になるかもしれないしね。
エンドウ 「そう! そういう状況だったんですよ。それでスランプになったというか、曲が全然書けなくて困ってたときに、みんなが同じバンドのメンバーで全員主役だし、みんなでバンドを引っ張ってるんだって分かりました。自分が勝手に責任を背負い込んでただけで」
――バンドのスタンスというか仕組みが変わって、みんなはどう思いました?
カミヤマ 「逆に、僕らももっと開いていかないとって。エンドウと同じように僕らも殻に閉じこもってたというか、モヤッとした壁みたいなものがあったんで、それは取り除いていこうと。その辺は曲作りにも反映されてますね」
シミズ 「ドラムのフレーズも、その歌詞の内容に寄り添いながら付けられたので、前作よりストレートというか」
エンドウ 「うん。個人個人というよりは、“バンド”っていう感じがしました」
シミズ 「そうそう。“4人で作った作品”って、自信を持って言えるなって」
クルマダ 「原文=初期段階の歌詞を見せてくれたことによって、今までは分かりそうで分からなくてモヤモヤしてたところが、“あ、エンドウが考える言葉ってやっぱりいいじゃん”ってすぐに伝わってきて」
エンドウ 「一番大変だったのは、自分の中で覚悟を決めることでした。原文は箇条書きした作文みたいな感じだったんで、これを世に出すなんて“全然化粧もしてない状態で外に出られるの!?”みたいな」
カミヤマ 「こないだ上半身裸で外に出てたけどね(笑)」
――解放されていってるやん(笑)。
エンドウ 「アハハ!(笑) でも、本当にそれはありますね。何だろうなぁ? 産地直送みたいなものが一番いいんだなって(笑)。今まではステージで完結するように考えたり、MCをしなかったり、“自分たちはこういう音楽をやってるから観てくれ”という意識が強かった。でも、今回のレコーディングが進んでいく中で、耳だけだったら家でも聴けるけど、お客さんにもちゃんと身体で聴いてもらいたいというか。そういう面でもフロアに視線が行くようになったり、もっと僕らからお客さんに寄り添っていくという気持ちの変化は全員にあったと思います」
――バンド的には大きな変化ですね。自分たちの音楽を摂取してくれることに対する感謝というか。
カミヤマ 「ツアーで初めてライブをしに行った場所に、僕らのCDを買って来てくれる人がいることに、結構感激したというか感動して。それもこういうことにつながってるのかもしれないですね」
エンドウ 「そうなんですよね。最初は自分たちが思いっ切り命を削って作った作品を手に取ってくれることが、ただ聴いてくれるのが嬉しかったんですけど、“この人は何を思ってこのCDを手に取ったんだろう?”って、それを手に取る人の気持ちを考えるようになって。それを考えただけで何だか涙が出そうになるというか、感極まるというか。そこでもうメンバーと考え方が似てきてるんですよね」
大事な大事な作品になりました
すごくしんどかったですけど、人間として変われた
――前作は、言葉に出来ない曖昧な感情、でも確かにある感覚を呼び起こすような音楽だったものが、ツアーによって自分たちの音楽を手に取ってくれる人という明確な対象が見えたことで、PELICAN FANCLUBの音楽に温度がもたらされた感じはしますね。特に『記憶について』(M-1)なんかは一番顕著で。メンバーが歌詞の原文を見せてもらったときと感想は近いと思うけど、“うわ、これめっちゃいいやん!”って。
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エンドウ & クルマダ 「まさにそれなんですよ!」
クルマダ 「いいんだけどもうちょい踏み込んでほしい、みたいなところで『記憶について』の原文を見せてくれて」
エンドウ 「原文=この歌詞なんですよね。他の曲は前からあったりしてちょっと混同してるんですけど、これと最後の『今歌うこの声が』(M-8)が」
――まさに『記憶について』と『今歌うこの声が』、あと『youth』(M-7)もすごくいいと思う。歌詞でいいなと思ったところは資料に赤線を引いてるんやけど、1曲目から“おいおい! 今回めっちゃいいやん!”って。
(一同笑)
エンドウ 「(資料を見て)めっちゃ線引いてはる(笑)」
――何か“言葉にしてくれた”感じ、形にしてくれた喜びがある歌詞だなぁと。なのに今までは、英訳するかのようにこの原文を難しくしていってたんや(笑)。
エンドウ 「ある種それが、自分にとっての保険だったのかもしれない。その一歩を踏み出せないというか。そのときは髪の毛で目を隠してたりもしてたし、私生活からそれが出てた気がします。前作はいろんな主人公がいて主観がいろんな角度にあるんですけど、今回はもう1つの視点なんで。“今”というものはみんなにあるけど、それを当たり前にしてしまってる。今を意識しないとすぐ過去になってしまう=未来がだんだん食べられてしまうから、今をもっと大事にしなきゃと思えたらいいなと。今の使い方は人それぞれ自由だと思うんですけど、PELICAN FANCLUBのエンドウとして書けたのはありますね」
――要は“PELICAN FANCLUBのエンドウの立ち位置はこれです”って、1つ決める覚悟よね。“こういう見方もある”って言い出したらそれは全部がそうだから。その中で、僕はこれなんですって言い切れるかどうか。
エンドウ 「例えば、『for elite』(M-3)は自分の体験からちょっと皮肉を入れて」
――ちなみに、エンドウくんは“トラブルに巻き込まれがち人生”だという話ですけど(笑)。
エンドウ 「ヘヘヘヘ(笑)」
――“目があっただけで殴る人なんていない/気に入らないだけで殴る人なんていない”のくだりが強烈で、これって歩いてたら“お前今睨んだだろ?”とか言われるアレ?(笑)
エンドウ 「そうでした(笑)。これはもう学生時代に実際にあった体験で。でも、“そんなヤツ普通いないよね?”って自分がその過去に対して言う皮肉というか。実際はそういう人がめちゃくちゃいたんですけどね(笑)。『youth』もそうなんですけど」
――『youth』には学生時代特有の閉鎖的なコミュニティを感じますね。
エンドウ 「あ~そうでした。自分が閉じたのは音楽でなんですけど、何かまぁそういうので見下したりやられたり…今回はさらけ出す部分がやっぱり増えましたね」
――『youth』で“とても悔しいけれど涙が出るんだ”って言えたのには、めっちゃグッときました。エンドウくんは自分をさらけ出すことに関してはしんどい作業だったと思うけど。
エンドウ 「すごいしんどかった…。オケが出来た段階で“本当にこれでいいのか?”っていう、大きくて見えない不安があったんですよね。でもそれを形にして初めて、これでよかったんだってすごく思えました。ものすごく大事な大事な作品になりました。すごくしんどかったですけど、大げさに言えば、人間として変われた。バンドとしてもモチベーションが上がるというか、さらけ出したことでもっとバンドが好きになれましたね」
クルマダ 「エンドウが制作中にかなり変わったというか、“何だか上手くいかない”みたいなことも以前は多かったんですけど、そこをみんなで力を合わせることによって一点突破できたというか。エンドウは、昔から辛くても人に言わないんですよ。それをさらけ出してくれたことによって、俺らも後ろから背中を押せる」
シミズ 「もっと支えてやりたいなと思ったし、これからも楽曲面でも精神面でも、いろいろとサポートしてあげたいなと思ってますね」
――惚れてまうやろ!(笑)
エンドウ 「嬉しいなぁ~♪ 嬉しい」
カミヤマ 「僕のことも守って(笑)」
シミズ 「アハハ!(笑)」
クルマダ 「僕の場合はレコーディングを経て思ったんですけど、みんなに最初に会ったときって、ファーストインパクトがデカかったんですよね。エンドウは若いのにすごく惹かれるものをライブで出してて、カミちゃんも一緒にそこにいて、シミズくんは大学で出会ったときからドラムがすごくよかった。それを改めて再認識できたなって。“やっぱりこの4人でやっていきたい”って、本当に思いましたね」
――でもクルマダくんは、アジア最強バンド“DOT KICK RE:LIGHTS”に加入して抜け駆けしようとしてたよね?(笑)
(一同爆笑)
シミズ 「即答でしたからね(笑)」
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――YouTubeでMVを見ようと思ったら、あの映像が出てきて(笑)。あれが出来るバンドの空気がおもしろいね(笑)。
クルマダ 「ドッキリは何回かあるんですよね(笑)」
エンドウ 「今までも“レコーディング中に僕が倒れたから戻ってきて!”って言ったら本当に信じちゃって、“いや、ゴメン! 本当に今は行けないんだ!”って」
――でも、そこは来ないんだ(笑)。
エンドウ 「来れないんだけど、ものすごく心配してくれて(笑)。ネタバラシしようと電話をかけても、“エンドウ大丈夫!? 今病院?”って完全に信じてるから。“いや、実はさ、病院じゃないんだよね。そもそも倒れてないんだよ”、 “…よかったぁ~!!”って(笑)」
――いい人! いい人!(笑)
エンドウ 「そういうのがあっての、アジア最強バンド“DOT KICK RE:LIGHTS”です(笑)」
――アハハハハ!(笑)
曖昧ではないものに立ち向かう気持ちの変化が音に出た
――やっぱりレコーディングの雰囲気とかも含めて変わりました?
エンドウ 「すごく変わりましたね。前作は音の壁で押し切るというか…別にそれは逃げではなくて、それがやりたかったんです。でも今回は、リバーブもかかってない音でちゃんと勝負するというか。それこそ、曖昧ではないものに立ち向かう気持ちの変化が音に出たというのはありますね」
カミヤマ 「歪みも抑えて、とにかく分かりやすいカッコよさというか、伝えないと意味がないというところで、アレンジにはかなり時間をかけましたね」
――『M.U.T.E』(M-5)に関しては、言葉も然り、音も然り、全てが新鮮で。今まで話してきたことは言葉で何をどう伝えるかのスタンスが変わった表明だと思いますが、これはそれを音で示したというか。
カミヤマ 「メンバーそれぞれいろんな音楽が好きなんで、単純に“これとこれ掛け合わせたらおもしろいんじゃないか?”みたいな感じですね。微妙に好きな音楽が違ったりするんで、そこで偶発的におもしろい曲が出来たりして」
クルマダ 「それがすごく楽しくて。『M.U.T.E』は次につながるようなきっかけを作ってくれた曲でもありますね」
――その一方で、継続されてる世界観もアップデートされていて、『説明』(M-6)の凶暴さもカッコいいし、全てのチャンネルが研ぎ澄まされましたよね。
エンドウ 「前作が出来上がったときは、ひたすらコワいコワいって言ってたんですよ。メンバーから何も指摘もなかった状態だったし、ここがいい/悪いとかも特になく出来上がったものが世に出てしまう。メンバーが今後生きていく人生にそんな作品が残ると考えたとき、不安というか恐怖がすっごいあったんですけど、今回は出来上がったときにすごくスッキリしたんですよね。何だろう? 4人3脚…あ、4人5脚ですね(笑)」
(一同爆笑)
エンドウ 「で、ゴールした感じがすごいしたんで(笑)」
――前の作り方だと、ある種自分の人生に付き合わせてしまったところもあると。
エンドウ 「そうなんですよ。今作からは、この4人で1人として作っていくような意識改革が、大きくありましたね」
大切なことは、ちゃんと普段使ってる言葉で言いたい
――タイトルが『OK BALLADE』なのは?
エンドウ 「これは、みんなが“バラードが聴きたい”って言うんで曲を書いていったんですけど、最初は英単語が3つ並んだタイトルだったんです。その後に歌詞を作り上げてメンバーに読ませたら、“歌詞はなかなか分かりやすい、でもタイトルが分かりづらい”と。その曲はすごく大事な曲だったんで、じゃあサビ頭に“今歌うこの声が”っていう歌詞が出てくるからそれを曲のタイトルにして、そのバラードが核になるアルバムだから『BALLADE』でいいんじゃない? みたいな。でも、それだとちょっと質素だから“OK”を付けたらどう? で、『OK BALLADE』。それがすんなり浸透して決まりました」
――ということは、『今歌うこの声が』が、このアルバムの核であると。
エンドウ 「これがあったから『記憶について』もありますし。自分をさらけ出すという意味では『youth』が先だったんですけど、その辺からだんだんと」
――サウンド的な要素が大きく思えるバンドなのに、めちゃくちゃ言葉が鍵を握ってるというか。英詞でも全然おかしくない音が鳴っていながらガッツリ日本語詞だし、そこがおもしろいとも思うし。何でエンドウくんはそこまで言葉に執着してるんですかね?
エンドウ 「何でだろう…本とかを読んだりしてると、長い文章だけどいちいち休む暇がないものに出会えたりするんで、そういうことを歌詞にしたいというか。それって英語じゃ出来ないんですよね。日本語だったら微妙な表現も出来るし、しかもここは日本だし。大切なことは、ちゃんと普段使ってる言葉で言いたい。僕は帰国子女でも何でもないんで、“生の感情”を書きたいと思うと、やっぱり日本語じゃないと表現できないんですよね。雰囲気だけの音楽をやりたくないんで。だから、そこは譲れない。もちろん英語で歌うのも好きですし、英語で歌う日本のバンドで好きなバンドもいっぱいいます。でも、やりたいこととは違う」
――やっぱり、人生変えられるのは言葉だと思うので。音楽なら時に一行で変えられる。
エンドウ 「いやぁ、変えたいです、本当に」
――そういう意味では、『OK BALLADE』はその最初の一歩かもしれないですね。
エンドウ 「本当にきっかけになってほしい気持ちです。僕らが音楽をやるきっかけになったのも当然音楽で、だから僕らもそれを与えたいし。今作を出したことで次回作にも大いに期待してもらっていいし、今はネット社会だからメンバーのパーソナリティのも知ることが出来ると思うんで、そういうのも込みでバンドを見てほしいですね」
――リリースツアーも東名阪でありますが、The Mirrazが帯同してくれると。
カミヤマ 「僕らはそれこそ高校生の頃とかにThe Mirrazを聴いてたんで、むちゃくちゃ嬉しいですね」
――The Mirrazの新譜もめちゃカッコよかったわ~。そこでまた新たなお客さんの顔を見ることになるだろうし、何かが変わりそうなツアーですね。
カミヤマ 「前回のツアーを廻って、初めてのお客さんに観てもらったりして、“もっと伝えたい”という気持ちを芽生えさせてくれたのは、それを教えてくれたのはお客さんなので。今回もまた、お客さんが僕らに新しいことを教えてくれるんじゃないかっていう期待が入り混じっております(笑)」
エンドウ 「前回はその場その場で共有する気持ちだったんですけど、お客さんと一緒にもっと遠くに行きたい気持ちがあるんですよね。音源、ライブ、僕らの発言も含めて、もっと遠いところへ、想像もしてなかったところに行きたい。だから着いてきてほしいですね。みんなとなら行ける気がします」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2016年6月23日更新)
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