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「始まりはいつもアウェイだったんじゃないの?」
逃げない、負けない、諦めない、
SCOOBIE DOの21年目のファイティングポーズ
『アウェイ』インタビュー&動画コメント

 昨年は結成20周年という大きな節目を迎え、10月の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ『ダンスホール野音』も満員御礼の熱狂の内に終えたSCOOBIE DO。その熱気も冷めやらぬ間に今年1月にリリースされた通算12枚目のアルバム『アウェイ』は、タイトル通りに道なき道を切り開き続けてきた彼らのファンキーでタフな魅力が、改めて明確に表れた会心の仕上がりとなっている。“ライブの現場でグッとくるもの”を作りたかったという、音も言葉もさらに研ぎ澄まされた新作とツアーについて、コヤマシュウ(vo)に語ってもらった。

 
 
区切りも1つ付いたんだけど、それ以上に
これから先はもっと楽しくなるぞと思えた1年だった
 
 
――去年は結成20周年で、10月の日比谷野音でのワンマンを頂点に大きなひと区切りがあり、それを経ての新作ということになるわけですが。
 
「野音をやるのはその1年前くらいに決まっていたんですけど、そのときにそこで新しいアルバムが出ることをアナウンスして、新曲も最低でも1曲はやりたいという話になったんですよね。と言うのは、20年やってきて野音となると、どうやっても1つの“集大成ライブ”みたいな感じになってしまうし(笑)、なおかつ区切りは絶対に付いてしまうので。そこで“その次”がないと、何か終わってしまう感じになってヤダねということで。そこから今回のアルバムを作り始めていましたね」
 
――区切りが付いてしまう、というのも難しいことですね。
 
「最初は、自分たちから“20周年”と言ってやるのもなぁ…という気持ちもあったんです。でも、周りの人たちやスタッフに話を聞くと、まず自分たちから言わないと他の人たちは分からないし、そういうことを言っていかないと、“ただ長くやってるだけのバンド”みたいになってきちゃうんですよ。“あの街の古いポスト、昔から建ってるね”みたいな感じになってくるというか(笑)。古いよさは分かるけど、何となく風景みたいになってくるところがあって、それはファンからしても悲しいことで、だったら“20年やってるんです!”と堂々としてもらった方が応援し甲斐もあるし、逆に25周年とか30周年とか、未来も見えてくるんじゃないの? という話をされて。そこで去年は考え方を180度変えて、20周年だからこそやれることをいっぱいやってみようと思ったんですよね。去年はスカパラやBRAHMANとの2マンも初めてやりましたけど、それも20年やってきたから出来たことだと思うし、バンドとしてすごく充実していたというか。区切りも1つ付いたんだけど、それ以上にこれから先はもっと楽しくなるぞと思えた1年だったのがよかったと思いますね」
 
――そんな充実した20周年の中で生まれたのが今作、となるわけですが。
 


「そうですね。でも、野音のライブをやる前にはもう全曲出来上がっていて、終わってから少し休んだ後にすぐレコーディングに入ったんですよ。最初は、曲も出来ていない段階から『LIVE CHAMP』(M-1)というタイトルの曲を野音のステージでやろうとだけ決まっていた。で、次はどんなアルバムが作りたいかというミーティングをしたときに、割とみんなの言ってることが、“ライブの現場で鳴らしたときにグッときてタフなもの”という意見が共通としてあった。それを聞いてなるほどと思ったリーダーが作ってきたのが今回の10曲で。内容自体が去年の活動や野音のライブを経て大きく変わったということはないんですけど、曲が出来ていく時点ですでに、オレ的には早く(今回のアルバムの)ツアーに出てライブでやりたいなというのがありました」
 
――『LIVE CHAMP』は、改めてのバンドのテーマ曲みたいなナンバーですよね。
 
「もうタイトル通りなんですけど、もう一度SCOOBIE DOを説明するような曲というか。古くはRCサクセションだったら『よォーこそ』(‘80)みたいに、ライブのオープニングでメンバーを紹介しつつ歌われて、みんなでコール&レスポンスできる曲を改めて作りたいなと思ったんですよね。で、そういう曲なら新曲だとしても野音のステージでやっても盛り上がるだろうな、というのもありました」
 
 
気負いはないけど気合いは入れて作る
 
 
――5曲目の『ファンキー獣道』も、リーダーでギターのマツキさんがメロウなラップでバンドの歴史を聴かせる内容で、改めてスク―ビードゥーとはどういうバンドかを言い表したような曲が多いように思いました。
 
「そうですね。この曲は去年マツキくんの生誕40周年記念ライブを神奈川県の地元でやったんですけど、そのときに出し物の1つとして作ってきた曲なんですよね。本人はお遊びのつもりだと思うんですけど、それを聴いてオレがすげえイイなってグッときちゃって(笑)、次のアルバムにも入れようとなったんですよ。マツキくんが作ってオレが歌うという今までのSCOOBIE DOの構造とは違うし、しかもラップという新機軸なんですけど、サウンド的にもファンキーでメロウだし、今回のアルバムに入っても違和感がないと思ったんですよね」
 
――全体的にこの曲のような遊び心も交えつつ、いい意味で肩の抜けた感じでバンドの本質がストレートに表れたアルバムになっていますよね。
 


「そうですね。レコーディングする前に“大人っぽい盤にしたい”みたいなのはあって。でも、バンドを始めた頃や10年前に“大人っぽい”って考えると、無理矢理に落ち着く方向という感覚だったんです。だから、大人っぽくするのは個人的にはイヤだったんですけど、20年経ってみると普通にいいと思うことをやればそれが大人っぽくなる感じもしてきてきて。無理せずいいと思うものをそのままやればいいという感じですかね。気負いはないけど気合いは入れて作るというか。そういう話は制作中にもみんなしていましたね」
 
――それでいて、スク―ビーらしさがより明確に出ているのが強いですね。
 
「ライブの現場でグッとくるものを作りたい、というのがやっぱり一番大きかったですね。サウンド的には踊れるもので、言葉の面でもライブハウスのあの空間で放たれたときにグッとくる言葉というか。自分の中の青い衝動みたいなものを歌にするんじゃなくて、(聴き手と)ライブの関係性になったときに歌われると一番火の点く言葉にしたい、というのが今回にマツキくんと最も話し合ったところですね」
 
――今作では、作詞のクレジットにコヤマさんの名前が並記されている楽曲が多いのも特徴的ですけれど。
 
「9割9分の雛型は詞も曲もマツキくんが作ってきたんですけど、オレが歌ってみて意外とグッとこないとか、リズムに乗せてみると言葉が聴き取りづらくなるものはどんどん変えていく作業をどの曲でもしたんですよ。凝った表現よりも言葉としての強度を重視したので、歌詞カードを見てみるととても簡単な日本語ばかりが並んでいると思うんです。でも、ライブの現場で歌うとすごくリアリティを持つ言葉を、今回は研ぎ澄ませていったところがありますね」
 
――確かに歌詞カードを読まなくても、言葉がしっかりと入ってくる感じが今回は特に強くありました。
 
「今はいろんな音楽があって、すごく速いリズムに乗せて言葉を多く詰め込んで歌っている人たちもいるけど、自分の中ではやっぱり、言葉がその場で全部ダイレクトに聴き取れて、何らかの意味みたいなのものがその人の中に染み込んでいくようなものが一番ロックだと思っているので。そこは今回も重要視して作ったと思います」
 
 
オレたちの好きな音をちゃんと鳴らせれば
音楽の好きな人には何かしら届いたり刺さったりする
そこは絶対に揺るがない
 
 
――21年目にして“らしさ”が全開のアルバムで勝負できるというのは、バンドとしてとてもいい流れですよね。
 
「『アウェイ』というタイトルも、すごくスクービーっぽいと思ったんですよ。20年経ったのに“ホーム”って言わない空気の読めない感じもあるし(笑)、“この人たちまだやるんだ、でも、きっと負けないんだろうな”っていう感じもあるので。ただ、『アウェイ』っていうタイトルを付けたことで、雑誌やラジオに出演したときに“ネガティブワードですよね”ってよく言われたんですけど、今や自分と他人の境界線って、10年20年前よりももっとハッキリとしてきたんだろうなと感じるんですよね。でも、20年やってきたバンドマンの話に置き換えると、“始まりはいつもアウェイだったんじゃないの?”っていうところもあって。ホントに自分が手に入れたいものを手に入れるときとか、自分がこうなってほしいと思う場所を作っていくときって、始まりはいつもアウェイで、その中には暗さや厳しさももちろんあるんだけども、それが“ホーム”になっていくのって最高じゃん? という気持ちが4人ともの実感としてあるので。それをオレたちが歌えばリアリティもあるというメッセージを込められたら、今の時代のヒリッとした空気感の中でも“これで終わりじゃないぜ”って言えると思ったんですよね。SCOOBIE DOが今までにやってきたこととも、すごくつながってくるし」
 
――スク―ビー=アウェイに強いバンド、というイメージは初期から鮮烈にありますね。
 
「実際にアウェイは好きだし、音楽はヘンな手順を踏まなくてもそういうことが出来るところが好きというのもあります。例えオレたちを知らない人たちが全員みたいな状況でやったとしても、オレたちの好きな音をちゃんと鳴らせれば、音楽の好きな人には何かしら届いたり刺さったりする。そこは絶対に揺るがないんですよね」
 
――『アウェイ』に伴うツアーがすでに開催中ですが、関西は京都、神戸を経て全国をサーキットして、5月28日(土)には大阪・梅田AKASOでワンマンがあります!
 
「今回はライブの現場を見据えて作った曲ばかりなんですけど、さらにライブで化けそうな曲が多々あるし、2月から6月までと長いツアーなので、続けていく内にどんどんと変わっていくと思います。なので、ぜひ前半、中盤、後半といい時期で観ていたたければ(笑)。ライブハウスはもう何度も回っている場所が多くて、それぞれのハコのイメージもメンバーの頭の中には入っているので、あのハコならこの曲をやろうかとか考えながらセットリストも変えてやっていこうと思います!」
 
 
Text by 吉本秀純



チケットぴあ営業担当:眞子忠広からのオススメ!

「SCOOBIE DOは男が見て色っぽい…と思える“漢”のバンド。スーツ姿があんなに決まるんですから。コヤマさんのキレッキレのステップも相当にクール。最高にダンサブルでファンキーな楽曲が鳴らされると、“パブロフの犬”が如く僕の身体は問答無用で身体がスウィングを始めるわけです。『OTODAMA~音泉魂~』で初めてスクービーを観て、初めてファンクという音楽を浴びた学生時代の僕は、気付けば泉大津で憧れに手を振っていました。そんなこんなで今年で齢25を迎える僕は、こんな風に歳を重ねられたら、“King of かっこいいよね”と思うわけです」

(2016年5月26日更新)


Check

Movie Comment

バンドが続いたまさかの秘訣(笑)
コヤマシュウ(vo)からの動画コメント

Release

21年目12枚目にして“アウェイ”と
言い切るFUNKY4の最新作!

Album
『アウェイ』
発売中 2700円
CHAMP RECORDS
HICC-4011

<収録曲>
01. LIVE CHAMP
02. It’s A New Day
03. アウェイ
04. BUKI
05. ファンキー獣道
06. 踊れ激しく
07. Na Na Na Na Na
08. その輝きを抱きしめて
09. 伸ばしたその手だけ
10. また会いましょう

昨年の結成20周年記念ライブ
日比谷野音の興奮蘇るライブDVD!

DVD
『FILM DANCEHALL YAON』
発売中 3500円
CHAMP RECORDS
HIBH-4109

<収録曲>
※詳細はコチラ

Profile

スクービー・ドゥー…写真左より、ナガイケジョー(b)、コヤマシュウ(vo)、オカモト“MOBY”タクヤ(ds)、マツキタイジロウ(g)。’95年、幼稚園からの幼馴染であるリーダーのマツキとコヤマにより結成。同年11月、MOBYが加入。’99年には1stシングル『夕焼けのメロディー』、1stアルバム『DOIN' OUR SCOOBIE』をリリース。’01年にはナガイケが加入し、現在のメンバーに。’02年、メジャーデビュー。’06年には自らのレコードレーベルであるCHAMP RECORDSを設立。自分たちでマネージメントも手掛け、年間80本近くのライブを全国各地で行なう。結成20周年を迎えた昨年には10月に日比谷野外大音楽堂でのライブを成功させると共に、11月には初の海外公演となる韓国での2公演も成功させた。今年1月27日には12枚目のフルアルバム『アウェイ』、ライブDVD『FILM DANCEHALL YAON』をリリース。ロックとファンクの最高沸点を貫くサウンドと鮮烈なライブパフォーマンスで精力的な活動を続け、“FUNKY4”、“LIVE CHAMP”の異名を持つ。

SCOOBIE DO オフィシャルサイト
http://www.scoobie-do.com/

Live

ロングツアーもいよいよ終盤戦!
大阪公演が間もなく開催へ

 
『TOUR 「Funk-a-lismo! vol.10」』

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード284-260
▼5月28日(土)19:00
umeda AKASO
オールスタンディング3300円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、
未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【愛知公演】
▼5月29日(日)池下CLUB UPSET
【北海道公演】
▼6月2日(木)cube garden
▼6月4日(土)CASINO DRIVE
▼6月5日(日)帯広メガストーン
[共演]フレデリック
【東京公演】
▼6月11日(土)・12日(日)CLUB QUATTRO
 

Pick Up!!

【大阪公演】

『夏びらき MUSIC FESTIVAL'16
~10th Anniversary~大阪』
チケット発売中 Pコード294-813
▼7月31日(日)11:00
服部緑地野外音楽堂
自由4500円
[出演]SOIL& “PIMP” SESSIONS/Nabowa/七尾旅人/天才バンド/BRADIO/大石昌良/キセル/
SCOOBIE DO [司会]KTa☆brasil
SLD Entertainment.Inc
■03(6277)5032/
GREENS■06(6882)1224
※雨天決行、荒天中止。13歳以上は有料。12歳以下は保護者同伴に限り無料。出演者の変更・キャンセルに伴う払戻しは不可。

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チケット情報はこちら

 

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