バニラズの快進撃は続く
変幻自在に日常を描いた無敵の『Kameleon Lights』引っ提げ
過去最大のツアーで全国侵攻中!
go!go!vanillasインタビュー&動画コメント
昨年はメンバーチェンジという一大事がありながらも、7月に新メンバーとなる柳沢進太郎(g)が加わり、ノンストップで活動してきたgo!go!vanillas。バンド内がより活性化され、短期間で新たな進化を遂げたことは、最新アルバム『Kameleon Lights』が証明している。爽快に走り出す『ラバーズ』に始まり、持ち前の軽快なビート感で踊らせつつ、『チルタイム』でホッと一息ついたかと思えば、『ヒートアイランド』のようなぶっ飛んだお祭りロックチューンも飛び出してくる。そして、ラストの『ギフト』はタイトル通りメンバーからファンのみんなへの心あたたかい贈り物。そんな今作は多彩に振り切れた楽曲が並ぶ快作であり、サウンドとリリックの両面で大きな成長を遂げた野心作と言っていいだろう。現在は、リリースに伴うバンド史上最長の全国ツアー中、昨年からの流れと現在の意識について、牧達弥(vo&g)と柳沢進太郎(g)に訊いた。
やっぱり音楽は4人で作るもの
――昨年は、バニラズにとってギターのメンバーチェンジという大きな転機がありましたね。
牧(vo&g)「前のギターの(宮川)怜也が抜けて不安もたくさんあったけど、立ち止まってる暇もなかったし、とにかくノンストップでバンドを続けていこう!と決めていたので。余計なことを考えず、ホントに前のめりに、これからのgo!go!vanillasのパワーをライブで見せつけよう!っていう感じでしたね」
柳沢(g)「“止まりたくない”という気持ちはメンバーから聞いていたので、とにかく“やってやるぞ!”っていう意識の方が大きくて。僕が足枷にはなりたくなかったし、逆にもっとスピードが上がるぐらいの勢いを出せたらいいなっていう気持ちでやってましたね」
牧「進太郎が入ったことで、演奏面でもさらによくなりましたね。加入してすぐにフェスで1万人規模の人たちの前でライブをすることになったので、その中でなるべく(進太郎が)100パーセントの力を出せるように、メンバーみんなの意識が強くなったんです。それまでは曲作りも含めて各々でやってたけど、やっぱり音楽は4人で作るものなので、それを今一度理解したのはデカかったと思いますね」
柳沢「最初に下北沢のシェルターでやって、その後すぐにフェスの舞台に立つのはむちゃくちゃ怖かったんですけど、そのフェスシーズンを駆け抜けたおかげで、ずっと走っていけるバイタリティが培えましたね」
がむしゃらじゃなくても、ちゃんと伝えられる
――短期間でメンバーの団結力を強化して新たに進化したバニラズが、2ndアルバム『Kameleon Lights』にも現れていますね。前作『Magic Number』(‘14)の最後は、“ネバーエンディングストーリーさ こんなもんじゃないんだよ”(『ティーンネイジャーノイズ』)というフレーズで終わりますが、今作は本当にジャンプアップしていますね。
牧「『Magic Number』は、まさに十代の衝動を歌って終わってるんですけど、今作は僕たちの音楽を聴いてくれる人たちに向けて書いた、『ギフト』(M-11)という曲が最後なんです。この曲が一番シンプルにファンに対する想いを書いていますね。今までは“まだまだこんなもんじゃない!”ってずっと思ってたし、“もっとこういう風になりたい!”ってがむしゃらだったけど、そんなにがむしゃらじゃなくても、ちゃんと伝えられるようになってきたんじゃないかな。僕自身が考えてることや目指すものも、より明確になってきてるので」
――それは具体的にはどういったことですか?
牧「目線として遠くばかり見ていたのが、もっと近いところを見るようにしたんです。それによって、日常生活で僕が実際に感じたり、体験したことをしっかり書けるようになった。進太郎が入って、夏フェスを駆け抜けてきて、“バンドの未来”が見えたというか。ちゃんと成長していけてるのを実感できて、肩の荷が下りたような気がしたんです。それが出来たからこそ、『ギフト』も生まれたし、肩の力を抜いて自分たちの音楽を客観的にしっかり見れているから。今まで聴いてくれてた人からしたら、今作は全然違う印象でビックリされると思いますけど」
――『チルタイム』(M-6)なんかはちょっとテンポを落としたミディアム調で、歌詞もすごく入ってくるし、立ち止まってじっくり聴きたくなる曲ですね。
牧「そうすね。“チル”=“クールダウン”みたいな意味があるんですけど、思い切り楽しんだ後に、ふと我に帰る瞬間があって。そのどっちもなければいけないないから、その前の『ビートクラブ』(M-5)と『チルタイム』はストーリーがつながっているし、対になるように並べているんです。メンバー4人でやっているけど、1人で戦わなければいけないこともたくさんある。でも、そういう時間を持っていないと、楽しいことを感じられないというか…。実は最近、自分の将来とか、いろんなことを考えることが増えてきたんですよ。昔なんて全然考えなかったけど…」
――20代も半ばを過ぎると、そろそろ30代も視野に入ってくるだろうし。
牧「気持ちとしては、18歳ぐらいで止まってるけど、人に歳を聞かれて“26なんですけど…”って言ったとき、ハッとしますよね(笑)」
――でも、新加入の進太郎さんはまだ23歳ですよね。バンド内ではどういったバランスなんですか?
柳沢「すごい勉強になっているし、僕はやっぱり牧さんを超えたいと思う。だからこそ、プレイやアクションにそれが出ると思うんです。そこで生まれる“ライバル感”みたいなものがないと、楽しめないというか。僕はスポーツも好きなんですけど、純粋な楽しさって“戦い”だったりするんです。毎回スタジオにもそういう想いで行っていて、“負けないぞ!”っていう気持ちは持ち続けているので、そういう面でも歳下でよかったなって。だからこそ出来ることが絶対にあると思うんで」
『ヒートアイランド』は、ぶっ壊れた曲ですね(笑)
――今作はタイトルが『Kameleon Lights』と言うぐらいなので、バニラズの多面性がより感じられる内容でもありますが、その中でも、もっとも振り切れているのが『ヒートアイランド』(M-9)で。
牧「『ヒートアイランド』は、ぶっ壊れた曲ですね(笑)。でも、それは敢えてそうしたんです。何故かと言うと、予定通りに曲作りもしっかり出来て、多分このままいったら優等生過ぎるアルバムになると思ったんです。やっぱり人を驚かせるのがロックだと思ったんで、詞に関しても僕の中では一番フリースタイルというか(笑)。出てきた言葉を自分なりにカッコいいと思う言い方に変えて作っていったんです」
――この曲にはかなり驚かされました。どういったテーマで作っていったんですか?
牧「ホントに遊び心だけで作っていった曲なんですけど、テーマとしてはまず“お祭り”ですね。お祭りって“踊る”ことが重要なコンテンツとしてあるじゃないですか。だから日本の踊りと海外のダンスを融合したらおもしろいんじゃないかと。リズムに関しては、表で打つ日本のお祭りの音頭と、海外の裏打ちのリズムを交互に入れているんです。そういうセクションの変化で、日本のよさも再確認できるようにしていますね」
――そういう日本人的な嗜好を感じさせるという点では、『オリエント』(‘14)なんかともつながりがある?
牧「もちろんそうです。歌詞の中に出てくる“チキリンの音”は、僕の地元・大分のお祭りの音頭に“チキリン囃子”というのがあって、そこからきています。僕のじいちゃんが町内のお祭りで神輿を担いでいる雰囲気を思い出して…。僕の中ではお祭りって楽しいだけじゃないんですよね。ハッピーと言うより、ちょっとダークな感じもある。それは日本特有な感じもするし」
なんばHatchは夢だった
――前作のインタビューで、同年代だけじゃなく歳上の方々にも聴いてほしいと言っていましたが、今作をきっかけにさらにファン層も広がっていきそうな予感がしますね。
牧「今回はホントに自分たちの軸となるアルバムになったし、今まで聴いてきてくれた人以外にも、音楽の楽しみ方を提示しているアルバムだと思うので、ホントにたくさんの人に聴いてもらいたいですね。結構曲順も悩んで、考え抜いた上でのトラックリストなんです。今ってダウンロードで1曲だけでも落とせるけど、それだったらアルバム全体のイメージと流れまでは見られないと思うので、ぜひアルバムで聴いてほしいですね」
柳沢「曲間の秒数まですごくこだわってるので、つながりもいいと思いますし」
――このアルバムの曲順そのままでライブもできそうですもんね。
牧「そうなんですよね。“完全再現”的なライブをやりたいぐらいです(笑)」
――今作に伴うリリースツアー『Kameleon Lights Tour 2016』についてはどうです?
牧「バンド史上最長のツアーなので経験したことがないこともたくさん起きるだろうし、それも含めてバンドを成長させてくれたり、いろんなドラマが生まれると思っています。大阪に関しては、なんばHatchは夢だった場所なので。それがこのタイミングでやっと実現するのは、やっぱり気が引き締まるし。今まで以上のものを観せなければ!と思っています」
柳沢「アルバムも多彩な音色になっていて一曲一曲違うので、それをライブでどう表現するかに神経を注ぎたいですね。僕はコーラスもするので、その辺も含めてバンドのアンサンブルはよりガッチリと混じり合ったものにしていけたら。楽しみにしていてください!」
ライター・エイミー野中さんからのオススメ!
「新作『Kameleon Lights』は、『ラバーズ』(M-1)から問答無用の勢いが満ち溢れていて、耳にした瞬間から目の前の景色が一変します! 即効性のあるナンバーからひねりを加えたものや味わいのある楽曲まで驚くほど多彩。ビートルズや吉田拓郎をはじめとした渋いルーツに現代的なセンスを融合させた、牧(vo&g)のソングライターとしての優れた手腕がますます冴え渡っています! 一方、7月に加入後いきなりフェスの大舞台を経験した新メンバーの柳沢(g)。今回のインタビューでも現場の荒波をタフに乗り越えてきた彼の骨太な想いが伝わってきました。とにかく、go!go!vanillasというバンドはまだまだ大きく化けていきそうです!」
(2016年5月 2日更新)
Check
Movie Comment
新譜とツアーをしっかりプレゼン
牧(vo&g)&柳沢(g)の動画コメント!
Release
その名の如く様々な色を見せ付ける
充実のメジャー2ndフルアルバム!
Album
『Kameleon Lights』
発売中 2700円(税別)
Getting Better
VICL-64500
<収録曲>
01. ラバーズ
02. ニューゲーム
03. スーパーワーカー
04. バイリンガール
05. ビートクラブ
06. チルタイム
07. セレモニー
08. ツインズ
09. ヒートアイランド
10. カウンターアクション
11. ギフト
12. デッドマンズチェイス
(kameleon version)
※初回盤限定ボーナストラック
Profile
ゴー! ゴー! バニラズ…写真左より、長谷川プリティ敬祐(b)、牧達弥(vo&g)、柳沢進太郎(g)、ジェットセイヤ(ds)の4人からなるロックンロールバンド。'13年1月、1st 7inchシングル『人間讃歌 / アクロス ザ ユニバーシティ』をインディーズで初リリース(完売)。同年7月発売の1stアルバム『SHAKE』が“タワレコメン”に抜擢。'14年2月、KANA-BOON、キュソネコカミ、SHISHAMOと共に『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR』に抜擢され注目を浴びる中、2月に2000枚限定シングル『オリエント / ホラーショー』をリリースし、即完売となる。8月にタワーレコード限定シングル『エマ』をリリースし、同店TOP10チャートにランクイン。11月にはメジャー1stアルバム『Magic Number』をリリース。リードトラックの『マジック』は CS 音楽チャンネルや各地 FM ステーションで軒並みパワープレイを獲得した。’15年4月にはメジャー1stシングル『バイリンガール』をリリース、発売日に東名阪を 1 日で廻るフリーライブを行う。6 月にはバンド初の全国 8 ヵ所ワンマンツアーを敢行、同ツアーファイナルを最後に宮川怜也(g)が惜しまれながらも脱退するも、9 月には柳沢進太郎(g)を迎え、メジャー2nd シングル『カウンターアクション』をリリース。11~12月に行われたワンマンツアー『COUNTER ACTION TOUR 2015』は全公演完売。’16 年 2 月10日には 2nd アルバム『Kameleon Lights』をリリース、 3 月よりバンド史上最長となる『Kameleon Lights Tour 2016』をスタートさせている。
go!go!vanillas オフィシャルサイト
http://gogovanillas.com/
Live
過去最大のツアーが開催中
大阪公演を含む後半戦に突入!
『go!go!vanillas
「Kameleon Lights Tour 2016」』
【千葉公演】
▼3月4日(金) 千葉 LOOK
【茨城公演】
▼3月6日(日)水戸ライトハウス
【京都公演】
▼3月12日(土)磔磔
【兵庫公演】
▼3月13日(日)神戸VARIT.
【山口公演】
▼3月17日(木)周南RISING HALL
【長野公演】
▼3月26日(土)松本ALECX
【石川公演】
▼3月27日(日)金沢AZ
【宮城公演】
▼3月31日(木)仙台CLUB JUNK BOX
【岩手公演】
▼4月1日(金)club change WAVE
【北海道公演】
▼4月3日(日)ペニーレーン24
【静岡公演】
▼4月14日(木)浜松FORCE
【栃木公演】
▼4月16日(土)HEAVEN'S ROCK
Utsunomiya VJ-2
【新潟公演】
▼4月17日(日)GOLDEN PIGS RED STAGE
【広島公演】
▼4月23日(土)広島クラブクアトロ
【岡山公演】
▼4月24日(日)YEBISU YA PRO
【香川公演】
▼4月26日(火)DIME
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月5日(木・祝)赤坂BLITZ
【愛知公演】
▼5月7日(土)ダイアモンドホール
Pick Up!!
【大阪公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月8日(日)18:00
なんばHatch
1Fスタンディング3300円
2F指定席3300円
GREENS■06(6882)1224
※小学生以上は有料。
【長崎公演】
▼5月12日(木)DRUM Be-7
【大分公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月14日(土)DRUM Be-0
【福岡公演】
▼5月15日(日)DRUM LOGOS
【群馬公演】
▼5月20日(金)高崎 club FLEEZ
【東京公演】
▼5月28日(土)STUDIO COAST
チケットの購入はコチラ!
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