「この日はオーラルの過去と未来をつなぐ大事な1ページになる」
リベンジワンマン、2ndアルバム『FIXION』、怒涛のツアー、
そして地元なら100年会館にて初ホール公演へ! ‘16年を語り尽くす
THE ORAL CIGARETTES撮り下ろしインタビュー&動画コメント
人生には、忘れられない一日がある。それは初めてのワンマンライブで観た景色であり、憧れのイベントのトリを任せられたあの日であり、ロックフェスで大観衆を前にステージに立った好機であり。そして、そんな絶景と引き換えに、時は残酷なまでの瞬間をも導き寄せる。THE ORAL CIGARETTESを襲った昨年7月14日、山中(vo&g)の喉の不調により公演内容を大幅に変更して行われたZepp DiverCity TOKYO公演は、バンドにとってもオーディエンスにとっても、忘れがたい一夜となった。だが、その後の声帯ポリープ摘出手術も無事成功、不屈の精神と志を糧に’16年早々には同会場にて見事リベンジを達成。その翌日には2ndフルアルバム『FIXION』リリース、さらに2~3月は全国対バンツアー、4月はワンマンツアー実施と、’16年をフルスロットルで駆け抜ける彼らが、遂に初のホールワンマンライブ『唇ワンマンライブ~故郷に錦を飾りまSHOW!!~』を、なら100年会館 大ホールにて開催する。バンドの激動の季節とプレイヤーとしての変革、そして地元奈良にて間もなく行われる記念すべき一夜に向けて嬉々として語る姿は、この日がこのバンドにまた新たな“忘れられない一日”をもたらすことを、約束しているようだった――。
自分たちの覚醒に興奮してる自分たち、みたいな(笑)
――’16年は因縁のZepp DiverCityから幕を開けましたが、改めてあのステージに立ったときはどう思いました?
中西(ds)「このライブが終わったときにやっと、一連の流れをバンドにとって前向きに捉えられるようになったし、お客さんからの声そのものが、僕たちの自信につながったというか。それが今となってはすごくよかったなって」
鈴木(g)「僕はもう単純に、ライブ前にもっといろんな想いがぐちゃぐちゃになって、緊張なり不安が入り混じるんかな?って思ってたら、そうでもなくて。ライブが始まる前にはもう楽しみでしかなかったし、早いことステージに上がってお客さんに観せたい気持ちもありました。年末に各地でライブをやらせてもらってる間は、その“勢い”というか自分たちがライブから離れて押さえ付けていた気持ちが溢れ出していたので、それを改めてあの日に持っていけたというか。復活してから自分たち自身もすごく納得のいくライブが出来ていたからこそ、僕はもうステージに上がる前も、上がっている最中も、楽しくて仕方がなくて(笑)」
あきらかにあきら(b)「僕はとにかく早くリベンジがしたかったですね。どんな気持ちでみんな来てるんやろな?って考えたとき、楽しみにしてくれてるのと同時に、不安な気持ちもあるだろうなぁと思って。その風景を観てもう1回フラッシュバックしてしまう子もいるやろうし、(山中)拓也(vo&g)もそうかもしれへんし、そこも含めて、ただ終わらせるんじゃなくて塗り替えていきたかったし、更新していきたかった。この半年がホンマに無駄じゃなかったんやなぁ、ちゃんとそれぞれが信念を持ってやってきたことが結果につながったんやなぁって、終わったら終わったでリベンジを達成した安心感と、自分たちの覚醒に興奮してる自分たち、みたいな感じがありましたね(笑)。アルバムもオリコンのウィークリーチャートで初登場6位を取らせてもらったりもしたので」
山中「僕はもう、ちゃんと終わって単純に安心しました。やっぱり半年間すごく気を張ってたし、年末にフェスもたくさん出させてもらいましたけど、“1月4日までの道程”っていう考えがきっと頭の中のどこかにあって、朝起きてから夜寝るまで気が抜けへん日が結構多くて。あと、いざステージに上がってみて、’15年7月14日とほぼほぼ同じことをやったのにも関わらず、さっきあきらが言ったように、自分たちがレベルアップしてることがステージ上でひしひしと感じられて。それが単純に嬉しかったし、これからにきっとつながる1日なんやろうなっていう想いでもやれたし。でも、最初の3曲ぐらいは歌うことに集中し過ぎて、逆にお客さんだったりメンバーが見えてなかったりしてたんですけど(笑)。そこから“あ、今日はいけるな”って自分でも思って、すごくのびのび出来たなぁって」
――改めてバンドが息を吹き返す時間というか、なかなか味わうことのないライブでしょうね。敢えて同じ場所でそれを越えるからこそ、しっかりとケリを着けられたというかね。
’16年はロックバンドのカッコよさをちゃんと追求していこうって
――そして、さっき話にも出ましたけど、年始早々『FIXION』がウィークリーチャートで初登場6位にもなったのは嬉しいですね。アイドルとジャニーズとアニメとっていう中で、しっかりロックバンドが一矢報いたというか。
山中「すごく嬉しかったし、’16年はロックバンドのカッコよさをちゃんと追求していこうっていう話もしてたんで。タワレコとかでもロックチャートの1位になったら、HPのチャートのアイコン部分が1位のジャケットになるじゃないですか。そこが『FIXION』になってて、こんなところまでやっと来れたんやって嬉しかったけど、逆にちょっと客観的に、“俺、むっちゃ浮かれてる”とは思ってて。シャンプーとボディソープを間違えたりしてましたね(笑)」
中西「それいつも! いつもやで」
鈴木「1回ズボン履かずに家を出ようとしてましたからね(笑)」
あきらかにあきら「スパッツのままでね(笑)」
山中「ホンマに気が抜けてしまって(笑)。こういう状況やからこそ、もう1回ちゃんと客観的にオーラルっていうバンドを見て、’16年をどうやって進んでいくのかを考え直していかないとって、すごい思いました(笑)」
――ただね、『FIXION』は初回特典のDVDがあまりにエモ過ぎて(笑)。
あきらかにあきら「エモさハンパないっす(笑)」
――どんなインタビューを見るよりも、’15年のTHE ORAL CIGARETTESが分かったすごいディスクでしたね(笑)。改めて『FIXION』はどうやって始まったんですか?
山中「ポリープが発覚したのが’14年の12月だったので、いずれは絶対に休まないといけないのはもう見えてる状態でずっと活動していて。逆になんで休めなかったかというと、オーラルがまだロックシーンの一部としてしか観られてない自覚があったから。去年の6月のワンマンツアーを終えて、お客さんと“あ、すごいつながってるな”って思えたから、もう手術しても大丈夫かもって。ポリープはバンド的には後ろ向きなことだったんですけど、逆に未来の自分たちを見据えてたから、すごく前向きにレコーディングは取り組めて、それが音にもつながったなぁって。前作『The BKW Show!!』('14)は今までの自分たちの人間性を表現するところにフォーカスしたけど、今回は未来の自分たちを想定していたところが全然違って、前作とは角度の違う攻め方をしたアルバムになってるなって」
あきらかにあきら「作ってる最中に、“あ、こういう攻め方も出来るようになってたんや”って発見したというか、“やっぱりちょっと捻くれた部分を入れたいなぁ”とかいう考えが、いつの間にか“ちょっとうるさ過ぎるからもっとシンプルに尖らせよう”、“もうちょっと引き算出来るんちゃうか?”っていう考えになっていって。改めて聴いても“うん、いい曲いっぱい出来てるやん。全部推し曲でもいけんちゃう?”っていう感覚やったんで」
――フレーズを間引いたりシンプルにすることって、ある種の自信がないとなかなか出来ないと思うし、自ずとそう言えるみんなだったのは、それぞれがプレイヤーとして成長したからこそかもしれないですね。あと、先行シングルとしてリリースされた『狂乱 Hey Kids!!』(M-2)(‘15)は、アレンジとかフレーズの作り方にしてもギタリストとしての転機になるような曲だったみたいですね。
鈴木「そうですね。今仰っていただいたように、フレーズを間引いたりシンプルにすることにすごい怖さがあって」
――せやろね(笑)。特にギターの音数の多さはこのバンドの特徴でもあるし。
鈴木「はい(笑)。ストレート過ぎてもよくないと思う反面、入れ込み過ぎるのもなって気付き始めてたんですけど、そのちょうどいい按配が分からないところもあって。でも、『狂乱 Hey Kids!!』を作ったタイミングで、いつもはサビ裏でも結構フレーズを前に出していたのが、エンジニアの方から“コードと歌の間を取るようなものをやってみたら? 多分その方がメロディが活きるよ”って言われて。そこで、“今まではごちゃごちゃやることで華を持たせようとしてたのが、着飾り過ぎてたんかな?”って気付かせてもらえて。最終的にアルバムが出来て改めて聴いても、あのときの選択は間違ってなかったなぁと。まぁでも、CDが出るまでにもう1回怖さが蘇ってきたんですけどね(笑)。“何かギターがおとなしくなってつまらんなぁ”とか言われてもイヤやしなぁって。でも、むしろアルバムが出ていろんな人から“勢いがある”って言われて。今はまた“まだ引き算出来るかも?”って思ってる自分がいるので(笑)、もっともっと自分の幅を出せそうやなって、今回のアルバムですごく気付かせてもらいましたね」
やっぱり歌を聴いてもらえるロックシーンに
歌が活きる時代になってほしい
――『マナーモード』(M-6)とか『カンタンナコト』(M-8)みたいなビートは、オーラルとしても新展開やと思うんですけど、リズム的にもPCを駆使して、自分の中でフレームを描いてから作っていったと。
中西「そうですね。例えば『マナーモード』に関しては、ずーっと単調なリズムが鳴ってるのがセオリーの中で、やっぱりそれをそのままやってもおもしろくないし、同じリズムの中でもキックを1つ抜くとか、その抜き差しだけでも、雰囲気が変わる。スタジオでやってたら“何か単調やな”って感じてだけたかもしれない部分が、パソコンでちょっとした変化を聴ける環境でやれてたのが、そこを素直に表現できたところなんかなぁと」
――そう考えると、それぞれのプレイヤーがある種の課題というか意識を持って取り組んだアルバムですね。拓也くんはボーカリストとして、ソングライターとしてどうでした?
山中「今回は“今一度ロックシーンに僕らが何を突きつけるべきか”みたいなところを、すごい考えて。オーラルってロックシーンに妬みとかコンプレックスを持ってるのが原動力なのも分かってたから(笑)」
――アハハハハ!(笑) そうなんやね。
山中「じゃあ僕たちは、何をお客さんに伝えていきたいんだろう?って言ったら、やっぱり歌の綺麗さだとか、そこを聴いてもらえるロックシーンに、歌が活きる時代になってほしいって、ずっと言い続けてたから。そこにもっとフォーカスしてやっていかないとっていうのは、この1年間意識していました。楽曲を作るにあたっての武器が、前作が5つだったとしたら、今はもう20ぐらいまでは増えてると思っていて。前作は5つ全部を精一杯使う感覚でアルバムを作ってたんですけど、それだとやっぱり散らかっちゃうのが分かって。今は何を伝えたいかが自分たちの中で明確に見えてる分、ツールが増えたとしても、20あったらその内の2つを真剣にどこまで深く使えるか、みたいな考え方に段々となってきましたね。あと、前作から今作までの1年間、自分がどういう音楽をいいと思ってきたのかを、もう1回見直したのがすごく大きかったなって。L’Arc~en~Cielとか90年代のヒップホップとか、リンプ・ビズキットとかのハードコアな部分だとか、自分がいいなと思ったものをしっかり分析する目線で聴いてみると1つ共通点が見えたというか、音楽にしても映画でも絵でも、すごい感じることがあって」
――その1つの共通点って、言葉にするとどんなもの?
山中「芸術的なものを作る人の心の中には、僕が好きになる作品には、絶対に底知れないほどの“闇”みたいなものがやっぱりあって。すごく明るい絵なんですけど、僕には暗く観えたりするものがやっぱり好き。ポップさと恐怖とか、全く真逆のものが同じ世界観で表現されているのが好きなんだなって、すごい思いました」
やっぱり歌を歌ってるときは、すごい幸せ
――いろんな感情が蠢いてる中で、よくこのアルバムを作り上げたなっていうのが本当に思うところで。
山中「やるしかなかった(笑)。ポリープ摘出手術の2日前までは、感情がマイナスになるんやろうなって思ってたんです。でも、やっぱり歌を歌ってるときは、すごい幸せやなっていうことも、レコーディングで感じられた。手術前ギリギリまでレコーディングをやっていて、何か手術前の最後の声納めじゃないけど(笑)、ちゃんと残しておきたいなって。オーラルのストーリー的にもね。だからすごく前向きにやれてたなぁって思いますし…いろんな感情はあったけど、でも実際は真ん中に芯みたいなものが1本あって、それを信じてやるしかないっていう感覚かなぁ」
鈴木「僕は、それこそさっきも言ったように怖さもある中で録り終えて、“あぁ~レコーディング終わったぁ~! これから何しようかな”とか考えてる最中に、1曲だけ“やっぱりここ、メロディとして歌いにくいわ”っていう曲の戻しがあって、“マジか!”って(笑)」
あきらかにあきら「僕自身も“ホンマにメロディと噛み合うんかな?”って結構気が抜けなくて、最終日が終わってやっと“作り終えた”というか、全部出し切ったなっていう感触が、やっと芽生えましたね。もう楽しめるのは今しかないから頑張る感が、チーム的にもすごいあったし、高校球児の甲子園みたいな感覚?(笑)」
中西「レコーディング期間=夏フェスのシーズンだったことが、今考えるとよくて。ライブバンドである以上ライブ感を伝えたい想いがあったし、単純にフェスのモチベーションをそのままレコーディングにつなげられたので。その表現を出来たのはこの期間だったからやし、自分としてはレコーディングに対する明確な向き合い方が得られたなって。それは大きい経験になったなと思います」
“奈良でフェスがしたい”って昔から言ってたんですけど
その第一歩にもなるなって
――’16年は改めてライブハウスを攻め直すみたいな想いもあって。2~3月の対バンツアーの特設サイトに載っている、どういう接点であるとか、どういう理由で誘ったかという文章を見たときに、これはすごい信頼できるな~思いました。1つ1つのアクションに対して僕はこう思ってますってキッチリ言葉にしてくれるバンドって、実はそんなにいないというか。こういうことをしっかりやってきたことが、お客さんがこのバンドを待っててくれてた1つの理由だったり信頼感やなって。そして、4月には遂に“奈良の武道館”こと(笑)、なら100年会館 大ホールでのワンマンがあるということで。
中西「それこそ“いつか武道館でやりたい”みたいな感覚に近い感じで、結構前から思い描いてはいたんですけど」
あきらかにあきら「奈良にはちょうどいい大きさのライブハウスもないから」
――奈良NEVERLANDのキャパ250の次が、なら100年会館 大ホールで1700って、ツンデレ過ぎる(笑)。
あきらかにあきら「あと、“奈良でフェスがしたい”って昔から言ってたんですけど、その第一歩にもなるなって。だから本当に楽しみ」
――初のホールワンマンを地元で出来るって、めっちゃ嬉しいですね。みんなも若かりし頃はここに観に行ってたわけですよね?
山中「まあ奈良県民はみんな」
あきらかにあきら「でも、シゲ(=鈴木)は1回立ったことがある」
――マジで!?
鈴木「すんません。僕、昔ピアノを習ってまして、発表会で先に…」
(一同爆笑)
山中「みんなで下見に行ったんですよ。で、“ここにライブ観に来たなぁ~”っていう話をしてて、“やるのめっちゃ楽しみやな!”とか言ってたら、ボソッと“あれ? 俺1回やったことあるわ”って(笑)」
鈴木「下手(しもて)ら辺に鍵盤で。ベースパートとして出演しました(笑)」
――(笑)。まぁでも、あの場所に立てるのは、ホールツアーを廻れるアーティスト、尚且つ奈良でも入るアーティストですからね。そういういろんな歴史が刻まれた場所でワンマンが出来るのは素晴らしいね。
僕らはライブハウスで育ってきたけど
ホールでもやれるバンドに成長していきたい
――この日に向けては、それぞれ意気込みはありますか?
山中「口だけじゃなく、ちゃんと行動で示していくのが’16年のテーマかなって思ってて。言葉じゃなくてちゃんと表現していく。自分たちを支えてくれてたバンドと芯に響くような音楽をやりたいし、だからこそ、まずは対バンツアーでバンド同士がちゃんと肩を組んで、蹴落とすじゃなくて一緒に上がっていく。そういうシーンを僕らは作りたいってずっと口にしてきたし、“奈良を大事にしてるよ、フェスやりたいんですよ”って言ってきたけど、“ホンマにしてくれんの?”ってきっと奈良の人は思ってたやろうから(笑)。みんなも口だけのバンドには着いてきてくれへんと思うので。自分たちがホンマに大切やと思ったものをどんどん行動に移していきたいと思ってますね」
あきらかにあきら「毎年、新しいことに挑戦することになるんやろうなって思ってるし、過去とこれからの未来をつなぐ線の中の1つに、なら100年会館があって。僕の中では…やっぱり奈良ということでちょっと思い入れも入っちゃうのはあって。じいちゃんばあちゃんも“死ぬ前に観たかったからこれで行けるわぁ~”って言ってくれたり(笑)、姉ちゃんも“子供を連れて行ってもいいかなぁ”とか親と話してるの聞いたら、すごいエモくて。ホンマにいろんな人の支えがあって“今”があんねんなぁって思うし、だからこそもっともっと大きくなりたい。この日はホンマに、オーラルの過去と未来をつなぐ大事な1ページになると思うから。ホールでしか出来ないこと、今まで敢えてやれなかったことをどんどんやりたいと思うし、自分たちの可能性を感じられるような日になると思う。先が一気に開ける日なのかなって、ワクワクもしてるし、ドキドキもしてるっていう」
鈴木「ライブハウスでじゃないところで、指定席でワンマンをやるのはもちろん初めてなので、どこまで伝えられるのか。ホールは自分たちの挑戦の場でももちろんあるので。今まで何度かワンマンもやらせてもらって、そこでは拓也が“音楽って楽しいだけじゃないから、それ以外のもっといろんな感情を出していってほしい”っていうこともしっかり伝えてこれてるので、なら100年会館はそれを研ぎ澄ませて観せられるような場所になるかなぁと思いますね。あと、’16年はホンマに…ライブ欲に歯止めがつかない状態のままなので(笑)、どんどんライブしたいですね」
中西「僕はなら100年会館が決まったときから、ぼんやりと考えがあって。僕自身、奈良が故郷じゃないんで(笑)」
(一同笑)
中西「その中で、多分この3人と同じ想いを抱いたりは出来ないだろうなって。でも、バンドとして記念すべき初のホールワンマンを次につなげるためには、それに見合った質量のテーマをちゃんとその日までに見付けて、それを背負ってやらないとなってずっと考えていたんです。ライブハウスは僕らにとっては戦いやすいフィールドですけど、ホールはいい音楽をしていればさらに伝わりやすい会場なんで。そこでちゃんと自信を持ってやり切れたら、今後の夏フェスとかにしても、その伝え方とか表情1つとっても、自信につながるだろうなって」
――それでは最後に、締めの言葉を拓也くんからもらいたいなと!
山中「さっきシゲが言ってくれたみたいに、ワンマンで毎回“楽しんでるだけの姿が観たいわけじゃないよ”って言ってるのって、いろいろな想いがあってその発言をしてて。ロックシーンへのコンプレックスからきてる発言でもあるし、自分が音楽で何を伝えたいのかが逸れちゃう怖さみたいなところからくる発言でもある。ただ、僕らはライブハウスで育ってきたけど、ホールでもやれるバンドに成長していきたいなっていうのは、すごく思ってて。その中で、音というものに対しての感動を、’16年は改めて伝えていきたいです。ただ楽しいだけじゃない音楽を、ライブハウスでも、なら100年会館でも、ちゃんと伝えていけたらいいなって思ってます!」
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by 渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)
(2016年4月29日更新)
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