ホーム > インタビュー&レポート > Keishi Tanakaがスペシャル編成でのビルボード公演を開催 そこにゲスト出演するジャズロックバンドfox capture planと 5/11(水)に互いをフィーチャリングした作品をリリースする! 両者がライブと作品について語るスペシャル対談が実現!!
「2016年のテーマは“新しい靴を履いたときのようなワクワクを”なんです」 Keishi Tanaka
「“もし自分達のバンドに、男性のボーカルを入れるならKeishi君がいいなじゃない”って、以前から話してました」 fox capture plan
アルバムを2枚作ったことで、誰かとやるという新しい刺激に興味を持てた
――Keishiさんは、1月13日に『Hello, New Kicks』というシングルのリリースがありました。この曲は、昨年9月と10月に開催した自主企画「NEW KICKS」で発表した曲で、“新しい靴を手に入れた時のようなワクワクを”をコンセプトにしたイベントでしたね。
Keishi Tanaka「はい。元々、リリースツアー以外の自主企画としては『Rooms』というアコースティックのイベントをやっていたんですけど、それではないものを新たに作ろう、新しい刺激を手に入れるためにとはじめたイベントが『NEW KICKS』です。そして、イベントのテーマ曲を作る様な感覚で『Hello, New Kicks』という曲を作りました。制作も新しい試みをしたくて、いつも家で書く歌詞を、違う場所で書きました。知らない町で、アトリエを借りて一週間そこに滞在して何曲か書こうと思ったんですけど、そんなにうまくはいかなくて、1曲分の歌詞ができたくらいだったんですけど、それもいい経験になりました。もうひとつは、これまでソロになってからやってこなかった、誰かとがっつり絡んで制作するというのをテーマにしようと思って、今回アレンジャーを誘って、一緒に制作しました」
――2枚アルバムを出し、次の何かを手に入れるためには、外からの刺激が欲しかったということでしょうか?
Keishi「アルバム2枚は、自分で完全にイメージを作り上げる作品として決めていて。2枚作り終えてやっと、人と作りたいと思ってきました。それが新しい刺激になって、次のステップにいけるかなという考えもあって」
――それは2ndアルバム『Ally』が自信作であり、満足感を感じていたからなのでしょうか?
Keishi「そうですね。2011年からソロをはじめて、2枚までのイメージは最初からあったんです。その自分の抱いていたイメージは達成できたと思います」
――今回、初めてアレンジャーを迎えての制作はいかがでしたか?
Keishi「面白かったですね。自分にないものが出てきて。最初誰に頼もうかなと少し悩んだんですけど、せっかくだから若い人の方が面白いかなと思って、僕よりも10歳くらい若いOBKR君が率いる『Tokyo Recordings』というチームにお願いしました。彼らに頼んでよかったなと思います。『Hello, New Kicks』は、イベントで先に披露していた曲で、これまで通りのプロセスでアレンジも自分でやっていた曲なんですけど、『壊してもいいから、全部任せる』と言ってお願いして。元のアレンジが残った部分もあるし、なくなった部分もあるんですけど、それがちょうどいいバランスになったと思います」
―― 一度、完成したものを人に託すのは勇気がいることだったのではないでしょうか?
Keishi「そうですね。それをやらないと今回のコンセプトは意味がないかなと思ったので」
――手放すことによって自分の想像の範疇を超える仕上がりになった?
Keishi「ですね。それが面白かった。そう思えるようになったのは『Ally』までの流れがあったからかも知れません」
――すごくファンキーなフィーリングに溢れつつも、Keishiさんならではの透明感のあるメロディを活かしている楽曲だと思いました。
Keishi「最初はもうすこしメロウなソウルだったんです。それが結果的に、70年代のソウルが80年代になり、アシッドジャズなどの風が吹いてきたという流れができて面白かったです。彼らに託したことで、新しいグルーヴが足されました」
――ここまでダンサブルというか、いい意味でギラギラしたアレンジの曲って、今まで自身でアレンジしているなかではなかったですよね。
Keishi「前のアルバムにソウルの部分とダンスの部分があるとか、僕の今のモードの話は打ち合わせでしていて、多分そういうのも汲んでくれた上で、彼らの得意な部分も足されて良い作品になったなと思っています」
――彼らに任せたことで、新しい色が出せたし、こういう曲調になってもメロディは活きてくるという発見もあったと思います。
Keishi「聴いた人もそのへんを感じてもらえるといいなと。『NEW KICKS』というイベントにきた人は、その時のライブと、音源になった2パターンの違いを楽しんでもらえればいいなと思って、この『Hello, New Kicks』を『NEW KICKS』でやりたかったんですけど、楽曲が進化していくのをお客さんにも体感してもらえてたら嬉しいです」
――チャレンジした楽曲になりましたね。
Keishi「歌詞もそうなっているし、イベント立ち上げ時のコンセプトにもなっている“新しい靴を履いたときのようなワクワクを”というのに全部繋がりました」
――諺ではないんですが、フランスの映画に出てくるのかな?“素敵な靴を履くと素敵な場所へ連れて行ってくれる”というフレーズがあって。
Keishi「近いかも。スヌーピーのストーリーに、“happiness is ●●●”っていうフレーズがあって。“幸せとは落ち葉に寝転がることだ”とか、“ドアを開けたら友達が立っていることだ”とか。僕なりにそのフレーズを使うと“幸せとは新しい靴を手に入れることだ”っていう。そんなイメージです」
――新しい靴を手にいれた1曲で、そこからの流れで『Hello, New Kicks』のリリースパーティ『NEW KICKS at Billboard ~Hello, New Kicks Release Party~』が、東京大阪のビルボードで開催されます。Keishiさんは、教会やカフェやさまざまな場所で、そこに合わせたスタイルでこれまでライブをしていますよね。今回のビルボードも、これまでと違ったスタイルになりそうですね。
Keishi「ビルボードはやってみたいと思う会場だったので、あそこに立っている自分を想像すると結構ワクワクしますね(笑)」
――今回は10人のフルバンドでのステージだとか。
Keishi「基本はそのスタイルで、曲によってゲストが入ったりします。基本の編成も11人くらいに増やそうかなと思っています」
――少人数のバンドセットでやる楽しさとは違う楽しさがありますよね?
Keishi「それぞれに良いところがあると思っています。5人のフットワークの軽さと男くささは、もしかしたらストリングスがいないほうが出るかもしれないし。そういうライブをするとどんどんテンションが上がったりとか(笑)。ひとつに絞りきれない優柔不断さもあるんですけど、それが自分らしいかなと思って」
――女性で言えば、今日はスカートをはきたい日、パンツをはきたい日。的な、その日によってスタイリングを楽しむような。
Keishi「女性らしい格好をしたい日もあれば、男みたいな格好をしたい日もある……そういうことですね。分かりやすい(笑)。もちろん、ライブハウス、カフェなど全部見てもらいたいけど、選んでもらうのもありだと思うんです。カフェで座って聴きたい人もいるし、こちらはいろいろ提示はしているので」
コラボレーションというより「新しいバンド」を組んだ感覚
――今回のライブは、fox capture plan (以下fox)もゲストで出演されます。foxのみなさんは、これまでどういった場所で、どういったシーンで活動されているのでしょうか?
岸本(fox)「多岐に渡るのですが、一番多いのはバンドがやっているようなライブハウス。グランドピアノがないような場所でやったりすることが多いです。ワンマンライブもそういった場所でやりました。普通に対バンイベントにも出ますし、ビルボードのようなジャズクラブでもやりますし、楽器などが最初から置いてないようなカフェやクラブなど場所選ばずにやっています」
――現代版ジャズロックバンドというコピーが付いておりますが、ジャズシーンというよりもロックバンドとの交流が多いですか?
岸本「ジャズシーンにも交流があるし、影響も受けていてリスペクトもしているんですけど、それと同じようにほかのジャンルも影響も受けたりリスペクトしていて、そうして蓄積されたものをピアノトリオでやってみようというのは結成当初からコンセプトとしてありました」
――昨年夏には、レディオヘッド、レッチリ、ウィーザー、グリーンデイなどのカバーを収めた洋楽カバー・アルバムも出されていますね。
岸本「そうですね。ジャズ自体が昔の音楽のカバーや、ミュージカル、映画音楽、ビートルズのカバーをやっているので、僕たちの世代の90年代の音楽をとりあげた作品を作りました。モダンジャズのミュージシャンがスタンダード曲を取り上げていたのと同じような感覚で作った作品です」
Keishi「僕も聴かせてもらいましたが、レッチリにビョークにアンダーワールドなど、面白い選曲だなと思いました」
――Keishiさんとfoxは、どこで出会ったのでしょうか?
Keishi「元々は僕が『Alley』を出したときにリミックスしてもらう人を探していたんですよ。あまり絡んだことのない人にやってもらいたいなと思って紹介してもらったんです。そのリミックスをお願いしたときは厳密にいうと会っていないんですけど。初めて会ったのは去年の8月だから、まだ出会って半年くらいで」
カワイ(fox)「対バンで去年の8月に実際に会って、楽屋でいろいろ話して」
Keishi 「僕はあまり意識していなくて、普段通りに話していたんですけど、“初めて会った気がしないんだよね”みたいなことを言ってくれて、仲良くなれるかもと思っていました」
――みなさん、同い年なんですか?
井上(fox)「ここ3人(カワイ、岸本、Keishi)が同い年です」
――お互い、出会う前から存在は知っていたんですか?
岸本「レコード会社が一緒だから、名前は知っていました。僕は10年代に入るくらい前からKeishi君の存在は知っていて、Riddim SaunterをYoutubeとかで聴いていたり、クラブでDJがかけているのを聴いたり、『Dear joyce』を聴いたりしていました。ディレクターと“ディスクユニオンの歴代のなかにはこういうバンドがいて、Riddim Saunterもそうだし”って話しているときに、“もし自分達のバンドに、男性のボーカルを入れるならRiddim Saunterのボーカルがいいじゃない”って話もしてたんですよ」
Keishi「それはいつごろ?」
岸本「2013年くらい。ディレクターも“それはいいね”みたいなこと言ってたんです」
Keishi「それすごいな、初めて聞いた。僕が頼んだ人が、僕とやってみたいと言っていたなんて、奇跡的な話じゃないですか?」
岸本「ホンマホンマ!」
――去年、対バンしての印象はどうでした?
カワイ 「同い年というのもあって、打ち解けるにはそんなに時間がかからなかったかな」
岸本「Keishi君のライブバンドのサポートメンバーも共通の友達がいて」
井上「普通にバンド仲間の共通の知り合いが多いんで、親しみやすかったですね」
(2016年4月11日更新)
Keishi Tanaka feat. fox capture plan
『透明色のクルージング』
5月11日(水)発売 1500円(税別)
Niw! Records
NIW119
<収録曲>
01. 透明色のクルージング
02. Anything You Want
(John Valenti Cover)
03. More Today Than Yesterday
(Spiral Starecase Cover)
04. After Rain (fox capture plan Remix)
05. 透明色のクルージング
(fox capture plan Instrumental ver.)
fox capture plan feat. Keishi Tanaka
『透明色のクルージング』
5月11日(水)発売 1500円(税別)
Playwright
PWT22
<収録曲>
01. 透明色のクルージング
02. 傘を持たない君と音楽を
(fox capture plan Remix)
03. Silent Fourth
04. Yellow Counter
05. 透明色のクルージング
(fox capture plan Instrumental Ver.)
ケイシ・タナカ…2011年9月にRiddim Saunter解散後、シンガー・ソングライターとして活動をスタート。2015年までにフルアルバム『Fill』と『Alley』をリリースの他、詩と写真で構成された6曲入りソングブック『夜の終わり』や、絵本『秘密の森』など、自身の世界観を表現する多様な作品をリリースしている。最大10人編成で行われるバンドセットからピアノデュオや弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで活動中。自主企画として"NEW KICKS"と"ROOMS"を不定期に開催。
Keishi Tanaka オフィシャルサイト
http://keishitanaka.com/
フォックス・キャプチャー・プラン…現代版ジャズロックをコンセプトに、それぞれ違う個性を持つバンドで活動する岸本亮(p)、カワイヒデヒロ(b)、井上司(ds)が集まり2011年結成。ジャズピアノトリオの編成を軸にポストロック、ドラムンベース、ダブステップなどの要素を取り込んだ新感覚な楽曲が特徴。2012年10月、タワーレコード限定ミニアルバム『FLEXIBLE』でデビュー。2013年12月にリリースした2ndアルバム『BRIDGE』が、JAZZ JAPAN AWARD2013アルバムオブザイヤーニュースター部門、CDショップ大賞2014部門賞ジャズ賞の2つの賞を獲得。2015年は2枚のオリジナル・アルバムとカバー・アルバムを発表し、JAZZ JAPAN AWARD2015アルバムオブザイヤーニュージャズ部門、”BUTTERFLY"がCDショップ大賞2016ジャズ賞を獲得。
fox capture plan オフィシャルサイト
http://foxcaptureplan.tumblr.com/
『NEW KICKS at Billboard
~Hello, New Kicks Release Party~』
チケット発売中 Pコード290-530
4月20日(水)18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席5900円
※本チケットに整理番号はございません。ご希望の方は発券後、お問合せ先まで要連絡。当日は整理番号順でお席へご案内しておりますが、整理番号をお持ちでないお客様は開場時間の30分後のご案内となります。カジュアルエリアの取り扱いなし。未就学児童及び高校生同士の入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。
[サポートメンバー]
小宮山純平(ds)/
潮田雄一(g/QUATTRO)/
田口恵人(b/LUCKY TAPES)/
gomes(pf)/
CrossYou(T.sax./RIDDIMATES)/
阿部健太(tp)/谷崎舞(vn)/
塩澤佳奈(vla)/吉良都(vc)
[ゲスト]
fox capture plan/
TGMX(FRONTIER BACKYARD)/
松田"CHABE"岳二(perc)
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
【東京公演】
チケット発売中 Pコード291-727
▼4月23日(土)18:00/21:00
ビルボードライブ東京
自由席5900円
※未就学児童入店不可。18歳未満・高校生は成人の同伴にて入店可。チケット購入後、手元にチケットを用意の上、問合せ先まで要連絡(入場整理番号決定)。
[サポートメンバー]
小宮山純平(dr)/
潮田雄一(g/QUATTRO)/
田口恵人(b/LUCKY TAPES)/
gomes(pf)/
CrossYou(T.sax./RIDDIMATES)/
阿部健太(tp)/銘苅麻野(vn)/
塩澤佳奈(vla)/吉良都(vc)
[ゲスト]
fox capture plan/
TGMX(FRONTIER BACKYARD)/
カジヒデキ/Predawn/
松田"CHABE"岳二(perc)
ビルボードライブ東京 ■03(3405)1133
『Keishi Tanaka × fox capture plan
"the CRUISING tour"』
【愛知公演】
チケット発売中 Pコード292-730
▼6月6日(月)19:30
TOKUZO
全席自由3500円
ジェイルハウス■052(936)6041
チケット発売中 Pコード292-680
▼6月9日(木)19:30
UrBANGUILD
オールスタンディング3500円
GREENS■06(6882)1224
福岡公演】
チケット発売中 Pコード292-639
▼6月10日(金)19:30
INSA
前売3500円
キョードー西日本■092(714)0159
【広島公演】
チケット発売中 Pコード292-919
▼6月11日(土) 18:30
LIVE Cafe Jive
全自由3500円
夢番地広島■082(249)3571
【香川公演】
チケット発売中 Pコード292-645
▼6月12日(日)18:30
TOONICE
オールスタンディング3500円
デューク高松■087(822)2520
【長野公演】
チケット発売中 Pコード293-070
▼6月17日(金)18:00
the Venue
オールスタンディング3500円
Niw! Records■03(3511)9920
【東京公演】
チケット発売中 Pコード295-907
▼6月19日(日)18:30
SuperDeluxe
全自由3500円
VINTAGE ROCK■03(3770)6900