「常に表に立ち続けて、闘い続ける姿勢を見せなければならない」 THE BAWDIESが結成10周年を経て ロックンロールの夜明けを照らす、まばゆき『SUNSHINE』! ROY(vo&b)インタビュー&動画コメント
昨年の結成10周年を経て、’15年は新たなチャレンジの年としてスタート。二度目の武道館公演、初のホールツアーに加え、初めてのヨーロッパツアーを敢行するなど、精力的に挑み続け、進化し続けるTHE BAWDIES。この秋リリースされたニューシングル『SUNSHINE』では、カントリーテイストも入った暖かみのある新境地へと踏み出し、カップリングの勢いみなぎるロックンロールチューンと合わせて、深みを増したバンドの今を実感させてくれる。来たる’16年は、年明けからツアーに突入! ロックンロールの伝道師として闘い続けるバンドの想いを、ROY(vo&b)が率直に語ってくれた。
『SUNSHINE』は自分の中で奇跡的に出来た曲で
書こうと思って書ける曲じゃないんだろうなって
――’15年は海外のツアーも含めて、とにかく精力的にライブをやってきましたね。
「ライブバンドであり続けるべきだと思うし、ロックンロールバンドは生で音を伝えられなければ、本物ではないと思うんです。去年は結成10周年だったのでそこから新たなスタートを切って、今年は二度目の武道館、初のホールツアー、そして初のヨーロッパツアーと続きました。チャレンジの1年にしようと決めていたので、今回のシングル『SUNSHINE』でも、新たな一面を出したいという想いもあって」
――確かに、ニューシングルの『SUNSHINE』はとても新鮮でした!
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「『SUNSHINE』(M-1)は4月ぐらいに出来た曲で、朝起きたときにすごいパワーが湧き上がってきて、“今なら何をやっても成功する!”みたいなやる気に満ち溢れていたんです。それを“このまま曲を書いたらすごい曲が出来る気がするので、それを証拠として残しておきます!”って、Twitterにも書いたんですけど(笑)、僕にとって初めての経験でしたね。よくアーティストの方が、“曲が降りてきた”とか言いますよね? 今回はまさにそういう感じでした。でも、後にも先にも、このときだけしかそういうことはないですけど(笑)。だから、『SUNSHINE』は自分の中で奇跡的に出来た曲で、書こうと思って書ける曲じゃないんだろうなって思ってます」
――THE BAWDIESはロックンロールのイメージがあるんですけど、『SUNSHINE』は穏やかであたたかみがある曲調で。今までこういう曲を前面に出すことはなかったのでは?
「そうですね。アップテンポなロックンロールナンバーというのは、ライブで得ることが多いパワーなので、作りやすいんです。でも、それとは違うところから生まれるものがこの曲にはあって。(曲が降りてきた)4月に感じた光とかあたたかさをそのまま曲にして、みんなに伝えたいと思ったのがこの『SUNSHINE』ですね」
――カントリーテイストの音色も聴こえてきます。
「今回、プロデュースをお願いしたペトロールズの長岡(亮介・vo&g)さんの強いルーツにカントリーというものがあるからでしょうね。そういったものと、僕らのルーツにあるリズム&ブルース、ソウル、ロックンロールというものが融合したときに、さらなるあたたかみを生んだんだと思います」
――曲の中に、バイオリンやペダルスティールを入れようというアイデアはどこから?
「今まではバンド4人の音にこだわってきたので、敢えてそれ以外の音は入れてこなかったんですけど、JIM(g)が“この楽曲にはすごく可能性を感じるので、バイオリンの音とかが聴こえてきてもいいかもしれませんね”って長岡さんに言ったら、“それ、いいね!”っていうことになって。そこに、“ペダルスティールも合うんじゃないか?”とか、長岡さんのアイデアも入れて膨らませてくれたんですよね」
――長岡さんと一緒にやることになったのは、そもそもどういったきっかけで?
「僕たちは基本的にセルフプロデュースでずっとやってきて、以前プロデューサーをやってもらったのは、LOVE PSYCHEDELICOのNAOKI(g)さんだけなんです。NAOKIさんは、僕たちが潜在的に持っているものをどんどん引き出してくれて。そういう経験もあったので、去年10周年を迎えて、バンドがさらにステップアップするために、また誰かに自分たちの新たな可能性を引き出してもらいたいなと感じていたんです。それで、メンバーやスタッフから最初に出てきた名前が、長岡さんだったんです。センスがズバ抜けているし、ソウルミュージックが根元にある人なので、自分たちともつながりやすくて。NAOKIさんもそうだったんですけど、長岡さんも他のバンドをプロデュースするのは僕たちが初めてだったらしくて。プロデューサー業をメインとしていない人の方が、一緒に作っていける感覚があるので、それも大事な要因でしたね」
――『SUNSHINE』は、ROYさんのボーカルからもリラックスした雰囲気を感じます。
「僕は曲が始まったら常にフルパワーでいきたいタイプなんだけど(笑)、長岡さんが“ちょっと力を抜いて、ささやくように歌った方がいいよ”ってアドバイスしてくれたんです。一緒にやっていく中で長岡さんとの信頼関係も生まれてきたので、もう委ねてみようと。長岡さんが言う通りリラックスして歌った結果、徐々にあたたまって最後にはしっかり爆発する曲になりました。自分たちだけではこうはならなかったと思います」
――この歌詞はラブソングのようですが。
「この曲が生まれた4月に感じた光って、やわらかくて深くあたたかいイメージだったので、ふんわりとした優しさのあるラブソングにしたかったんです。とにかく、メッセージが強過ぎるのは避けたかったんですよね」
カップリングってバンドのディープで濃い部分が出ますよね
――カップリング2曲は表題曲とは一転、THE BAWDIES本来のロックンロールが爆発していますね。
「シングルの表題曲は伝わりやすいものを選ぶけど、カップリングってバンドのディープで濃い部分が出ますよね。僕はいち音楽ファンとして、そういうのがすごく好きなんです。カップリングの曲ってアルバムに入らないことも多いし、バンドにとって好きなことをやらせてもらえるのがカップリングかなって。今回は新たな一面ということで『SUNSHINE』が出来たので、カップリングでは(今まで通り)らしさを出したいなと思ったんです。『THE FIGHTER』(M-2)では変わらないロックンロールを貫きつつ、しっかり進化しているところを見せたかった。だから、『SUNSHINE』とは真逆の鋭さが全面に出た1曲かなと思います。『THEY CALL IT WHISKEY BLUES』(M-3)はTAXMAN(g&vo)が去年辺りに書いてた曲ですけど、アルバム『Boys!』(‘14)の雰囲気とはまた違っていたので、とっておいたんです。TAXMANが1曲歌うのはライブでも定番になっているし、入れることにしました」
――ちなみに『THE FIGHTER』って何を指しているんですか?
「ロックンロールバンドということは=闘い続けなければならないフィールドにいると思うんです。音楽って常に新しいものが生まれてくるけど、その進化がある一定のところまで行っちゃうと、みんな原点に戻りたくなる。その時にまたロックンロールが必要になると思うんです。今は最先端の音楽がどんどん出てきて、世代もお客さんもどんどん入れ替わる。そういう中で、常に自分たちが表に立ち続けて、闘い続ける姿勢を見せなければならないというテーマがあったんです。それで、こういう尖った一面が出たんだと思います。まだまだ11年目ですし、ロックンロールバンドは伝え続けなければ根付かないし、ライブで説得力がなくなったら、ロックンロールバンドは終わりなので。そこだけをしっかり守り続ければ、何歳まででもやっていけると思っています」
とにかく新年なので、ドカーン!とアゲまくっていきたいですね
――初回限定盤のヨーロッパツアーのドキュメンタリーDVDも貴重で、なかなか興味深いですね。
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「今回のヨーロッパツアーのそもそものきっかけは、フランス最大級のロックフェス『Les Eurockeennes(レ・ユーロケン)』に呼んでもらったことなんです。THE BAWDIESはヨーロッパでリリースもしていないですし、全く無名の状態で行ったにも関わらず、すごい反応が返ってきたんです。自分たちの音楽が日本以外でこんなにもストレートに伝わるんだ!って、僕ら自身も鳥肌が立った瞬間がこのドキュメンタリーには収められているので、是非ともそれを感じ取っていただきたいですね。僕らと一緒に旅をしているような気持ちも味わってもらえると思います」
――イギリスやドイツでもライブをされたようですが、特にフランスでの手応えが大きかった?
「そうですね。『Les Eurockeennes』の主催者は好きなアーティストしか呼ばないというこだわりがあるようで、売れているとか、世界的に注目されているという基準ではなく、カッコいいロックンロールバンドを世界中から探している中で、THE BAWDIESを見付けて呼んでくれたことが一番嬉しいことで。それがすごく自信につながったんですよね。フランスには来年また行けたらいいなと考えています」
――そして、いよいよ'16年は年明けからいきなりツアーに突入しますね。
「“ロックンロールから新年を始めて、そのまま勢いよく転がり続けましょう!”という想いなので、年明けのお祭りとして参加していただけたらなと。お年玉的なギフトも用意してます(笑)。今年のホールツアーでは1曲目から新曲を披露したり、レコーディングもまだしていない曲を、その場でワッとやっちゃうみたいなところもあるので、もしかしたらそういう曲も飛び出すかも。同時にもしかしたら、一生音源化しないかもしれないし(笑)」
――ライブに行かないと聴けない曲って、貴重ですね(笑)。
「とにかく新年なので、ドカーン!とアゲまくっていきたいですね。THE BAWDIESとしては、大阪・なんばHatchが'16年の初ライブになるんで!」
Text by エイミー野中
ライター・エイミー野中さんからのオススメ!
「THE BAWDIESが結成されたのは’04年の元旦。10年以上経た今もなお、彼らはライブを基盤に新たなフィールドへと挑み続け、そのチャレンジャー精神には常にワクワクさせられます! そんな生の現場で培われた熱さや勢いは、『SUNSHINE』のカップリング曲『THE FIGHTER』『THEY CALL IT WHISKEY BLUES』などにもバッチリ反映。そして、ロックンロールバンド本来の性急さや鋭さは鈍ることなく、バンドの深みや旨味を増幅させたのが『SUNSHINE』なのです。この曲がライブで演奏されるとき、そこにどんな光景が広がるのか。ROY曰く“奇跡的に出来た1曲”がライブで新たな奇跡を生む瞬間を、目撃しなければ!」
(2015年12月 4日更新)
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Movie Comment
新曲となんばHatchに向け雄弁に語る ROY(vo&b)からの動画コメント!
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Release
ペトロールズの長岡亮介を迎えた グッドヴァイブな新境地!
Single 『SUNSHINE』 【初回限定盤DVD付】 発売中 1800円(税別) Getting Better VIZL-896 ※『“European Tour 2015” Documentary Movie』(80分超収録) 【通常盤】 発売中 1200円(税別) VICL-37118 <収録曲> 01. SUNSHINE 02. THE FIGHTER 03. THEY CALL IT WHISKEY BLUES
Profile
ザ・ボゥディーズ…小学校からの同級生のROY、JIM、MARCYと高校からの同級生、TAXMANによって’04年1月1日に結成。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、メンバーが敬愛するリトル・リチャード/レイ・チャールズに代表されるリズム&ブルース/ロックンロールのルーツを昇華した楽曲、誰もを楽しませるライブが各地で噂を呼ぶ。’06年にインディーズ1stアルバム『YESTERDAY AND TODAY』をリリース、’07年の初の海外ツアーとなるオーストラリアツアーや『FUJI ROCK FESTIVAL '07』のROOKIE A GO-GOに出演を経て、’08年には二度目のオーストラリアツアーを敢行。’09年、LOVE PSYCHEDELICOのNAOKI(g)をプロデュースに迎え、メジャー1stアルバム『THIS IS MY STORY』をリリース。以降、現在までに5枚のオリジナルアルバムを発表している。’11年には初の日本武道館公演を大盛況に終わらせ、’12年にはバンド結成のきっかけとなったTHE SONICSを招聘しジャパンツアーを開催。’13年には初の横浜アリーナ、大阪城ホール公演を含む全県ツアーや、『FUJI ROCK FESTIVAL '13』のGREEN STAGEへの初出演、韓国・台湾・香港での初のアジアツアーに、同世代最強の白人ソウルアクトEli“Paperboy”Reedを招聘したジャパンツアーと、充実したライブイヤーを送る。‘14年には結成10周年及びデビュー5周年を迎え、初のカバーアルバム『GOING BACK HOME』を発表。’15年3月には二度目の日本武道館公演を成功させ、6月には初のホールツアーを開催。7月にはフランス最大級のロックフェス『Les Eurockeennes(レ・ユーロケン)』への出演、ドイツ・フランス・イギリスでの初のヨーロッパツアーを敢行。そして、10月28日には、1年4ヵ月ぶりとなるニューシングル『SUNSHINE』をリリース。’16年1月に、『BRINGING IN THE ROCK & ROLL NEW YEAR』と題した東名阪ツアーも控える。THE BAWDIES オフィシャルサイト http://thebawdies.com/
Live
年内関西ラストはロットンのイベント 年明け一発目のライブは大阪で!
【京都公演】 『ポルノ超特急2015』 チケット発売中 Pコード267-590 ▼12月23日(水・祝)11:00 京都パルスプラザ 全自由5800円 [出演]キュウソネコカミ/10-FEET/Dragon Ash/HEY-SMITH/SiM/THE BAWDIES/ROTTENGRAFFTY/WANIMA/赤い公園/Crystal Lake/四星球/HAPPY/SUPER BEAVER/NUBO/夜の本気ダンス サウンドクリエーター■06(6357)4400 ※小学生以上は有料、未就学児童は保護者同伴の場合無料。アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払い戻しは行いません。予めご了承ください。
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Pick Up!!
【大阪公演】
『BRINGING IN THE ROCK & ROLL NEW YEAR』 一般発売12月5日(土) Pコード279-206 ▼1月10日(日)18:00 なんばHatch 1Fオールスタンディング3900円 2F指定席3900円 サウンドクリエーター■06(6357)4400 ※未就学児童は入場可。小学生以上はチケット必要。新春ギフト付。
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【名古屋公演】 一般発売12月5日(土) Pコード276-615 ▼1月11日(月・祝)18:00 ダイアモンドホール 前売3900円 ジェイルハウス■052(936)6041 ※新春ギフト付。小学生以上有料。 未就学児童入場可。【東京公演】 一般発売12月5日(土) Pコード279-359 ▼1月17日(日)18:00 EX THEATER ROPPONGI アリーナ立見3900円 スタンド指定3900円 ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999 ※未就学児童は入場可。小学生以上はチケット必要。新春ギフト付。
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