「あそこで歌ったら、どんな気持ちになるんだろう」
結成20周年を飾る、PANの過去最大の挑戦!
運命の12/20(日)なんばHatchワンマンと
渾身の新曲『想像だけで素晴らしいんだ』を語る全員インタビュー
11月11日にリリースされたPANの最新シングル『想像だけで素晴らしいんだ』は、ライブをはじめ発売前から多くの人たちに聴かれる機会も多く、オーディエンスだけでなくバンドマンや業界関係者の間でも大きな話題に。それだけキャッチーで、何よりも疾走感と決意表明がビシビシと伝わってくる、とんでもないキラーチューンとなった。バンドが結成20周年を迎えたのも、大きな節目だったように思う。そして、その20年の集大成でありターニングポイントとして、キャリア最大規模のワンマンライブが12月20日(日)なんばHatchにていよいよ開催される。PANのワンマンということで“PANマン!”、少しでも多くの話を聞くために、メンバー全員に集まってもらった。
結成20年だからこそ出来た曲なんで
この1曲に全てが凝縮された感じはありますね
――『想像だけで素晴らしいんだ』(M-1)は、本当に突き抜けたシングル曲だと思います。いわゆるキラーチューンだと捉えていますが、どのような流れで出来上がりましたか?
川さん(vo)「ウチは全員が楽曲を作るんで曲調とかもいろいろあるし、幅も見せたいと思いましたけど、具体的に“こういうシングルにしたい”というのはなかったですね。そしたら、違うパターンの4曲が出来たという感じで。レコーディングが終わってから、スタッフを含めてどれを推し曲にするか決めました。自分たちだけでは見えない部分もあるのでスタッフの話を聞いたのですが、自分でも『想像~』がいいかなと思いましたね。12 月のHatchワンマンという目標があって、あそこで歌ったら、どんな気持ちになるんだろうとは思ってます。バンドを始めたときの気持ちを思い出せる曲ですしね。結成3年目では作れない曲ですし、結成20年だからこそ出来た曲なんで、聴いてくれた人もグッとくるものがあったのかなと」
――僕は一瞬で全員総意により『想像~』に推し曲が決まったものかと思っていました。
ダイスケ(b)「いや、『想像~』と『やったった感』(M-2)と迷ってました。『想像~』はメロディを気に入っていたし、歌える歳になったのかなと思いましたね。『想像~』は作曲が僕なんですけど、でも普通に作った感じですね」
ゴッチ(g)「特別難しく考えたりはしていないですけど、最終的には思ったことに逆らわず、『想像~』に決めました。この1曲に全てが凝縮された感じはありますね」
よこしん(ds)「“エエのが出来た!! どや!?”というよりは、やり切った感じがあるのが、よかったかなと思います」
15年くらいやってきたときに
人生の中でバンドを中心にしてもいいかなと思えた
――“20年やってきたからこそ出来た”というのも、重みを感じる言葉だなと思います。
川さん「15年くらいやってきたときに、人生の中でバンドを中心にしてもいいかなと思えて。遊びながら、“やろーぜ”と改めて思えたんですよ。技術も大切だけど、それよりも幼馴染でやってる空気感というか。おもしろいことをやるのが好きですし、それはムダじゃないと思うので。ライブでの空気感やMCも無理していないから、支持されてるところもあると思うんです。バンドを始める前から備わっていた財産でもありますし」
ゴッチ「肩肘を張っていないからね」
川さん「基本、幼馴染の3人はずっと変わらず、ドラマーが変わっても、止まらず下降気味にもならず加速が出来たかなと。でも、ドーンともいってないんですけど。マイペースとは言え、一段一段確実に登れたように思います。この先にも可能性を感じてるし、もちろん焦りや悔しさも感じてますけど、俺らのやり方というのが出来てるので」
ゴッチ「前のドラムが辞めるとき、自分も続けるのか続けないのかを考えたときに、続けるイメージしか浮かばなくて。僕じゃない人がギターを弾くのが想像出来なくて」
川さん「でも、あのとき“トラックの運転手になる”って言ってたよな! そういう曲を自分で歌ったら?(笑) “人生の右車線をゆっくり進む”みたいな(笑)」
ゴッチ「トラックで砂も運ぶし、夢も運ぶ、みたいな(笑)」
――トラックだと、深夜高速を走っている光景も思い浮かびますし、名曲になるかもですね(笑)。
川さん「ホンマですね(笑)。でも、あのときにタイミングよく、よこしんが入ってきたのもよかったんですよ」
ダイスケ「そこはデカかった。考え方も変わっていったし、僕も作曲を始めたし。前は誰かに任せていたけど、今はちゃんと役割分担も出来るようになりましたから」
よこしん「幼馴染のバンドに年下の僕が途中で入ったので、気苦労もたくさんありましたよ(笑)。6歳も上ですから、最初は大変かなと思いましたけど、優しく受け止めてもらえましたから。今までの曲を覚えるのも大変ですし、苦手なタイプのドラムでもありましたし、その上で3000人の前でいきなり叩いたりするのはどうしようかと思いましたけど、あんまり考え過ぎずに、楽観的に流れに乗るようにしましたね。バンドは“人柄”なんで、そういう点では辞めたいと思ったことはないし、続いていくと思えてます」
川さん「めまぐるしくバタバタするのは僕らもですし、柔軟にやっていけてますね。20年のベタなノリもないので、初めて観た人もおもしろがってもらえるかなと。まぁ、よこしんに関しては、とにかくメシで買収しました(笑)。ライブをしたらメシが食えると思ったら、よこしんはヨダレを流すようになっているので!」
よこしん「でも、最近ライブでは、ご飯を食べられる制度がなくなりかけてますよね!?」
――(笑)。でも、団結感は伝わってきます。
川さん「たった4人でも小っちゃい職場ですから、居心地よくないと意味ないですから。こいつらとおったら楽しいと思ってますし、今のままでいいとも思ってなくて、もっとこうなりたいという想いは全員あるんですよ。他のバンドと比べたときも、自分たちを俯瞰で見られるようになってますし」
ゴッチ「余計なものを削ぎ落とせてる感じはありますね。観に来てくれる人も増えてきているし、相乗効果ですね」
ダイスケ「最近は、よこしんのキャラも出来てきてるし、意見も言ってきてくれるので、バンドとして成長を出来てるかなと思いますね」
シンプルな曲でも、しっかりやれば、大きな的に当てられる
――個人的には去年の『京都大作戦2014』が本当に印象的で、バンドマンたちがまるで自分のことかのように泣いて喜んでいたんですよね。ああいう大きなフェスで確実に爪痕を残してきているから、こういう成長があるんだなと。
川さん「出たからには、どれだけのインパクトを残せるかというのは、ずっと考えていました。いい意味での無茶をしたいなと。曲を追うごとに加速しているし、自然と広がっている感じはしましたね。友達たちが感動するイメージは、さすがになかったですけど(笑)。狙い過ぎるんじゃなく、純粋に表現出来たのは良かったです。シンプルな曲でも、しっかりやれば、大きな的に当てられることが分かりました。いろんなシーンに行っても、幅や引き出しがあるので、楽しませる自信が今はあります」
ゴッチ「ジャンルに惑わされず、いろんなシーンで出来たことで、バンドが大きくなったかなと」
ダイスケ「よこしんが入ったくらいから、そういう対バンが増えましたね。ライブも演出をしっかりと考えるようになりましたし。いろんなバンドとやって、いいところを盗めてるとも思います」
よこしん「ジャンルがいろいろあっても、結局は人ですから」
――そして、とにかく12月20日(日)のHatchでのワンマンが楽しみです!
川さん「友達のライブをHatchに観に行って、お客さんが並んでいるのを見て、すげーなと思ってましたし、絶対に自分たちも挑戦したいとずっと思ってましたから。来るべきときが来たなと。目標を徐々に大きくしていきたいです。Hatchをやり切ったら、次に必ず何かがあると思うんですよ。向上心を持って、常に動いていきたいので。20周年の最終月の20日が日曜日だったのも、偶然でしたし、何より、その日に出来るのが嬉しいです」
ゴッチ「今までで一番デカい規模のワンマンなんですけど、あくまで通過点として捉えたいです。大きい場所だからこそのことをやりたいし、普段通りのこともやりたい。一瞬一瞬を刻みたいです。不安よりも期待しかないです」
ダイスケ「特別な日にしたいです。世界記録(=最も早く1枚の食パンを食べたタイム)挑戦も、そんなことをやるバンドもいないですから(笑)、楽しみにして欲しいです。真っ直ぐにやるつもりです」
よこしん「ほとんど言われてしまいました(笑)。ワンマンは自分たちだけを楽しみにして来てくれるので、特別な1日にします! 楽しみです!」
川さん「いつもライブでパンを投げるのですが、室内の方が風がなくて、すーっと飛ぶので楽しみです(笑)。1枚は焼いたパンも投げたいです!」
ダイスケ「2階席にも飛ばしたい!」
――(笑)。とにかく楽しみにしています!
(2015年12月15日更新)
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