昨年、結成10周年を迎えた、世界的ジャズピアニスト小曽根真率いるビッグバンドNo Name Horsesが、クリスマスシーズンの大阪に帰ってくる! ジャズとクラシックの世界をクロスオーバーする彼が今回挑んだのは、モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番『ジュノム』。彼がスコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラに招聘され編曲した同曲は海外メディアでも賞賛の嵐を巻き起こし、12月17日(木)サンケイホールブリーゼにて、いよいよ日本初披露の日を迎えることとなった。編曲を進めるにつれ「モーツァルトのスピリットは非常にジャズに近い」と確信したと言う彼は、こうも語る。
そして、当日はスペシャルゲストにNYフィルの首席トロンボーン奏者、ジョゼフ・アレッシを迎えた特別編成で挑むのも話題に。ジャズピアニストがクラシックのオーケストラのツアーに参加したのを縁に、今度はアメリカ最古の歴史を誇るオーケストラの首席奏者がビッグバンドのツアーに参加する。まさに国境やジャンルを超えた魂の交流とも言えるこの機会のため、NYフィル自体もハイシーズンにも関わらず日本へと駆け付ける、「トロンボーン吹きからしたら“神”」である存在。そんな奇才の参加にも、「人生何が起きるか分からないというか、ダメ元でも1回聞いてみるもんやなと(笑)」と笑う小曽根からも、その厚い信頼関係が伺える。もちろん、迎え入れる本艦No Name Horsesも磐石の体制。昨年、フェスティバルホールで魅せた感動のステージも、彼らの絆をより強固なものにしたことだろう。
おぞね・まこと…’83年バークリー音楽院ジャズ作・編曲科を首席で卒業。同年米CBSと日本人初のレコード専属契約を結びアルバム『OZONE』で全世界デビュー。’03年にはゲイリー・バートンとのデュオアルバム『VIRTUOSI』がグラミー賞ノミネート。ソロピアノ、トリオ、自ら率いるビッグバンドNo Name Horses、舞台音楽、作曲など、多方面で活躍中。近年はクラシックにも取り組み国内外の主要オーケストラと共演。’14年2月にはニューヨーク・フィルハーモニックのアジアツアーにおいて、初の日本人ジャズピアニストとしてソリストに抜擢され成功を収めた。平成25年度文部科学大臣賞を受賞。国立音楽大学教授。