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シャムキャッツ、neco眠る、Sugar's Campaignほか
豪華出演陣による、高校生以下はなんと入場無料(!)のイベント
『SPICE!』が11/8(日)味園ユニバースにて開催へ
実行委員会によるスペシャル座談会をお届け!

 “スマホを置いて、街へ出よう!”を合言葉に、未知なる出会いを提供する豪華イベント『SPICE!』が、11月8日(日)に開催される。会場は、同名映画の舞台ともなった大阪・千日前の味園ユニバース。元キャバレーの内装をそのまま活かしたゴージャスなホール、多彩な出演陣はもちろんのこと、フードやドリンクのブースや似顔絵を描いてもらえるアートブース、シルクスクリーンのワークショップや物販など、ライブのみにとどまらない、盛りだくさんの学園祭。しかも18歳以下はなんと入場無料と、普段はなかなかライブに行かない(行けない)高校生や中学生にはまたとない機会だ。“何だかよく分からないけど、行けばきっと何かがある”。そんな気持ちにさせてくれるこのイベントを企画したのは、川崎誠二(buttah/アララギ)、森雄大(buttah/neco眠る)、古谷高治(digmeoutART&DINER)、尾田政志(タワーレコード梅田大阪マルビル店)、土井コマキ(FM802)の5人。大阪の街や音楽に関わるキーパーソンとも言えるこのメンバーに、イベント『SPICE!』についてのお話を伺いました!

※ちなみに、写真ではみんなマイクを持っているのを見て“?”となった方も多いかも。そう、この記事の内容は後日(10月27日(火)・11月3日(火)いずれも24:00~27:00)、FM802『MIDNIGHT GARAGE』にてオンエアされるんです! 併せてぜひチェックを。

――11月8日(日)に開催される『SPICE!』は、今日集まっていただいた5人が実行委員会とのことですが、きっかけはどんなところから始まったんでしょうか。
 
川崎「実はイベント自体は後から決まったことなんですよ。最初は、僕が古谷さんと話をしている中で、若い子らに対して、街に出るきっかけとして安いメニューを提供できないかってところから始まったんです。それで、まず僕のお店のbuttahとアララギで、18歳以下は500円で食べられるっていうのを始めたんです」
 
古谷「僕はすごくその姿勢に賛同して。実際、若い人たちが街に出なくなってるんじゃないかってのは普段からちょっと感じてたし。若い人たちと、もっと近いところで一緒に楽しみたいという気持ちもあって」
 
尾田「確かにウチのお店でも若い人は少ないですね。自分が高校生のころとか、昔だったら学校帰りに制服のままレコード屋に行ったりってあったと思うんですけど、まず制服姿自体を見ないですもんね」
 
「ライブに来てくれるお客さんも、自分たち(※neco眠るは結成13年!)と一緒に年齢が上がっていってるのは感じます。でもフェスに出たり、対バンによっては若くて新しいお客さんもいるので、若い人たちもライブに遊びには来てるんだなってのも思いますね」
 
土井「私が普段感じてるのは、若い人ってライブに1人で行きづらいとか、みんなと一緒であることの安心感みたいなのがどこかにある気がしていて。でもそこからはみ出すきっかけさえあれば、自分1人でも、面白いものを探していく楽しみも見つけられると思うんです。もちろん、みんなネットを使ったりしていろんな情報を探してはいると思うんですよ。でも、例えば私自身でもそうですけど、無料で10秒くらい音楽や動画を観聴きして、それで分かった気持ちになってしまう。それって体験したことにはならないと思うんです。試食の仕方が浅いっていうか(笑)。それってもったいないことちゃうかなあって。私たちが若い頃は、いろいろ失敗したり痛い目にも遭ってきた経験があるけど、最初からそういう感じだと…」
 

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川崎「やっぱハズレを引く経験もないとね」
 
「そこからまた先に繋がっていくというか。僕もタワレコでよう失敗しましたもん(笑)」
 
古谷「僕らはそうやって街場に出ていろんな情報を拾ったり感じたりしてきた世代だと思うんですけど、今はインターネットやスマホですぐに情報が入ってくるじゃないですか。それで街場に出てこなくなってるんじゃないかって気もして。そんなタイミングで川崎くんからの問題提議というか提案があって。うわっ、これはすっごいええパス来よったな~みたいな(笑)」
 
――そのキラーパスを受けて、イベントにしようと。
 
古谷「そうそう。川崎くんの熱い思いを感じて走り出しました」
 
川崎「そこから『SPICE!』ってタイトルも、森くん(彼はbuttahでも働いている)と、みんなでミーティングする前に決めちゃいました」
 
古谷「でもね、これは後付けやけど、人生にスパイスは必要やん?って。そういう意味合いも込められてます。で、それからこのメンバーが集まって、ミーティングを重ねていくことになるんですけど……。イベントについて、まだ細かい話をする前の段階で、川崎くんから“ユニバース押さえましたー”って…」
 
土井「いきなりでっかい会場なんですけど」
 
尾田「まあでも押さえてしまったからには…」
 
川崎「やらなアカンなって(笑)」
 
「僕は19歳くらいのころに味園に遊びに行くようになって、そこですごく衝撃を受けたし、めちゃくちゃ影響されてますからね。ユニバースでやるのはやっぱ嬉しいです」
 
尾田「ユニバースは若い人にとっては気になるけどなかなか行く機会ないなとか、バンドにとってはここでやれるなら行きたいとか、そういうちょっと特別な場所ですよね」
 
古谷「それで、そこからはもう、ブッキングは森くん無双で」
 
「とりあえず友達に声をかけて…。とはいえ僕も観たい人たちとか、あまり観る機会のない人とか、そんな感じで出て欲しい人たちにお願いしていきました」
 
古谷「結果的にすごくいいメンツが揃ったと思います」
 

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「観に来てくれた人にとって、ちょっと違和感というか驚きを与えられるような、例えばCASIOトルコ温泉みたいなのがいたり。そういうブッキングにはしたかったんですよね。いろんな形のバンドがあるんやでっていうのを見せたいというか。さっきの話じゃないけど、失敗してもええんやでっていう…」
 
一同「失敗枠!(笑)」
 
「いやいや(笑)、めっちゃええんですよ! CASIOトルコ温泉」
 
川崎「彼女たち、すごい楽しそうにライブするんよね。あれはYouTubeだけを観てても伝われへん感じ」
 
土井「私まだ観たことないねんけどめっちゃ観たい! ライブはどんな感じなん?」
 
「僕が10代のころに観てきた大阪のバンドの、ワケの分からんワクワクする感じがあって。女の子4人組なんやけど、真ん中の2人が曲作って歌ってて、両端の2人は…まあ、何もしてへん(笑)。分かりやすく言うと、ピエール瀧さんが2人おるっていう。しかも女(笑)」
 
一同「(爆笑)」
 
――他にもたくさんのミュージシャンが出演しますけど、ひと言ずつ紹介してもらえますか。
 
土井「Sugar's Campaignに出てもらいたかったのは、絶対、その場をハッピーにしてくれるから。すごくストイックな音づくりをしているけど、彼らのフィルターを通すことですごくラフに伝わってくる、そんな楽しさがある人たちですよね」
 
「あと、ネバヤン(=never young beach)はホンマに出て欲しくって。すごく好きなバンドなんですけど、肩の力が全く入ってなくて、今の新しい世代の象徴という印象を持ってます」
 

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尾田「enjoy music clubは観てて一番楽しいというか、スチャダラ世代にもグっと来るものがあるし、エンターテイナーですよね」
 
「彼らは最初SoundCloudにしか音源がなくて、僕がツイッターか何かに“良かった”って書いたら本人たちからすぐメールが来て、“今度初ライブがあるんですけどneco眠る出てくれませんか”って(笑)。なんで、僕は彼らの初ライブを観てるんですよね。あとそう言えば、never young beachも最初はYouTubeで観たのがきっかけで本人たちと仲良くなって…。って、何か“街へ出よう”とか言いながらめっちゃSNS利用してますけど(笑)」
 
土井「(笑)。でもね、そこ重要やと思うねん。そこから先に行けるかどうかが。ちょっと観て終わりじゃなくって、繋がって、続いていく感じ。インターネットを否定するわけじゃ全くないんです」
 
「そういやneco眠るはこの中では一番平均年齢高いバンドなんですよ」
 
川崎「そっかあ。けどneco眠るって、若いバンドからも慕われてるし、上の世代からも可愛がられてるなあって印象あるな。ちゃんとそれぞれの世代を繋いでる感じがいいなあって」
 
土井「確かに! 今回ブッキングのあれこれを主に森くんにやってもらいましたけど、すごいなあこの人って思いましたもん」
 
「僕らは、世代的なところで言うとシャムキャッツが一番近いかな。彼らももう10年くらいやってると思うけど、最近は自主イベントも始めて、共感出来る部分も大きいです」
 
土井「あとYogee New Wavesの角舘(健悟)くんも弾き語りで出てくれることになりましたね」
 
「彼らはnever young beachと同じレーベルで、すごく今の時代の感じだなって思います。あとは、同じく弾き語りで原田(晃行)くん。原田くんは、もうね、最高なんですけど。キャラもかわいいし(笑)。ハードコアパンクからポップスまで、ギター片手にどこでもやる感じで。むっちゃ好きです」
 
土井「単純に考えてこれだけのメンツがいっぺんにユニバースで観られるって、めっちゃお得やと思うんです。若い人に来て欲しいとは言ってますけど、もちろん大人にも来て欲しい(笑)。今回、15歳以下は保護者同伴で入場無料なんですけど、逆に言えば、小さなお子さんのいる人にとっては“子連れで行っても子供は無料”ってことだし」
 
「今回お願いした人たちはみんな、分かりやすさも持ってるけど、そこから先に繋げてくれる音楽をやってる人たちです。このイベントに限らず僕はそういう音楽がずっと好きやし」 
 

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土井「あと、出演者はみんな、このイベントの主旨を理解してくれて、そこにまず乗ってくれた人たちなんです。その上でそれを説教臭くなく表現出来る、楽しい形になる人たちがいいなって思ってましたし、いろんな演奏スタイルがあるといいなとも思ってました。もしかしたら初めて普通のバンド編成以外のライブを観る人もいるかもしれへんし。出来るだけ“こんなん初めて!”がいっぱい詰まってるイベントになればええなあって」
 
――ライブ以外にたくさんの出店があります。
 
土井「例えばワークショップは私が絶対やりたい!って言ったんです。普段、学校や友達の間では体験出来ないようなことを経験して欲しいと思って。レトロ印刷JAMさんが特別にシルクスクリーンのワークショップをやってくれるんですけど、学割もあるんですよ! あとbuttahやアララギ、digmeのごはんの他にも、京都のノキシタエディブルガーデンさんが大人のミックスジュースっていうメニューを出してくれるんです。これがめっちゃ美味しくて! スパイスが効いてるミックスジュースなんです。あとノンアルコールのカクテルも作ってくれます」
 
「CDや本、雑貨などの物販のほかに、白い汽笛(森くん主催のレーベル“こんがりおんがく”からもリリースしている大阪の3人組)のまっちゃんがやっているGombo bass guitarが出店して、ギターの調整をやってくれたり、オリジナルのケーブル販売なんかもあります。普通は高校生くらいだったらなかなか楽器の調整なんて分からないだろうし、いい機会だと思います」
 
古谷「他にもフライヤーのイラストも描いてくれた鈴木裕之さんのほか、川村淳平さん、堀本勇樹さんによる似顔絵ブースもあります。最近みんなSNSの自分のアカウントを似顔絵のアイコンにしてたりするし、そういう広がりもあるんちゃうかなって。あと、今後はこういう主旨に賛同してくれる人や店を含めて、活動の場を広げていけるようになればええなと。今回1回目ですけど、継続してやっていきたいイベントやなと思ってます。会場が変わってももっと小さい場所でもええと思うし」
 
川崎「続けるのは大事やと思う。音楽とかアートとか、多様なものに触れるきっかけをもっと作らないと、と。そういう種蒔きというか、場所作りというか。若い頃にそういった様々な体験が出来たら、彼らが大人になったときに、よりおもしろい世の中に出来るんちゃうかなっていう」
 

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土井「このイベントで何か未知のものに触れたことによって、次また“よく分からないけど行ってみようかな”って思えるような、次のドアに続くようなものになればいいなと思います」
 
「18歳以下の無料チケットっていうのも、店頭でしか配ってないんです。それってネットで予約したり買えたりするものじゃないから、ある種のハードルはあるんやけど、それをきっかけに店や街に出て欲しいですよね。正直、まだ前売りはめっちゃ売れてる感じではないんですけど、多分この記事がウェブに載って、ラジオでもオンエアされたらもう、かなり伸びるんではないかと…(笑)」
 
 
 
写真:清水雅也
取材協力:アララギ



『SPICE!』
チケット発売中 Pコード277-047
▼11月8日(日)13:00開場(21:00終演)
味園ユニバース
前売3300円(ドリンク代別途) 当日3800円
※Under18は招待チケットを200枚配布(Buttah、アララギ、digmeoutART&DINER、タワーレコード梅田大阪マルビル店にて、身分証提示で配布。※招待券はプレイガイドでは取り扱っておりません) ※Under15は入場無料(保護者同伴、身分証提示) 
 
[出演]シャムキャッツ/Sugar's Campaign/never young beach/neco眠る/角舘健悟(Yogee New Waves)※急病の為出演キャンセル/enjoy music club/原田晃行(Hi,how are you?)/CASIOトルコ温泉 
[司会]土井コマキ 
[DJ]サンローラン(DJ AUTO,LARD,EAT)
[DJ SHOW]福富優樹(Homecomings)
[フードブース]digmeout ART&DINER(アメリカンダイナー)/buttah&アララギ(カレー)/ノキシタエディブルガーデン(ノンアルコールカクテル、大人のミックスジュース)/ピンポン食堂 (ケーキ・野菜ごはん・無添加・自然食)/タコラ (カオマンガイ、居酒屋)
[似顔絵ブース]鈴木裕之/川村淳平/堀本勇樹
[ワークショップブース]レトロ印刷JAM(シルクスクリーン体験)
[物販ブース]Gombo bass guitar(ギター調整、オリジナルケーブル)/lovecycle(ニットの帽子とアクセサリー)/さかぼんファクトリー(ピクセルアートアクセサリー)/hoop(布小物)/勝手にマルシェ(インドのスナック、播州織雑貨など)/HOPKEN(レコード、CD、本、雑貨)
 
主催:SPICE!実行員会
総合問合せ:SMASH WEST■06(6535)5569
 
【公式WEB】

(2015年10月23日更新)


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