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ホーム > インタビュー&レポート > 「ここまで時間はかかったけど、俺は今からが始まりだと思う」 RIZEのJESSEも参加した充実の最新作を手に絶賛ツアー中! 難波章浩(vo&b)が遂にたどり着いたホーム=NAMBA69の今を語る 傑作『LET IT ROCK』インタビュー&動画コメント


「ここまで時間はかかったけど、俺は今からが始まりだと思う」
RIZEのJESSEも参加した充実の最新作を手に絶賛ツアー中!
難波章浩(vo&b)が遂にたどり着いたホーム=NAMBA69の今を語る
傑作『LET IT ROCK』インタビュー&動画コメント

 昨年12月発表の1stアルバム『21st CENTURY DREAMS』からたった9ヵ月で、ミニアルバム『LET IT ROCK』をリリースしたNAMBA69。Hi-STANDARD以降、自分が何を求めていたか、そして今どんな状態なのかを丁寧に明かしてくれた今回のインタビューでは、いまだに切磋琢磨が出来ているHi-STANDARDのスゴさと、そこがしっかりと在るからこそ、NAMBA69に全力を注げていることが分かった。また、最近のライブや音源からも感じていた音楽として“踊らせる”ことにジャンルを問わず向かい合い、今を“始まり”と語り、とてつもないパワーで動き出している難波章浩(vo&b)から、本当に目が離せない。間違いなくこのリリースツアーでまたエネルギーを得て、すぐにでも音源を制作していくかのような、今のバンドの状態の良さが伝わってくるインタビューを、ぜひ読んでいただきたい。

 
 
クサい言い方だけど、夢を諦めなくてよかったと本当に思うよ
 
 
――昨年12月発表の1stアルバム『21st CENTURY DREAMS』が本当に素晴らしくて、NAMBA69というバンドがとても好調なのが伝わってきた作品でした! そして、その勢いのままに、あれからたったの9ヵ月で、もう新譜が聴けるのが嬉しいです。
 
「1stの作業が本当にスムーズにいったし、メンバー3人の関係もガッチリ出来ているんだよ。スタジオに入って、ジャムって作ったしね。やりたいビジョンもあるし、俺たちは今キてると思うな。生活を共にしている感覚もあるから、3人の結束力が半端ないよ。だから、ライブも良い。ライブのサウンドチェックで曲が出来たことあったから、今回もすぐにレコーディングをセッティングしたくらいだから」
 
――そして前作に続き、Hi-STANDARD時代のプロデューサーでもあるライアン・グリーン氏と作業をされていて。
 
「ライアンに来てもらう手筈はすぐしたね。曲作り期間を入れても、今回の6曲のレコーディングが終わるまで、2ヵ月くらいしかかかってないかな。ライアン含めてチーム感が出来てきている。完全にファミリーな感じはあるよ。こんな感じはHi-STANDARD以来かも。そんな世界をずっと求めていたんだよ。やっと俺にも出来上がったし、充実感もある。まぁここまで時間はかかったけど、俺は今からが始まりだと思うし。リバイバルみたいな意味でもなくてね。(横山)健くんがいて、恒(岡章)ちゃんがいて、そしてHi-STANDARDも今はいい感じでさ。みんなで時間をかけて、この関係性を作り上げてきたから。健くんにはKen Bandがいて、PIZZA OF DEATHのみんながいる。恒ちゃんもいろいろなバンドで叩いていて、周りにみんながいる。俺にもNAMBA69と、みんながいる。それぞれにファミリーが出来た。クサい言い方だけど、夢を諦めなくてよかったと本当に思うよ」
 
 
Hi-STANDARDも最初の頃は、5人のお客さんの前でもやっていたからね

 
――NAMBA69のメンバー2人の存在もすごく大きいですよね。
 
「2人の功績はデカいね。ライアンがプロデュースしてくれる音も素晴らしいし、いろいろとバンドに与えてくれるのも大きいかな。ものすごく成長させてくれている。Hi-STANDARDもライアンと3枚作って、勢いだけのショボいバンドではなく、しっかりと成長させてもらえたからね」
 
――難波さんのバンド人生にとって、ライアンさんとの出会いがとても重要なのが伝わってきました。それと、前作以上に難波さんの声の伸びやかさもたまらなかったです。
 
「Hi-STANDARD以来というくらいに、ボーカルのレコーディングをしっかり細かくしてもらったからね。声がものすごく良く録れている。ライアンは見守ってくれるし、アドバイスもしてくれるから、自然に導かれるし、引き出される。さらにメンバー2人のことも、彼はリードをしてくれるからね」
 
――メンバーお2人もより色が出ているというか、より存在感を感じます。
 
「グッズのコーディネイトやデザイン、販売までも含めてK5(g)がやっているし、SAMBU(ds)もライブブッキングをしてくれている。役割分担が出来たんだよね」
 
――それは最強じゃないですか!?
 
「うん(笑)。とんでもないチームだよ。“こうやったらいいんじゃない?”というのはあっても基本彼らに任せてるし、最後はちゃんと3人で話し合って決めているからね」
 
――気持ちが完全に1つになっていますよね。そうなっていれば絶対にブレない。
 
「例えばさ、ライブもソールドアウトするにこしたことはないけど、ソールドアウトが出来なくても、自分たちのテンションをしっかりと保ってライブをすることを心がけている。この年齢になってもまだ、そういう経験が味わえるのは幸せだよ。Hi-STANDARDも最初の頃は、5人のお客さんの前でもやっていたからね。世の中甘いもんじゃないけど、それをストイックに楽しみながら、幸せにやらせてもらっているよ」
 
 
単純に最前線でやっているみんなからは年齢関係なく影響を受けていますよ
時には教わることだってあるしね
 
 
――タイトル曲の『LET IT ROCK』(M-2)を、RIZEのJESSE(vo&g)さんとフィーチャリングしているのも新鮮で。




「JESSEに関しては年下とか後輩というよりも、むしろ先輩くらいに思っている。10月にはまた対バンもあるし、彼に置いていかれないようにがんばらないとね。人間としても最高だしね。ここ2年くらいで急接近をしたんだけど、あんなにロッカーでパンクスはいないよ。年齢は違うけど、ルーツは同じ。何か彼がボーカルのバンドが(楽曲から)見えたから、“ベクトル同じだから、何かやろうよ!”と言ったのね。そしたら、“全然やるよ!”と言ってくれて。ラップのパートもJESSEが考えてくれたし、とにかくサウンドもワードもシンプルなんだよ」
 
――難波さんは年齢は関係ないと先ほどおっしゃってましたが、後輩と何か表現が出来るのは素晴らしいなと。
 
「嬉しいことではあるけど、単純に最前線でやっているみんなからは年齢関係なく影響を受けていますよ。時には教わることだってあるしね。どんどん新しいセンスを取り入れていきたいし、そういうのは刺激になっている。でもシンプルさは忘れたらいけないし、只々真似をするわけでは意味ないからね」
 
――そういう外部の人々とも何か作り上げられるのは、バンドが最高にいい状態だから出来るんだなと改めて。
 
「うん、(NAMBA69は)ゴキゲンな状態だよね~(笑)。以前は今みたいなことは出来なかったから。今はヘンに何かを言い過ぎなくても、分かりあえるから。みんながリーダーシップを取れるバンドを作りたかったし」
 
 
音楽は辞めるもんじゃないよ、辞めたらダメだよ
 
 
――あと、Hi-STANDARD時代からカバー曲がとても好きなんですが、今回も本当に素晴らしいチョイスで
 
「いろんな候補があったんだよ。でも、よく考えたらビートルズをカバーしたことがなくて。Hi-STANDARDではやってないからね」
 
――そのビートルズの『REVOLUTION』(M-5)には、いろんな意味合いを感じます。
 
「そうそう、ただ単に“革命を起こそうぜ”、“戦おうぜ”という歌じゃないから。ソロのときに“戦おうぜ”という意味合いを持たせた曲もあったけど、今はそれだけではいい感じにならないのも分かってきて。自分の考えを守ろうとし過ぎると必ず衝突が生まれ、戦うという方向性になる。そして、そこには相手がいるわけじゃない。そういう相手が何かをやっているのも流れだと思って、仲良くやるしかない。安保法案とかいろいろあって、戦争なんて言葉も出てくる時代だからこそ、音楽の役割を改めて、よく考えたね。音楽でケンカを売りたいわけじゃないから。愛を持って仲良くしたい。そういう人生を楽しむには、俺はロックをするしかない、それしかない。万人がロックを好きになってくれたら、本当に嬉しいよね」
 
――難波さんの場合、今作でも感じましたが、いわゆるジャンルとしてのこだわったロックという意味合いじゃなく、精神性というか、想いというか…。
 
「うん、そうだね。ジャンルじゃないよ。ポップソングもダンスミュージックも大好きだから。ちゃんと万人を踊らせたいんだよ。だから今回は、特にそういう風に意識して作っている。Hi-STANDARD以降、パンク精神を持ちつつも、特にダンスミュージックを意識している。グル―ヴィーでいたいし、普遍的でいたいから」
 
――ここ数年の難波さんの音楽からは、よりそのことを考えているのが伝わってきます。きっかけになった出来事などはありますか?
 
「ダンスミュージックのイベントに行ったときに、解放感と一体感があって、ちゃんとユナイトしていたんだよね。そのピースフルな雰囲気は忘れられないかな。そのときに、もっともっと取り入れたいと思ったし、今もそう思っている。今の日本は特に堅くなり過ぎているから、みんな踊ればいいんだよ!(笑) みんな仲間です、ディスり合っても仕方ない。そう、ロックとは超楽しくなることなんだよ」
 
――震災以降、よりその気持ちが強くなられていますよね。
 
「震災以降、エキサイティングになり過ぎて、主張し過ぎたところもあるからね。そこは、さっきも言ったけどビートルズを見習って、シンプルの、キャッチーの重要さを知らないといけない。世の中ギスギスしているから、余計にだよね。そういう想いを、ちゃんと日常に持って帰って欲しい。焦らずに“まぁまぁ”と言えるようにならないと。焦ったら、終わり」
 
――難波さんの伝えたいメッセージが、どんどんシンプルでキャッチーでストレートになっているのがいいですね。
 
「うん。“いい時間を探して、いい波に乗っていこうよ”ということだからね。それは、Hi-STANDARDが打ち出したメッセージでもあるから。そういうことを一生続けるのが、宿命というかね。音楽は辞めるもんじゃないよ、辞めたらダメだよ」
 
――宿命…覚悟を感じます。
 
「いろんなもんを背負っちゃってますけど、そういうのをOKと思える俺になっているから。今のスタッフもフリーダウンロードをやらせてくれたり、自由にさせてくれているしね、そこは感謝だよ。今回のミニアルバム6曲という形も、フルアルバム12曲という形より時間もパワーの加減も、ちょうどいいから。聴く側もフルアルバムだと疲れるだろうけど、ミニアルバムだと“イェイイェイ!!”ってなるんじゃない?(笑) まずはこの6曲を大事にしてもらいたいし、次がまた生まれきちゃってるから、それも楽しみでしかない。とにかく、テンションは高いよ。てか、内容的には全然ミニじゃないからね! ちっちゃくねぇぞ! フルのパワーあるぞ!!」
 
――最高です(笑)。本日はありがとうございました~!
 
 
Text by 鈴木淳史
 




(2015年10月 2日更新)


Check

Movie Comment

バンドを代表し難波章浩(vo&b)が語る
NAMBA69からの動画コメント!

Release

瑞々しいバンドの今を詰め込んだ
全6曲+DVDの意欲作!

Mini Album+DVD
『LET IT ROCK』
発売中 3456円(税込)
ONECIRCLE
CTCD-20033/B

<収録曲>
01. DARLING
02. LET IT ROCK feat. JESSE
03. WALK
04. BREAK IT DOWN
05. REVOLUTION
06. GOOD TIMES

<DVD収録内容>
『LET IT ROCKED』
21st CENTURY DREAMS 2015
TOUR FINAL at TSUTAYA O-WEST
01. TRUE ROMANCE
02. ETERNAL GOLD
03. FIGHT IT OUT
04. STRAY DOG~NMFN~GHOST~STARTING OVER
05. THE WORLD IS YOURS
06. JUST BECAUSE (MUSIC VIDEO)
07. TRASH
08. PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT
09. MY WAY
10. TAKE ME TO THE STREETS
11. 未来へ~It’s your future~
12. ALL MY BUDDIES
13. ON THE ROAD (MUSIC VIDEO)

・MAKING OF "LET IT ROCK"
・LET IT ROCK feat. JESSE
 (MUSIC VIDEO)

Profile

ナンバ・シックスティーナイン…写真左より、SAMBU(ds)、難波章浩(vo&b)、K5(g)。‘10年3月からソロアーティストとして活動を続けてきた難波章浩が、’13年3月にK5、SAMBUと共に3ピースバンド、NAMBA 69として活動を開始。『PUNKSPRING』『FUJI ROCK FESTIVAL』『京都大作戦』などの大型イベントに立て続けに出演、自主企画『PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT』を各地でソールドアウトさせる。’14年6月にデビューシングル『MELODIC PUNKS NOT DEAD!!!』を、同年12月に1stアルバム『21st CENTURY DREAMS』を発表し、全国ツアーを敢行。’15年9月2日にはミニアルバム+DVD『LET IT ROCK』をリリース。

NAMBA69 オフィシャルサイト
http://www.namba69.com/

Live

ワンマン、対バン入り乱れのツアー
関西地区は大阪ワンマン!

 
『LET IT ROCK TOUR 2015』

【千葉公演】
▼9月11日(金)千葉LOOK
[ゲスト]RADIOTS
【岩手公演】
▼9月16日(水)盛岡club change
【宮城公演】
▼9月17日(木)仙台BIRDLAND
【愛知公演】
▼9月25日(金)CLUB Zion
【茨城公演】
▼10月2日(金)水戸 SONIC
[ゲスト]SNORT/CHAMPION GRIP

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード270-895
▼10月5日(月)20:00
LIVE HOUSE Pangea
オールスタンディング2800円
LIVE HOUSE Pangea■06(4708)0061
※中学生以下は保護者同伴でのみ入場無料。要身分証明書。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【岡山公演】
▼10月6日(火)CRAZYMAMA 2nd Room
[ゲスト]Mrs.WiENER/SABANNAMAN
【福岡公演】
▼10月8日(木)福岡Queblick
[ゲスト]S.M.N.
【東京公演】
▼10月12日(月)CLUB QUATTRO
[ゲスト]The BONEZ

Column

バンドって誰でも出来るからこそ
とてつもないバンドをやりたくて
結成、再会、人生、そしてハイスタ
難波章浩率いるNAMBA69に迫る
『21st CENTURY DREAMS』
インタビュー&動画コメント

Comment!!

ライター鈴木淳史さんからの
オススメコメントはこちら!

「難波さんはとにかくポジティブだ。毎回インタビューでは陽のパワーを感じるし、話を聞いている内に自分も何だか気分が高揚してきて、パワフルになっている気にすらなる。自分より約10歳上であり、学生時代憧れていた90年代のヒーローが今もなお走り続けているのは、本当にたまらない。これは横山健さんにも言えることだが、2人ともHi-STANDARD時代の話を全く隠さないし、そして現在Hi-STANDARDが抜群のバランスを保って存在していることも分かる。過去の栄光にすがるのではなく、それぞれが自分の持ち場で光り輝いていて、ちゃんとHi-STANDARDを誇りに思っていることが何よりも素晴らしい。とにかく、制作スペースも異様に早くなっており、ライブツアー中も新しい楽曲のアイデアが浮かぶという話には本当に驚いた。楽曲数だけでいうとミニという枠組みになるが、込められたパワーでいうとフルだというアルバム概念も、難波さんらしい発想でカッコよかった。すでに次の展開も頭の中では出来ているという。早速、またインタビューでお逢いして、そのときのモードを、またポジティブにパワフルに話していただきたいと心から思う。まずは、この駆け抜けるような6曲が聴ける、この音源を手に取って欲しい。必ず満足してもらえるはずだ」