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デビュー20周年を迎え、初のメモリアルコンサート
大阪公演も控える水森かおりに、20年の歩みや
新曲『大和路の恋』についてをインタビュー!

『東尋坊』『鳥取砂丘』など、日本の名所を題材にした楽曲で注目を集め、今や「ご当地ソングの女王」として、その地位を不動のものにした水森かおり。デビュー20周年を迎え、奈良県を舞台にした新曲『大和路の恋』も好調な中、今回は、演歌歌手を目指すまでの意外な過去、ご当地ソングに対する思い、そして、10月に開催されるメモリアルコンサートへの意気込みなどを語ってもらった。

――デビュー20周年おめでとうございます! 現在の心境はいかがですか?

ありがとうございます! 月並みな言葉ですが、本当に今日まであっという間でした。自分の中では5年区切りの節目を目標に頑張っていますが、もちろん、そこに向かうまでの1年1年も重要。21年目もまた、振り出しに戻り、まっさらな気持ちで頑張りたいと思います。

――今回は水森さんの20年の歩みに加えてデビュー前のお話も伺いたいと思います。まず、子供の頃から歌うことがお好きだったんですか?

はい。家族全員歌が大好きで、私もジャンル問わず、なんでも歌っていました。演歌・歌謡曲はもちろん、アイドルにも夢中でしたし、7歳上の姉がロックや洋楽が好きで、その影響で私も小学生ながら「モトリー・クルーかっこいいよね!」なんて言っていました(笑)。

――水森さんからモトリー・クルーの名前を聞くとは思いませんでした! そのような環境の中から、演歌・歌謡曲を本格的に歌うようになったきっかけは何だったのでしょう?

私、東京の下町で生まれ育ったんですけど、近所におじさん、おばさんたちが仕事を終えると必ず立ち寄るスナックのようなお店があったんです。当時は、まだカラオケボックスもなかったから、歌いたくなったらみんなそのお店に集合。私も子供の頃から親によく連れられていたんですけど、そこで演歌を歌うとみんなが喜んでくれて。それで歌うことの快感を覚えました。

――当時のレパートリーは?

小林幸子さんの『おもいで酒』や八代亜紀さんの『愛の終着駅』、石川さゆりさんの『津軽海峡・冬景色』などをよく歌っていましたね。

――その頃から歌手への夢はあったのですか?

いえ。カラオケ大会なども出場していましたけど、それもただ楽しいからという感じで、歌手になりたいとは思っていませんでした。子どもだったし将来の夢もころころ変わって。その中でも幼稚園の先生になりたかったのは、よく覚えています。

――具体的に将来を考えた時も、まだ歌手という選択肢はなく?

そうですね。自分の進路について初めて真剣に考えたのが高校3年生の時。高校2年生の時にニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックを好きになったことで英語に興味を持ったんですけど、英語を活かせる外資系の会社で働きたいと思い、やがて秘書という仕事に憧れを持つようになりました。その勉強のために短大に進学し、アメリカにも留学させてもらいました。

――そこまで具体的に将来を考えていたにもかかわらず、歌手への道を決めた決定打は?

留学先のホストファミリーの前で、日本語のクリスマスソングを歌ったらすごく感激してくださって。その時に、自分の中の歌が好きな気持ち、漠然と思い描いていたけどフタをしていた歌手へのあこがれが、パンとはじけて。そこから本格的に歌の道に進むための行動に移りました。

――デビューに至るまでの修行期間もあったとは思いますが、その時期はどのように過ごされていましたか?

山川豊さんの妹分を募集するというコンテストに応募して、それが今の事務所(長良プロダクション)に所属するきっかけになったんですけど、2年間はレッスンを受けながら事務所のスタッフとして働いていました。

――その頃の思い出などは?

最初の頃は、短大の友人たちが卒業して社会人としての日々を満喫している傍らで、正直、「自分はこの先どうなるんだろう?」「明日から来なくていいよと言われたらどうしよう…」という不安でいっぱいでした。いつデビューできるかもわからない状況だったので。でも、振り返ってみれば、その2年間があったからこそ、表に立っている人達を裏側からどのように支えているのかがわかったし、すごく貴重な経験をさせていただけたなと思います。

――そして平成7年、『おしろい花』でデビューを果たされますが、歌手になる夢が叶った心境はいかがでしたか?

ついにここまで来たか! と思いましたが、これからは、まだ歌手として未完成な状態でもお仕事としてステージに立つわけで、改めてプロの世界の厳しさや現実を知りました。その分、「覚悟を持って挑まないと!」と思い、気持ちを入れ直しましたね。

――デビューして最初のお仕事は覚えていますか?

実は私、デビュー日を大阪で迎えたんですよ。「演歌は西から」という伝統もありまして、デビュー前後の一週間はずっと大阪に滞在して、そこから関西各所の放送局やレコード店さんにご挨拶回りをしていました。だから今回、20周年のメモリアルコンサートを大阪で開催できるのがすごく嬉しいんですよ!

――デビューから7年目の平成17年には、後のご当地ソングシリーズの方向性を決定づける『東尋坊』が発売されます。この作品が制作されたいきさつは、どのようなものだったのでしょうか?

当時の私は30歳を迎える頃で、そろそろ一つ上の階段を登らなければいけない、そのために何をするべきなのか? と迷っている状況にありました。そんな時に出会ったのが『東尋坊』という作品。スタッフの皆さんも私を成長させたい、一本、芯の通った演歌を歌わせたいという思いで制作してくださったのですが、スケール感があって、メロディーラインもそれまでの作品と違った雰囲気だし、最初は「自分に歌いこなせるのだろうか?」という心配がありました。

――結果的に『東尋坊』が演歌・カラオケファンの支持を集め、次作『鳥取砂丘』の大ヒットにつながりますが、周囲の環境には、どのように変化がありましたか?

明らかにお客様の反応が変わりましたね。声をかけてくださる方も増えて、「絶対に紅白歌合戦いけるわよ!」と、期待を寄せていただけるようになったのが嬉しかったです。

――ご当地ソングを歌う際に心がけていることなどは?

やはり聴いてくださる方が、「この歌に出てくる場所はどんな所なんだろう?行ってみたい!」と思っていただけるように、その土地の匂いや風をお届けできるように努めています。あと、自分が主人公になるのではなく、俯瞰の目線で歌の世界観を捉えるようにしています。

――各曲に登場する主人公は、シリーズを通して同じ女性なのでしょうか?

私は同じ女性だと思っています。この主人公とは、もう10年以上の付き合いになりますが、曲ごとに、「まだ失恋の痛手を引きずっているのかな?」「少しは晴れやかな気分になれたのかな?」と考えながら寄り添っていますね。彼女から見た私は、おせっかい焼きなおばさんという感じですかね(笑)。

――ご当地ソングと共に水森さんの代名詞と言えるのが衣装のドレスですが、こちらも『NHK紅白歌合戦』での桂由美先生のデザインなど、その華やかさがいつも話題を集めています。

『紅白』の衣装は、すべて桂先生の作品なのですが、毎回、素敵なドレスを作っていただいて本当に感謝しています。NHKさんから「水森さんのドレスで皆さんが笑顔になれる演出を」というご依頼がきっかけだったのですが、1ヶ月もないスケジュールでの制作にもかかわらず、「水森さんが好きだからできるのよ!」と言ってくださって。たくさんの皆さんに喜んでいただけるとうれしいですね。

――ここまでデビュー前からの出来事を振り返っていただききましたが、20年の活動の中で最も印象に残っている出来事はなんでしょうか?

やっぱり平成15年に初めて紅白歌合戦出場が決まった時ですね。自分を取り巻くもののすべてが変わったことを実感しました。そして、人間というのは欲深いもので、いつかは出たいと思っていた『紅白』出場の夢が叶うと、「来年も出たい!」と思っちゃうんです。それも叶うと今度は「毎年出たい!」って…目標は尽きないんですよね。でも、そのためには今以上の努力を続けないといけないし、環境が変わったからといって、そこに甘んじてはいけないと気が引き締まる思いです。

――良い意味での緊張感が途切れないような。

本当にそうですね。毎年思うのは、「来年の『紅白』には出られないかも」ということ。だからこそ、出場した時は舞台上の一分一秒を目に焼き付けて、また来年も帰って来られるようにと自分を奮い立たせます。

――水森さんの場合は、個人での活動の他に長良ファミリー(山川豊、田川寿美、水森、氷川きよし、はやぶさ、岩佐美咲)のメンバーとしても活動されていますが、ファミリーのみなさんから受ける影響は大きいですか?

それは、もちろん!ファミリーのみんなは仲間であり、刺激しあうライバルですから。あ、ライバルと言っても、もちろん悪い意味じゃなくて、いてくれるだけで励みになる存在ということですよ。これまでの活動の中でファミリーのみんなからはたくさん助けてもらったし、今後も一致団結して演歌・歌謡界を盛り上げていきたいですね。

――現在は『長良グループ・演歌まつり』など、ファミリーでのコンサート活動も展開されていますが、デビュー当時は、ここまでの規模になると思っていました?

その頃は、まだみんなで一緒に立つ舞台というのもなかったし、考えもつかなかったですね~。そういう意味では『長良グループ・演歌まつり』は本当に良い舞台だし、そこで得たものを個々の活動にフィードバックできるのが楽しいですね。

――ここで最新曲『大和路の恋』のお話も。今回は奈良が舞台になりましたね。

『熊野古道』が三重、奈良、和歌山、大阪をまたぐ道ということで、厳密に言えば一度は通っているかもしれませんが、1曲まるまる奈良が舞台の歌は初めてですね。

――水森さんにとっての奈良の印象は?

歌詞にも登場する三輪山や大神鳥居など、歴史の深さを感じさせるものがたくさんあるという一方、コンサートで訪れると毎回すごく盛り上がるので、歌好きな方が多いという印象が強いです。




 

――これまで訪れたことがある場所でも、ご自分の歌の舞台になることで違って見えることなども?

あります、あります!プロモーションビデオの撮影などで現地におじゃますると、コンサート会場と駅・ホテルの往復だけでは見えない場所にも行けるので、その土地への思い入れが断然深まりますね。今回も三輪山のふもとを歩いたり、お茶屋さんでひと休みする様子が収録されていますので、ぜひ、ご覧になってください。

――曲の聴かせどころなどは?

主人公は傷心の旅に出ていますが、だんだんと前向きな気持ちに向かっていく流れが、ゆったり心地よいメロディーの中で表現されています。カラオケで歌われる方も、伸びやかに、気持ちよく歌っていただけると思います。

――最後に、毎年デビュー日に東京で行っているメモリアルコンサートを今年、初めて大阪でも開催されるということで、開催に向けての意気込みをお願いします。

大阪は、歌手・水森かおりが誕生した場所ということで、これまでの作品の舞台と同様に大事な場所であり、私の原点です。そんな土地でメモリアルコンサートをさせていただけるのは、本当に意義深いこと。お客様には、これまでの20年と、これから歩いて行く道を見ていただき、「ずっと応援したい!」と思っていただけるようなステージにしたいと思います。そして、今回は、すべて桂先生のドレスで歌わせていただきますので、ぜひ、衣装にも注目してください!

 

(取材・文/伊東孝晃)





(2015年10月14日更新)


Check

Release

シングル『20周年特別盤 大和路の恋』

発売中 \1204+税
TKCA-90710

<収録曲>
01.大和路の恋
02.大和路の恋 (オリジナルカラオケ)
03.大和路の恋 (半音下げカラオケ)
04.大和路の恋 (半音下げカラオケ・ガイドメロ入り)
05.花恋文 (NHKラジオ「深夜便のうた」)
06.花恋文 (オリジナルカラオケ)
07.花恋文 (半音下げカラオケ)
08.花恋文 (半音下げカラオケ・ガイドメロ入り)
09.虹の向こうに明日がある
10.虹の向こうに明日がある (オリジナルカラオケ)
11.虹の向こうに明日がある (男性用カラオケ)
12.虹の向こうに明日がある (女性用カラオケ)

Live

「水森かおり 20周年記念メモリアル
コンサート ~歌謡紀行~」

▼10月25日(日) 15:00
フェスティバルホール

S席-7000円 A席-6000円
S席(バルコニーBOX)-7000円(2枚単位での販売)
※未就学児童は入場不可。

[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888

<S席(バルコニーBOX)ご購入についての注意事項>
お座席は高所となります。着席観覧となり、開演中は立ってご覧頂けません。一部見えづらい場合がございます。予めご了承の上ご購入お願い致します。座席の配置上、2枚単位でのお申込みとなります。4枚以上のお申込みの場合、2枚毎にBOXの位置が異なります。★販売期間中はインターネットでのみ販売。

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発売中 Pコード:271-414

▼12月5日(土) 14:00/17:30
奈良県文化会館 国際ホール

全席指定-6000円
※未就学児童は入場不可。

[問]奈良テレビ放送
[TEL]0742-24-2958

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「長良グループ・演歌まつり2016」

発売中

Pコード:268-673

▼2016年2月13日(土) 11:00/15:30
フェスティバルホール

S席-10000円 A席-8500円
[出演]山川豊/藤野とし恵/田川寿美/水森かおり/氷川きよし/椎名佐千子/市川由紀乃/はやぶさ/他
[司会]西寄ひがし
※未就学児童は入場不可。★学生割引あり。公演当日、学生証(高校生以下は身分証明書でも可)を提示で、\5000キャッシュバック。

[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888

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Plofiie

水森かおり
みずもりかおり●東京都北区出身。平成7年『おしろい花』でデビュー。オリコン演歌・歌謡ランキング初登場3位となり華々しいデビューを飾る。平成14年4月に発売した『東尋坊』で第35回日本有線大賞 有線音楽優秀賞などを受賞。平成15年4月に発売した『鳥取砂丘』は約1年間のロングヒットを続け、第45回日本レコード大賞 金賞、第36回日本有線大賞 有線音楽優秀賞、第36回日本作詩大賞 入賞、第18回日本ゴールドディスク大賞 ソング・オブ・ザ・イヤーなど数々の賞を受賞し、その年の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした。以来、『NHK紅白歌合戦』に12年連続で出場。平成26年には、第47回日本有線大賞 大賞も受賞した。ご当地ソングの女王の名にふさわしく、観光大使もこれまで15ヶ所、就任している。

徳間ジャパン 福西哲也さんより
レコメンドが到着!

水森かおりさんが『おしろい花』でデビューした時期に、私は大阪勤務で営業職でした。応援していただくべく、営業・宣伝ともに各方面にご挨拶し、暖かい反応をいただいたのをよく覚えています。水森さんとはその後、キャンペーン等で一緒に廻ることも多く、その中で彼女のお客様へ「歌」を届ける姿勢、プロ魂に幾度となく感心させられました。
その後も活躍は続き、ついに『鳥取砂丘』で『NHK紅白歌合戦』に出場! 1曲ずつ丁寧にお客様と共に積み上げてきた結果が花開く瞬間です。帰省先の茶の間で、本番を手に汗して見入って、歌唱後、気が付けば家人に憚らず涙しておりました。
今年、デビュー20周年を迎え、大阪初のメモリアルコンサートが実現します。今は大阪で宣伝業務を行うことになった私が、その場に関われることが何よりの喜びでございます。
新曲『大和路の恋』を更なる大ヒットにつなげていきたいと思います。皆様、応援よろしくお願いいたします!