LUNA SEAの25周年を経てたどり着いた INORANの消えない情熱と素晴らしき今=『BEAUTIFUL NOW』! 恩人hideの『ピンク スパイダー』カバーも収録した 熱き新作を語る撮り下ろしインタビュー&動画コメント
LUNA SEAのギタリストとしても活躍しているINORANが、ソロとしては3年ぶり10枚目となる待望のフルアルバム『BEAUTIFUL NOW』を完成させた。「ポジティブなものを作りたかった」との言葉どおり、1曲目の『Beautiful Now』から浮遊感のある心地よいサウンドで幕を開ける、幸福感に満ちた作品に仕上がっている。hideの大ヒットシングル『ピンク スパイダー』(‘98)をはじめ、K-POPアーティストのBTOBとコラボしたナンバー『2Lime s featuring MINHYUK,PENIEL and ILHOON from BTOB』も収録されたこの最新作を軸に、LUNA SEAの25周年を経てINORANが感じる幸せや、遂にスタートした全国ツアーについて話を聞いた。
LUNA SEAでの経験は自分の中でもすごくデカくて
――多忙な中、どのタイミングで制作をスタートさせたのか気になるところなのですが。
「3月まで約10ヵ月にわたるLUNA SEAの25周年のツアーがあったので、それが終わってちょっとしてからですね。2週間くらい海外に曲作りに行って、5月からレコーディングを始めて、10日で7曲くらい書きました。普通はそんなことはやらないんですけど、LUNA SEAのツアーでみんなに素晴らしいパワーを貰ったので、それがアルバム制作の原動力にはすごくなりましたよね」
――ということは、LUNA SEAの10ヵ月に及ぶツアーがなければ、また全然違ったアルバムになっていた?
「もちろんそうですね。LUNA SEAは途中で止まったりしながらもの25周年であれだけの規模のツアーが出来ただけじゃなく、10何年ぶりかに行った場所でもすごく盛り上がって。そういう絆であったり人の繋がりが音楽にはすごく重要だし、とても素晴らしいことだなって。そういうことを改めて感じさせてもらったツアーだったし、自分が作るものをきっかけにして、繋がりをもっと強くしたいと思いながら作りましたね。LUNA SEAでの経験は自分の中でもすごくデカくて、みんながチャレンジさせてくれたというか、それくらい大きなものを貰ったから、自分の精神状態もすごくいいし、過去の自分の経験とか作品を、さらに輝かせてくれるようなアルバムが出来たと思います」
チャレンジすることはすごく大事
チャレンジし続けているからこそ、貰えるものがある
――今作は海外で曲を作られたとのことですね。
「洋楽を作りたいとかではなくて、サウンド的にも歌詞的にもポジティブなものを作りたかったし、みんなで笑顔になるようなものを作りたかったから、もうちょっと風を感じられるところに行きたかったというか。東京とかだと部屋で作ることになるじゃないですか。海外だと窓を全開にして、風が流れる中で作れたりするので。普段忘れかけている些細で当たり前のことが感じられるような、夕焼けにすら“ありがとう”と言いたくなるような、ちょっと野生に戻るような感覚で、自然があるところに行きたかったんです。そこに自分の気持ちを投影させて曲を作れたらとってもオーガニックだし、それは後々絶対に滲み出るものになる気がして、日本を飛び出しました」
――そうして完成した今作で、ソロとしては10枚目のフルアルバムになります。
「10枚出せるなんて、考えもしなかったですね。1枚目を作ったときは1曲しか歌わなかったし(笑)、LUNA SEAでギターしか弾いていなかった自分からしたら、想像もつかなかったことなので。だから、チャレンジすることはすごく大事なんだなって。僕は歌うことにチャレンジし続けているつもりだし、音楽性や作曲でもチャレンジし続けているからこそ、貰えるものがあるというか。それはLUNA SEAの25周年ツアーの結果だったかもしれないし、これからの『BEAUTIFUL NOW』の愛され方かもしれないし、ライブの盛り上がり方かもしれない。明日が、未来がワクワクするような“風”みたいな素材は出来たなと」
生きている僕らが頑張らないと。僕らには幸せになる責任、使命がある
――ちなみに、今作のテーマは?
「テーマはズバリ、『BEAUTIFUL NOW』です!(笑) このアルバムには、全てが素晴らしいというか、スーパーポジティブな想いがありますよね。生きているだけで素晴らしいのもありますし、生きている僕らが頑張らないと。僕らには幸せになる責任、使命がありますよね。今を一生懸命に生きないと。今ほど儚いものはないというか」
――INORANさんが幸せを感じる瞬間はどんなときですか?
「今作が出来たこともすごく幸せだし、今は本当に毎日が楽しい。全部が全部じゃないでけど、幸せとはある意味、気の持ちようですからね。仕事終わりの一杯が美味いとか、バカになるしかないとかね(笑)。そう思っていれば“何か幸せ”と思う瞬間があると思うし、音楽人としては、やっぱり自分がプレイすることでたくさんの笑顔だったり幸せを作れたらと。その気持ちはこれからも忘れないようにしたい。何をしていてもね」
オーディエンスとずっと繋がっているその絆の強さを
『ピンク スパイダー』をカバーすることでまた教えてもらった
――今作には、K-POPグループのBTOBとのコラボ曲『2Lime s featuring MINHYUK,PENIEL and ILHOON from BTOB』(M-4)も 収録されていて。
「元々共通の知り合いに紹介してもらって、コンサートを観に行ったことから始まりました。すごくハートのある子たちだし、この曲を作っているときに彼らに参加してもらったらおもしろいなと思ってオファーしたら、快諾してくれて実現したという。音楽で繋がるのって、単純に嬉しいですよね。人として繋がるのもうれしいけど、ミュージシャンとしては好きなヤツと一緒に音を出したいじゃないですか。そこが音楽を作る栄養なので。メシを食いに行くのと一緒ですよ(笑)」
――(笑)。他にも、hideさんの『ピンク スパイダー』(M-9)のカバーも収録されています。
「去年、LUNA SEAのツアーのインターバルにやったソロのアジアツアーで、プレイさせてもらったんです。ソロツアーで海外に行ったときって、LUNA SEAのファンはもちろん、hideさん、X JAPANさんのファンとかも来てくれるんですよ。いつかまた来る日まで想いを繋げていけるように、5分の1でもいいからプレイしたいと思ってLUNA SEAの『TONIGHT』(‘00)とかもカバーするんですけど、それと同じように、hideさんの代わりではないですけど、やったらすごく喜ぶだろうなと思って『ピンク スパイダー』をプレイしてみたら、自分で歌わなくでも大丈夫なくらいすごく盛り上がって(笑)。その瞬間を経験したときに、本当にhideさんってすごいんだなって改めて思った。オーディエンスとずっと繋がっているその絆の強さを、この曲をカバーすることでまた教えてもらったから、これはもう一度プレイしたいなと思って、カバーさせていただきました」
――hideさんの曲をカバーすることに、プレッシャーとかはなかったんですか?
「プレッシャーはないですね。プレイするときに敬意と情熱があればいいんじゃないかな。hideさんはLUNA SEAがCDデビュー出来た恩人でもあり、お兄ちゃんでもあり、日本酒を教えてくれた師匠でもありますから(笑)。全く反応は気にならないです。そんなことを考えたら歌えないので(笑)。それよりもその先にある明るい未来、楽しいひととき、瞬間を感じた方がいいなって」
――ラジオで『ピンク スパイダー』が先行オンエアされたときの反響はいかがでしたか?
「すごく嬉しいというか、素敵な評判をもらいました。さっき“反応は考えてない”って言いましたけど、やっぱりちょっと考えてましたね(笑)。そりゃそうですよね。気になるっちゃ気になるけど、気にならないと言いたい(笑)」
やっぱりロックってカッコいいなって改めて思ったし
自分もそれを信じてやっているのを、すごく誇りに思えた
――それにしても、INORANさんの活動を見ていると“止まったら死ぬのでは?”と思うくらい動いていますよね。
「マグロみたいじゃないですか(笑)。それは、みんなといい景色を作りたいし、観たいし、やっぱりライブが一番肌でいろいろなことを感じるし、それが次の作品を作る糧になっているから、出来るだけライブをしたいのもあって」
――今回のツアーでは、関西では’11年以来となる神戸、京都公演もあってと、割と細かく廻られるんですね。そんなツアーへの意気込みを聞かせてください。
「本当にみんなと一緒に思い切り歌いたいなと思っています。この夏、『FUJI ROCK FESTIVAL’15』にFOO FIGHTERSを観に行ったんですけど、彼らのパフォーマンスを観てやっぱりロックってカッコいいなって改めて思ったし、自分もそれを信じてやっているのを、すごく誇りに思えたんですね。EDMも盛り上がるし楽しいけど、やっぱりロックの熱って最高だよなって思ったので、それをみんなと共有したいなって。上手いとか下手とか荒いとか丁寧とかアナログとかデジタルじゃなくて“熱”なんですよ。スピリットが大事なんです。Motörheadもそうだったし。刺激を受けましたね」
――最後にぴあ関西版WEBの読者の方にメッセージをいただけますか?
「本当にいいアルバムが出来たと思うので、じゃんじゃん外に持ち出して聴いてもらって、その足でそのままライブ会場に来てください(笑)。お待ちしています。盛り上がりましょう!」
Text by 金子裕希
Photo by 宮家秀明(フレイム36)
(2015年9月 8日更新)
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Movie Comment
話し声もステキです…! INORANからの動画コメントはコチラ
VIDEO
Release
壮大なスケールと疾走感で鳴らす 3年ぶり10枚目のソロアルバム!
Album 『BEAUTIFUL NOW』 【初回限定盤DVD+PHOTOBOOKLET付】 発売中 5926円(税別) キングレコード KICS-93257 【通常盤】 発売中 3241円(税別) KICS-3257 <収録曲> 01. Beautiful Now 02. might never see, might never reach 03. Awaking in myself 04. 2Lime s featuring MINHYUK,PENIEL and ILHOON from BTOB 05. Fading Memory 06. Lullaby of Winds 07. Something about you 08. Hold on 09. ピンク スパイダー 10. All We Are <DVD収録内容> 01. Beautiful Now MV <PHOTOBOOKLET> 124P超の豪華写真集
Profile
イノラン…’92年にLUNA SEAのギタリストとしてメジャーデビュー。’97年にリリースした1stアルバム『想』よりソロ活動をスタートさせ、’12年にはソロ15周年を迎えた。「好きなヤツと一緒に音を出したい」と話をしていたように、ソロでのコラボレーションのほか、FAKE?(‘05年脱退)やFEEDERのベーシストであるTAKA HIROSEと結成した多国籍バンド・Muddy Apesなど様々な音楽活動を精力的に展開している。’12年にREBOOTし、昨年結成25周年を迎えたLUNA SEAの約10ヵ月に及ぶ全国ツアー後、今年8月26日に待望のソロ10作目『BEAUTIFUL NOW』をリリース。INORAN オフィシャルサイト http://inoran.org/
Live
全国ツアー開幕! 関西地区は 大阪を皮切りに神戸、京都へ
『INORAN TOUR 2015 -BEAUTIFUL NOW-』 【岡山公演】 ▼9月5日(土)CRAZYMAMA KINGDOM【福岡公演】 ▼9月6日(日)DRUM Be-1【広島公演】 ▼9月8日(火)ナミキジャンクション
Pick Up!!
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード268-537 ▼9月9日(水)19:00 梅田クラブクアトロ オールスタンディング5800円 ソーゴー大阪■06(6344)3326 ※3歳以上は有料。公演当日、学生の方は学生証提示で1000円返金。
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【長野公演】 ▼9月12日(土)長野CLUB JUNK BOX
【金沢公演】 ▼9月13日(日)金沢AZ
Pick Up!!
【神戸/京都公演】
チケット発売中 Pコード268-537 ▼9月16日(水)19:00 神戸VARIT. ▼9月18日(金)19:00 磔磔 オールスタンディング5800円 ソーゴー大阪■06(6344)3326 ※3歳以上は有料。公演当日、学生の方は学生証提示で1000円返金。
チケットの購入はコチラ!
【名古屋公演】 ▼9月19日(土)ボトムライン【札幌公演】 ▼9月21日(月・祝)cube garden【仙台公演】 ▼9月23日(水・祝)仙台 darwin【福島公演】 ▼9月24日(木)Hip Shot Japan【茨城公演】 ▼9月26日(土)水戸ライトハウス【東京公演】 ▼9月29日(火)EX THEATER ROPPONGI
Column
盟友FEEDERのTAKA(b)を迎えた 10年ぶりのシングル 『Hide and Seek』も絶好調! LUNA SEAとして、ソロとして 活躍を続けるINORANが語った 前回の撮り下ろしインタビュー
Comment!!
キングレコード大阪宣伝 三十木桃子さんからのオススメ!
「あのLUNA SEAメンバーと仕事をする…初対面時に緊張していた私に、INORANさんは優しく接してくれました。まだ仕事に慣れず、満足なアテンドも出来なかった私の誕生日を祝ってくれたり、プロモーターお手製のたこ焼きを食べてからライブに出たり、とても気さくでスタッフとの輪を大事にしてくれる人。寡黙なイメージでしたが、大人のカッコよさの中に少年のように弾けた笑顔があり、とても親近感を覚えました。そんな彼の作る音楽は、まるで広大な平野と青空と、そこに吹く風を思わせる壮大なもの。ソロのライブやインストアイベントに初めて来た方は、音楽も人柄もイメージとはひと味異なる表情の多さに、驚くこと間違いなしだと思います。ぜひ一緒に会場で風を感じましょう! ところでこのインタビューの撮影中、お借りしたお店の大学生らしき男性スタッフさんが、ポージングをとるINORANさんを見て思わず、“カッコいい…”とため息混じりで呟いたのを、私たちは聞き逃さなかった。老若男女問わず虜にしていくINORAN、分かり切ったことですが、正直ホンマにめっちゃカッコ良いです…!」