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KANA-BOON、キュウソネコカミ、tricot、在日ファンク、
奇妙礼太郎トラベルスイング楽団、ドラマチックアラスカ、
密会と耳鳴り、ONION NIGHT! 梅田シャングリラの
10週年を祝うイベント『失われない音楽祭』ライブレポート

 大阪・梅田にあるライブハウスShangri-Laが不定期で開催しているイベント『失われない音楽祭』。毎回、耳の肥えたスタッフ一押のアーティストが出演し、「聴き続けて欲しい“音楽”」を熱い気持ちとともにお届けしている公演だが、今回は生誕10周年を記念して、なんと大々的に野外で開催!! 音源やライブハウスには収まり切らない想いを込めて開催されたアニバーサリーイベントの1日をたっぷりレポート!

ushinawarenai-mikkai630.jpg 梅田Shangri-Laの10周年を祝う大感謝祭は、見事に天気予報を裏切り、快晴に! Shangri-Laの大きなフラッグと名物のシャンデリアも吊るされた中、オープニングアクトとして密会と耳鳴りが登場した。前身バンドから改名して1年の間に、一気に知名度を上げた女子4人組が開場中の野音を盛り上げていく。1曲目『影踏み』から、踊れるナンバーで勢いをつける。”商売繁盛笹持って来い”と書かれたプラカードを客席に見せ、コール&レスポンスを煽るなど、やれること全てをやりきり、自分たちを育ててくれたShangri-Laに恩返しをしようとする。最後には、名物店長キイさんを呼び込みプレゼントを渡す一幕も!

usinawarenai-doara630.jpg  この日のMCを務めるキイ店長とFM802のDJ飯室大吾の、感謝の気持ちを込めた軽妙なトークの後トップバッターとして登場したのは、神戸発のドラマチックアラスカ。軽快なメロディの1曲目『東京ワンダー』で、早くも会場を一体感で包み込む。今年から仮メンバーとして加入した爆弾ジョニーのドラマチック☆安田(g)も身を乗り出し、キレのあるギターソロを披露! かと思えば、大事なMCを茶化して観客の笑いを誘ったり、その存在感を存分にアピールする。ラストには、「俺たちはライブハウスがないと生きていけない人間なんです。あの空間にいる時こそ生きてる心地がします。そういう場所が続いていけばいいと思います!」と、ヒジカタナオト(vo&g)がバンドマンとして想いの丈を熱く語った。4年前にShangri-Laで開催した、“どしゃぶりワンマン”のほろ苦い思い出を払拭するかのように、この日は天気も味方にして堂々たるステージをみせつけた。

ushinawarenai-trcot630_c.jpg 続いて2番手のtricotが、持ち前のパワフルなステージで観客を釘付けにする。「シャングリラに行ったことない人たちもいるみたいやから、今日はこの野音がでっかいシャングリラということで!」と、まくし立てるキダモティフォ(g&cho)。彼女のギターソロで始まる情緒的な『pool side』から一転、『POOL』では身を振り乱して爆裂サウンドを轟かせる。流行・旬に抗う挑戦的なダンスナンバー『庭』では、サンバのリズムに合わせたステップを観客にレクチャー。キュウソネコカミのメンバーを呼び込んで、観客も一緒にサンバを躍りたおす! ラストは『99.974℃』を燃え尽き果てる勢いで披露し、キダが「シャングリラ来てな…。シャングリラ来いよーっ!」と、愛のある叫びで締め括った。

ushinawarenai-zainichi630.jpg  本番さながらのリハで観客を圧倒するのは、在日ファンク。スーツ姿のアダルト層7人がステージに並ぶだけで、またがらりと雰囲気が変わる。ホーンが鳴り響く中、ハマケンこと浜野謙太(vo)が切れ味鋭いファンキーなダンスを披露し、その度に観客から歓声が起きる。『爆弾こわい』で左右に手を振るジェスチャーが行われると、それに合わせて観客も手を振っていく。普段は、あまりファンクに耳馴染みがないかも知れない若者たちも左右に体を揺らし、なんとも楽しそうだ。『京都』では、ギターの仰木亮彦による「京都!」というコール&レスポンスが、気が付くと「俺たちがシャングリラに運んだのは、愛と勇気とファンクと物販!」という壮大なコール&レスポンスに! この日一番のコール&レスポンスと言っても過言ではないほどだ。また、在日ファンクが生まれた場所がShangri-Laという秘話も明かされる。ラストは、ハマケンの「ぜいたくしたーい!!」というシャウトがたまらなかった『ぜいたく』。大人のファンクが爪痕をがっつり残した…、そんなライブであった。

ushinawarenai-kimyou630.jpg 10人のトラベルスイング楽団を引き連れて、満を持しての登場は奇妙礼太郎。5年前に同じ大阪城音楽堂で催されたShangri-La5周年大感謝祭にオープニングアクトとして、ひとり弾語りでアコギを持ち登場していた男が今回はビシッとタキシードを着、フライングVのエレキを携えて現れる。5年前は緩やかに笑っていた奇妙だが、今回は初っ端から「オーイエー!!」を連発して、一気に会場をロックンロール色に染め上げていく。『どばどばどかん』、『タンバリア』と飛ばしていき、ブギー調の『機嫌なおしておくれよ』へ。客席後方では奇妙と10年来の付き合いがあるキイ店長が、思わずガッツポーズを。古き良きライブハウスの素敵な関係性を感じ、思わずグッとくる。今回のメンツの中で一番Shangri-Laへの出演回数が多い奇妙だが、「シャングリラ何年前に出来たん? あっ、10年か! 色んな事ありました」と敢えて、多く熱く深く語らない。とにかく、気持ちは音楽で魅せる…、その姿勢がたまらなくかっこよい。最後は再びフライングVを弾いての『男と女』。ホーン隊は客席に向かい、奇妙は軽快なギターリフで決めていく。しまいにはステージに置かれたお立ち荷台に上がり、踊ってみせる。“Mr.シャングリラ”ここにありのステージを見せつけ、照れくさそうに去っていく奇妙。Shangri-Laが何周年になっても彼には絶対、大阪城音楽堂の大感謝祭に出演してもらいたいと強く想った。

ushinawarenai-kanaboon630.jpg  リハーサルでメジャーデビュー曲『盛者必衰の理、お断り』を披露すると、場内総立ちでクラップの嵐。待ってましたと言わんばかりの観客に迎えられて、遂にKANA‐BOONが登場! 2ndアルバム『TIME』から『タイムアウト』、『LOL』が立て続けに繰り出され、瞬く間に観客を熱狂の渦に巻きこんでいく。新曲『なんでもねだり』では、観客がMVのダンスを真似て踊る微笑ましい場面も。続けて、クセになるフレーズと古賀隼斗(g)のソロが、勢いを加速させる『フルドライブ』。更に、代表曲『ないものねだり』で大合唱を巻き起こし、最高潮へと誘う。谷口鮪(vo&g)は、縁の深いShangri-Laでの思い出を語り、「10周年おめでとうございます! 今日も特別な日やけど、ライブハウスは毎日が特別な日なので。どんなバンドが出てる時だって、絶対に楽しいから。ぜひシャングリラに足を運んでください!」と、地元大阪で真直ぐな気持ちをぶつける。披露された全7曲が、凄まじくキャッチーで盛り上がりっぱなし! 最後まで観客の心を離さず、KANA‐BOON節全開で突き抜けた。

ushinawarenai-kyuuso630.jpg 「KANA-BOON終わったからって帰るんじゃねぇー!」と、ヤマサキセイヤ(vo&g)がシャウトし、リハーサルからボルテージはMAX! 大トリに相応しい(?)賑やかしで、登場したのはキュウソネコカミ。ライブが始まると、『良いDJ』、『ファントムバイブレーション』と、日常へのディスが効いた楽曲を仕掛ける。矢継ぎ早に、今度は宇宙をテーマにしたPOPチューン『GALAXY』で、観客をグイグイ引き込んでいく。「キイさんが一番初めに憶えてくれた曲やります!」と、ヤマサキが語って繰り出されたのは『ファッションミュージック』。そして、必殺曲『DQNなりたい、40代で死にたい』で会場の興奮は沸点を超える! 曲中、名物マネージャー・はいからさんに肩車されたヤマサキが、観客の中を練り歩いて、特大のコール&レスポンスの渦を巻く。アンコールは、ホームであるShangri-Laに『お願いシェンロン』が捧げられ、ステージ上で観客に担がれたヤマサキが“カメハメ波”を撃つクライマックスも。ラストには、グッドメロディに乗せて、じっくりと聴かせるミディアムテンポの新曲をお披露目。「今日出たバンドもシャングリラも、いつまでもあるわけじゃないから。元気なうちに…、お前ら会いにこいよ!」と、ヤマサキの突き刺さる熱いメッセージで、6時間以上に及ぶ大感謝祭が幕を閉じた。

ushinawarenai-onion630.jpg  後説では、涙を堪えるキイ店長を、飯室大吾が茶化すアットホームな場面も。しかし最後は、「あんたらが好きな音楽を、爆音で聴きながら共有できる場所はライブハウスやぞ! 梅田シャングリラに行こうな!」と、飯室がビシッと締め括る。終演後、Shangri-Laを根城とする大人気のDJパーティー『onion night!』チームが登場! 興奮冷めやらぬ余韻をさらに盛り上げ、まだまだ元気いっぱいに踊る観客たちと野音をダンスフロアに変えていった───。

 

Text by 鈴木淳史
大西健斗
Photo by  渡邉一生

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(2015年7月10日更新)


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Comment

涙堪えて大団円! イベントを終えて
店長・キイ氏よりコメント到着!!

 どうも〜! 梅田シャングリラの店長キイです。まずは、何より当日ご来場いただきましたお客様、出演者様、運営スタッフ様、心より御礼申し上げます。お陰様で本当に素晴らしい10周年を迎えることができました。これからも何卒、梅田シャングリラを宜しくお願い致します。

 ってなると思うんかぃ!! なるかっ!! なーりーまーせーん!!! あの日以来「シャングリラには行ったことありまっせーん!」と手を挙げた1/3のお客さんのことが忘れられんのや! ずっと店長の心に「しこり」のように残り続けとるんや。どないしてくれんねん…(涙)。
 
 出演者に助けられての大成功。当初の予定は出演者を満員のシャングリラのお客さんでお迎えする予定だったのにまさかの店長先行50人。お前らなにかい、いつもライブハウス、ライブハウス言うてるのは嘘なんかい! ええぃ! もっと祝え! 祝うんや!! こういう時こその周年やぞ!! うん…。

 まだまだ、ライブハウス続くからね…。(売れ残った)物販も売ってるからね。なんやったら通販までしてるからね。シャングリラは、ほぼほぼ毎日やってるで。みんなが憧れてるあのバンドも言うとったやろ。「僕たち…あの日…、7人の前で演ってたよな…。」言うてたやろがぃ! 

 捕まえてください。見つけてください。そんなバンドを。あなたから発信するバンドを!!

心よりお待まちしております!

Live

8月にはホーム・シャングリラで
10周年イベントライブハウス編!

『唄ゴコロスペシャル』
発売中 Pコード267-235
▼8月3日(月) 19:00
Shangri-La
前売-3000円
[出演]踊ろうマチルダ/奇妙礼太郎/
原田茶飯事バンド
Shangri-La■06(6343)8601

『梅田シャングリラ10周年大感謝祭
ライブハウス編』
発売中 Pコード266-577
▼8月5日(水) 19:00
Shangri-La
前売-3000円
[出演]韻シスト/GLIM SPANKY/HAPPY 
Shangri-La■06(6343)8601

梅田シャングリラ10周年企画
『それぞれのシネマ』
発売中 Pコード266-578
▼8月12日(水) 18:30
Shangri-La
前売-2300円
[出演]水、走る/
浅野毅と歌うヴォルケーノ/
DAISY LOO/LINE wanna be Anchors
Shangri-La■06(6343)8601

梅田シャングリラでは日々様々なイベントが!
お気に入りを探しに是非ライブハウスへ!!

チケット情報はこちら


梅田シャングリラ オフィシャルHP
http://www.shan-gri-la.jp/

GREENS オフィシャルHP
http://www.greens-corp.co.jp/


出演アーティストの情報は
各オフィシャルHPをチエック!

密会と耳鳴り オフィシャルHP
http://mikkaitomiminari.jimdo.com/

ドラマチックアラスカ オフィシャルHP
https://dramaticalaska.com/

tricot オフィシャルHP
http://tricot.tv/

在日ファンク オフィシャルHP
http://zainichifunk.com/


奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 オフィシャルHP
http://travelswing.jp/

KANA-BOON オフィシャルHP
http://www.kanaboon.com/

キュウソネコカミ オフィシャルHP
http://02.mbsp.jp/kyuuso/

ONION NIGHT オフィシャルHP
http://onionnight-osaka.main.jp/