ジェントルでスウィート、ハーモニーとケミストリー
男性4人組スーパーボーカルグループjammin' Zeb(ジャミン・ゼブ)
が国際色豊かなその成り立ちと構造を
初のビルボードライブ大阪を前に語るインタビュー&動画コメント
洗練された奇跡のハーモニーで優しく包み込み、平均身長180cmの華やかな存在感で魅了する。ジャズコーラスをベースに、あらゆるジャンルの楽曲をスタイリッシュで爽やかに歌いこなす、スーパーボーカルグループ、ジャミン・ゼブ。メンバー4人各々が強烈な個性を持ったソロボーカリストでありつつ、コーラスでは不思議なほどに美しく溶け合い柔らかな音色を奏でる。そんな4人の成り立ちや素顔を探るべく、5月22日(金)に迫る初のビルボードライブ大阪公演を前に、メンバー全員インタビューを敢行!
ジャズという共通項は持ってるけど
個々の異なる音楽的趣味が重なり合うことで生まれる多彩さが
ジャミン・ゼブのおもしろいところ
――結成は'06年ということですが、当初からこの4人で活動されているのですか?
スティーヴ「プロデューサーを介してコージローと出会ったのが'06年の初頭で、今の4人が揃ったのが8月で」
――当初はどういったビジョンでグループをスタートさせたのですか?
スティーヴ「アカペラグループというより、もっといろいろ歌えるようなグループがいいなと思っていました。ジャズっぽいレパートリーもやりたかったので」
コージロー「ジャズコーラスでは、4人というのがミニマムなんですよね」
――シモンさんはどういったつながりで加入されたのですか?
シモン「スティーヴさんと同じ大学の先輩後輩という間柄で、1回生のときにお声掛けいただきました」
スティーヴ「ただ、もう1人がなかなか決まらなくて…」
――レンセイさんとの出会いは?
スティーヴ「彼が日本で音楽活動をするために、オーストラリアから来日した直後に偶然出会ったんですけど、初めて4人で声を合わせたとき、“これだ!”と直感したんです。その瞬間、ジャミン・ゼブが結成されました」
レンセイ「自分がやろうとしていたのは作曲家だったんですけど、オーストラリアにいたときに趣味でハーモニーをつけていたので、ボーカルグループにも親しみはあって。日本語にはまだ慣れてなかったけど、4人でコミュニケーションをとるとき、音楽だとよりスムーズに出来ました」
――ジャミン・ゼブとして一緒にやるまでは、皆さんどんな音楽と親しんできたのですか?
スティーヴ「自分は大学時代にやっていたコーラスグループの影響もあって、クラシック音楽の声楽のようなもの…ミュージカルとか、オペラのようなものも好きですね」
コージロー「僕は小室世代で(笑)。あとは90年代~00年代初頭のアメリカのポップスとかクラブミュージックにすごく影響されました。それから黒人音楽が好きになって、大学時代のルームメイトの影響でUKロックを聴いたりもして。大学を卒業してからジャズに出会い、そこで音楽的な考え方が変わったというか、ジャズのフィルターを通しちゃえば、それこそ音楽は何でもいいのかなって。そこが姿勢としては一貫してるように思いますね」
レンセイ「コール・ポーターとかジョージ・ガーシュインとか、(20世紀前半の)クラシックジャズが好きですね。でも、最近のEDMも好きだし、ポップスもたくさん聴きますよ」
シモン「僕は中学高校時代から、完全にR&Bですね。最初はボーイズ II メン辺りから入って、NE-YOとかアッシャーなんかを聴いていて。このグループのお誘いを受けてジャズを知って、また視野がすごく広がりました。今はジャンルに捉われないでやるのが楽しいですし、どんなものでも上手く歌えるようになりたいですね」
――この4人ならではの強みは、どんなところにあると思いますか?
コージロー「みんながリード(ボーカル)を取れるところですね」
スティーヴ「パートが決まってるわけではないので、4人でハモるときはフレキシブルにやれるのも自分たちの特徴です。あと、ジャズという共通項は持ってるけど、個々の異なる音楽的趣味が重なり合うことで生まれる多彩さが、ジャミン・ゼブのおもしろいところで」
――日本の男性ボーカルグループというと、古くはデュークエイセスとか…。
スティーヴ「ボニージャックスとかね。そういった皆さんの要素も引き継いでると思います。いろんな方々のいいところを吸収したいと思うし、結果的にそれがジャミンの個性になっていると思うんですよね」
――最近の男性ボーカルグループは、歌とダンスがセットになっているグループも多いと思いますが、ジャミン・ゼブはすごく正統派な印象があります。音楽そのものに浸らせてくれるというか。
スティーヴ「確かに、そこにフォーカスしているのは間違いないと思います」
コージロー「ジャズコーラスのいいところと、ポップスの力強さ、ハーモニーの一体感を出しつつ、バンドと一緒に多彩なサウンドと合わせるときもあったり…エンタテインメントしたい気持ちはあるんですけど、やっぱり音楽そのもので勝負したいですね」
ジャミン・ゼブの良さが一番伝わるのは、ライブだと思うので
――3月には初のライブアルバム『This Precious Moment -Last Live at STB 139-』がリリースされましたね。
シモン「光栄なことに、“ライブがいい!”と言ってくださる方が多かったりするので。こういうのが1枚あると、自分たちのことを紹介しやすいのかなと」
レンセイ「このアルバムを聴けば、ジャミン・ゼブの雰囲気がすごく分かると思います」
シモン「(スタジオ録音盤のように)作り込むものとは、また違う良さが出てると思うので」
スティーヴ「今まで作ってきた作品ももちろん大切なものなんですけど、初めてジャミン・ゼブに触れる方にも、“こういうことをしているのか”って分かりやすく伝わるんじゃないかな。新曲もレンセイくんが書いた『Comin Of Age』(M-2)とか、『Answer Me,My Love』(M-3)も初収録。『O Love That Will Not Let Me Go』(M-5)『Lazybones』(M-8)もそうですね。これまで聴いてくださっている方も、聴き逃せない内容になっています」
――ライブ会場の“STB 139”(スイートベイジル)は、皆さんのホームと言えるような特別な場所だったんですよね。
スティーヴ「去年の5月いっぱいで休業になっちゃったんですけど、最後の1ヵ月間は錚々たるミュージシャンの方々が出演していて。そこに参加させてもらったときのライブを収録したものなので、かなり感謝の気持ちもあり…」
――会場全体を包む、とてもあたたかい雰囲気が伝わってきます。まさにタイトル通り、“プレシャス・モーメント(=素晴らしき瞬間)”が録音されてますよね。
コージロー「“また絶対にこういうライブをやりましょう”という感じで、お客さんも名残惜しんでくれていて。みんなが一体となったその場の熱い空気が入っていますね」
――収録されている12曲はどのように選曲したのですか?
コージロー「日本語曲や英語の曲、オリジナル曲、ビートルズナンバー、ジャズ、アカペラと、自分たちのレパートリーをまんべんなく聴いて欲しいなと思って選びました」
スティーヴ「中には初期のアルバムに収録した曲もあるので、それを聴いた人に“ジャミン、成長したねっ”て言ってもらえると嬉しいです(笑)」
――ちなみにファンの方は女性が多いんですか?
スティーヴ「多いと思います(笑)」
シモン「でも、最近は世代も幅広くなってきていますね」
コージロー「親子三代で来てくださったり」
スティーヴ「学校公演を行うことが多くなってきたので、そこで出会って気に入ってくれた人が、ライブに来てくれるようになりましたね」
シモン「生で伝えると、その場に来てくれた人にちゃんと響くんだと思うと、嬉しくなります」
――5月22日(金)にはビルボードライブ大阪でライブが行われますね。
スティーヴ「ジャミン・ゼブとして単独でやるのは初めてなんです」
コージロー「大阪でやるのは久々なので、“待ってました!”の人と、“はじめまして!”の人と両方いるので、自分たちのいいところをしっかり分かってもらえるようなセットリストにしたいと思っています」
――ジャミン・ゼブは大人っぽくてスタイリッシュな雰囲気ですが、ライブに行くときの心得はあります?
コージロー「そんなこと、全然心配しなくていいですよ。ロックコンサートに来るような感じで来てください(笑)。そして、自由に楽しんで欲しいですね」
スティーヴ「そこは自分たちが限定することではないので。まずは、一度ライブを観に来てくれると嬉しいです! ジャミン・ゼブの良さが一番伝わるのは、ライブだと思うので」
Text by エイミー野中
(2015年5月13日更新)
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