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メンバー交代の転機すらステップに
フレッシュな衝動のままシーンを駆け上がる無敵の3ピース!
新体制で作り上げた『SHISHAMO 2』を手に全国ツアー中の
SHISHAMOに迫る全員インタビュー&動画コメント

 昨年9月にメンバーの脱退と共に新ベーシストの松岡彩が加入、そのままツアーへ、そして今年3月にはニューアルバムのリリースと、怒涛のスピードで突っ走るSHISHMAMO。が、実際に話を聞いてみると、必要以上に焦燥感や不安もなく、何とかなる、何とかならなかったら、そのときはそのとき…という腹の括り方が潔く、特に写真の撮られ方のくだりでは、宮崎朝子(g&vo)の芯の強さ、ブレなさを感じた。1年4ヵ月ぶりのリリースとなった2ndアルバム『SHISHAMO 2』。自分たちのペースを守りながらも、しっかりと攻めている。SHISHAMO全員インタビュー。



かわいかったから話しかけたんですよ(笑)
 
 
――まずは昨年9月に、ベースの松岡さんが電撃加入して、本当に驚きました。
 
宮崎(g&vo)「大変だったのは、松岡の練習ですよね。ちゃんと出来てよかったですけど」
 
――松岡さんも突然の出来事に驚きましたよね?
 
松岡(b)「普通に学校を卒業して…ということしか考えてなかったので。こんなことになって驚いています(笑)」
 
――加入の決め手はありましたか?
 
宮崎「顔です!!」
 
吉川(ds)「ハッキリ言うね(笑)」
 
宮崎「かわいかったから話しかけたんですよ(笑)。そのときに、高校でベースやっていたとも聞いてましたし、もちろん人間性を大切にしているので。SHISHAMOはテクニックで押してるバンドでもないですけど、実際にベースがいないのは危機的状況だったので。1ヵ月後にはツアーでしたから、間に合わなかったらどうしようと思っていました。ただ、ベースが決まってないときも、誰かしらに逢えるんじゃないかとは思っていたので、正直そんなに危機感はなかったかもですね(笑)。しんどさと不安はありましたけど、どうにかなるかなと」
 
吉川「不思議な気分だった。ベースが見付からなかったら、バンドが終わるとかまでは思わなかったし」
 
宮崎「松岡が見付かってからの方が大変だったかも。1ヵ月、毎日10時間スタジオに入っていたし」
 
松岡「朝起きて、みんなで練習して、宿泊先のホテルで1人で練習して、寝て、また朝みたいな。正直、滅入ってはいました」
 
宮崎「無理かもなとも思いましたが、やんなきゃいけないので。運命(さだめ)的な…。無理と思ったら無理だし、なるようにしかならないと思っていましたね」
 
吉川「毎日不安で、出来ないだろうなと思っていました。(宮崎)朝子ほど達観は出来ませんでしたね…」
 
宮崎「でも、何とかツアーが始まって、ミスだったりはいろいろとあったんですけど、お客さんが楽しんでくれていたのでよかったなと」
 
松岡「ちゃんと出来ていないところは多かったです。でも、何とか全曲通して出来るようになって、不安が少しは自信につながったのかなと」
 
宮崎「ツアーを最低限の形で出来て、やっとここから形として、グルーヴ作りを始めましたね」
 
 
意外と出来たてほやほやのアルバムなんですよ(笑)
 
 
――アルバム作りに取り掛かったのは?
 
吉川「去年の12月頃から準備して、年明けからスタジオに入りましたね。意外と出来たてほやほやのアルバムなんですよ(笑)。収録曲は揃っていましたけど」
 
宮崎「アルバムは作る気だったので、曲は前からありましたね。相変わらず歌詞が先ですけど。でも、吉川さんが歌詞を書いてくれるのは助かりますね。相性もいいんですよ、彼女の歌詞と曲が」
 
吉川「何かしら携われたらなとは思っていたので、単純に嬉しいですね。いい曲に歌詞が乗るので、やる気にもなりますしね」
 
――自分の歌詞と吉川さんの歌詞だと、何か違いあります?
 
宮崎「基本的には変わらないですよ。吉川はどんな曲かなと考えていたと思いますけど」
 
吉川「Bメロだと思っていた1行がサビになってたりはしましたけど(笑)」
 
宮崎「私はイライラしながら曲を作りましたけど(笑)」
 
――(笑)。前回インタビューしたときに歌詞は全て創作であり、自分のことを描いた歌詞がないと。
 
宮崎「自分のことを書いた曲ってほとんどないですよ。今回も『さよならの季節』(M-11)くらいですかね」
 
――個人的には『ともだち』(M-4)が好きなんですよ。
 
宮崎「私も『ともだち』が一番好きです。友情の曲を作ろうと思ったんですけど、友達が1人しかいなくて。だから、その子のことを書いた曲になっちゃいました(笑)。塑像力が限界でした…その子の曲になり過ぎて、何か不本意です(笑)」
 
――(笑)。吉川さんは何か印象に残っている曲などはありますか?
 



吉川「『さよならの季節』ですかね。今までは勢いで押している曲が多かったんですけど、この曲は違って。技術的なというより、“この曲はこういうイメージだから”ということを初めて話し合いました」
 
宮崎「春の曲だったんですけど、夏を引きずっていたので、“心にセーラー服を着て!”というイメージを伝えましたね。前までだったら、それを言ったところで“は?”となっていたんですけど(笑)」
 
 
自分のことはつまらないから書かないんですけど、物語は楽しい
 
 
――今回のレコーディングは実際どうでしたか?
 
宮崎「具体的なことを言ったりするのは疲れるし、それで作業を進めても成長もしないんで、話し合いで進めていくのはいいことだなと。吉川は真面目なんで、すぐに改善するんですよね」
 
吉川「言われると分かりやすいので楽なんですけど、そこから意識して吸収するのが大変です」
 
宮崎「吉川が松岡の入ったことで成長したし、私の言いたいことも分かってくれてるので、信頼して任せられるようになりましたね」
 
――松岡さんは今回が初レコーディングでしたが、どんな感じでしたか?
 
宮崎「とても上出来でした。ベースがよくなっていたし、ちゃんと弾けるようになってましたね。いいベースでしたよ。割と順調に進みましたし」
 
松岡「雰囲気を掴んできた感じはありました」
 
――曲単位で何か気になる曲などはありますか?
 
宮崎「『恋愛休暇』(M-7)の主人公のモヤモヤっとした気持ちに注目して欲しいですね」
 
――やはり実際の話を書くより、物語を作って歌った方が好きですか?
 
宮崎「そうですね、物語の方が割と好きです。モチベーションが上がるんですよ。自分のことはつまらないから書かないんですけど、物語は楽しいですよ。『デートプラン』(M-9)で描かれたその後が、『恋愛休暇』で描かれていたり。『僕、実は』(M-1)も前のアルバムとつながっていたりしますからね」
 



まだまだ続いている感じですね。まだ、何も終わっていない感じ
 
 
――今回は、ジャケットなどの写真がとてもいいなと。
 
宮崎「自分たちのそのままの感じに、意味があるのかなと。普通に走ったりとかして、SHISHAMOらしさが出ていますね。衣装とかも用意はしてもらいますが、ちゃんと好きなものを選んで着ていますからね」
 
――着せられたりしていたら、やっぱりすぐ分かるじゃないですか。でも、SHISHAMOは、その感じがないからとてもいいなと思いましたね。
 
宮崎「私もその着せられた感じ、分かります(笑)。でも、私たちは多分大丈夫だと思っていたんです。撮影は川島小鳥さんという方で2回目だったので、よりいい感じになると思っていましたし」
 
松岡「元々写真を撮られるのが苦手だったんですけど、顔を作ったりしなくていいので、やりやすかったです」
 
――あと、前回のインタビューで“褒められたい”と宮崎さんがおっしゃっていたのが、すごく印象的だったんです。
 
宮崎「褒められたいですね。よく分かってない人に褒められても嬉しくないけど、ちゃんと分かってくれてる人から褒められるのは嬉しいです」
 
――ツアーも、その後に控える初の野音ワンマンも楽しみです。
 
宮崎「アルバムが出てもツアーがありますから、まだまだ続いている感じですね。まだ、何も終わっていない感じ。とにかく、このまま突っ走っていくしかないと思ってます!」
 
 
Text by 鈴木敦史



(2015年4月16日更新)


Check

Movie Comment

ほのぼのしますな。新譜&ライブを語る
SHISHAMOからの動画コメント!

Release

バンドとして、ソングライターとして
全てがブラッシュアップされた2nd

Album
『SHISHAMO 2』
発売中 2130円(税別)
GOOD CREATORS RECORDS
XQFQ-1402

<収録曲>
01. 僕、実は
02. きみと話せないのは
03. 彼女の日曜日
04. ともだち
05. 君と夏フェス
06. 量産型彼氏
07. 恋愛休暇
08. 昼夜逆転
09. デートプラン
10. 花
11. さよならの季節

Profile

シシャモ…写真左より、松岡彩(b)、宮崎朝子(g&vo)、吉川美冴貴(ds)。’10年春、神奈川県の川崎総合科学高等学校デザイン科入学と同時に軽音楽部に入部し、宮崎とクラスメイトとなった吉川らで“柳葉魚”を結成。’12年春、『TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2012』で優秀賞&ベストボーカル賞を受賞、表記を“SHISHAMO”に改名。同年10月にはお試し版CD『宿題が終わらない』を発表。オリコンインディーズチャート7位という快挙を達成する。’13年1月に、高校生活のまとめ版CD『卒業制作』を、同年11月には1stアルバム『SHISHAMO』を発表。’14年2月より開催された『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2014』に出演。7月にシングル『君と夏フェス』を発表、全国9ヵ所の夏フェスに出演し、女性ロックバンドでは最多の夏フェス出場数となった。同年9月には、松岡がメンバー交代により電撃加入。翌月にはシングル『量産型彼氏』を発表し、全国16ヵ所19公演のツアーを敢行、13000人を動員する。’15年3月4日には、2ndアルバム『SHISHAMO 2』を発表した。

SHISHAMO オフィシャルサイト
http://shishamo.biz/
 

Live

レコ発ワンマンツアー開催中
夏には初の東阪野音ワンマンも!

 
『SHISHAMO ワンマンツアー2015春
「さよなら、僕のともだちと花の季節」』

【神奈川公演】
▼4月4日(土)CLUB CITTA'
【名古屋公演】
▼4月11日(土)Zepp Nagoya
【東京公演】
▼4月12日(日)Zepp DiverCity(TOKYO)

Pick Up!!

【大阪公演】

Thank you, Sold Out!!
▼4月19日(日)17:00
なんばHatch
1Fスタンディング2800円
2F指定席2800円
GREENS■06(6882)1224
※3歳以上は有料。

【北海道公演】
Thank you, Sold Out!!
▼4月28日(火)ペニーレーン24
【北海道公演】
▼4月29日(水・祝)帯広メガストーン
【広島公演】
▼5月9日(土)広島クラブクアトロ
【香川公演】
▼5月10日(日)高松オリーブホール
【福岡公演】
▼5月16日(土)DRUM LOGOS
【鹿児島公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月17日(日)鹿児島CAPARVOホール
【栃木公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月22日(金)HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
【長野公演】
▼5月30日(土)長野CLUB JUNK BOX
【石川公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月31日(日)金沢EIGHT HALL
【宮城公演】
▼6月6日(土)仙台Rensa
【新潟公演】
▼6月7日(日)NIIGATA LOTS
【沖縄公演】
▼6月13日(土)桜坂セントラル


【東京公演】
『SHISHAMO NO YAON!!! EAST』
一般発売4月25日(土)
Pコード259-122
▼6月27日(土)18:00
日比谷野外大音楽堂
指定席3300円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。雨天決行。

Pick Up!!

【大阪公演】

『SHISHAMO NO YAON!!! WEST』
一般発売4月25日(土)
Pコード258-852
▼7月25日(土)17:30
大阪城音楽堂
前方指定席3300円
後方フリーエリア3300円
GREENS■06(6882)1224
※雨天決行、荒天中止。3歳以上は有料。

~4月20日(月)11:00まで先行予約受付中!
チケット情報はこちら


Column

のほほんかつ冷静に、やみつき
ポップソングを生産する驚異の19歳
『卒業制作』『SHISHAMO』
の同時リリースに続いて
スペシャ列伝に初ワンマンツアー
期待の3人に迫る前回インタビュー