ピアノとカホンであのクラシックの名曲を大胆不敵に再構築 大好評カバーシリーズ最新作『EAT A CLASSIC 5』の謎を解け! 只今絶賛ツアー中の→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)が そのルーツと秘密を語るインタビュー&動画コメント
パワフルで激しいピアノの旋律と、打楽器として独特の存在感をもつカホンの音色がせめぎ合うスリリングかつ重厚な演奏で、オーケストラ並みの迫力を生み出す、ジャズでもクラシックでもない、“ハイブリッド・インストゥルメンタル”という斬新なジャンルを確立した→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)。昨年は本格的なヨーロッパツアーを敢行し、スリル満点の演奏とコミカルなパフォーマンスでオーディエンスを圧倒。国内外から注目を集め、ライブに根ざしたエネルギッシュな演奏力で聴き手を虜にする。昨年11月にはクラシックカバーの人気シリーズとして5作目となるアルバム『EAT A CLASSIC 5』をリリース。2015年は年明けから全国ツアーをスタートし、精力的に動いているHAYATO(p)とHIRO(カホン)が作品に向かう姿勢とライブの醍醐味を語る。
クラシックでも手拍子してもいいし、拳を上げて叫んでもいい
――昨年、『EAT A CLASSIC 5』がリリースされましたが、そもそもこのシリーズを始めたきっかけは?
HAYATO(p) 「小ちゃい頃は音楽教室のようなところにピアノを習いにいってたんですけど、もっと自由にピアノを弾きたくなって辞めたんです。僕ら2人ともクラシックはちゃんと通ってきてないんですけど、決められた楽譜通りじゃなくて、もっと自由にクラシックの曲をやったらどうなるんだろう?っていうところから、1作目の『EAT A CLASSIC 1』が出来ました」
――当初はかなり挑戦的な気持ちで始めたんですか?
HIRO(カホン) 「はい。でも、クラシックと敵対するというより、ホントにリスペクトの気持ちもあって。原曲をアレンジしてみると、メロディラインとかが改めて素晴らしいなと思うところがあるので。クラシックを尊敬してリスペクトした上で、→Pia-no-jaC←としてカバーしてみたらこんな風になっちゃいましたよっていう感じですね」
HAYATO 「もちろんリリース当初は怒られる覚悟で出しました。だから、シリーズ化する予定もなくて1枚で終わるやろうなっていう感じでしたね。でも、いざリリースしてみると、意外に面白がってくれる人が多くて。“次はこんな曲やってよ”って、リクエストも来るようになったので、『EAT A CLASSIC 2』からは、みなさんのリクエストを元に作るようになりましたね」
――クラシックをカバーするとき、アレンジで心懸けていることは何かありますか?
HAYATO 「誰もがやってないアレンジを追求していって、いい意味で期待を裏切りたい。でも、一番大きいのは聴いてくれる人に笑ってもらいたい、楽しんでもらいたいっていうことで。そのための面白いアレンジを心懸けています。テーマとしては、“誰もが知っているクラシック”。普段クラシックを聴かないような人でも知っている、クラシックの名曲ばかりを選曲してアルバムを作るということを大事にしています」
――確かにクラシックって、鑑賞する、じっくり聴くという感じですが、『EAT A CLASSIC』を聴いていると、自然と体が動き出して、体感したくなります。
HAYATO 「クラシックって敷居が高いイメージがある人もいるかもしれないけど、そもそも音楽は誰もが楽しめるものやと思っているので。クラシックでも手拍子してもいいいし、拳を上げて叫んでもいい。クラシックをもっと広めたいというか、こういう聴き方もあるんだよって、音楽の楽しさを伝える一貫として始めたアルバムでもあります」
――最新作の『EAT A CLASSIC 5』なんて、もはやクラシックじゃないというか(笑)。
HIRO 「今回はもう、すごいですね(笑)」
HAYATO 「5作目まで来てやっと吹っ切れたというか、今までは“ここまでしていいんかな…”みたいな感じもありましたけど、今回は全くないです! だから、俺ら側がツッコミ待ちの部分もあります。“原曲どこやねん”って(笑)。『トルコ行進曲』(M-3)なんて、まさにそうです」
――今までで一番大胆にアレンジしているのでは?
HAYATO 「スタジオ内で爆笑が起きたらそのアレンジで!みたいな感じで進んでいった結果、ああなりました」
HIRO 「シャレで始まった曲もありますからね。『グリーンスリーブス』(M-4)なんて、グリーンをブルーにしたら、“ブルース・リーブス”ですよね?ってことで…あの曲はイングランド民謡なんですけど、ちょっとロックにして、香港に行っちゃったみたいな(笑)。それが結構ハマッたんで」
HAYATO 「完全に悪ノリですね(笑)、まるで親父ギャグみたいな感じなんですけど。そういうところを結構散りばめていて。何回も聴いている内に、気付いてくる部分を含んでいるので。1回聴くだけじゃなくて、何回も楽しめるんじゃないかな。『トルコ行進曲』に入っている鐘の音は神社で使っているようなもので、その後のピアノとカホンのキメは、(神事の際の)二礼二拍手一礼をイメージしていてます。そういう誰も気付かんやろうなっていうところに、結構こだわって作っているんですよ」
毎回新しいCDを作るときは、今までやっていなかったジャンルや
今の俺たちには出来ないものをちゃんと取り入れて
自分たちのスキルアップにもつながるようにしています
――『G線上のアリア』(M-2)はブルーグラスを取り入れているんですか?
HAYATO 「一昨年、アメリカのナッシュビルに行ったときにブルーグラスを聴いて思い出したんですけど、僕の父親がバンジョーをやっていたので、ブルーグラスは小っちゃい頃からよく聴いていたんです。俺のルーツでもあるし、『G線上のアリア』をブルーグラスにしたら、誰もやってへんし面白いちゃうんかなって」
――『アイネクライネ』(M-1)ではスウィングジャズに初挑戦ということですが。
VIDEO
HAYATO 「毎回新しいCDを作るときは、絶対に今までやっていなかったジャンルや、今の俺たちには出来ないものをちゃんと取り入れて、自分たちのスキルアップにもつながるようにしています。今回はビッグバンドをいろいろ聴いて研究した上で、カホンでしっかりリズムを叩き、ピアノではホーンセクションのフレーズを弾いて、→Pia-no-jaC←でしか出来ない形にしてみました」
――『グリーンスリーブス』と『ハッピーバースデー』(M-5)もクラシックっていう枠に入れているんですね(笑)。
HAYATO 「誰もが知っているので、僕らの中ではクラシックかなと(笑)」
HIRO 「『EAT A CLASSIC 3』('11)に入ってる『ジ・エンターテイナー』なんかも、クラシックなのかアメリカの現代音楽になるのかちょっと悩んだものの、みんなの耳に馴染んでいる曲なのでクラシックでしょ、と」
――『ラデツキー行進曲』(M-6)も原曲からかなり飛躍していますよね。
HAYATO 「原曲の一部をループしているので、よく聴くと原曲のメロディを使っているのが分かると思います。これはピアノがボサノヴァで」
HIRO 「カホンはドラムンベースを意識していて」
HAYATO 「2つの違うグルーヴが合わさって、また新しい世界が出来たので、俺たちにとって新しい発見でした」
HIRO 「俺の中では最難関に近いぐらいの展開ですね」
HAYATO 「『EAT A CLASSIC 10』ぐらいになったら、原曲のタイトルだけ見てイメージで作りました、みたいになっているかも(笑)」
――今後もこのシリーズはぜひ続けていって欲しいです。
HAYATO 「毎回、まだやってないクラシックがこんなにあったんやって思うので、まだまだ続けていくと思います」
今回はホントにお祭り騒ぎにしたい
――そんな→Pia-no-jaC←が、さらに本領を発揮するのがライブ。演奏しているときはまるで格闘家のようですね。
HAYATO 「そのために日頃からジムに行ったり、走り込んだりして鍛えています。ツアー前になると、ピアノの練習をしているよりジム行ってる方が長いです(笑)」
HIRO 「ライブでやりたい!と思って曲を作っているので。実際にライブに来てもらうと、さらに伝わるところもたくさんあると思います」
HAYATO 「昨年、ヨーロッパでツアーをやって、改めて音楽とは国籍とか人種も関係なく楽しめるものだなと実感したので。これからもそういう誰もが楽しめるものを作っていきたいなと思います」
――年明けから全国ツアー『Swing Pacchin Tour 2015』がスタートしました。今回は各地でどんなライブが展開されるのでしょうか?
HIRO 「前回のオリジナルアルバム『Re:EARTH』('13)のツアーは、結構メッセージ性が強かったので、今回はホントにお祭り騒ぎにしたい。もっとみんなで楽しみたい気持ちがめちゃくちゃ強いです」
HAYATO 「『アイネクライネ』の中で指パッチンをしているので、来てくれた方にも指パッチンで参加してもらって、みんなでセッションしようと思ってます(笑)。アルバムの曲は全曲やる予定ですけど、CD通りにはいかないところを各会場で楽しんでもらえたらなと。ライブでのパフォーマンスを重視しているので、『グリーンスリーブス』なんかは途中で、あのお方(=ブルース・リー)が降臨されて、エラいことになるとなりますよ(笑)。演出も含め、新しいパフォーマンスを取り入れて、いろんなことをしたいと思っているので楽しみにしていてください!」
Text by エイミー野中
(2015年2月 6日更新)
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Movie Comment
ライブさながらやたらノリがいい(笑) →Pia-no-jaC←からの動画コメント!
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Release
みんなが聴いたあの曲を聴いたことの ない形へ。強烈クラシックカバー第5弾
Cover Album 『EAT A CLASSIC 5』 【初回限定盤DVD付】 発売中 2400円 BounDEE by SSNW XQIJ-91008 【ヴィレッジヴァンガード限定盤DVD付】 発売中 2300円 BounDEE by SSNW XQIJ-91009 【通常盤】 発売中 1900円 BounDEE by SSNW XQIJ-1010 <収録曲> 01. アイネクライネ モーツアルト 02. G線上のアリア J.S.バッハ 03. トルコ行進曲 モーツアルト 04. グリーンスリーブス イングランド民謡 05. ハッピーバースデー ミルドレット・ヒル, パティ・ヒル 06. ラデツキー行進曲 ヨハン・シュトラウス1世 <初回限定盤DVD収録内容> PV「アイネクライネ」+ ニューヨークロケPVメイキング映像 <ヴィレッジヴァンガード限定盤 DVD収録内容> 2014.9.14 Zepp Tokyo 「→PJ←ワンダーランド」 LIVEダイジェスト映像
Profile
ピアノジャック…'05年4月結成。HAYATO(p)、HIRO(カホン)の2人で構成されるインストゥルメンタルユニット。'08年、1stアルバム『First Contact』をリリース。多彩なジャンルを昇華した独自の音楽性が各方面から注目を浴び、ディズニー、SQUARE-ENIX、KONAMIなどと多数のコラボレーションを発表。'12年には、ヴァイオリニスト・葉加瀬太郎とのコラボアルバム『BATTLE OF THE YEAR』を発表。同作が『第27回日本ゴールドディスク大賞 2013CLASSIC ALBUM OF THE YEAR』を受賞。’14年4月に上映された品川ヒロシ監督の映画『サンブンノイチ』では、通算11枚目のオリジナルアルバム『Re:EARTH』('13)に収録された『Triad』がテーマ曲となり、メンバー2人も演奏シーンとして本編冒頭に出演。同年10~11月、ベルギー・フランス・イタリア・スペイン、4ヵ国8都市でヨーロッパツアーを敢行。11月19日にはクラシックカバーの人気シリーズとして5作目となるアルバム『EAT A CLASSIC 5』をリリース。’15年は1月11日より全国ツアー『Swing Pacchin Tour 2015』を開催。→Pia-no-jaC← オフィシャルサイト http://pia-no-jac.net/
Live
ツアーはまだまだ続く! 日替わりで 何が飛び出す!? 京阪神ライブ
Pick Up!!
【京都公演】
『→Pia-no-jaC← Swing Pacchin Tour 2015』 チケット発売中 Pコード244-779 ▼2月7日(土)17:00 KBSホール 全席指定5000円 サウンドクリエーター■06(6357)4400 ※全席指定は、小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。但し、お席が必要な場合は有料。全自由は、小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。
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【福井公演】 ▼2月8日(日)響のホール
【宮城公演】 ▼2月11日(水・祝)仙台Rensa
【群馬公演】 ▼2月14日(土)前橋市民文化会館 小ホール
【新潟公演】 ▼2月15日(日)新潟LOTS
Pick Up!!
【神戸公演】
チケット発売中 Pコード244-779 ▼2月20日(金)19:00 チキンジョージ 全自由5000円 サウンドクリエーター■06(6357)4400 ※全席指定は、小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。但し、お席が必要な場合は有料。全自由は、小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。
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【広島公演】 ▼2月21日(土)広島CLUB QUATTRO
【福岡公演】 ▼2月22日(日)Zepp Fukuoka
【岡山公演】 ▼2月28日(土)CRAZYMAMA KINGDOM
【香川公演】 ▼3月1日(日)高松オリーブホール
【愛知公演】 ▼3月7日(土)日本特殊陶業市民会館
ビレッジホール
【富山公演】 ▼3月8日(日)富山MAIRO
【岐阜公演】 ▼3月14日(土)岐阜Club-G
Pick Up!!
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード244-779 ▼3月15日(日)17:00 NHK大阪ホール 全席指定5000円 サウンドクリエーター■06(6357)4400 ※全席指定は、小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。但し、お席が必要な場合は有料。全自由は、小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。
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【東京公演】 ▼3/21(土)渋谷公会堂
Column
ピアノとカホンで世界を変える! 話題のインストユニット →Pia-no-jaC←が『Re:EARTH』 を手に全国ツアー、そして 地元大阪で初のカウントダウンへ!! 前回インタビュー&動画コメント