ホーム > インタビュー&レポート > 期待の若手俳優として、ミュージシャンとして 活躍する古川雄大が自身の表現活動について語る
――ファン投票で選ばれた曲を見てどう思われましたか?
「基本的には、ライブでよくやっている曲だったり、きっとこれは入るだろうなって思う曲が入っていたんですが、中には意外な曲もあって。アルバムを作るにあたって改めてアンケートをとることが出来たのは、新しい発見もありましたし、なるほどなと納得する部分もあって良かったですね」
―意外な曲とは例えばどの曲ですか?
「『Starting Days』(M-1)という曲や、『Heartless』(M-13)が意外でしたね。全体的にアルバムのメイン曲や、自分が好きでライブでよくやっている曲が入っていて。あとは『Catch Me』(M-12)という、ちょっと今までのバンドサウンドとは違うダンスナンバーっぽい雰囲気の曲が入っていたのが、なるほどなと思いましたね」
――曲順はランキングとは関係なく組んでいるんですか?
「リリース順にしたんです。最初にパッと順番に並べて一回聴いたところ、すごく良い流れだったので、このままで良いかなって」
――作詞や作曲もご自分でされている曲が多いですが、元々音楽を作るのが好きだったんですか?
「中学の頃、姉が使わなくなったギターをもらって弾いたのが始まりですね。部屋の中だけでしたけど、趣味として、自分で弾いて歌うのが楽しいなと。その延長線上で作詞作曲をしていたんです。それで、高校時代に友人に誘われてほぼ無理やりバンドのボーカルをすることになったんですが、文化祭でやってみたら上手い下手関係なく、ただ楽しかったんですよ。それで卒業ライブもやったりしていましたね」
――『SUNDAY』(ファンセレクトM-2)と『君の隣で』(ファンセレクトM-9)の2曲は、ご本人セレクトのアルバムにも入っていますね。
「『SUNDAY』は投票で1位だったのでどちらにも入れたいなという想いがありましたね。あと、レコード会社を移籍する前の曲と最近の曲を均等に入れたいと思っていて、『君の隣で』は、今お世話になっているシンコーミュージックさんから出した作品で、自分の中で力作だなと思っている1曲なので入れました」
――今回は、2008年に音楽活動をスタートしたときから今までのベスト盤ということで出されていますが、このタイミングで出したのはどうしてですか?
「バンドのライブツアーを定期的にやらせていただいていて、今年で6年目なんですよね。それで打ち上げのときに、“今、これまでの曲を歌ったらどうなるんだろう”っていう話が出てきて。録り直しはしていないんですが、一度改めて振り返って整理してみるのも良いんじゃないかなという話になったんです」
――その中で、自分の中で変わった部分や発見した部分ってありますか?
「1曲1曲振り返って、結構いっぱいありますね。そのときそのときの想いがあって書いて、歌った曲たちなので。自分の中の6年間の変化では、もちろん歌の技術も以前よりはついたと思いますし、いろんな変化を感じられたなと思います」
――本人セレクトのアルバムは、たくさんある曲の中からどういう基準で選ばれたんですか?
「好きな曲とバランスを考えました。バラードとアップテンポのバランスも考えましたし、全部のアルバムからちょっとずつ選びたいという想いもあったので、偏らないようにしましたね」
――いつも曲作る時はどんなシチュエーションで作られるんですか?
「結構こもって、集中して作りますね」
――作るときにインスピレーション受けるものなどはあるんですか?
「歌詞に関しては、架空のものとかはあまり作らず、基本的に自分の感じたことを共感してもらえたらいいなという想いで書いています」
――先ほど『君の隣で』が力作だと仰っていましたが、いつ頃に作られた曲ですか?
「2013年の『STUDIO SUNSHINE』というミニアルバムに入っていて、その前からいつか形になればいいなと温めていた曲で。アルバムに入る前にも、ライブの弾き語りで披露していたんです」
――俳優として舞台や映像でもご活躍されていますが、古川さんにとって音楽で表現することはどう位置づけされているんですか?
「両立したいと思ってやっていますね。両方、精一杯やっているんですが、音楽は結構自由でいられる場所なので、ライブではあまり古川雄大というキャラクターを作らず、ナチュラルな自分でやりたいと思っています」
――俳優業でお忙しい中でも、今後も定期的にライブをやられていくんですね。
「2014年は3回ツアーをまわったので、来年もこのペースで出来たら良いなと思っています。舞台のスケジュールの隙間を見てやりたいですね(笑)」
――最初に、ミュージカルの世界も目指そうと思われたのはどうしてですか?
「『エリザベート』のオーディションで受かったことがきっかけです。そこからいろんなミュージカルのお仕事をいただけるようになりました。『エリザベート』ですごく苦労して、ミュージカルの辛さを感じたんですが、それと同時に良さもすごく感じたんです。そこで、もっと頑張って上を目指したいなと思ったんです」
――辛い部分と良い部分はどこに感じられたんですか?
「辛い部分はすべてが歌で進むところですね。セリフも歌ですし、歌に気を取られて表現が上手くいかなかったりして。それと、自分が納得のいく歌のパフォーマンスが出来ないところがネックだったりしました。でも、そのすべてが歌で進むことが辛い部分でもあり、とても素敵な部分でもあるなと思ったんです。『エリザベート』のときは毎公演、自分が出番じゃないときも袖で観ていましたね。それくらいのめり込めるものがミュージカルにはあるんですよね。先輩の役者さんが“ミュージカルは出来る人が限られている”と仰っていたんです。歌も演技もやるというのはそれくらい難しいもので、両者が出来る人ってなかなかいないんだと思うんです。だから、自分もそこでいろんな作品に呼んでいただけるように、頑張ってやっていきたいなと思いますね」
――2013年の話ですが、『ロミオとジュリエット』では主役のロミオ役に抜擢されましたが、そのときはやはりプレッシャーを感じられていましたか?
「もうプレッシャーしかなかったですね(笑)。『エリザベート』を経験して、すごい世界に入り込んだなと思っている最中にお話をいただいたので。ミュージカルに関しては今もまだまだ苦しんでいます。きっと、この仕事をやるうえでは、常に課題が出てくるはずだから100%気持ち良くなることなんてないんだと思います。でもそう感じられるのは嬉しいことでもありますよね。もっともっと力をつけて、また主役としてカーテンコールで最後に出たいです」
――では最後に、これから目指されているところを教えてください。
「僕、実はストレートプレイもやりたいんですよ。ただミュージカルでほとんどスケジュールが埋まってしまうので、今はミュージカルの舞台でしっかり力をつけて、ストレートプレイにも呼んでいただけるような俳優になりたいなと思っています」
貴公子的な容姿とクールな雰囲気をまとった古川。落ち着いた口調ながらも、発する言葉からは、自身の表現活動への熱い想いが見えた。2015年は1月17日(土)~25日(日)東京・天王洲銀河劇場にてミュージカル『SAMURAI 7』に出演。2月8日(日) 東京Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE にて『古川雄大 Acoustic Live 2015 ~Pleasure Pleasure~』を開催。3月14日(土)~29日(日)東京・Bunkamuraシアターコクーン、4月1日(水)~5日(日)大阪・シアター・ドラマシティにてミュージカル『タイタニック』に出演。俳優として、ミュージシャンとしてグングンと成長し続ける彼の、今後の活躍に期待したい。
(取材・文/黒石悦子)
(2015年1月 7日更新)
1.Starting Days
2.SUNDAY
3.Unnoticed Love
4.“I”
5.日日草
6.カコノ空、未来ノボク
7.形のないモノ
8.qp
9.君の隣で
10.アナタノトリコ
11.Reading Book
12.Catch Me
13.Heartless
14.I'm a dreamer
15.Don't look back
(M-14,15 新曲)
【CD】
1.First Story
2.キズナ
3.SUNDAY
4.end roll
5.Vow
6.どうなってんの?
7.空花
8.君の隣で
9.messenger
10.Hello my friend
11.悲しみのカラフル
12.With You
13.トライアングル
14.Song for
15.I KNOW
(M-14,15 Acoustic Ver.)
【DVD】
ジャケット撮影&レコーディング メイキング
『LIVE TOUR 2014“Reading Book”』特典映像
『LIVE TOUR 2014 ~Acoustic~』特典映像
▼4月1日(水)~4月5日(日)
(水)18:30 (木)(金)13:30
(土)12:00/17:00 (日)12:00
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
全席指定-11000円
[作]ピーター・ストーン
[作詞・作曲]モーリー・イェストン
[演出]トム・サザーランド
[出演]加藤和樹/鈴木綜馬/藤岡正明/戸井勝海/佐藤隆紀/津田英佑/古川雄大/入野自由/矢崎広/上口耕平/小野田龍之介/栗原英雄/シルビア・グラブ/未来優希/則松亜海/菊地美香/関谷春子/安寿ミラ/佐山陽規/光枝明彦
※未就学児童は入場不可。
◆4月1日(水)18:30
〔出演〕加藤和樹/佐藤隆紀(LE VELVETS)/津田英佑/古川雄大
◆4月4日(土)17:00
〔出演〕加藤和樹/古川雄大/矢崎広/上口耕平
※都合により出演者変更の場合あり。
▼2月8日(日)16:00
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
全席指定-5500円(税込)+1ドリンク