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空きっ腹に酒が梅田CLUB QUATTROで10ヶ月の
歳月をかけて企画するイベント『10カウント』
応援企画 第2弾! メンバー自ら出演バンドを紹介!
11/4に行われたROUND.3のライブレポートも!!

 どうも! 空きっ腹に酒のボーカル、ゆきてるです!(前回の記事見たら名乗るのを忘れてました…)。おかげ様で10カウントもラウンド4を迎えました! これも全て応援してくれる皆さんのおかげです! ありがとうございます! ぴあ~!(歓喜の声)。さてさて、10カウントラウンド4の開催日は12月8日(月)ということで、2014年最後の10カウントになるわけです! そんな年内ラストのゲストはキュウソネコカミです!2マン!わーい! 
 

 
というわけでさっそくキュウソネコカミについて紹介文を書きたいと思うのですが
 
キュウソネコカミについて…
キュウソネコカミについて…
キュウソネコカミ…について…か…
 
えーっとね… わかんねえ!(爆)。彼等に対してどういう感情を抱いているのか実は自分でもよくわかっておりません!(キッパリ)。勿論好きなんですよ? 好きなんだけど一口に「好き!良いバンドだ!」って言ってしまうとなんだか勿体ないような気持ちにさせられてなかなか筆が進みません! それにもはや日本のロック界を代表するような存在になってしまった彼等を僕がわざわざ紹介するのもアホらしくなってきて(癪)、ボーカルのヤマサキセイヤと2人で天神祭の打ち上げ花火を見に行った思い出を書きたいと思います。さぁ、連載2回目にして降板のピンチです!張り切ってどうぞ!
 
 とある夏の日の午後、携帯電話に一通のメールが届いていた「今日暇?天神祭に打ち上げ花火見に行こうや」。メールの送り主はキュウソネコカミのボーカル、ヤマサキセイヤだった。僕は珍しい友人からの誘いに少しにやけてしまった。彼とは昔から仲良くしていたのだが、最近バンドがめでたくメジャーデビューしてビビりまくっていたので遊びに誘ってもいつもなかなかスケジュールが合わず断られることが多かった。だから彼の方からメールが来て僕は少し嬉しかったのだ。しかし男2人で夏祭りに行って花火を見るというのも、よく考えれば寂しいことだ。そう考えると若干気が引けてきたが、忙しい中わざわざ誘ってくれたのにそんな理由で断るのも忍びなく、僕は「行く」とだけ返信して祭に向かう支度をした。
 
待ち合わせの場所には既にヤマサキセイヤが到着していた。僕は久しぶりに会うもんだから、なるべく良い空気を作るように「とても楽しみにしていた」という雰囲気を醸し出しながら小走りで近寄った。というか実際に楽しみにしていたのだ。僕は「久しぶり!」とわざとらしく高いテンションで挨拶した。すると彼は開口一番予想だにしない一言をぶちまけた。
 
「お! 久しぶり! ゆきてる可愛くなったな!」
 
僕は思わず後退りした。彼なりのボケなのか… 一瞬戸惑った後
 
「彼氏か!」
 
と大きな声でツッコミを入れてしまった。空気が一瞬にして張り詰めた。2人同時にスベった感じになってしまい、苦笑。そんな空気のまま天神祭スタート。先が思いやられた…。
 
夕方に待ち合わせた為、現地に着いた頃には既に花火大会直前だった。とりあえず花火のよく見える場所まで移動している間、さっきの不意打ちの所為で話題が見つからずポツポツと特に広がらない会話をしながら、僕は祭自体にさほど興味もなかったので正直ちょっと退屈だった。(でも屋台でちゃっかり梯巻きを購入して食べた。美味しかった。)缶ビール片手にフラフラと歩きながら、「花火ねぇ…」と若干憂鬱になりだしていた。しかしヤマサキセイヤは「ここまで来たら絶対に花火見ようや! な! 良い場所探そ!」と、一体僕達がどこまで来たのかよくわからないけど祭に対してかなりの情熱を抱いていた。僕は不思議だった。というか少し苛立っていた。キュウソネコカミのボーカルはこんな大衆的なイベントに積極的なヤツだっただろうか。社会のしがらみ、世の中の些細な出来事に反発し、世間一般の流行や時事ネタに噛みついて、スマホばかりいじってるようなヤツだった筈だ。花火を見て「きゃー! 綺麗! タカシ君! 花火綺麗!」「綺麗だね。でも君の方が綺麗だよ。」「タカシ君…好き!」なんてことを言ってそうなネチネチしたカップルを歯切れよくdisる立場の人間ではないのか。少なくとも僕の中でキュウソネコカミは常に人間の心の闇をユーモアたっぷり捻くるような奴らで、祭を楽しむような奴らではないのだ! なのになんじゃコイツの体たらくは! チクショー! 僕は悔しくなって、「そもそも何故ヤマサキセイヤ程の男が天神祭に来ようと思ったのだ! おかしいじゃないか!」と問いただした。その時の彼の回答を僕は未だに噛みしめている。
 
「あのな、ホンマは独りで来ようと思っててん。こういう人が沢山いてゴチャゴチャ皆楽しそうにしてる中で一人ぼっちやと、その時の寂しさとか煮え切らん感じを歌詞に出来るからな! 全然楽しくなくていいねん。作詞の為のリサーチや。祭でぼっちとか最高のシチュエーションやろ?でも正直寂しすぎて心折れそうになったからゆきてる誘ってしまったわ! (笑)ありがとうな!」
 
僕はハッとした。「ハッ」と口に出して言ってしまうぐらいハッとした。そうか…彼は単純に祭を楽しみに来たわけではなかったのだ。わざわざ敵地(天神祭さんごめんなさい)に赴き、そこで負った傷を歌詞に注ぎ込む。負のパワーを吸収してそれを音楽として爆発させる…。キュウソネコカミというバンドの持つ強さ。そのパワーが生まれる瞬間を今日僕はずっと側で味わっていたのだ。それなのに僕は…ヤマサキセイヤを単なるリア充(死語?)扱いしていたなんて…。きっと花火はその締めなのだろう。今日感じたリアルに対する憤りを、心に刻み込む為の、花火。僕は感服した。完全にナメていたよ、ヤマサキセイヤ。お前はやはり凄い男だった。祭も花火もどうでもいい…今日お前に会えて良かった!
 
そんなことを考えている内に花火の見えるベストスポットに到着した。僕はすっかりニヒルな気分に浸っていた。ふふっ、花火。けけっ、花火。今日の僕はさながらベ○ータだ! 打ち上がった瞬間「ちっ! 汚ぇ花火だ!」とでも言ってやる。最高に捻くれて、帰ったら僕も歌詞を書こう。
 
辺りがざわつきだした。皆空を眺めた。ヤマサキセイヤも、僕も。きっと、こんな気持ちで花火を眺めているのも世界で僕達ぐらいだろう。
 
ドカーン!
 
夜の闇を切り裂くように、やけにカラフルな閃光が空一面に広がった。大衆の大歓声。そんな中僕もヤマサキセイヤも負けじと大きな声でこう叫んでやった。
 
「うわっ! めっちゃ綺麗やん! 花火すげぇ!」
 
花火最高。帰りの電車で「来年もまた行こうぜ」と誓い合ったのは言うまでもない。たまには息抜きも大切だと思いました。ラウンド4では、最高に汚い花火打ち上げます! よろしく!(なんじゃそりゃ…)
 




11/4(火)に梅田CLUB QUATTROで行われた
『10カウント』ラウンド3、ライブレポート!!

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 空きっ腹に酒が、梅田クラブクアトロで仕掛ける10ヶ月連続自主企画「10カウント」。ミソッカスとMONOBRIGHTを迎えて開催した3回目もまた、汗と熱気と笑顔に満ち満ちた夜となった。

 1組目はミソッカス。さまざまな音楽のエッセンスを雑多に絶妙に詰め込んだサウンドを軽快にかき鳴らす。グッドメロディーを一緒に口ずさみ、ダンサブルな曲で飛び跳ねる。ラスト曲となった『ワルイトモダチ』では、激しいイントロから畳み掛けていき、最後はデストロイはるきち(vo,g)がフロアに下りていってそのまま演奏!という締めくくりで沸きに沸いた。

 続くMONOBRIGHTは、一曲目、その一音目からもっていくのはさすがだ。鋭く叩き込まれるドラムを軸に、安定したビート感で会場全体の温度を確実に上昇させていく。コミカルな要素で掴んでおいてから、ハジケさせる場面もきっちり用意しつつ、『ブランニューウェーブ』にあるような、懐かしさや切なさを感じさせる歌詞・音色でグッと迫ってくる。百戦錬磨のステージだった。

sukipparaliveweb1.jpg  燃えるように真っ赤に照らされたステージに登場した空きっ腹に酒は、最初っからエンジン全開。「踊りにきたんだろ? もっともっと近くに来てくれよ」と煽り、グングン惹きつけていく。MONOBRIGHTの桃野陽介がライブ中のMCで「ミソッカスにMONOBRIGHT、眼鏡(のバンド)に囲まれて空きっ腹に酒を楽しめるのもなかなかないかと思いますので、楽しんでいただければ」と言っていたのを受けて、「全員裸眼の空きっ腹に酒だ! とんだ組み合わせにしてしまったなと、組んでから気づきましたけど」(田中幸輝)と返す一幕も。開始15分で5曲を終える(それもMCを挟んで!)というスピード感で、オーディエンスとの距離感もバッチリに疾走していく。

 この「10カウント」シリーズでは、毎回新曲を発表しているが、今回の新曲となった『ルーム』は今までになく“日本語ラップ”を前面に出した内容に。以前インタビューで田中幸輝が自身を指して「(ヴォーカルじゃなく)ラッパーだと思っている」と言っていたのを思い出す。外の世界に、次に進んでいかんとする心境を綴ったパーソナルなリリックで、それでいて「ひとりにしないでよ。わがままを言っている」「二人でいたいのは、わがままと知っている」と歌う。彼の今が封じ込められたような、胸に響く曲だ。

sukipparaliveweb2.jpg 「クアトロ、音楽好きですか?オレも音楽が好きだ。殺したいほどに、音楽を愛してるんですよ」というMCから始まった『らびゅ』に、オーディエンスはベッドバンキングで応える。そのままアンセム『Pa』になだれ込み、ハンズアップで大盛り上がり!それにつられて演奏も益々白熱していく。その疾走感と熱量のまま『正常な脳』へと突き進んで本編が終了。アンコールでも、転げ回り弾きまくるギターの西田竜大、声が嗄れてもなおノーマイクで叫ぶ田中幸輝、揺れに揺れるフロアと、怒濤の大騒ぎは止まらない。クアトロが汗だくのいい顔に満ちていて、その光景がこの日のライブを物語っていた。

 「いろんな人にこの10ヶ月連続企画を止められたけど、オレらの勝手やんな。その勝手に付き合ってくれたみんなを裏切りたくないから。10回先に何があるかわからない。それをみんなと見にいきたいんや」(田中幸輝)というこの「10カウント」。次回12/8はキュウソネコカミとのガチンコ2マンだ。ソールドアウト直前のチケットは逃すべからず!そして12/8当日は「実は西田竜大の誕生日なんです」というタイミングだったりもする。
 
Text by 中谷琢弥
Photo by  押方宏

(2014年12月 1日更新)


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キュウソネコカミ

空きっ腹に酒
梅田CLUB QUATTRO
10ヶ月連続企画
『10カウント』ROUND.4

チケット発売中 Pコード246-936
▼12月8日(月)18:45
梅田クラブクアトロ
前売2500円
[共演]キュウソネコカミ
梅田クラブクアトロ■06(6311)8111

チケット情報はこちら


空きっ腹に酒 オフィシャルHP
http://www.skpprnsk.com/

キュウソネコカミ オフィシャルHP
http://02.mbsp.jp/kyuuso/

梅田CLUB QUTTRO オフィシャルHP
http://www.club-quattro.com/umeda/