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ジャジーでロック、かと思えばファンキーに踊らせる
強力な4人の個性によるスリリングで不条理なサウンドに熱視線!
梅田クラブクアトロを舞台に、圧巻の2時間を繰り広げた
ゲスの極み乙女。のステージをたっぷりレポート!

2012年に結成し、今年4月にメジャーデビュー。強烈な個性を示すバンド名と共に、フロントマン・川谷絵音(Vo&Gt)を中心とする色鮮やかなサウンドで一気にその名を広めてきた彼らが、全国ツアー『ゲスの極み乙女。 全国ワンマンツアー“ゲスな魅力?”』にて梅田クラブクアトロへ登場! スリリングかつナイーブ、かと思えば荒唐無稽、不条理な無二の世界をたっぷりとレポートしよう。

麗しくも男前なドラマー、ほな・いこか(Dr)のカウントから『星降る夜に花束を』で開幕するや、地鳴りの如く雄叫びをあげるオーディエンス。続く『ラスカ』ではセンシティブで内省的な詞世界に、川谷とちゃんMARI(Key)の煌びやかな旋律が寄り添い、抗えない音の洪水にのまれる不思議な心地よさをもたらしてくれる。さらに『デジタルモグラ』では、扇情的なギターリフと休日課長(Ba)の小粋なベース・ラインが絡み合い、水中に沈められていくような、内側から音に支配されていくような、そんな不思議な感覚に浸食されていく。

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「いいね、最高! まだまだいけますか?」(川谷)と続けては『パラレルスペック』で、もう1段上のテンションへとブチ上げていく彼ら。自然発生的なセッション性を感じさせつつ、かと思えば緻密に構成された自覚的にも取れる、そんな表裏一体、極めて挑発的なサウンドメイクにはただただ圧倒されるばかりだ。さらには変則的かつポピュラリティ高い1曲『ノーマルアタマ』に続いて切々としたメロディの『スレッドダンス』を。川谷はハンドマイクに持ち替え、自由にラップを重ねていくと思いきや、サビでは一層腹の底から叫ぶように歌う。彼の言葉がこれまで以上にこちらへ飛び込んでくるようで、マイクを向けられた客席も心得ているとばかりに瞬時にレスポンスを! さらにアーバンで躍動感溢れる名曲『光を忘れた』を経て、両端にあるスクリーンにSLのアニメーションが流れ出すや、ノイジーなインスト曲『列車クラシックさん』を。間髪入れずアンセムのひとつ『猟奇的なキスを私にして』では、待ってましたとばかりに大歓声が轟く! ドラマティックな展開を支える、ほな・いこかのドラミング。そのキュートなルックスとは裏腹に、地面から振動がビリビリ伝わるダイナミックなリズムをブチかまし、一層ギアを全開に! マシンガンのような川谷のライムが撃ち込まれる『アソビ』では即興性の高い展開で、音で“遊ぶ”彼らの姿が実に嬉々としているのが印象的だ。

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メロウかつ希望あるメロディの『だけど僕は』、川谷と課長が向かい合って弾き合う様に歓声が上がる『市民野郎』に続いては、ちゃんMARIがお決まりの“コポゥ”コールの掛け合いを。途中、“コポゥ!”のノリで“カチョウ!”との声が上がるなど川谷も「自由だな!」と思わず笑みがこぼれる一幕も。「こんな風に新しい言葉が生まれたり(笑)、他にも僕らのライブってセットリスト通りにいかないことも多くて。その場の空気次第だったりするんですよね。お客さんと対話するように進むステージだなと」なんていううれしい言葉も飛び出す。客席の微妙な機微も逃さず落とし込む、そんな相互関係による空間ならば、何とうれしいことだろう。

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瑞々しいリリックに胸打たれる『crying march』からいよいよクライマックスへと加速! 「キラーボールで踊りませんか?」と川谷が叫ぶや、フロアのテンションは一層引き上げられ、当然とばかりに『キラーボール』をブチかます! ちゃんMARIのジャジーなメロが鍵盤の上で弾け、休日課長のベース・ラインには温かな温度が宿る。会場のひとりとて逃さず歌いかける川谷は、視線だけでその場の熱気をコントロールしていくようだ。さらに川谷といこかのハーモニーが心地よい『ユレルカレル』を経て、休日課長によるコール&レスポンスからの『ドレスを脱げ』へ!  点滅するライトに浮かぶ4人のシルエット。サディスティックなまでにまくし立てる中、本編ラスト『餅ガール』で一気に煽る煽る!  

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アンコールでは大阪独特のカラーについても言及してくれた彼ら。「本当、大阪はすぐ乗っかってくる(笑)。イイとこだよね。一番つっこんでくるし、レベルも高い!」(川谷)。そんなお褒めの言葉に応えるかの如く、エンディングを飾る『ぶらっくパレード』では、今宵一番の盛り上がりに! ズシンと腹の底から突き上げられるようなリズム隊、じわじわ追いつめるような鍵盤さばきに、川谷の透明感ある歌声が絶妙にブレンドされ、音の波に乗る心地よさを存分に示してくれた。

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一聴すると、彼らのサウンドは無秩序でセオリーや常識も不要とする、ニューエイジな印象を受けるかもしれない。でも、一度ライブを観ればそんな垣根は皆無。人間の芯の部分を揺らすような根源的な音楽の歓びをもたらしてくれるのだ。来年2月に控えた、2日間に渡るなんばHatch公演でも同じく、いやそれ以上のステージをブチかましてくれるはず。じっくりしっかりと階段を昇る彼らから、ますます目が離せなくなりそうだ。

text by 後藤 愛
photo by 森 好弘



(2014年12月 5日更新)


Check

Set List

01. 星降る夜に花束を
02. ラスカ
03. デジタルモグラ
04. パラレルスペック
05. ノーマルアタマ
06. スレッドダンス
07. 光を忘れた
08. 列車クラシックさん
09. 猟奇的なキスを私にして
10. アソビ
11. だけど僕は
12. サリーマリー
13. 市民野郎
14. crying march
15. キラーボール
16. ユレルカレル
17. ドレスを脱げ
18. 餅ガール
EN1. ぶらっくパレード


Live

Thank you, Sold Out!!
▼12月11日(木) 19:00
味園 ユニバース
オールスタンディング-3000円(整理番号付)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224

『RADIO CRAZY』
Thank you, Sold Out!!
▼12月27日(土) 11:00
インテックス大阪
オールスタンディング-8500円
[[出演]赤い公園/浅井健一/阿部真央/androp/indigo la End/大森靖子&THEピンクトカレフ/OKAMOTO’S/THE ORAL CIGARETTES/片平里菜/きのこ帝国/奇妙礼太郎トラベルスイング楽団/木村カエラ/THE KING ALL STARS/グッドモーニングアメリカ/クリープハイプ/くるり/ゲスの極み乙女。/go!go!vanillas/SiM/スガ シカオ/SCANDAL/SCOOBIE DO/Superfly/SPECIAL OTHERS/THE TURTLES JAPAN/Czecho No Republic/the telephones/TRICERATOPS/the HIATUS/back number/The Flickers/BLUE ENCOUNT/BOOM BOOM SATELLITES/星野源/THE BAWDIES/UNISON SQUARE GARDEN/レキシ/空想委員会/フィッシュライフ/The fin./ボールズ/LAMP IN TERREN/ROTH BART BARON
※6歳未満は入場無料。出演アーティストは変更になる場合があります。その際の変更・キャンセルに伴う払戻しはできません。
[問]RADIO CRAZY公演事務局
■06-7732-8787

12月20日(土)チケット一般発売
Pコード:248-709
※発売初日はインターネット販売および通常電話[TEL]0570(02)9999にて予約受付。店頭での直接販売はなし。1人1公演2枚まで。
▼2015年2月4日(水) 19:00
▼2015年2月7日(土) 18:00
なんばHatch
1Fスタンディング-3500円(整理番号付)
2F指定席-3500円
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224

12/8(月)11:00~12/15(月)11:00まで
プレリザーブ先行実施!

※1Fスタンディングのみ受付。
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ゲスの極み乙女。
オフィシャルサイト