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躍動のリズム、衝動のドラマ、4曲4様のアプローチで魅せた
『BONGO e.p.』を携えバンアパがいよいよ全国ツアーをスタート
そして、2年ぶりの『RUSH BALL 2014』へ! the band apart
荒井岳史(vo&g)&木暮栄一(ds)インタビュー&動画コメント

 ポストロック~オルタナ以降なシャープなギターサウンドに、心地よいAORやフュージョン的な要素も柔軟に盛り込んだ音楽性で、日本のインディロックを牽引し続けるthe band apart。近年は歌詞を日本語詞にシフトしたアプローチで新たな境地を切り開いてきた彼らが、1年ぶりのリリースとなる4曲入りの『BONGO e.p.』を携えて全国ツアーをスタート。2年ぶり9回目となる『RUSH BALL 2014』への出演も決定し、再び動き出したバンアパの近況を荒井(vo&g)と木暮(ds)に語ってもらった。

 
 
何かお互いに似てきてんなぁと思いました(笑)
 
 
――昨年の全曲日本語詞によるアルバム『街の14景』(‘13)の流れを汲みつつも、また違うところに向かいつつある気配を感じる4曲になっていますね。
 
荒井(vo&g)「やっていることはいつも通りですけど、曲の作り方が少し変わりましたね。『街の14景』は、メンバー4人それぞれが細かい部分まで曲を作っていくという感じだったんですけど、今回はそれぞれがある程度まで作ったら他のメンバーの意見を聞いて、裏メロを考えてもらうとかベースラインを調整してもらうとか、そういったディスカッションを交えながら作っていったので。より昔のやり方に戻りつつあるというか、それが最近バンドとしてやりたいことでもありましたね」
 
――確かに、今回は各メンバーが1曲ずつ曲を出し合っている形になっていますが、より4人の個性の交わり方が複合的になってきている気がしました。
 
木暮(ds)「歌詞だけは完全に曲を持ってきたヤツが自分で書いてるんですけど、何かお互いに似てきてんなぁと思いました(笑)。前のアルバムでは、その違いがもっと分かりやすく出ていて、それぞれの私小説みたいなところがありましたけど、今回はそこまでではなくなってきた気がしますね。でも、例えば、『誰も知らないカーニバル』(M-1)は原(b)が書いていて、あのメロディに“漢気で飯は食えない”と乗せてくるのがいいなとは思いますが(笑)、それを荒井の声で歌うと文章で読むアクの強さとはまた違ったものになっていくんですよ」
 



――実際に歌っている側としては、その辺りいかがですか?
 
荒井「言葉が強い部分が各々にあったりはするので、そこを自分の中で消化して、如何にスムーズにやるかはいつも気を付けていますね。強い言葉に強いアプローチを取ると、“言霊(ことだま)系”というか、重くなるだけだからあまりやりたくないし。『環状の赤』(M-4)は僕が歌詞を書いたんですけど、最初に勢いで書いたときには、曲の雰囲気と相まって重たくなってしまったんですよ。『北斗の拳』みたいな感じというか(笑)。コレはマズいぞと書き直しましたが、歌い方だけじゃなくて言葉選びの重要性もそこで改めて感じました」
 
――日本語になったことで、言霊的なものが強く出過ぎてしまう傾向というのはあるでしょうね。
 
木暮「そこを試行錯誤するのも楽しいですけどね。英語詞の時にはあまりなかったことだから」
 
荒井「英語だと単純なリフレインで済むところが日本語ではそうはいかなかったり、2番の歌詞も英語だとリフレインで成立するんですけど、日本語だと少し変えたくなったり。曲を作っているときの感覚は、かなり変わりましたね。あと、4人がそれぞれに歌詞も書いてくるようになったことで、例えば川崎(g)は普段はこんなことを考えているのかと思うこともあったりして、歌詞の意味を聞いてみると普通にご近所トラブルのことだったり(笑)。そういう顛末も面白いですね」
 
木暮「隣の家の植木が自分の敷地にハミ出してきていて、最初は丁寧に注意していたけど、“僕が動かしましょうか?”と言っても解決しないので、結局はアイツ(川崎)が引っ越したという。そのご近所戦争の顛末が、『The Base』(M-2)です(笑)」
 
――そう思って聞くと、この曲は涙なくしては聴けないですね(笑)。
 
荒井「一番パーソナルなことを書いているのは、川崎かもしれないですね(笑)」
 
 
呼んでもらえない年の寂しさといったら…
酒場に行かずにはいられないですから(笑)
 
 
――となると、『BONGO e.p.』というタイトルにもかかってくるコンガの効いたダンサブルでディスコ調の『来世BOX』(M-3)が、小暮さん作ということになりますが。
 
木暮「そうですね。コンガは昔のユルいディスコの曲には必ず入っているから、そういうところにも憧れてデモに入れたんですけど。今回の録音に関わってくれたエンジニアの人が趣味でコンガやボンゴなどの打楽器をたくさん持っていたんで、“叩いてくださいよ~”とお願いしたら“エ~ッ!?”とか言いながらもすごく嬉しそうな顔をして(笑)」
 
荒井「僕らの録音が終わってから丸投げでお願いして帰った後に、すごく時間をかけて録音&エディットして入れてくれていましたね」
 
木暮「なので、次のツアーでもどこか大きな会場のライブで叩いてくださいとお願いしているんですけどね。そのときも“エ~ッ!?”とか言いながらまんざらでもない表情をしていたので(笑)、スケジュール次第でどこかで実現するかもしれません」
 
――そんな飛び入りゲストもあるかもしれないツアーが(笑)、6月8日(日)の大阪BIGCATからスタートしますね。
 
荒井「新譜ありきのツアーですけど、初めての人にも、いつも来てくれている人にも楽しんでもらえるように、新旧の曲をバランスよく織りまぜながらやりたいですね」
 
――最近のライブの傾向はありますか?
 
荒井「割とつい最近まで、僕らは使いたい楽器で出したい音を力いっぱいに出していただけだったんですけど、バンドのサウンド全体を考えて話し合うようになってきましたね。“今さら?”って感じなんですけど(笑)、ホントに今まで話し合ってこなかったし、それがバンドが楽しくなってきたってことだと思います。その成果がライブに現れているところも、楽しんでもらえればと」
 
――そして夏には、2年ぶり9回目となる『RUSH BALL 2014』への出演も決定しています。
 
木暮「呼んでもらえない年の寂しさといったら…酒場に行かずにはいられないですから(笑)」
 
荒井「去年のその時期はTwitterも見ないようにして、酒浸りでしたね(笑)。ラインナップも以前と比べると随分と変わったなと感じつつ、関西で多くの人に知ってもらえるキッカケになったのはやはり『RUSH BALL』だと思っているので。僕らのことを初めて観る人にも届くように、こちらも頑張ります!」
 
 
Text by 吉本秀純



(2014年6月 5日更新)


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2マンツアーと『RUSH BALL』へと
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Release

メンバーが1人1曲担当! 初期衝動と
キャリアが交錯する充実の新作

Single
『BONGO e.p.』
発売中 1500円
asian gothic label
ASG-027

<収録曲>
01. 誰も知らないカーニバル
02. The Base
03. 来世BOX
04. 環状の赤

ライブはもちろん『街の14景』ツアー
のドキュメント&インタビューで構成!

DVD
『510×283』
発売中 2800円
asian gothic label
ASG-028

<収録曲>
01. ノード
02. 12月の
03. クレメンタイン
04. プリテンダー
05. AKIRAM
06. 仇になっても
07. Cosmic Shoes
08. forget me not pt.2
09. Moonlight Stepper
10. アウトサイダー
11. 8月
12. 夜の向こうへ

Profile

ザ・バンド・アパート…写真左上より時計回りに、川崎亘一(g)、荒井岳史(vo&g)、原昌和(b)、木暮栄一(ds)の4人。’98年結成。’04年にメンバー自らが運営するasian gothic labelを立ち上げて、これまでに同レーベルから数多くの作品をリリース。昨年リリースした通算6枚目となるアルバム『街の14景』では全曲日本語詞で新たな方向性を示した。今年の5月21日にはEP『BONGO e.p.』とDVD『510×283』をリリース。6月8日(日)大阪BIGCATより、『“BONGO e.p.”release live SMOOTH LIKE BUTTER TOUR』をスタートさせる。

the band apart オフィシャルサイト
http://asiangothic.org/the_band_apart/

Live

リリース2マンツアー初日は大阪!
夏は『聖地巡礼』に『RUSH BALL』!!

 
【大阪公演】
『“BONGO e.p.”release live
 SMOOTH LIKE BUTTER TOUR』
チケット発売中 Pコード228-862
▼6月8日(日)18:00
BIGCAT
オールスタンディング3600円
[ゲスト]フルカワユタカ
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【大阪公演】
『聖地巡礼!!2014~夏期講習編~』
一般発売6月28日(土)
Pコード233-435
▼8月17日(日)13:00
豊郷小学校旧校舎群 講堂
自由席4000円
キッズチケット2500円(小学生~高校生)
[出演]the band apart/FRONTIER BACKYARD/東京カランコロン/tricot/
シナリオアート [DJ]サオリリス/YUHKI KATAGIRI/あちゃぴん
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。中学生以下は保護者同伴に限り入場可。キッズチケットは公演当日、要学生証提示。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【大阪公演】
『RUSH BALL 2014』
一般発売6月29日(日)
※発売初日は店頭での直接販売および特別電話■0570(02)9510(10:00~23:30)、通常電話■0570(02)9999にて予約受付。
Pコード226-133
▼8月31日(日)11:00
泉大津フェニックス
大人/自由6500円 キッズチケット3500円
[出演]Czecho No Republic/QUATTRO/SiM/the band apart/the telephones/TOTALFAT/グッドモーニングアメリカ/
サカナクション/go!go!vanillas(ATMC)/Northern19(ATMC)/SHISHAMO(ATMC)/THREE LIGHTS DOWN KINGS(ATMC)/tricot(ATMC)/ゲスの極み乙女。(ATMC)/
ドラマチックアラスカ(ATMC)/他
GREENS■06(6882)1224
※雨天決行。未就学児童は保護者同伴に限り無料。小学生以上は有料。キッズチケット(小学生)は保護者同伴に限り入場可。出演アーティストの変更・キャンセルに伴う払い戻しは行いません。予めご了承ください。【オフィシャルHP】http://rushball.com

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チケット情報はこちら


Column

初の全編日本語詞に挑んだ
『街の14景』誕生秘話を語った
前回のインタビューはコチラ!