ジャンルレス×ボーダレスにシーンを騒がせる団長(vo)率いる
変幻自在のNoGoDが四季をテーマに歌モノに照準を合わせた
ミニアルバム『四季彩』をリリース! ワンマンツアー開幕を告げる
団長&Kyrie(g)インタビュー&動画コメント
団長(vo)の奇抜なヴィジュアルもありイロモノに見られがちなバンドだが、クオリティの高い楽曲、ハイレベルな演奏力で、男性リスナーからの支持も高いNoGoD。圧巻の熱量を生み出すライブパフォーマンス、団長の爆笑MCを楽しめるライブには定評があり、近年メキメキと動員を増やしている彼らが、“四季”をコンセプトにインディーズ時代の楽曲を再録したミニアルバム『四季彩』をリリースした。ハードロック/ヘヴィメタル色を強めた昨年のシングル『神髄』シリーズから一転、90年代ヴィジュアルロックの匂いを感じさせる歌モノロックを提示した今作、そして、4月29日(火・祝)大阪BIGCATからスタートする全国ワンマンツアーについて、困り顔メイク(動画コメント参照)をして登場した団長とKyrie(g)に直撃。時折、漫才のような掛け合いを見せた(!?)2人のインタビューをご覧アレ!
ただ純粋に自分たちがそのときやりたいことを高水準でやるために
どうすればいいかをずっと考えてる
――ぴあ関西版WEB初登場ということで、改めてNoGoDがどういうバンドなのか教えてもらえますか?
Kyrie(g)「ものすごく飽き性なバンドだと思います。だからいろんなことをやりたくなっちゃうんですよ」
団長(vo)「保守的な考えをスゴく嫌うバンドだと思いますね。“これをやっとけばとりあえずOKだろ?”っていうのが好きじゃない。“NoGoDってどういうバンドですか?”と聞かれたら、“カッコいい音楽をやっているエンタテインメントバンドです”としか形容出来ないんですよね。昔は“ヴィジュアル系って呼んでいただいて大丈夫です”とかわざわざ言ってたんですけど、やりたいことが多過ぎて、音楽を言葉で示すことが出来なくなってきてしまった。ピッタリくる言葉がないから、いわゆる“NoGoDっていうジャンルなんです”っていうのが一番説明が早いよね」
Kyrie「何十年も変わらずにいるアーティストさんもいらっしゃいますし、1つのことを突き詰めていく美学も魅力的だと思うんですけど…例えば激しい音楽ばかりやってると、アコースティックで優しい音楽も作りたくなっちゃうんですよ。またNoGoDではそれが出来ないこともない。“それもいいんじゃない?”っていうのがいろんな方向に拡散していった結果、コロコロ変わっていくという(笑)」
団長「誰もやったことがない面白いことをしたいからバンドをやっているだけで、実は音楽的にはすごくゆるいんですよ。ただ、リリースするものに関しては徹底的に詰める。そのときそのとき全力かつ高水準にやれるバンドで、スタイル自体はすごく柔軟だと思います。じゃなかったら化粧なんてしないし、かと言って常日頃ばっちりカッコいいメイクしていると飽きちゃうし…」
Kyrie「(困り顔の白塗りメイクをした団長に向かって)顔が困ってるよ(笑)」
団長「詳しい話はウィキペディアでも見てもらえれば分かると思うんですけど(笑)、ぶっちゃけバンド自体にコンセプトなんてないんですよ。例えば、“中世ヨーロッパ”とか“ベルサイユのばら”を意識してとかも全くなくて、ただ純粋に自分たちがそのときやりたいことを高水準でやるために、どうすればいいかをずっと考えてるバンドで」
Kyrie「その結果、羽根が生えたりするんですよね(笑)」
団長「あと、Kくん(ds)が被り物をしたりね(笑)」
俺は何が好きで音楽を始めたのか
NoGoDを始めたときはどういう気持ちだったのか
――3月には、インディーズ時代の再録曲に新曲を加えたミニアルバム『四季彩』がリリースされましたね。
Kyrie「本来はこのタイミングでフルアルバムを出そうという話もあったんですけど、まだ何かが足りないというか、今後NoGoDがどうしていくかをもうちょっとよく考えたいなと。そこで、今回は構想にあった『四季彩』をこういった形で作らせてもらいました」
団長「このタイミングを逃したら、もう10年くらいなかった。ここしかなかったんですよ。アルバムを押しのけてでも、今やっておこうって。昨年『神髄』シリーズを2枚出してから、『四季彩』を出すことに意味があるんだって」
――『四季彩』の収録曲は、ハードロック/ヘヴィメタルなテイストを全面に出した『神髄』シリーズとは違う、歌モノロックになっていますね。
団長「『神髄』は自分たちのルーツである、ハードロック/ヘヴィメタルをどう掘り下げられるかっていう2作だったんですよ。ただ、それはNoGoDというバンドのルーツではなく、我々メンバーが愛した音楽であって、今のNoGoDの根本的なものではあるけど核ではない。今回のミニアルバムに関しては初期の曲なので、NoGoDの基礎的な部分…NoGoDはハードロック/ヘヴィメタルを基調としているが、あくまで歌モノをやりたいという…」
Kyrie「このバンドを始めた頃はこんなことやってましたね~っていう1枚です(笑)」
団長「『神髄』を出したときに、“NoGoDは変わってしまった”っていう意見もあったんですよ。確かにコンセプトとしてはJ-POP向きじゃない。ただ、“NoGoDは元々こういうバンドだったってファンならよく知ってるだろ、何を勝手に忘れてんだバカヤロー!”っていう想いも俺にはありました(笑)。そういうことで一喜一憂してくれるだけでありがたいんですけどね」
Kyrie「変わってしまうのがいいのか悪いのかは別として、僕らは常に変わり続けてると思う。誰しも過去を否定したいわけじゃなくて新しいものを作りたいだけなんですが、それをお客さんにちゃんと伝えるのは難しい。過去を否定したいんだなって思われがちなので」
団長「我々はいろんなことを再確認している最中なんですよ。俺は何が好きで音楽を始めたのか、NoGoDを始めたときはどういう気持ちだったのかさかのぼると同時に、今だったらこういうことが出来るなってすり合わせて、新しいものを作っていくという」
結局、俺たちがやりたかったことは、いいメロディの歌を作ること
――今回は『四季彩[visions]』と『四季彩[sounds]』の2形態でリリースされましたが、[sounds]にはライブ音源やDISC2に別アレンジも入っていますね。
Kyrie「昨年12月の赤坂BLITZのライブ音源なんですけど、『四季彩[visions]』には今のNoGoDのライブ映像をパッケージングしたものと『櫻』(M-1)のMV、『四季彩[sounds]』にはアコースティックバージョンという形で『四季彩』の4曲を別アレンジという形で収録しています」
――別アレンジになると、メロディのよさが一層際立ちますね。
Kyrie「そういう風にしたかったんですよ。今回のテーマとして、“四季・別れ・花”がモチーフで存在するんですけど、一番のコンセプトは“団長が作った曲”なんです。今は僕が原曲を書かせてもらうことが多いのですが、このバンドが始まった当初は、団長が曲と歌詞を全部書いていて。『櫻』や『彩白』(M-4)はその頃の曲で、夏の新曲『千夜を越えて花束を』(M-2)に関しても団長が書いています。DISC1に収録されている曲のアレンジは、今のNoGoDなりにではありますが、団長が描いた景色、雰囲気みたいなものをいかにバンドとしてアレンジするかがテーマにあって。それに対して、楽曲的なテーマを抜きにして伝えられる別のベクトルがあるんじゃないかって考えたのがDISC2で。アコースティックバージョンは曲の雰囲気や方向性、曲調以外の部分から得られるイマジネーションだけでアレンジして、より深化させていった感じですね」
団長「もしかしたら、アナザーバージョンの方がNoGoDの本質が出ているのかもね。結局、俺たちがやりたかったことは、いいメロディの歌を作ることで。メタル調なのかハードロック調なのかはそのときの気分で変わりますけど、根本的にいいメロディじゃないと曲を作らないようにしているので、それが一番分かりやすく出てると思いますね」
――それも、4月29日(火・祝)から始まるワンマンツアーで聴けそうですか?
団長「ライブではやりたくないなぁ(笑)。ちゃんとピアノ練習してる?」
Kyrie「アコースティックバージョンについては、ワンマンツアーで出来たらやろうと思ってるんですけどね。まだ分からないですけど。ワンマンでは、ゲストを迎えてのツアーとはまたちょっと別のアプローチをしようかと。『四季彩』のリリースを踏まえてではありますが、『NoGoD PREMIUM TOUR-2014-』ということで、そのプレミアムが何かというところですね」
団長「もしかしたらプレミアムなチケット代かもしれないですね」
Kyrie「それはないですね。チケットは発売中ですし(笑)」
団長「ケータリングのお弁当がめちゃめちゃプレミアムとか」
Kyrie「それいいですね!」
団長「何がプレミアムなのかは、来てのお楽しみで(笑)」
――ワンマンツアー初日を飾るBIGCATでの初ワンマンライブに向けて、意気込みをお願いします。
Kyrie「よくイベントとかで出させてもらって割と慣れ親しんだハコで。いつもエネルギッシュな空間を見せてもらってるんですが、そこがNoGoDを応援してくれている人だけで埋まったとき、どれだけのパワーが生まれるのかなって。ことNoGoDのライブにおいては、大阪っていう街はいつもスゴくエネルギーのあるライブをさせてくれるので、それがBIGCATという会場でどうなるのか、楽しみでもあります」
団長「出来ればそこそこ埋まった感じでやれたらいいなと思うので、是非ともチケットぴあでチケットを買っていただくといい按配になるんじゃないかと(笑)。そして、ぴあさんに“このアーティストは伸びるな”って思ってもらえたら、またこうやってインタビューしていただけるかもしれない。このバンドにはその価値がないと思われたら、そこまでですから。決めるのは我々現場じゃないんです。読者の皆さまの力とエライ人!(笑)」
――今までとはまた違うライブが観れそうですね(笑)。あと、ベースの華凛さんは女形を卒業しましたし。
Kyrie「男装になりましたしね」
団長「男装って!(笑) 元々男の子だから。それもある意味、次への序章じゃないですけど、今後はKyrieさんが誰にも見えないところでブラだけ着けて女装癖に目覚めるとかね、そういうところから徐々に変わっていく(笑)。進化するNoGoDを見て欲しいなと」
――では、締めの言葉をお願いします(笑)。
団長「インタビューをここまで読んでくれてありがとうございます。多分NoGoDっていうバンドがさっぱり分からなくなったまま今に至ると思うんですけど、NoGoDはこれからなんです。今まではNoGoDとは何かを探る旅でありました。それを今年中に見付けて、来年の結成10周年でバシッと開花させます。開花させるためには、いろんなことを成功させなきゃならない。というわけでツアーもありますし、まだ発表されていない催しも盛りだくさんでございます。2014年はさらに加速していくと思うので、是非とも皆さん目を離さずに、目を背けずに、どうか我慢して着いてきてください(笑)」
Kyrie「応援するのに我慢が必要ってイヤですね(笑)。ただでさえ応援しなきゃいけないのに、我慢までしなきゃいけないなんて(笑)」
――NoGoDらしいですね(笑)。本日はありがとうございました!
Text by 金子裕希
(2014年4月25日更新)
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