インタビュー＆レポート

ホーム > インタビュー＆レポート > あの歌声は、この人です 噂の男がトラベルスイング楽団の最新アルバム『仁義なき恋愛』から 曲作りにライブにお金に未来にポルシェを語る!? 奇妙礼太郎インタビュー&動画コメント


あの歌声は、この人です
噂の男がトラベルスイング楽団の最新アルバム『仁義なき恋愛』から
曲作りにライブにお金に未来にポルシェを語る!?
奇妙礼太郎インタビュー&動画コメント

　総勢12名となる大所帯バンド、トラベルスイング楽団を率いて各地のフェスを沸かせまくる一方、ソロの弾き語りでは(形容ではなく本来の意味で)涙を誘う歌声を響かせる、奇妙礼太郎。最近はCMにも引っ張りだこで、カゴメ『野菜生活100』でのラジオ体操の歌や、スズキ自動車『ラバン・ショコラ』での『オー・シャンゼリゼ』などなど、思わず画面に意識がいってしまう、あの声の持ち主だ。ロックンロールやブルース、ジャズ、ソウル・ミュージック、そして日本の歌謡曲もそこにはあって、エンタテインメント感も満載で、その歌の強度と鮮烈さはとんでもなくって。奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のニューアルバム『仁義なき恋愛』も好調な彼を直撃した。
ムービーを再生する
奇妙礼太郎からの飄々とした動画コメント！

――前作『桜富士山』(‘12)から1年ちょっとぶりとなる『仁義なき恋愛』ですが、どんなアルバムにしようかというイメージはありましたか？
 
「1年に1枚くらい出そうか、くらいの感じで始まりましたね。いろんな種類の曲が並んでるのがいいなってくらい。特に細かく何かを考えてるわけではなくて」
 
――『桜富士山』よりも、明るいなと感じました。ハッピーやアッパーとかじゃなく“明るい”。陽気で、抜け感があるというか。『どばどばどかん』(M-2)のように、腰にクる音楽が満載で。
 
「あの曲は、ローリング・ストーンズみたいにロックな曲をしたいなと思って」
 
――かつ『仁義なき恋愛』(M-4)『オンリーユー』(M-9)などラブソングが大半を占めているなと。
 
「たまたまですね。何となく終わってみたらそうなってましたね。ラブソングと言われるならばラブソング。全部ラブソングに聴こえるのっていいですね」
 
――曲の制作は、どういった流れが多いんですか？
 
「例えばマンボっぽい曲をしたいなと思ったら、バンドメンバーに“マンボっぽいので譜面書いてきて”ってお願いして、先にスタジオでオケを作っててもらったり。僕だけ今は東京に住んでるんで。完全にオケを任せたのもあります。その曲に歌をどうハメていくかは、今回はレコーディングが始まってから進めていきました」
 
――完成したアルバムを聴き直してみて、どうでしたか？
 
「聴き直して…ないですね(笑)。歌詞覚えるために聴くくらい。聴かなくてよかったら、あまり聴かないですね。(昨年9月に発売された)ライブ盤も、1回も聴いてない(笑)」
 
――総勢12名のビッグバンドとなるトラベルスイング楽団と、弾き語りのソロ活動。それぞれ違ってくるかと思いますが、大所帯バンドの魅力ってどういったところでしょう？
 
「1人1つずつ楽器をやってて、それが大人数いる。野球チームにいるみたいな感覚はありますね。バンドでは“ボーカルの人”っていう役割を担当してる感じ。ソロのときはギターと身体を使って、人前で1時間とか2時間、1人でどうしようかな、どんなパフォーマンスしようかなって」
 
――前にインタビューしたときに、“何かを作るっていうよりは、バッターみたいな感じ。打てるかどうか分からへんけど、思いっきりバット振る、みたいな”と言っていましたが、その感覚は今もですか？
 
「そうですね。反射神経でやる、みたいな感じですね。オケを聴きながら、何となく歌ってみながら、メロディを作っていくことが多いので」
 
 
お金を稼いでいくこと自体は楽しい。どう使うかにはあんま興味ない
 
 
――あと、最近ポルシェのカレラを買ったそうで。
 
「自動車は乗るのも見るのも好きなんで、買おうとは思ってたんですけど。(ポルシェを選んだのは)“友だちにウケるかな”くらいの考えしかなくて。どうせなら子供でも知ってるような車にしようって。最初はフェラーリを買おうと思ってたんですけど、“雨で壊れます”って言われて、それはちょっとマズいなと(笑)。雨の日に乗るようには出来てないらしいですね。修理するお金持ってない人は買ったらダメらしくて。壊れて当たり前、壊れるように作ってると」
 
――ポルシェはどうですか？
 
「買ったのが去年の10月頭くらいで、10月末にもうぶつけました(笑)。後ろのバンパーを。気にならないですけど」
 
――イメージとしては一括で買ったんだろうなと。“宵越しの銭は持たない”的な。
 
「はい、現金で一括で。クレジットカード作れないんですよ(苦笑)」
 
――あ、それ分かります。僕もフリーなので作れなかったです。
 
「今までに2回くらいチャレンジしましたけど、(審査に通らなかった通知の)手紙みたいなものが来て。“まだ半人前かー”って切なくなりますね。バイトの面接落ちた、みたいな」
 
――お金に執着してなさそうな印象があるのですが、お金ってどう捉えていますか？
 
「執着ありますけどね、すごく。でも、何かモノが欲しいとか、あれを食べてみたいとかは、実際そんなになくて。仕事をしてること自体が一番好きで。仕事した、その引き換えのバロメーターってお金になるじゃないですか。お金を稼いでいくこと自体は楽しい。どう使うかにはあんま興味ない」
 
 
人が多過ぎて、もはや誰もおらんみたいな、不思議な感じもする
 
 
――バンドにしてもソロにしても、やはりライブの素晴らしさが印象深いです。数万人規模のフェスから、30～40人を前にする弾き語りライブまで、様々ですよね。
 
「ものすごい数がいるときって、人が多過ぎて、もはや誰もおらんみたいな、不思議な感じもする。原っぱに向けてバンドだけでやってるみたいな。それはそれでまた楽しいんですけど」
 
――自身のステージでは“全てを出し切りたい”と話していましたが、お客さんに対して“こうして欲しい”といった想いってありますか？
 
「いや。“好きにしてください”っていう感じですかね。人それぞれなんで。一緒に盛り上がってくれてもいいし、後ろの方で見ててくれてもいい。おもしろいと思ってくれてもいいし、しょうもないと思ってくれてもいい。何でもいいですね。そこは自分の仕事じゃない、考える範囲を超えているところなんで」
 
――どこまでが範囲ですか？
 
「パフォーマンスするところまでですね。どう見て欲しい、どう聴いて欲しいっていうのはない。“楽しかった”と言われると、“ああ、よかった”とは思いますけど」
 
――他のインタビューを見ていたら、“目標は紅白出場と武道館公演、笑っていいとも！への出演”と話していて。今後そういう展開もいいなと。期待しています。
 
「おもしろいかなって。『徹子の部屋』とかも出たい。無茶ぶりされたりしながら。まずはやってみて、“あんなん出んでいいで”みたいに言いたいですね(笑)」
 
 
Text by 中谷琢弥
 



（2014年1月17日更新）


Check

Release

多作な'13年のトドメの1枚となった
トラベルスイング楽団の新作！

Album
『仁義なき恋愛』
発売中　2780円
P-VINE
PCD-26055

＜収録曲＞
01. DEBAYASHI ALL NIGHT
02. どばどばどかん
03. ヘイミスターソウルメン
04. 仁義なき恋愛
05. カトリーヌ
06. 銀色ピアス
07. 僕がわるいんだ
08. 夏の匂い
09. オンリーユー
10. 恋がこんなにつらいとは

Profile

写真は奇妙礼太郎トラベルスイング楽団

きみょう・れいたろう…奇妙礼太郎トラベルスイング楽団や、アニメーションズのボーカルとしても活動中のバンドマンでありロックボーカリスト。弾き語りで行われるソロライブはオリジナルに加え、レパートリー豊かなカバー曲を多少交えつつ、泥臭くストレートで朴訥としたロックンロールから、ラブ・アンド・ユーモアなフォークまで歌い上げ、少し泣き声混じりの切ない歌声と、むき出しのソウルで人々を魅了する。’13年、初の弾き語り全国ツアーを実施、ライブ会場限定にて『HOLE IN ONE』を発売。奇妙礼太郎トラベルスイング楽団としても、10月にニューアルバム『仁義なき恋愛』をリリースした。

奇妙礼太郎　オフィシャルサイト
http://kimyoreitaro.com/

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
オフィシャルサイト
http://travelswing.jp/

アニメーションズ　オフィシャルサイト
http://rose-records.jp/artists/animations/


Live

弾き語りでバンドで、膨大なライブ数
で全国行脚。関西圏でも公演が続々！

　
【大阪公演】
『奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
　Presents ローリングサンダーレビュー
～人類史上最高のロックショウ～』
チケット発売中　Pコード219-467
▼1月17日(金)19:00
Shangri-La
自由4000円
[共演]bonobos
Shangri-La■06(6343)8601

【大阪公演】
『MOROHA 2nd ALBUM "MOROHA Ⅱ"
　RELEASE TOUR ～大阪～
チケット発売中
▼2月15日(土)18:30
大阪・福島LIVE SQUARE 2nd LINE
前売2500円
[出演]MOROHA／竹原ピストル／
クリトリック・リス／奇妙礼太郎
LIVE SQUARE 2nd LINE■06(6453)1985

【和歌山公演】
チケット発売中　Pコード221-402
▼3月29日(土)19:30
和歌山バール･ヌメロ･オンセ
オールスタンディング3000円
バール･ヌメロ･オンセ■073(425)1222

チケットの購入はコチラ！
チケット情報はこちら