「“今年こそはイケる!”と思い続けてはや10年(笑)」
結成10周年目のリスタートとアニバーサリーイヤーの幕開けを飾る
1/11(土)心斎橋BIGCATワンマンを前にワライナキが語った!
高田志麻&白井大輔インタビュー&動画コメント
結成10年を目前に控えたワライナキは、音楽活動最大の挑戦をしようとしている。この9年間で、サカイ引越センター『story』、高須クリニック『Happy Days』ほかCMソングやメディア番組のタイアップ曲を数多くこなし、コブクロや馬場俊英といった人気アーティストとの競演も果たした。“今年こそは!”とファンや関係者からの期待を背負いながら、夢は叶わなかった。幾度の挫折を乗り越えた今年2月、尾崎豊をはじめ数多くの著名アーティストを手掛けてきた名プロデューサー・須藤晃がワライナキに接近。今までにはなかった価値観を突きつけられ、もがきながら、足りなかった何かを発見した。1月11日(土)心斎橋BIGCATにて、アニバーサリーワンマンライブ『WARAINAKI2014 心のフィルム ~10th story~』を控える2人に、この10年の想いを聞いた。
夫婦漫才ばりの掛け合いを見せる(笑)ワライナキの動画コメント!
――来年は10周年ですよね。イベントのブッキングや出演交渉など自分たちで行っているとお聞きしました。
高田「年に何回かはイベンターさんの力で大きなイベントに出させて頂くことはありますが、基本的には自分たちでやっています」
白井「ただ、自分でやるメリットとそうではない部分があるんです。2人からお願いして、個人イベントに出演させてもらって気に入ってもらえると、最初はすごく親身になって相談に乗ってくれる。でも、この距離感を間違えると、マネージャーがいないのでどんな意見も全部正面から受け止めるざるを得ない。ファンからのご意見は嬉しいのですが、とても辛い場合が時々あります(笑)」
高田「馬場俊英さんやコブクロさんのイベントでワライナキを観て、その流れで私たちのライブを観に来てくれるようになったお客様が300名くらいいて。その方々は、ワライナキがまさか今でもコツコツと活動をしてるとは思わないみたいで。“そんな小さなライブハウスで、いつまでやってるつもりですか”とか、“これから先どうするんですか”とか、“CDを出したらもっと宣伝をしないと”とか(笑)。お客様のイメージしているワライナキは結構いいポジションにいて、ギャップがあるんです。10年やってきて、名だたるアーティストの方とのジョイントをさせてもらえたりするから、余計にそうなる。私がメジャーでやっていたときは、自分の曲がいい曲かどうかもあまり気にしたことがなくて…事務所側で判断してくれますからね。でも、今はライブもトークもCDを売ることも、全てやらなければならない。だから自分たちが歌って伝えたいことを、本気でやらないとうまくいかない。結局、いい歌を作るというところに行き着きます」
白井「メジャーもインディーズもどっちも正解なんでしょうけど、これからは僕らみたいなスタイルも増えてくるような気はしていますね」
高田「不思議なことに3000人規模のイベントなんかに出させてもらうと、CDがすごく売れる。Superflyさんたちが出演するイベントに出たときも、出演者の中で一番売れたり。そんなことがあって、毎年何かしらの手応えを感じながら、“今年こそはイケる!”と思い続けてはや10年(笑)」
まだまだワライナキにチャンスはあると思っています
――TVやラジオ番組のテーマ曲、CMタイアップなど活動の足跡は確実に残っていると思います。
白井「確かに番組タイアップとかはかなりやらせてもらっているので、ワライナキは全く問題なく音楽活動をやれていると思われている。意外と儲かってるんじゃないのとか、恐るべき勘違いをされている(笑)」
高田「ファンの人には“もうメジャーに行くんでしょ?”と毎回言われるんですけど、そんな話は全然ない(笑)」
白井「結局、同じところを何周も回ってきただけ(笑)。興奮してくれているファンの気持ちは本当に嬉しいのですが、実際にはショッピングセンターを地道に回って、CDを売らせてくださいみたいなこともやってますから」
高田「でも、若い頃にメジャーで活動していた3年間よりも、このワライナキで過ごした10年の方が、人生においていろんな意味で成長出来た。人間として強くなりました。でも、このままチャンスがないと、ただの経験になってしまう。馬場俊英さんが40歳を越えてからブレイクされたように、まだまだワライナキにチャンスはあると思っています。馬場さんにも、私たちが20代の頃から“まだまだいけるよ”と毎年言われてきました。その言葉にはとても勇気をもらいましたね。で、今年は、ついに言われなくなった(笑)」
白井「そら、“君らはもう無理や”とは言わないよね(笑)」
高田「でも、もう今年で辞めようとか思うと、何かしらチャンスがくるんです。昨年は、NHKの取材が入って、再放送もされて、“ついに紅白や!”とか思ってました(笑)」
白井「そのNHKの取材中に、プロデューサーの須藤晃さんとお会いしたんです。馬場俊英さん、尾崎豊さん、浜田省吾さんなどをプロデュースされてきた超有名な方が、僕らのCDを聴いてくださって、この2人には可能性があると気に入って頂いた。初めて会ったときに、いきなり“君たちのために1曲書いてきたよ”って。あれには驚きました」
高田「ワライナキという名前が響いたところもあったみたいで。ただ、“君たちには何かが足りない。新しいプラスアルファの部分を僕にプロデュースさせてくれないか”ということになったんです」
殻を壊して生まれ変わったワライナキのリスタート
――須藤さんと一緒に制作してみて如何でしたか。目から鱗ということもあったのでは?
白井「『悲しくなんかない』(M-3)の中で、とにかく悲しかったことを面白く語る、みたいな台詞の部分があって」
高田「そのデモテープが上がってきたとき、台詞の部分が銀シャリさんの声だったんです(笑)。そのままでええやん、十分に面白い。しかし、これがデモだった(笑)」
白井「逆に、この世界感を自分たちが上手く活かしきれたら、新しいものが生まれるかもしれないとは思いました。そこから僕たちのネタ作りが始まった(笑)。その後、馬場さんのイベントライブに参加させてもらったときにこの曲を演奏したら、バカ受けしまして。須藤さんはスゴいぜ!と」
高田「私も大輔もお互いシンガーソングライターだし、ソロ時代も含めて10年以上プライドを持って曲作りをしてきたから、最初はやはり抵抗もありました。今までは、人とのつながりや優しさや思いやりを歌ってきた。それが今回は、とにかく元気さを全面に押し出した楽曲が集まった。でも振り返ってみると、その方が自分たちのありのままの姿だったんです。知らない間に守りに入っている部分があったのかもしれませんね」
白井「須藤さんは、シンガーソングライターではなくて、プロデューサーとしての立場でワライナキを壊してくれたんだと思いますね。その破壊は、自分たちでは絶対に出来なかった。『走れオオサカ』を作り終えて、今は自分たちの本質を違った角度から見て、新しいワライナキの姿がイメージ出来るようになりました」
――ということは、1月11日(土)心斎橋BIGCATで行われる10周年ライブでは、進化したワライナキが楽しめると。
白井「10年もやってきましたから、そろそろファンの方々のイメージ通りの場所に上がりたいと思っています(笑)。最近は若手ミュージシャンからも、“ワライナキさん、そろそろ上へあがってよ”みたいな突き上げも感じるし(笑)。もう守りに入っても仕方がないですから、挑戦をしていく1年になりますね。殻を壊して生まれ変わったワライナキのリスタート。フルバンドで思いっきり楽しめるライブになりますよ」
高田「今まで歌えなかった過去の曲を含め、新旧織り交ぜたワライナキの全てをお届けしたいと思っています。10年間ずっと応援してくれた人も、新しくファンになって観に来てくださった方にも、絶対に喜んで頂ける自信があります。恋人でも家族でもない男女が、10年も一緒にやってきた。これは驚くべきこと。1人で歌っていたら、多分ここまで続かなかったでしょうね」
名プロデューサー・須藤晃との出会いで、10年かけてようやく“足りなかった何か”を見つけた2人。’14年のワライナキは、BIGCATを皮切りに、もっと先を見据えている。
Text by 清水智宏
(2013年12月30日更新)
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