『よこはま・たそがれ』『ワインレッドの心』『聖母たちのララバイ』
そして、あの国民的大ヒット曲『およげ!たいやきくん』まで…
シリーズ最新作『カバーズ6』を手にデビュー5周年記念コンサートへ
ジェロのインタビュー&動画コメントが到着!
日本の心、演歌を見事に歌いこなす抜群の表現力。アメリカ生まれの青年が歌って衝撃を与えたデビュー曲『海雪』から丸5年。ジェロは、現在も変わらず精力的に活動を続けている。今年3月に5周年記念シングル『セレナーデ』、そして7月にはライフワークと捉えているカバーアルバムシリーズの最新作『カバーズ6』もリリース。11月には『七転八起』と題した5周年記念コンサートも決まっている。「歌詞の一言一言に深い意味がある」、それが演歌の魅力と語る彼。『カバーズ6』では過去チャート1位に輝いた楽曲の中から、演歌にこだわらず、歌謡曲、キッズソングまで、日本人なら誰もが知っているおなじみの楽曲にも挑戦した。デビュー5周年を振り返りつつ、最新アルバムのこと、さらに控えているコンサートについて話を聞いた。
ジェロからの真摯な動画コメントはコチラ!
――まずはデビュー5周年、おめでとうございます。振り返って、この5年間はいかがでしたか?
「本当にあっという間で、ちょっと実感がないくらいで(笑)。夢だった紅白歌合戦出場にコンサート…。歌だけではなくて、ミュージカルにも挑戦しましたしね。歌は3~4分の物語で、その中で誰かを演じるというものですが、ミュージカルでは、最初から最後まで全く違う人間になり切るというのが、本当に勉強になりました」
――すでにライフワークと言っていいと思いますが、この5年間はカバー曲に挑戦するシリーズ『カバーズ』を次々とリリースしています。
「デビュー曲の『海雪』(‘08)が出てからすぐに次の作品を作ろうということになって、そこでカバーアルバムを出すことになったんですけど、それがすごく評判がよかったので出し続けることが出来たんです。毎年、新曲と同時にカバー曲を歌えることを自分でも楽しみにしてるんですね。好きな曲とかを自分なりの表現で、オリジナルとは違ったアレンジで歌えますし、今の若い方たちは知らない人もいると思うので、いい曲がたくさんあるということを知るキッカケになればいいなとも思ってるんです」
――ちなみに、過去の作品は振り返るとご自身にとってどんな作品になりましたか?
「最初の頃は主に自分の歌いたい曲、好きな曲を選んで、あとはファンの意見も聞いてアルバムを作ってたんですね。それが3枚目からはテーマをつけて選曲することが多くなったんです。ちなみに『カバーズ3』のテーマは、“Roots of JERO”で、その通り自分のルーツとなる曲、子供の頃から好きな曲とか、思い出深い曲とか、そういった曲が入ったアルバムだったんですね」
――なるほど。4枚目は?
「4枚目は(テーマは)特になかったんですけれども…(笑)。5枚目は時代劇の主題歌ですね」
――そして、今年7月にリリースしたばかりの最新アルバム『カバーズ6』は?
「今回はオリコンのチャートで1位になった曲を選んでいます」
――1位になった曲ということは=耳なじみのある曲ばかりで、これは逆にプレッシャーがありませんでしたか?
「プレッシャーはあんまり考えなかったですね。自分自身のチャレンジというのもあるし、初めて歌う曲は特にそうなんですが、オリジナルを崩さず、いいところを残し、自分なりの表現で、バランスよくいい作品にしたいなということでしたね」
なぜこの曲が歴代で一番売れたシングルになったのかがよく分かりましたね
――どういう基準で選曲したんですか?
「ほとんどはスタッフの方に選んで頂いたんですが、唯一自分で選んだのが、岩崎宏美さんの『聖母たちのララバイ』(M-5)ですね。昔からすごく好きで歌ってた曲だったんで。岩崎宏美さんの大ファンで、大好きだったんです」
――必ずしも演歌ばかりではなく、幅広い選曲になっています。
「そうですね。実はこの『カバーズ』のシリーズは、毎回そういうものになればいいなと思ってるんです。演歌にこだわらず…」
――そんな中でも、意外だったのが『およげ!たいやきくん』(M-6)でした(笑)。
「子供の頃に聴き覚えはあったんです。おばあちゃんが持ってたビデオテープの中に誰かが歌っている映像があったんですけど、それでメロディを覚えてたんですね。『およげ!たいやきくん』は元々は『ひらけ! ポンキッキ』内で流れるオリジナルソングだったんですが、今BSフジの『beポンキッキーズ』に自分が出させて頂いてるんで、そのご縁もあって。去年、『ひらけ! ポンキッキ』開始からちょうど40周年だったんですが、その記念コンサートで初めてこの曲を歌わせて頂いたんですけれども、それをキッカケにぜひ!とオファーがあったので、今回のアルバムに入れることになったんです。改めて曲のバックグラウンドを知って、歌詞の深い意味とかも考えると、なぜこの曲が歴代で一番売れたシングルになったのかがよく分かりましたね」
――他の選曲についても、それぞれの想いを聞かせてください。
「『心のこり』(M-1)で初めて細川たかしさんの曲を歌わせて頂いたんですけれども、細川さんの声が独特なので、それを意識し過ぎるよりも歌詞を伝えようとしましたね。五木ひろしさんの『よこはま・たそがれ』(M-2)も、昔から五木さんは尊敬している方ですし、何回も歌わせて頂いてますね。『別れの朝』(ペドロ&カプリシャス)(M-3)は日本に来てから知って、他の方がカバーしているのを聴いたのが最初でした。それをキッカケにオリジナルを聴いて。『ワインレッドの心』は、デビュー5周年記念シングルに玉置浩二さんが『セレナーデ』という曲を提供してくださった縁でカバーさせて頂いたんですけれども、玉置さんは本当に幅広い世代にアピールするミュージシャンだなと改めて思いましたね。最後の『星影のワルツ』(千昌夫)(M-7)も昔から知っていて、よくカラオケで歌ってた曲ですね」
――実際のレコーディング作業はスムーズでしたか?
「スムーズでしたね。『心のこり』と『およげ!たいやきくん』は初めてだったんですけど、他の曲は歌い慣れた曲でしたし、例えばアレンジを変えて“こう来たか!?”って思わせるアルバムになったらなと思っていたので、それも実現出来たと思っています」
この5年間を振り返りつつ、凝縮するような
そういったコンサートになったらいいなと
――この11月には5周年記念コンサートが控えています。『七転八起』というタイトルが付いていますね。
「実はこの言葉自体、最初は知らなかったんですね。調べたらなかなかいい意味じゃないかって(笑)」
――コンサート自体はどんな構成になりそうですか?
「デビュー曲の『海雪』や、『カバーズ』の曲や新曲『セレナーデ』も歌いながら、この5年間を振り返りつつ、凝縮するような、そういったコンサートになったらいいなと」
――コンサートの魅力をどういうところに感じていますか?
「自分の想いとか声もそうなんですが、それを一番気持ちよく届けられる場所なんですね。やっぱりアーティストや歌手の方って、これがあるから歌手になったんだと思うんです。レコーディングで歌うのとも全然違います。気持ちがまず違いますし、やっぱり目の前にお客さんの方もいらっしゃるから、直接生の声を届けられるのが魅力ですね」
――あと、実現するしないは別にして、演出面で考えていることはありますか?
「考えているんですけれども…それはまだ言えないです(笑)」
――それはサプライズ的な感じ?
「そうですね。今までにやったことがないことですね。お楽しみです」
――あと、ダンスの披露は?
「前回と前々回はありましたけれども、今回はあるかどうかは…ダンスは、もういいかも(笑)。もう32歳なんで、身体がついていかないので(笑)。歌に集中した方がいいですね、はい(笑)」
――今回の『七転八起』は、一時期住んでいたという大阪でも開かれます。改めて今回のコンサートの見どころを教えてください。
「大阪はノリがよく、大阪弁で喋っても違和感なく受け入れてくださるし、住んでいた時代に戻れるような…本当に第二の故郷なんですね。NHK大阪ホールで初めてコンサートをさせて頂くんですけれども、3年ぶりのコンサートでもありますし、自分自身が非常に楽しみにしてます。この5年間を振り返りつつ、自分の成長、そして感謝の気持ちをお見せしたいので、ぜひ多くの方に来て頂けたらと思います!」
Text by 金本真一
(2013年11月15日更新)
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