無敵のアイリッシュパンク・パイレーツTHE CHERRY COKE$が
ポップな新境地『COLOURS』を掲げシーンを航海中!
KATSUO(vo)とMASAYA(g)がざっくばらんな制作秘話を語る
インタビュー&動画コメントが到着
インディーズ路代からランシドやフロッギング・モリーらの海外の実力派の公演サポートも務め、日本のアイリッシュパンクを代表する存在として高い実力と人気を誇ってきた“チェリコ”ことTHE CHERRY COKE$。昨年のメジャーデビューと共に、より幅広い音楽ファンへと支持を広げ続ける彼らの新作『COLOURS』は、より多彩かつ親しみやすい楽曲作りでバンドの勢いを示した会心作となっている。この夏の『FUJI ROCK FESTIVAL'13』、堂々のWHITE STAGE出演を経て、迫る10月末には同作に伴うツアー大阪公演、11月には“パンクvsアイドルvsヴィジュアル”の異種格闘技イベント『PARALLEL OCEAN~Hoist The Colours~』の開催も控えるチェリコのKATSUO(vo)とMASAYA(g)に、新作で示したポップな境地について語ってもらった。
KATSUO(vo)&MASAYA(g)からの動画コメントはコチラ!
――メジャー進出後2作目となった『COLOURS』ですけれど、タイトル通りにバンドの持つ音楽性がカラフルに発揮された作品になりましたね。
MASAYA(g)「前作の『BLACK REVENGE』('12)には『THE PHANTOM SHIP』という曲があって、そこから“亡霊船”を軸に全体を作っていったところがあったんですけど、今回は特にそういうコンセプトみたいなものはなく、曲を作っていきましたね」
KATSUO(vo)「うん。もうひとつ前のアルバム『SEVEN』('11)も『RASCAL TRAIL』という曲から肉付けしていくように作っていきましたけど、今回は自分たちでもどういうアルバムになるのか分からないところがありましたね」
――前作とはいい意味で好対照に、ポップさが際立った作品になった印象がありましたが。
MASAYA「実は前作の流れを汲んだようなアグレッシヴでハードな曲もあったんですけど、今回は採用しなかったんですよね。前作でハードなことは結構やり切ってしまったところもあったので、今回は逆にキャッチーなことも自然とやれるようになったのかもしれない。どんなにハンバーグが好きでも、やっぱり毎日は食べれないですからね(笑)。そんな感じで、という説明も分かりにくいかもしれないけど(笑)」
――いえいえ(笑)。よく分かります。キャッチーという言葉が出ましたけど、歌詞などもストレートさを増したような感がありました。
KATSUO「シンプルなところはシンプルにというか。コーラス部分やサビは、みんなが歌えるように意識して、今までよりも比較的覚えやすい曲になったかなという気はしますね。『BURN』(M-11)以外は」
――アルバムのラストの『BURN』は、これまでのバンドの得意技と言ってもいいソリッドな仕上がりですね。
MASAYA「ハイ、キました!っていう(笑)」
KATSUO「『BITTERSWEET SUMMER DAYS』(M-4)の“シャ~ララ~ラ~”の部分とかは昔の自分たちだったら出来なかったと思うんですけど、バンドとして14年間キャリアを重ねてきたことで逆に歌えるようになったと思うし。歌詞に関しても、今回はあまり難しいことを考えずにシンプルな歌詞でというのはありましたね。例えば、今までなら“僕たちからアナタたちへ”みたいな歌詞が多かったけど、今回は“オレからオマエヘ”みたいにもっとリスナーと自分たちが近い感じで書いたものが多くなったと思います」
――なるほど。ポップな懐の広さを増すとともに、リズム面/グルーヴ面でもより自由度を増しています。
MASAYA「そうですね。今までが直進的な感じのものが多かったですから、今回は意識的に。だから、いい意味で客観的に見れたと思うんですよね。どうしても僕らは、もうちょっとスピードを上げようとなっちゃうんですけど、いや抑えよう、みたいな会話があったのは今回が初めてかもしれない」
KATSUO「レコーディングの時間がなかったのも、結果的に良かったのかもしれないね(笑)。時間があると好きなだけ曲をこねくり回したりするし」
MASAYA「ココをこうしてこうして…とドンドンとプログレみたいになっていったりするし(笑)」
KATSUO「どうしても自分たちで演奏していると、もっともっとテンポを上げた方が気持ちイイとなってしまうんだけど、今回は一旦持って帰って聴いたときに心地いいくらいが正解だと思って進めていきましたね」
MASAYA「だから、前作はほとんどの曲が5分越えとかでしたけど、今回はほぼないですよね」
KATSUO「同じように作っていれば、もうひと展開ずつくらい付いていたかもしれない(笑)」
――結果として、何度もリピートして聴けるような作品になったと思いますし、アイリッシュ・パンクなどを聴いたことがない聴き手にも親しみやすいアルバムになっていると思います。
MASAYA「そうですね。例えば、『bite me,deadly』(M-8)のようなロッカ・バラード的な曲も、今までなら攻め重視でアルバムに入れられなかったと思うんですけど、今回はこういう曲も自然に入れようよとなれたところも良かったですね。さっき話に出た『BITTERSWEET SUMMER DAYS』も、今のオレらがやればいい意味でブルージーな感じになるな、というのがあったんですよね。30を越えた奴らが簡単な言葉で勝負するというか、近藤房之助先生の『踊るポンポコリン』じゃないですけど(笑)。そういう渋さというか」
――なるほど(笑)。確かに今までにないキャッチーさと言えばそうですけど、基本的な部分にブレがないからしっかりチェリコの音になっていますよ。
MASAYA「うん。この7人でやればだいたいブレないですよ。だから、このアルバムではいい意味で自分たちを信じられたんじゃないですかね。“だって、この7人でやってるんだからチェリコでしょ”って」
――そして、10月30日(水)心斎橋JANUSで今回のアルバムに伴うツアーの終盤戦となるライブが行われます。
KATSUO「新しいアルバムの曲もライブではまた違った面白さのあるものになっていると思いますので。ぜひ聴きに来て欲しいですね」
――11月27日(水)梅田クラブクアトロでは“パンクvsアイドルvsヴィジュアル”という趣旨の元行われる異種格闘技的イベント『PARALLEL OCEAN~Hoist The Colours~』も開催されます。そちらも楽しみにしています!
Text by 吉本秀純
(2013年10月28日更新)
Check