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自らの解釈を信じ、疑え
全国ツアー中のAngeloが最新アルバム『RETINA』=“網膜”
に込められたスタンスと思わぬビジョンを語る!?
キリト(vo)&Karyu(g)インタビュー

 5人編成となり初の作品であり、“破壊と再生”をテーマにしたコンセプトアルバム『BABEL』以降、海外でのライブや主催イベントを行い、バンドとしての結束を高めながら進化を続けるAngelo。アルバムの世界観を引き継ぎ、聖書をモチーフにしたシングル『Calvary』ではドラマチックかつ壮大なサウンドを、初の両A面シングル『RIP/MOMENT』ではバンドの持つ衝動とポップさを突き詰めた音世界を提示し、リスナーをワクワクさせてきた彼らが、約1年ぶりとなるアルバム『RETINA』を昨年11月にリリースした。“RETINA=網膜”を意味するものとはいったい何なのか? バンドの中心人物として方向性を示し、ステージ上で圧倒的な存在感を放つキリト(vo)、そして、新生Angeloを象徴するメンバーの1人でありサウンド面で新たな刺激をもたらしているKaryu(g)を直撃。アルバムに込められた意図を探ったが、インタビュー終了間際に話は思わぬ方向に…(笑)。予期せぬビジョンも語ってくれた。

――新体制になって2枚目のアルバム『RETINA』が昨年11月にリリースされました。今作は前作『BABEL』の世界観を、より現実的なものに目を落とした印象を受けました。『RETINA』とは“網膜”を意味するとのことですが、今作を通じて見せたいビジョンは何だったんでしょうか?

 
キリト(vo)「目を落としたというか、外側の目線になったという感覚の方が近いかもしれない。例えば聖書的な物語があってその真っ只中にいれば、それが世界の全てだと思うんだけど、視点1つを外側に移すことで、それはもしかしたら箱庭的なものの中で行われている物語なのかもしれない。それを俯瞰している目線があるのかもしれない。そういう意味で『RETINA(=網膜)』っていうタイトルを持ってきているんですけど、言い換えれば要は“フィルター”ということで。1つの物事を見たときにフィルターを通して解釈に繋がるという考え方なので、網膜に限らず、先入観だったり、信仰心だったり、価値感だったり、フィルターの違いによっては、物理的には同じ1つの物事でも解釈が違ってくる。戦争1つとっても、真っ只中にいる人にとっては地獄絵図だし、戦争を操っている人にも二極あって、片方は欲望のための駆け引きで、もう片方にとっては信仰心のために戦争だったりするし。さらには、それを我々みたいに朝のニュースで画面越しに見て、対岸の火事のような出来事として捉えている。それぞれの『RETINA(=網膜)』というフィルターを通して観るだけで、捉え方は様々なんだっていうことなんですよね」
 
――それは、キリトさんが今まで提唱してきたことをより深くした感じですよね?
 
キリト「だから言ってみたら、今回の『RETINA』は僕にとっては特別なコンセプトを持っている感じが薄いんですよ。自分にとっては不変な価値観というか、歌詞を書く上では常にこういう考えはあるんで、特別なコンセプトアルバムではなくスタンダードなスタンスで書いています」
 
――この世界観を伝えるためのプロットというか、資料まで作られていましたが、特にサウンドに関してはヘッドフォンで聴くとより分かるのですが、様々な細かい音が入っていて、より立体的になった印象を受けます。
 
キリト「ドラムのキックやスネア1つ1つの音にもすごくこだわったし、最終的なミックスまでかなり入りこんで作ったので、サウンド面もすごくこだわりましたね」
 
Karyu(g)「僕から見てもキリトさんが曲に立体感を持たせる意識は感じましたね。それに影響されて僕も…っていうのはすごくありました」
 
 
楽しみながら暴走したい
 
 
――アルバム自体のテーマはキリトさんにとって不変的なものだとしても、ショートフィルムを制作したり、サウンド面でもよりこだわったりと随所に新しい試みがあります。とくに、『シナプス』(M-11)のコーラスの“ルットゥ~”は衝撃的でした。
 
Karyu「まぁ、ひっかかるワードではありますよね(笑)。僕はデモを作るとき、変な言葉を乗せて歌うんです。で、たまたまハマりが良かったので…。何か後から詞が付くんだろうなって思っていたんですけど、そのままでした(笑)」
 
キリト「あれはつけようがないよ(笑)」
 
――『RETINA』の中で、ライブで一番化けたなっていう曲はありますか?
 
キリト「『Script error』(M-8)の歌詞の内容は現代の社会状況とかを考えた上で、“戦え!”みたいなアジテート的意味合いがあるから、ライブでは意図的に独裁者的な、演説調な抑揚になっているんですけど、それがちょっとおかしな方向にいかないようにしないと。入り込んじゃうと、憑依されるとどこまでもいくんで、どこかで止めないと…っていうのはありますね(笑)」
 
Karyu「いや、もうアジテーターなのでもっとやって欲しいです(笑)」
 
――今後のライブへの意気込みもお聴かせください。
 
キリト「ライブを重ねる度にいい意味で暴走していくだろうなと。自分でも予想がつかないくらいの方がやっていて面白いんで、楽しみながら暴走したいと思います」
 
Karyu「刺激的なアルバムになったと思うので、自分もライブをやりつつ刺激を受けて。自分が想定する以上のライブになったらいいなと思います」
 
――では、お2人の『RETINA』=網膜に映るであろう2013年のビジョンを教えてください。
 
キリト「実際にやるかどうかは…て言うかやらないとは思うんですけど、今のJ-POPシーンを見ても、世界的に見ても、大勢でダンスして歌う人たちが多いじゃないですか。僕自身が真剣にやったら、ああいう人たちの比じゃないと思うんですよ」
 
(一同爆笑)
 
キリト「ただ、こういうバンドなので本格的にやることはないですけど、絶対僕の方が踊れるんです(笑)。ダンスに関しては絶対に負けないと思う」
 
――何のビジョンですか!(笑)
 
キリト「アハハハハ(笑)。本気で思っているんですけどね(笑)。ただ、一生ダンサーと一緒に踊って…なんてことはやることはないですよ。けど、めっちゃ素質あるんですよ、オレ(笑)」
 
Karyu「何のアピールですか(笑)」
 
――では、Karyuさんに踊れる曲を作ってもらいましょう(笑)。
 
Karyu「まぁ、僕も踊れるんですけどね(笑)。余談ですけど、マイケル・ジャクソンが好きで亡くなったときに何か意志を継がなきゃって、ムーンウォークを必死に練習して。まぁ、披露することはないでしょうけど(笑)」
 
――ぜひそれも併せて披露してください。…って2013年のビジョンじゃないじゃないですか!(笑) 
 
キリト「何か踊れることが伝わればいいなって思ったんですよ(笑)。ライブを見てくれた人は分かっているとは思うんですよ、“キリトは実はすごい踊り子だ”って(笑)。それがもっと広まったらいいなって。僕がどれだけ踊れるか」
 
Karyu「あ! バク転出来ますもんね!」
 
キリト「出来ますよ。ただ、それをオフィシャルでやるのは違うと思うので、やることはないんですけど。めっちゃキレありますよ! キレキレですよ(笑)」
 
――キレがあるのは分かったので、2013年の抱負を教えてください(笑)。
 
キリト「個人的にはもっと…表現の幅を広げていきたいなと。サウンドの作り方だったり、今回の『RETINA』で作った映像の部分をもうちょっと拡大して。音に限らず、作品にまつわるビジュアル的なこと…もっといろんなことを自分自身で表現出来るようになればいいなと思っています」
 
Karyu「僕は曲に対するアイデアがいろいろ欲しいので、人としていろんなことに挑戦して、もう1つ上の男になれればなと。それを曲に還元出来たらいいなと」
 
――それでは、最後にメッセージを頂けますか?
 
キリト「『RETINA』は今のAngeloの可能性を秘めている作品だと思っていますし、このポテンシャルが発揮される余地はまだまだあると思う。ただ、これを超える作品をどんどん作っていくつもりですし、いろいろと他にも驚いてもらえるようなアクションをしていくと思うので。やっぱり楽しみながら、驚きもありつつ一緒に進んでいけたらいいなと思います」
 
Karyu「刺激に飢えた人たちにぜひ聴いてもらいたいアルバムなんですけど、ライブにも来て頂けるとより覚醒出来るかと!」
 
 
Text by 金子裕希



思わぬエピソードも飛び出した!? インストアライブをレポート!

angelo2_instorelive.jpg アルバム購入者を対象に、ライカエジソン大阪で行われたインストアイベント。司会者の“大阪の好きな料理や文化はありますか?”との質問に、「好きなものばかりなんですけど最近は串。2度づけ禁止が特に気になっています」(キリト)、「旧タワレコ(=現まんだらけ グランドカオス店)前のたこ焼が好きです」(Karyu)と答える2人。また、“長期間休みが取れたらどこに行きたいですか?”というファンからの質問には、「山口県の実家の方に。姪っ子がそろそろ小学生になるので、ランドセルをおねだりされるんですけど、東京にいるとお金だけ振り込むっていう悲しいことになるので…どうせなら一緒に行きたいな、旅行がてら。あと、山口県はライブハウスはそんなにないですけど、宇部ラーメンっていうその地区でしか食べられないラーメンが美味しいんです!」とKaryuが熱く語り(笑)、その郷土愛に会場は和やかな笑いに包まれる。また、“次回のファンクラブ旅行ではどこに行きたいですか?”という質問で再びKaryuが、「山口県とかどうですか? 漁船ありますけど(笑)」とアピールするも、「絶対にないです。今までも今後もないです」とキリトに冷たく一蹴される一幕も見せるなど(笑)、ここでしか聴けないトークで集まったファンを楽しませていた。

(2013年5月 2日更新)


Check

Release

壮大なスケールで炸裂させる
快感ヘヴィネス! 進化の5thアルバム

Album
『RETINA』
発売中 3150円
blowgrow
IKCB-9528

<収録曲>
01. PROGRAM
02. Calvary
03. CONVICTION
04. RIP
05. SANDS OF TIME
06. Flashback
07. Arès
08. Script error
09. 事象の地平線
10. Reflect
11. シナプス
12. RETINA

'12~'13年のカウントダウンの
熱きライブ映像をコンパイル!

DVD
『Angelo Tour 12-13
「REFLECTIONS IN THE RETINA」
 Count Down Live at Sonic City Hall』
発売中 3000円
blowgrow
IKCB-80006

<収録曲>
01. PROGRAM
02. Calvary
03. CONVICTION
04. RIP
05. SANDS OF TIME
06. Flashback
07. Arès
08. Script error
09. 事象の地平線
10. Reflect
11. シナプス
12. RETINA
13. Prelude
14. My Strife
15. MICRO WAVE SLIDER
16. 薔薇の花
17. Manic State High Pressure
18. PLOSIVE

Profile

アンジェロ…写真左よりKOHTA(b)、Karyu(g)、ギル(g)、TAKEO(ds)、キリト(vo)。’06年8月にキリト、KOHTA、TAKEOによって結成され、同年10月に代々木公園野外ステージで行ったフリーライブを皮切りに、本格的に活動を開始。11月にシングル『REBORN』でメジャーデビューを果たして以降、順調にリリース&ライブを重ね、’08年にはAngeloとして初の日本武道館公演を開催。重厚で攻撃的な楽曲からメロディアスな旋律が印象的な聴かせるナンバー、爽快なポップチューンまで、多彩かつ中毒性の高い楽曲でオーディエンスを魅了する中、さらなる進化のため’11年夏に新メンバーとしてKaryuとギルの2人のギタリストが加入。5人体制となって初の音源『BABEL』と2枚のシングルを経て、ニューアルバム『RETINA』を’12年11月にリリースした。この作品を手にした全国ツアー&カウントダウンライブも無事成功を収め、’13年4月より再び全国ツアー『REMODELING OF THE AFTER IMAGE』を開催中。

Angelo オフィシャルサイト
http://angeloweb.jp/


Live

台北公演を含む2013年の全国ツアー
大阪公演が間もなく開催!

Pick Up!!

【大阪公演】

『Angelo Tour 2013
「REMODELING OF
 THE AFTER IMAGE」』
チケット発売中 Pコード192-323
▼5月9日(木)19:00
心斎橋BIGCAT
オールスタンディング5800円
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※3歳以上は有料。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【福岡公演】
チケット発売中 Pコード190-174
▼5月18日(土)19:00
DRUM LOGOS
スタンディング5800円
キョードー西日本■092(714)0159
※3歳以上有料。

【台湾公演】
チケット発売中
▼5月26日(日)18:00
THE WALL 台北
スタンディング5500円
ticket@thewall.com.tw(日本語可)
※3歳以上有料。

【広島公演】
チケット発売中 Pコード191-137
▼6月2日(日)18:30
広島クラブクアトロ
オールスタンディング5800円
夢番地広島■082(249)3571
※3歳以上は有料。

【東京追加公演】
チケット発売中 Pコード192-510
▼6月9日(日)18:00
Zepp DiverCity(TOKYO)
スタンディング5800円
2F指定席5800円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。

【東京公演】New!!
『- Angelo Presents -
 「THE INTERSECTION OF DOGMA」』
一般発売7月13日(土)
Pコード197-013
▼8月16日(金)17:30
SHIBUYA-AX
スタンディング-4800円(ドリンク代別途必要)
[出演]Angelo/INORAN/MUCC/lynch./heidi.
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。

【東京公演】New!!
『INTER PLAY MEMBERS PRESENTS '13
[DOGMATIC PARTY case of Angelo]』
一般発売7月13日(土)
Pコード200-978
▼8月17日(土)17:30/18日(日)17:00
SHIBUYA-AX
スタンディング5800円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

Column

結成5周年に強力メンバー増員!
新星Angeloの破壊と想像の
アルバム『BABEL』インタビュー