ホーム > インタビュー&レポート > 身も心もアツくなる音楽の熱湯風呂! THE BACK HORN、後藤まりこ、アルカラがBIGCATを沸騰させた 3/19『熱闘! OTODAMA'13~熱湯編~』ライブレポート!!
何の前触れもなくスタートした奇怪な不協和音が、BIGCATを包む…。この強烈な3マンのトップバッターを飾ったのは、この日の紅一点の後藤まりこ! 冒頭の挨拶「後藤まりこです」を無限ループさせ、その不協和音を増大させていくいきなりカオスな展開。1曲目の『ドローン』から独特のステップと雄叫び、無限大を描くように手を差し伸べながら、ジャジーでフリーキーな変則ビートと刹那のメロディの間を行来きするサウンドの渦に、のっけからオーディエンスも茫然と立ち尽くす…。
一転、アップビートな『ままく』『M@HφU☆少女。。』で、バスドラに飛び乗り、モニターアンプの上をわたり歩き、ステージいっぱいに動き回る彼女は、さながらメロディの濁流の中で泳いでいる魚のよう。続く童謡のようでファニーな『ゆうびんやさん』で、ステージ上を散歩するように、お遊戯のように、自由に舞い踊る姿は、まるで無垢な子供のよう。完成された“パフォーマンス”とは、真逆とも言える、まさに“衝動”。ちなみにこの間ギターのAxSxEさんはお休みでギターアンプの裏で三角座り(笑)。
さらに『うーちゃん』では、一進一退を繰り返す緩急自在のポップなメロディが加速。歌うというよりもストーリーを全身で表現するというか…今となっては彼女が舞台に導かれたのも頷ける。シンバルを叩いたり、鍵盤によじ登ろうとしたり、マイクを口にくわえたりって獣か!(笑)
「あと2曲です。ありがとうございました!」。ジェットコースターのようなサウンド上を見事にサーフするボーカルがアガる『sound of me』では、声をからし、熱情を伝える。そして最後は、『あたしの衝動』でシメ。既存のフォーマットや様々な概念を心地よく破壊した後藤まりこのステージで、何だかライブを観た気がしない、形容し難いエネルギーが胸に去来する。こりゃ通常のライブレポの手法は全く通用しませんな(笑)。何かに突き動かされて生きている。生かされている。それでも彼女は音楽という場所を選んだ。イベントのド頭に刻んだ強烈なインパクトは、五感がバッキバキに目覚めるに十分なかけ湯となったはず。
続いて登場するやいなや、凄まじい勢いでフロアを揺らしたのはアルカラ! 1曲目の『癇癪玉のお宮ちゃん』からスリリングなメロディで会場をグイグイ引き込んでいく。時に激しく、時にメロディアスに歌いあげる稲村のボーカルに、アルカラ独特のオルタナティブなロックサウンドがブレンドされ、オーディエンスも自然と体を揺らす。
豪速球で迫り立てるギターサウンドが脳を刺激する『チクショー』に続き、『踊れやフリーダ』『いびつな愛』とエネルギッシュに煽りまくり、フロアは熱気と高揚感に包まれる。予測不能で不安定なリズムが不思議と快感にも思えてしまう『不完全なキミ』には、“ロック界の奇行師”の名を欲しいままにする彼らの世界感を目の当たりにした。
稲村の「皆さんお湯加減はいかがですか?」という挨拶から、センス抜群のMCで会場の笑いを誘う(ここでは書けない内容です(笑))。そして、今話題のCMの名ゼリフから、稲村が「じゃあ、いつ楽しむの?」と問いかけると、分かってらっしゃる会場から「今でしょ!」のレスポンスを受け、『キャッチーを科学する』『夢見る少女でいたい。』で、不穏で奇怪なサウンドが攻めてくるアルカラ・ワールドを一気に炸裂!
ラストの突き上げるようなロックサウンドと歌声で暴れまくる『半径30cmの中を知らない』では、フロアに渦巻くグルーヴも最高潮へ! ステージの幕が閉まる間もパフォーマンスを続け、最後の最後まで音を鳴らし続けた彼らに、オーディエンスも大きな拍手で応える。終始熱気に満ちたフロアは、まさに熱湯状態! 最後までそれを沸かし続けたアルカラのステージは圧巻の一言で、思う存分の高揚感と満足感を体感出来たライブだった。
そして、この日の大トリは、4年前の『熱闘!OTODAMA’09~熱湯編~』でも凛として時雨と伝説のステージを成し遂げたTHE BACK HORNが登場! この日が今年の大阪初ライブ(!)、後藤まりこ、アルカラがグツグツと沸かした会場で、よほど気を引き締めて挑まなければ飲み込まれてしまいそうな期待感を一身に受けながら、その気持ちに呼応するかのように披露されたのはライブアンセム『シンフォニア』! 何かが始まりそうなワクワク感を煽る躍動感と疾走感にまみれた幕開けから、オーディエンスのレスポンスもバッチリの『ブラックホールバースデイ』『戦う君よ』と、演奏するごとに沸点が上がり続ける会場の熱気。そして、身体の中をうねるような重低音と全身全霊で叫ぶ山田将司(vo)の歌声に共鳴し、怒号のように鳴り響く歓声…。
そして彼らのインディーズ時代の初期の名曲『桜雪』、楽曲の収益金が東日本大震災被災者への義援金として寄付されている『世界中に花束を』と、前半戦とは一転、心が震え胸が熱くなる聴かせる楽曲もじっくりと披露。さらに後半戦突入前のMCでは、松田晋二(ds)が各出演アーティストへの思いに加え、「僕らは音楽を作っていくだけじゃなくて、その作り手の想いをお客さんに届けてくれる、心ある人たちが聴いてくれる人との間にいて。そんなぴあとフライング・ポストマン(・プレス)を僕たちは仲間だと思っています。こういう音楽を愛してくれる人たちとの繋がりをこれからも大事にしていきたいし、この清水音泉カラー、パッションを出していって、もっともっとこういうイベントが開催出来ればいいなと思っています!」とコメント。この日のイベントに関わったスタッフへの思いやりに溢れた言葉には、危うく涙腺が…。
そんな固い絆に嘘偽りがないことを体現するように、本編ラストの『コバルトブルー』、そしてアンコールの『涙がこぼれたら』まで、強烈なエネルギーと生命力を放出し尽くしたTHE BACK HORN。彼らの雄姿に、そしてオーディエンスとの一体感と熱量に、幾度となく鳥肌が立ち、その場に立ち会えたことに感謝する…そんな熱い熱い夜。『熱闘! OTODAMA'13~熱湯編~』、これにて大団円にて終了!
(2013年4月15日更新)
『熱闘! OTODAMA'13~熱湯編~』
3月19日(火) at BIGCAT
後藤まりこ
01. ドローン
02. ままく
03. M@HφU☆少女。。
04. ゆうびんやさん
05. うーちゃん
06. sound of me
07. あたしの衝動
アルカラ
01. 癇癪玉のお宮ちゃん
02. チクショー
03. 踊れやフリーダ
04. いびつな愛
05. 不完全なキミ
06. キャッチーを科学する
07. 夢見る少女でいたい。
08. 半径30cmの中を知らない
THE BACK HORN
01. シンフォニア
02. ブラックホールバースデイ
03. 戦う君よ
04. 桜雪
05. 世界中に花束を
06. シリウス
07. 声
08. コバルトブルー
EN. 涙がこぼれたら
『風雲!大阪城音泉』
チケット発売中 Pコード196-946
▼5月11日(土)13:00
大阪城音楽堂
自由席3500円
[出演]ORANGE RANGE/the telephones/フラワーカンパニーズ/POLYSICS/locofrank
清水音泉■06(6357)3666
※雨天決行・荒天中止。小学生以上は有料。出演者変更に伴う払戻し不可。
『OTODAMA'13~ヤングライオン編~』
一般発売4月20日(土)
Pコード198-078
▼6月9日(日)14:00
なんばHatch
自由1126円
[出演]キュウソネコカミ/SAKANAMON/四星球/THE STARBEMS/爆弾ジョニー/他
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。出演者変更に伴う払戻し不可。
『神戸ライブサーキットイベント
ネコフェス2013』
一般発売5月11日(土)
Pコード193-331
▼6月30日(日)14:00
ART HOUSE/チキンジョージ/RAT/Star Club/太陽と虎/VARIT./ウィンターランド
リストバンド引換券-3000円
[出演]アルカラ/ガガガSP/GOOD ON THE REEL/Sound Schedule/The SALOVERS/つしまみれ/東京カランコロン/folca/bradshaw/mudy on the 昨晩/リバーシブル吉岡/他
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。出演者変更に伴う払戻し不可。
後藤まりこ オフィシャルサイト
http://gotomariko.com/
アルカラ オフィシャルサイト
http://arukara.net/
THE BACK HORN オフィシャルサイト
http://thebackhorn.com/