そして、バンドは続く――転がり続ける男たちの曖昧でリアルな感情
2年ぶりのアルバム『ハッピーエンド』を携え全国行脚中の
フラワーカンパニーズに問う、現在進行形のフラカン・マインド
鈴木圭介(vo)&グレートマエカワ(b)インタビュー&動画コメント
結成から24年、メンバーチェンジなし。いまだ現役。バンドワゴンで日々ライブデイズ。This is ライブバンドな人生を送るフラワーカンパニーズは、昨年10月にリリースした2年ぶりの14thアルバム『ハッピーエンド』を携え只今全国行脚中だ。結成20周年という喧騒の中で生まれた前作『チェスト!チェスト!チェスト!』('10)から2年の歳月を費やした今作は、ロックフェスに祭り状態を巻き起こす沸点高めのブチ上げチューンというよりは、もがき続ける大人たちの、曖昧だからこそリアルな感情に揺り動かされるメロウな楽曲が多々。アッパーカットというよりはジャブでボディな楽曲群に、知らない間にノックアウトされているようなアルバムだ。そこで、鈴木圭介(vo)とグレートマエカワ(b)の2人に、同郷のスキマスイッチの常田真太郎を『エンドロール』(M-3)のプロデューサーに迎えたいきさつをはじめ、同作の制作秘話をインタビュー。震災を挟んで時代の景色は変わってしまった。だがしかし、過去最大の生みの苦しみを味わったという今作に収められた心を揺さぶる言葉の数々は、今まで以上の説得力と切なさ、重さをもって突き刺さる。長い旅路=ツアーの途中で、人気ドラマ『まほろ駅前番外地』オープニングテーマとなったシングル『ビューティフルドリーマー』、ライブ盤『@WWW -2013.1.23 Premium Live “Beautiful Dreamer”-』を生み落とし、ゴールも間近。転がり続ける現在進行形の“フラカン・マインド”を受け取って欲しい。
痩せたね圭介さん(vo)&グレート(b)からの動画コメント!
――『ハッピーエンド』は2年ぶりのアルバムということなんですけど、前作『チェスト!チェスト!チェスト!』('10)のリリース時はベスト盤や『深夜高速』のトリビュートと、20周年のお祭りムードがありましたが、今回はそういう流れは一切なく。
マエカワ(b)「ライブを年間100本近くやってると言えども、やっぱり1年とかじゃその新曲をそんなにやり切れない。2年ぐらいあったらまぁ浸透するだろうし、いろんな曲も出来るだろうから」
鈴木(vo)「ツアーで年に1回とかしか行けない場所もあったりするじゃないですか。そういうときに1年に1枚出してると、新しいアルバムの曲メインでツアーをやります、次にまた来るときにはまた新しいアルバムってドンドン入れ替わっていくだけで。やっぱり最低でも2回くらいは馴染ませたいなぁっていう」
マエカワ「こっちもね、やっぱり1年2年やってくぐらいでやっと身体に馴染むみたいな」
――逆に言うとそのペースでやれてる今の環境っていいですよね。毎年シングル1枚アルバム1枚は出しましょうじゃなくて。
マエカワ「まぁそれはそれでありがたいのかもしれんけど。若いバンドでまだ5年目ぐらいとかならいいっスけど、長くやってたらやっぱり…」
鈴木「キツい!」
――アハハハハ!(笑) でもまぁこの2年って、音楽業界もそうですけど世間も大きく変わった2年で。曲を書く上で思ったりすることはやっぱりありました?
鈴木「ド真ん中に入ってきましたね。ちょうど震災前の2月ぐらいからライブを少なくして、曲作りを本格的にやろうって矢先にアレがきちゃったんで。ライブはやってましたけど、曲作りは若干ストップしたかなぁ…いろいろ思うところはあったし、考えなきゃイケないこともあったから。明らかに今までと同じことは歌えないなぁって。まぁ歌ってもいいとは思うんですけど」
――でも自分がそう思ってなかったらね、結局は。
鈴木「そうそう! 正直何を書いていいのか分かんなくなっちゃった状況もあったし。もうちょっと時間をくれっていうか、自問自答させてって。頑張れソングはあっていいと思うんですよ。むしろあった方がいいと思う。でもみんながみんなそれをやるのもどうかなっていうのもあったし」
マエカワ「曲に関してはもう鈴木中心でいこうって話はしてたから、もう鈴木待ちで。まぁ他のミュージシャン友達とも話してたけど…ライブも含めてこういうことやってて大丈夫なのか?っていう電気の問題とかもあったし。うーん…って思いながら、まぁでもとりあえずライブをやっていく内に、俺たちはこれをやってくんだ、まずライブをやってくことでいいんだ。それだけでみんなの元気も活気も出てくるんだなって1つ1つ確かめながらやってたから」
――その中で何かしら自分なりの答えがあったから曲作りが始まったと思うんですけど、どう抜け出せたんですか?
鈴木「うーん! 明確なね、答えはね、出さなくていいんだっていうことになったんですよ」
――なるほど。答えは出さなくていいという答え。
鈴木「むしろ答えが出ちゃうことがオカシイというか。決着が何もついてないのに、自分で勝手に楽したいがために答えを出してる。それは目を逸らしてるだけじゃないの?って。今でも何も決着がついてないじゃないですか。ということは常に考え続けないとダメなんだってことですから。答えを探し続けるというか。僕らは音楽しか出来ないから、音楽でそれを考え続けて、出し続けることでいいんだなぁってなったことですかね」
――人生ってそもそも、決着がつかないことの方が多いというか。
鈴木「そうそう! 決着つける方が楽なんですよ。答えがないモノをずっと考え続けてるのってしんどいじゃないですか。数学みたいな公式があるもんじゃないから。まぁちょっとカッコ付けた感じですけど、そう思うんですよね」
まぁ青臭いってことですね
――今回のアルバムの歌詞も、白黒ハッキリしない状況と感情、でもやるしかない…ホンマに人生そのものの曖昧な感情が詰まってるなと。フェスとかで盛り上がりそうな曲よりは、やっぱり言葉で聴かせる曲が多いですよね。
マエカワ「そうだね。そこら辺のバランスもそんなにとってないし。いつもアルバムを作るときに、最終的にライブでもうちょっと盛り上がる曲も欲しいみたいな話にはなるんだけど、スピードが速いとかノリがいいとかそういうことじゃなくても、ロックアルバムとしてコレいいなって」
鈴木「今回は特に、今までやってきたやり方をなるべく使わない、禁じ手にしようっていうのがあって始めたんですけど、震災が起きて…ちょっと根本的なところから考え直して」
マエカワ「まぁどうせ聴き手には分からんぐらいのことだしね。心の中では違うことやってるつもりでも、結果はそんなにね(笑)」
鈴木「最初は自分の手癖を敢えてやめてみようと。けど、結局使っちゃってますからね(笑)。まぁそこまでアルバムごとに毎回違うことをやりたいとも思ってないし、そういうタイプでもないから。別に金太郎アメでもいいと思ってるんですよ」
マエカワ「カッコよければね」
鈴木「うん。今となってはそう思います。どっちも拒まないんですよ。変化することも拒まないし、変わらなくても全然いい。そこに対しての決め事はもうない」
――あと、出会いとか別れはよく歌詞のテーマになるモンですけど、今となったら年齢的にも別れが増えてくるというか。1曲目の『また明日』も最後の『天使』(M-13)もそうなんですけど、今作ではある意味“死”を感じる曲もあるというか。やっぱり人には曖昧な感情が絶対にあって、決着がつかないことがある。『また明日』の歌詞の“どこへも行くな”とかもそうなんですけど、言っても無理だって分かってるけどそう言いたい。心のどこかでみんなが思ってることを言葉にしてくれているというか。
鈴木「まぁ青臭いってことですね」
――ちょっとした大人だったら言わないことを(笑)。
マエカワ「そうそう(笑)。どこへも行かせない(笑)」
――今作はそこがスゴく響くなぁと。あと、フラカンは今や理想の活動ペースの代表例のように見えるけど、それでも新鮮な気持ちを持ち続けるのは簡単なことじゃなくて。『人生GOES ON』(M-5)では“正直しょっちゅう飽きたりしてる”と(笑)。
鈴木「いやぁ~してますね」
――アハハハハ!(笑) まぁ飽きますよね、普通。
マエカワ「そら4人で同じ曲を年に100回ぐらいやったりするし。やりたくないってことではないんだけどね」
鈴木「長くやってて1番ムズカシいなぁって思うのは、要は心の持っていき方なんですよ。何回もやってる曲に対するね。アルバムツアーだからって新曲だけじゃ終わらないですから。僕も好きなバンドのライブで、新しいアルバムの曲しかやらなかったらオォーイ!!ってなりますもん(笑)。でも、お客さんは年に1回そこで観るのかもしれないけど、やってる側はツアーでもう何十回もやってるんで、やっぱり正直飽きたりはするんですよ。俺は飽きてない!っていう人もいるかもしんないけど、俺はやっぱ飽きますよ(笑)。でもいかにそこを飽きないように心を持っていくか。なるべく惰性じゃない感じで、新鮮な気持ちで歌えるように、ウマーいこと気持ちを持っていく。僕たちみたいに事務所もなく4人でやってると、誰にも叱られないわけですよ。まぁよっぽどの場合だったらメンバーから言われたりしますけど、自分で自分を律していかなきゃいけない。気付いたらスッゲェつまんねぇバンドになってた、みたいなことが多々あると思うんですよね。周りは年下ばっかりになってくるし、なかなか言われなくなってきますから。ただ続けてるだけで、“カッコいいっすよね”で終わっちゃう。それはヤなんで、常にちょっと客観的に自分を見たいし、ライブ1本1本の楽しみ方…そこは自分なりにちょっと努力してるかな」
マエカワ「俺はね、そこまで飽きてないっていうのもある(笑)。それは役割の違いもあるんだけどね。やっぱり歌はもう身体の中から発することだから。まぁ曲は置いといて、ライブにはお客さんがいて、その空気感が好きでやってるのはあるから。むしろ移動とか体力的なところがね(笑)。前は東京→九州12時間でも“まぁ疲れたな~”ぐらいだったけど、今は次の次の日ぐらいまで疲れがきたりするのが正直あるから(笑)。この辺はちょっとずつ考えないとね。飽きるとかよりも、そっちの方が今まで通りやってちゃダメだなとか」
――福岡の翌日東京はナシだぞと(笑)。まぁでも認めたくないけど認めなきゃいけない。自分の身体とウマく付き合っていく。
マエカワ「そうしないと長く出来ないと思うから。もう歳をとるのは仕方ないことだから。そのときそのとき楽しく出来るように持っていかないと、身体も保たんし、心も保たん。でも、それがあるからオモシロいのもあると思うんですよ。失敗が続くと“お!? ヤバいぞ”ってなるけど、それを乗り越えればまたいいライブがあったりするから」
鈴木「何か自分でいうのも何ですけど、ちょっと奇跡のような気もしますもん。だって中学から20年以上一緒なんですよ!?」
マエカワ「で、ギターと俺が高校からみたいな感じだから」
――スゴいですね。中学校の友達とか全然会わないですもん。
鈴木「周りに聞いたらそうなんですよ。このメンバーだけじゃなくて、正月とかは幼稚園の頃からの友達とかも会ってたりするから。そういう意味で言うと、バンドなんてちょっとしたバランスで崩れちゃったりするモンなのに、マンネリとか惰性も全部含めた上で、ちょっと奇跡と言っていいんじゃないかなぁと思ったりはたまにしますね」
――バンドを20年以上続けてきて、今また新しいアルバムを作って出すっていう行為自体も、何かオモシロいよなぁって思ったりします。そのモチベーションというか。それを作って世に出して、それを聴いて盛り上がったり何かを想う人がいるっていうサイクルは、素晴らしいことだなぁって。
マエカワ「そう! ホントありがたいし、俺ら幸せだよね」
鈴木「おいおいまだやるのかよっ!?って(笑)。待っててくれる人も、味方になってくれる人もいて。何か幸せモンかもしれないなぁ俺たち…(シミジミ)。音楽を作れてる幸せ、“うわぁ~出来ねぇな…”って悩んでるときも幸せなんだなぁと思った、今」
ホントの最後の最後までいろいろ力を振り絞ったアルバムだと思うし
今までで1番力強いアルバムだと思ってる
――出来上がったときって、ちょっと普段とは違うような感覚がありました?
鈴木「今回は俺はちょっとね、もう終わった瞬間フワーッと!!力抜けましたね。んもーめっちゃ苦労しましたよ今回は! 昔アンティノスで出したときも、一時ちょっと迷宮に入り込んで。誰に言われたでもなく“新しいことやんなきゃダメだぁー!!”っていうムードがバンドにあって、キツかったアルバムもあったんですけど、アレより俺は今回が1番キツかったかなぁ」
――やっぱりそれはさっき冒頭で言ってた震災のムードだったり。
鈴木「それもあったし、単純にあれがなかったとしても、もう自分の出せるモノは出し切った後だったからかなぁ。書いても同じような曲になっちゃうし」
マエカワ「やっぱりこの数年、アルバムは鈴木作品を中心に廻ってきて、曲を作ることに関してのプレッシャーが多くなって当たり前だと思うし。でも、現時点のフラカンにおいては鈴木の曲が絶対に1番いいハズだから。ホントの最後の最後までいろいろ力を振り絞ったアルバムだと思うし、今までで1番力強いアルバムだと思ってるんですよ」
――今回の『ハッピーエンド』というタイトルはどこから?
鈴木「これは『エンドロール』(M-3)の中に出てくるんですけど。まぁ~この曲が1番苦労しましたね。これはスキマスイッチの常田(真太郎)くんと一緒に作って」
――ちょっと異色の組み合わせというか。
鈴木「実はコレね、常田くんは僕らの隣の中学出身なんですよね。地元が一緒なんですよ」
――ホンマですか!?
鈴木「10年前ぐらいにまだスキマがデビューする前、僕らがちょうどアンティノスとの契約が切れたぐらいのときにライブを観にきてくれて、話しかけられたんですね。“僕、実は○○中学出身なんですよ”“えっマジで!?”って、2人で飲みに行って。俺飲めないのに(笑)。その後しばらくしてスキマスイッチがドーン!!といって。で、2010年に僕らが『ap bank fes.』に出たときに、久々に観に来てくれたんですよ。その後幕張のカウントダウンでも会って、“一緒に出来たらいいね”って。今回、震災とか原発とあの辺のことを、自分なりにちょっと落とし前はつけたいなっていうのがあって。それが『エンドロール』なんですけど、ずーっと悩んで、もう何十回も歌詞を書き直して。だいたい曲先なんだけど、これは歌詞だけずっと前に書いてたんですね。メンバーに何回も書き直した歌詞を配って、ちょっと曲付けてって。もう俺ちょっと曲は無理だから、歌詞は書くって。何ぶん言葉数が尋常じゃないくらい多かったんですよ。これでもかなり削って」
マエカワ「半分以下になってるね」
鈴木「5~6ページあって、コレ曲にしてくれと(笑)。で、メンバー以外のコラボレーションはどうですか?ってレコード会社の人に相談したら、全然アリですと。そしたら、常田くんを思い出したんですね。単純に有名な人に頼むと、ちょっと何か売れたいモード出まくりだなぁコイツら!みたいに思われる。常田の場合は、そうじゃなくてちゃんと隣の中学!!っていう歴史がありますから、これはベストだと(笑)」
――オファー理由が隣の中学(笑)。
鈴木「地元話だけで2~3日いけますから(笑)。あと常田は歌詞も書ける人なんで。いろいろディスカッションしながら、5人で一緒にリハにも入って」
――それこそこの歌のリフレインの部分とかは、ホントにフォークというか。
鈴木「そうですそうです! どフォークですよ、ホントに。タイトルはいつも決めるの最後だから全然考えてなくて。まぁ『エンドロール』でいいんじゃないの?って感じだったですけど、レコード会社の人が“ハッピーエンドはどう?”って。なるほど、その方が広がるし、いろいろ解釈出来るなぁって」
――『ハッピーエンド』ってよく考えたらオモシロい言葉で。エンドなのにハッピー、一見ネガとポジな言葉が合わさっていて。
マエカワ「そう、終わるのに」
鈴木「ハッピーなんですよね、うん」
だからツアーはやめられない
――今回のアルバムのロングツアーが昨年からあって。全国を廻れるだけ各地に待っててくれる顔があるのは嬉しいですね。
マエカワ「嬉しいね。だからツアーはやめられないっていう。少なくても掘り起こしていく作業も絶対必要だし」
鈴木「ずっと年間これだけライブやってるわけじゃないですか。さっき飽きちゃうとか言ったけど、その割にライブ前にはいまだにめちゃくちゃ緊張してますから(笑)。何回トイレ行くことか!」
――アハハハハ!(笑)
鈴木「もう全然慣れません、そこに関しては(笑)」
――じゃあ今回も間違いなく、各箇所緊張し(笑)。
鈴木「フレッシュなんだなぁ! 俺たちはずっと。容姿は衰えてきても、気持ちはフレッシュなのかもしんないな」
マエカワ「やっぱりね、そのワクワク感はむしろ前よりもあるかもしれない」
――おぉ~スゲェ!
鈴木「その街によって反応が違ったりするから。それが最近ちょっとオモシロいんですよ。今日はスッゲェ男が多いぞとか、SEの段階でもう出来上がっちゃってんなぁとか」
マエカワ「前半が全然盛り上がらない地区があるんですよ、まぁどこかは言わないけど(笑)」
鈴木「後半の4曲でやっとギアが入るみたいな(笑)。前半は何言ってもスベる(笑)。結構今オモシロいこと言ったぞ!?って。その冷や汗感もオモシロいんですよ。メンバー全員冷や汗ダラダラで、ヤッバいヤッバいってみんな思ってるなって(笑)」
――みんな好きで観に来てくれてるのに、そうなっちゃう箇所もあるんですね(笑)。
マエカワ「お客さんは好きで来てくれてるんだから、こっちも堂々とやればいいんだけど、もう1つ盛り上がってないだけにちょっと焦っちゃったりして。演奏はつたなくなってくるし、喋りが早くなって何言ってるか分からんみたいな(笑)」
鈴木「あるあるある! 24年もやっててですよ? フェスとか出て“最初の3曲ガチガチに固かったね”とか言われたりするんですよ!?(笑) 俺、今まで何回ライブやってんのよ…って(笑)。普通だったら今頃はもっと余裕を持って、“何やっても大っきいですね~”ぐらいのことを言われるハズなのに」
マエカワ「そこも含めてやっぱライブの楽しさだからね」
鈴木「そういう意味では全然飽きてねぇな(笑)」
――アハハハハ!(笑)
鈴木「思えば全然飽きてないような気がするわ、毎回そう言えば何かあるわ(笑)。いまだにガンガン間違えるしな」
マエカワ「例えば遠藤賢司=エンケンさんのバックをたまにやらせてもらったりして。エンケンさんの本番の前のピリピリさ加減というか」
鈴木「近寄れないんスよ…」
マエカワ「やっぱり“うわ、カッコいい”と思うよね。俺はあんまりそういう風に緊張しないからアレなんだけど。エンケンさんが“本番前に緊張しないヤツなんてアホだよ”って(笑)」
鈴木「エンケンさんと対談したときに、“いや~これだけやってたらたまに気の抜いたライブもありますよ”みたいなことを冗談で言ったら、それまで普通に話してたのに、“え? 圭介くん、今のホント? それはいけないよ!”って怒られて(笑)。ライブ1本1本が勝負だから。対バンってことは、“VS”ってついてるってことは、対決なんだぞって」
――確かにエンケンさんのライブのタイトルは、いつも“VS”ってついてますもんね。
マエカワ「だってエンケンVS日本武道館だからね、あの人は(笑)」
――アハハハハ!(笑)
マエカワ「ああいう尊敬する大先輩が、あれだけのことをずっと長くやってくれてるのはありがたいですよ」
――そう考えたら、まだまだやることありますね。
マエカワ「そうそう。だからまだまだ全然! 今40代の俺らよりちょっと上の先輩とか、みんな元気ですから」
――まだまだ当分この戦いは続くと(笑)。本日はありがとうございました!
鈴木&マエカワ「ありがとうございました!」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2013年3月29日更新)
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