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EXILEのATSUSHI、玉置浩二、ゴスペラーズの村上てつや、
ラウル・ミドン、ジェラルド・アルストンが参加!
ジャズ・ディーヴァ、ケイコ・リーが贈る大ヒットカバーシリーズ
『スーパー・スタンダーズ2』インタビュー

 名実ともに日本を代表する女性ジャズ・ボーカリストとして活躍しながら、ロックやポップスの名曲を取り上げた楽曲やCHEMISTRY・堂珍嘉邦との共演などでジャンルを超えた幅広い支持を集め続けるケイコ・リー。最新作『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ2』では、ソウルやポップスの名曲も取り上げた選曲に加えて、デュエット相手にEXILEのATSUSHI、玉置浩二、ゴスペラーズの村上てつや、ラウル・ミドン、元マンハッタンズのジェラルド・アルストンが参加。シンプルに研ぎ澄まされたアレンジと歌の力で、世代やジャンルを超えた“スタンダード”を示した今作について話を聞きました。

――今回のアルバムは’02年に発表して10万枚のセールスを記録した大ヒット作『スーパー・スタンダーズ』の続編ですが、前作とはまた違ったタッチの作品に仕上がりましたね。

 
「そうですね。選曲も前作よりポップ寄りになっていますし、5曲で5人のゲストボーカリストを迎えたことで大きく変わりましたね。アレンジに関しても、前作の方がジャズ色が強かったですから」
 
――再び『スーパー・スタンダーズ』というタイトルで作品を作っていくに際して、こだわった点はありましたか?
 
「あまりフェイクするとかよりも、ストレートに曲のメロディを皆さんに聴いて頂きたい、というのがまずありましたね。それはある意味で、私たち(=ジャズ・シンガー)にとって厳しいことでもあるんですけど。でも、やはり名曲揃いなので、名曲を奏でることの楽しみが大きかったですね。過去の多くのジャズ・ジャイアンツもいろんな曲を取り上げてきましたけど、まずはその曲をどう聴かせて楽しんでもらうかが一番大事なことだったと思うので」
 
――元の曲をどう崩すか、どうアドリブで展開していくかよりも、まずはその曲の良さそのものをストレートに伝えるアルバムにしたかったと。
 
「そうですね。直球で。それを伝えるのが私たちの仕事というか、使命だと思っているので」
 
――選曲に関しては、ロバータ・フラックの『Killing Me Softly with His Song』(M-3)、スタイリスティックスの『誓い(You Make Me Feel Brand New)』(M-6)など。スタンダードと並んでメロウ・ソウルの名曲が数多く取り上げられている点が印象的でした。
 
「やっぱり多くの方に聴いて頂きたかったので、ミュージシャンばかりでなく、あまり音楽に詳しいくはない知り合いなどにも“この曲知ってる?”と聞いてみて、知っているかどうかも1つの基準として曲を選んでいきました。やっぱり馴染みのある曲の方がリスナーとして入りやすいでしょうし、それをきっかけにジャズという音楽に少しでも興味を持ってくれる方が、1人でも多く増えてくれればと。それは曲だけではなくてゲストの人選でも同じことで、今回共演したATSUSHIくんたちが入っていることによって、今までにジャズなんて聴いたことがない人にも手に取って頂けるかな、という想いもありましたね」
 
――なるほど。でも、ケイコ・リーさんは、幻想的なアレンジによるクイーンの『We Will Rock You』や山口百恵の『美・サイレント~Be Silent』など、これまでもジャズ・リスナー以外の聴き手にもジャズに目を向けさせるような楽曲を数多く発表してこられてますよね。
 
「自分の中では、この曲だからジャズとか、曲でジャズになるとかではなくて、(どんな曲でも)ジャズ・ミュージシャンのスピリッツが音に反映されると思っているので。だから、フォームでジャズをやったってジャズを感じない人もいるし…。でも、私自身はジャズ・シンガーだとかは全く思っていなくて。ある素材を通して、自分がどう伸びていけるのか。ライブもアルバムも、目の前にある1つ1つが常に自分がステップ・アップしていくための挑戦だと思っていますね。それはテクニックに走ったりということではなくて、もっと違ったテクニックというか。マイルス(・デイヴィス)でも(ジョン・)コルトレーンでもエラ・フィッツジェラルドでもそうですけど、まずはストレートなメロディを演奏することで人の心を打つんですよね。アドリブも誰でも出来るというわけではないですけど、メロディの説得力で人に感動を与えるにはいろんな要素と鍛錬が必要で。そこで人の心にズドンと入っていくような歌を、これからも目指していきたいですね」
 
――確かに。今回のアルバムは全編に渡ってゆったりとしたスローテンポで、音数もシンプルに、必要最小限の選り抜かれたアレンジで、曲の良さが耳に残る作品になっています。シンガーとして、今回のアルバムで新たに開かれたと感じた点などは?
 
「5人それぞれに個性あるシンガーとデュエットで歌うことで、自分もこれだけ変われるんだなと感じられた点は大きかったですね。やっぱり相手を思いやる気持ちや歩み寄る気持ちをもって一緒に声を出すことで、すごくいいブレンド感が出たと思います」
 
――そして、今回の『スーパー・スタンダーズ2』発売に伴うライブが、大阪は1月31日(木)と2月1日(金)の2DAYSでビルボードライブ大阪にて行われます。
 
「今回のアルバムの曲が中心になりますが、またアルバムとはちょっと違ったアレンジでも聴いてもらえるかと思います。大阪のお客さんは意外と最初はシャイなんですけど、最後にはしっかりと盛り上がってくれるので。いつもありがたいです」
 
 
Text by 吉本秀純



(2013年1月28日更新)


Check

Release

5人のシンガーとのデュエットを含む
名曲のオンパレードは絶品!

Cover Album
『ケイコ・リー・シングス・
 スーパー・スタンダーズ2』
発売中 2940円
ソニー・ミュージックジャパン
インターナショナル
SICP-3435

<収録曲>
01. Someone to Watch Over Me
02. Smoke Gets In Your Eyes
(featuring EXILE ATSUSHI)
03. Killing Me Softly With His Song
04. Feel Like Makin' Love
(featuring ラウル・ミドン)
05. Scarborough Fair
06. You Make Me Feel Brand New
(featuring ジェラルド・アルストン)
07. This Love Will Last
08. My Romance
(featuring 村上てつや from ゴスペラーズ)
09. Days of Wine and Roses
10. Smile
(featuring 玉置浩二)
11. The Look of Love
12. Somewhere

Profile

ケイコ・リー…’95年にアルバム『イマジン』でデビュー。存在感のあるボーカルスタイルとディープな歌声で評価を高め、’01年にクイーンの『WE Will Rock You』を独自のアレンジでカバーした楽曲がCMに起用されて大ヒット。翌年にリリースされた初のベストアルバム『ヴォイセズ』は累計25万枚を超えるセールスを記録した。今回の最新アルバムは、’02年に発表された『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ』の10年ぶりの続編となる。

ケイコ・リー オフィシャルサイト
http://www.keiko-lee.com/


Live

豊潤で艶やかな歌声に酔う
大人の上質空間2DAYS!

『ケイコ・リー シングス・
 スーパー・スタンダーズ2』発売記念ライブ
チケット発売中 Pコード187-896
▼1月31日(木)・2月1日(金)18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席8400円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※未就学児童は入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。

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