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10/5(金)心斎橋RUIDOワンマン目前!
“和”のフレーバーをブーストして到達した
3rdシングル『ラブレター・フロム・何か?』の世界とは!?
怒涛のリリースでシーンを突き進むecosystemインタビュー

 大人気TVアニメ『銀魂』のオープニングを飾ったハイエナジーなデビュー曲『ジレンマ』、地元大阪のFM802、AM5局の合同パワープレイMonthly A-Musicに始まり、全国各地のFM局でパワープレイを獲得したエレクトロポップな2ndシングル『月夜のnet』と、ライブで培われた人間力溢れるパフォーマンスと、どこかオリエンタルなフレイバー漂うロックサウンドで、メジャーシーンを突き進むecosystem。怒涛の連続リリースで届けられた3rdシングルは、原作コミックが40万部を超える大ヒットを記録した、TVアニメ『超訳百人一首 うた恋い。』オープニングテーマとして話題を呼んだ、初の書き下ろし曲『ラブレター・フロム・何か?』だ。“歴女”を中心に幅広い世代から支持された同作の世界観からインスパイアされ、自らの音楽性をブーストした今曲は、“和ロック”とも言うべき独自のメロディとサウンドを構築。10月5日(金)心斎橋RUIDOでのワンマンライブを前に、リリースごとに新境地を見せ付けるecosystemのフロントマン・壺坂恵(vo&g)に、たっぷりと語ってもらった。

実はとちりまくったecosystem壺坂恵(vo&g)からの動画コメント!

――『ジレンマ』『月夜のnet』と連続でインタビューしてきたけど、もはや最近過ぎてそんな変化もないよね?(笑)

 
「いやぁありますよ~!! 日々ね、葛藤してるんですよ。人間ですから。壷坂ホモサピエンス恵です」
 
(一同笑)
 
――以前会ったのは大阪のホームclub vijonでの自主企画『誘導線キルナ』で。衝撃の罰ゲームを観ましたけど…。
 
「やりましたね~(笑)。やっぱね、自主企画は好き放題出来るから。罰ゲームは屈辱だったけど(笑)。まぁ楽しい方がいいかなぁというか、人柄も垣間見れたらいいかなぁと」
 
――前作の『月夜のnet』は、FM802のヘビーローテーションにAM5局のパワープレイMonthly A Musicと、関西においてはお祭り状態のシングルやったけど、今回の『ラブレター・フロム・誰か?』は初の書き下ろし曲ということで、どういったいきさつでやることになったのかをまず教えてください。
 
「『うた恋い。』っていう百人一首のアニメの主題歌なんですけど、“ecosystemには何か和の要素を感じるから”ってお話しをもらって。その時点ではまだプレゼン段階で誰が選ばれるか分からない状態だったんですけど、実際に漫画を読んでみると、和歌を百選したと言われている藤原定家を主人公にストーリーが進んでいって、その中に小野小町の話があって。小野小町は年頃になると好きな人が出来て、結婚して子供を産む平凡な幸せと、天皇に仕えて自分の夢だった和歌の才能を披露するかの別れ道で、結局自分の夢の方を取った。後におばあちゃんになった小野小町が出てきて、“普通の幸せもあったなぁ”って若い頃を振り返る、ちょっと切ない話もあったりするんですけど、何かその話が自分とリンクして」
 
――音楽に人生を懸けるか、女性としての幸せを掴むか。女性アーティストとしても重なるところやね。
 
「平安時代って、男女が和歌のやりとりをして、気持ちが通じ合った者同士だけ、2人の間のスダレが上がって顔を見合わせ恋が出来る。それを今の現代に置き換えると、メールだとちょっと心ない感じがするんで、いわゆるラブレターかなって。“ラブレター・フロム・カナダ”にちなんで、『ラブレター・フロム・何か?』って提示して終わってる。“何か”はもう感じ取ってくださいと」
 
――そして、主題歌の話があって、自分も原作読み込んでいく中でグッと物語に入れて作った曲が、実際にちゃんと選ばれて。
 
「そう。だから良かったなぁと思って。例え選ばれなくてもすごくいい楽曲になったから作り損ではなかったんですけどね。小野小町のヒストリーにリンクしたと言いつつも、ちゃんと自分の曲にしたかったし。現代に、自分に置き換えて書いたので。これを聴いてもらって、いいと思ったら漫画も読んでもらいたいし、アニメを見てうちらを知ってくれた人も分かってくれるやろなぁって思ってます」
 
――お題があるということは=縛りでもあるから、難しかったのか、それとも逆にテーマが明確でやりやすかった?
 
「お題との相性がめっちゃよかったんですよ。何かうちらにピッタリやった。『ラブレター・フロム・何か?』っていう題名はすぐに出てきたし、漫画を読んでからがさらに早かった。他のお題やったら苦戦してたかもしれないけど、すごく楽しい書き下ろしでした」
 
――元々百人一首自体も好きやったん?
 
「めっちゃ好きでしたね。何か小学校の頃に大会とかあるでしょ? 一位取ってましたもん」
 
――マジで!?(笑)
 
「何かね、あの張りつめた感じと、奥ゆかしい感じがちっちゃいときから好きで。必死に覚えてましたね」
 
――じゃあ“百人一首がテーマで…”っていうだけで…。
 
「ええやん! 平安ええやん! みたいな(笑)」
 
(一同笑)
 
――そんなヤツ今おるんや(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) まぁ珍しいと思いますよ」
 
――そやんね。だって俺、小野小町って言われたときに小野妹子とごっちゃになったもん。
 
(一同笑)
 
「小野小町は“百夜通いの恋”が有名で。生半可な気持ちで男の人が和歌を詠みに来ても小野小町は困るわけですよ。自分には和歌を書きたい夢がある。だから100日通って来たら顔見せたるわっていう話があって、ホンマに100日通って来た人がおったんです。で、その人と結婚するか迷って、結局自分の夢を追って破談。その話がすごくおもしろいですよ」
 
――メグにとってはすごくフィットしたお題だったと。
 
「めっちゃフィットしましたね。楽曲もecosystemの元々持ってる和の要素みたいなモノは主張しつつ。この曲はBメロのラップの部分から出来たんですよ。その兼ね合いでサビも出来たので。初めはちょっと奥ゆかしい感じを出してね、組み合わせたらこんな感じになりました」
 
――まぁいつものことやけど、相変わらず曲の展開がすごいというか。A・B・サビの印象がガラッと変わる。
 
「あぁ~でもそうですね。いっつもそうかもしれない」
 
――あと、和の要素みたいなモノは自分たち的にも自覚するところはあるんやね。
 
「いや、自覚してなかったんですよ。『ジレンマ』や『月夜のnet』を出して周りに言われるようになって気付いたというか」
 
――そういう意味では、その意識は音にも明らかに出始めたよね。滲み出るというよりは自覚的にやってみたらどうなるか。その中でメンバーの成長も感じられたみたいやね。
 
「ハイ、やっと(笑)。この曲を録った辺りから、後藤(b)も由梨弥(ds)も“ecosystemが好きだからやってます!!”から、いい具合にベーシストとして、ドラマーとして、自覚してきたかなぁ~?と思います。徐々にね」
 
――でも、やっぱりサウンドの要となるのは、メグかそれこそ要くん(g&key)というのは…。
 
「掛けたんすか? 今」
 
――いや、たまたまです。ちょっと恥ずかしい(笑)。
 
(一同爆笑)
 
――“要となるのは…”って言ったとき、“あぁ~後で要くんの名前出すのにな…”って思ったもん(笑)。
 
「で、こいつに突っ込まれるやろなと思ったでしょ?(笑)」
 
――いや、流すかなぁ?と思ったのに…(笑)。
 
 
部屋で裸でジュース飲んでる姿、みたいな感じですね(笑)
 
 
――でも今の時代はヘンな話、ラブレターどころかメール、メールすらせずにツイッターくらいの時代ではあるから、ラブレターなんてなかなか書くことももらうこともないと思うけど、書いたことある?
 
「あるんです」
 
――ホンマ! いつ?(笑)
 
「中2」
 
(一同爆笑)
 
――いいねぇ~(笑)。
 
「でも、昔から恋愛の傾向がヘンというか、好きな子が高校になるまで出来なかったり、男の子に興味がなかったり。“自分はレズなんかな?”って思った時期もホンマにあったんですよ(笑)」
 
(一同爆笑)
 
「クラスの女子の半分くらいが好きな憧れの人みたいなのがいるじゃないですか? 恋愛話になって、“メグは誰が好きなん?”って聞かれて、“みんなと一緒一緒!”みたいに言ってたら、“じゃあそれぞれラブレターを書こう”っていう、予想もしなかった展開になって。みんなは本気でその子が好きやのに、“お前は嘘やったんかい!”ってなったらイヤでしょ? だから、うちも一応ラブレターを書いて。その人は水泳部やったんで、“いつも裸見てます。背中のラインが綺麗ですね”みたいに全然関係ないことを書いたんですけど(笑)、次の日に“付き合おう”って電話がかかってきたんがうちやったんですよ!」
 
――マジで!? すっげぇ。
 
「うわぁ~また予想だにしてなかった!!って(笑)。隠そうとも思ったんですけど、もう次の日には噂が広まってて…で、女子からのブーイング。もう一生書くか!思いましたけどね。でもすぐに別れて、それが最初で最後かな。でもこの間ね、小学6年生の子からファンレターが届いたんですよ。ノリ付けし過ぎて中の手紙にまで到達してビッチビチのガッチガチやったんですけど(笑)。筆圧が強い小学生っぽい字で“は・じ・め・ま・し・て、壷坂恵様へ”みたいな。でも、その字のすごくワクワクしてる感じ…“私は恵さんのように生きたいし、銀魂で初めて知ったけれども、ブログも毎日チェックしているし、憧れです”って。何かすごいかわいらしいし、文字の1つ1つから伝わってくるものがある。メールやツイッターでもやりとりは出来るけど、何かもっと気持ちがあるモノだなぁって。ラブレターって、手紙っていいなって思いました」
 
――ちょっとその話聞くだけで泣きそうになるわ。そんなん一生懸命書いてくれたんや…。
 
「そうでしょ!? 小6ですよ」
 
――伝わってくる情報が多いよね。筆圧とか、例えば汚れてたら、あ、こいつ…。
 
「ポテト食いながら書いてるなとか(笑)」
 
――油ね(笑)。そういう画面からだけじゃ伝わらないところがね。こういう封筒を選びはったんや、ノリは焦って頑張って付けたんやなみたいな(笑)。内容だけじゃなくて、そこに掛けてくれた時間とかを感じるよね、手紙って。
 
「うんうん。そうでうすよね」
 
――でもメグのラブレター体験は、みんなで一斉に渡したその1回きりなんやね。もらったこともない?
 
「ありますよ」
 
――お! マジ!? やるね。
 
「そらもう何年生きてると思ってるんすか~(笑)」
 
――そう考えたら、手紙っていうのも改めてお題としておもしろいアイテムやね。
 
「そうですよね。今回は主題歌というきっかけをもらったけど、手紙っていいよねって思います。書く内容にもよりますけど(笑)」
 
――今作が出来上がったときはどう思いました?
 
「結構“出来たー!!”っていう感じはありましたね。それはecosystemのこれからがちょっと見えたのと、お題とうまく融合出来た達成感。すごい快感です。いろんな人に聴かせたい!って思いました」
 
――前回のインタビューのとき、『ジレンマ』が自分の肩を見せたくらいで『月夜のnet』はケツの穴とか歯茎を見せた感じという衝撃発言がありましたが(笑)、今回は何を見せた曲やと思う?
 
「何か、部屋で裸でジュース飲んでる姿、みたいな感じですね」
 
――それはそれでちょっとすごい絵面やな(笑)。
 
「でも、靴下だけ履いてるんですよ」
 
(一同笑)
 
――脱げよ(笑)。
 
「そう!(笑) そういう感じ。新しい自分みたいな。でも似合うでしょ? 私(笑)」
 
 
何もない状態でメンバー4人で東京に出て来てるから
ヘンな絆も出てきたなと思ってて
 
 
――今回はカップリングの2曲も書き下ろし?
 
「『I dislike』(M-3)は私がギターを持って2番目に作った曲で。最初は英詞やったんですけど、今回の3曲の兼ね合いも考えて、わざわざ日本語にするチャレンジも試みましたね。『アンニュイ、君の』(M-2)はヘンな曲です(笑)」
 
――詞だけを読んでても、男側の立場なのか女側の立場なのかが曖昧でおもしろいね。
 
「どっちか言うたらまぁ、うち目線ですね。でも、うちがねぇ、ちょっとどっちなんやっていう話ですからね(笑)」
 
(一同笑)
 
――さっきの話ね(笑)。
 
「男っぽくはしようとしてないけど、結構男っぽい考えかなぁっていう時期はあるから。でも、それも含めてかわいらしいと思いますけどねぇ(笑)」
 
――自分で言う?(笑) ちなみに1番初めに書いた曲って?
 
「1番はインディーズの盤に入ってる『repeat』って曲で、サビで“もう嫌だよ~”とか言うてます。ヤバくないっすか?(笑)」
 
――最初に作ったのに、“もう嫌だよ”(笑)。今作に伴うワンマンも10月5日(金)心斎橋RUIDOであります。
 
「お客さんも割と若くて、“初めてライブに来ました”みたいな子も増えてきたから、ポップでって言うたらあれやけど、怖くないライブハウスを選びました(笑)。あと、何か新鮮な場所やし」
 
――今までに何回か取材してきたけど、そういう状況も含め、メジャーデビューして活動していくことに関して、まだ期間は短いけど振り返ってみてどうですか?
 
「人生のサイクルがあるんですけど、一周目が終わった感じがしていて。上京して東京でのライブも多くなってきて、このまんまのMCだと勘違いされることもあるし、お客さんがどう思ってるのかを気にしたこともあったし、カッコ付けた方がやっぱりいいのかなって考えたこともあったけど、結局自分らしいのが一番やなって。人ってやっぱり好き嫌いはあるから、嫌いやったら嫌いでそれはしゃあないし、それやったら自分らしくいて、好かれる方がいいなぁって。あと、何もない状態でメンバー4人で東京に出て来てるから、何かヘンな絆も出てきたなと思ってて」
 
――やっぱりあれやね、いろいろ感じることはあるんやね。
 
「ありますね。あるけど、何だか気持ちが固まってきた分、余計なことがどうでも良くなってきたというか、あんまり気にしなくなった。強くなった感じ。ちゃんと“国民的なバンドになりたい!!”っていう気持ちが4人にはあるから。90年代のバンドで言うとイエモンとかユニコーンとかジュディマリとか、ちゃんとみんなが知ってるバンドになりたい。CD出してZeppでワンマン出来たらえっか、みたいな…別にそれはそれでカッコいいスタイルなんですけど、何かもう1つ上にいきたいなぁとは思います」
 
――今ってハナからちょっと諦めがちというか、どこか無理なものと思ってしまってるところはあるもんね。たまに大所帯のホールツアーとかを見ると、夢があるなぁと思うもん。バンドがこのチームを動かせるプロジェクトになってるんやって。このシングルが、何かのきっかけになればいいよね。まずは目の前の10月5日(金)の心斎橋RUIDOですな。本日はありがとうございました!
 
「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史




(2012年10月 4日更新)


Check

Release

アニメ『超訳百人一首 うた恋い。』
オープニング曲で話題の最新シングル

Single
『ラブレター・フロム・何か?』
発売中 1223円
SME Records
SECL-1174

<収録曲>
1. ラブレター・フロム・何か?
2. アンニュイ、君の
3. I dislike

Profile

エコシステム…写真左より後藤葉子(b)、空岡由梨弥(ds)、壺坂恵(vo&g)、荒井要(g&key)。’07年に大阪で結成。’10年、キーボーディストの脱退に伴い、サポートメンバーとして荒井が参加、’11年に正式メンバーとなり現在の編成に。同年11月30日に、人気TVアニメ『銀魂』主題歌となったシングル『ジレンマ』でメジャーデビュー。バンド名のecosystemは生態系の意。

ecosystem オフィシャルサイト
http://www.ecosystem-web.net/


Live

ニューシングルを引っ提げた
地元大阪でのワンマンが間もなく!

『「ラブレター・フロム・何か?」
 ~ecosystemワンマンライブなりけり~』
チケット発売中 Pコード173-857
▼10月5日(金)19:00
大阪RUIDO
オールスタンディング2800円
夢番地■06(6341)3525

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Column

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