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バンドとして、そして30代を迎える人生の分岐点で
揺れる想いと消えない情熱を藍坊主が語った!
2年2ヵ月ぶりのアルバム『ノクティルカ』ツアー
クライマックス直前インタビュー

 ’99年に結成、’04年のメジャーデビュー以降、焦ることなく一歩ずつ独自のペースで歩んできたロックバンド、藍坊主。青春パンクブーム真っ只中から飛び出した彼らは、長いキャリアの中で変わりゆく音楽シーンを横目に見ながら、自ら紡いだ音楽をひたすら研ぎ澄ましてきた。昨年は初の日本武道館公演やベスト盤『the very best of aobozu』を発売。今改めてバンドとして新しいタームに突入した彼らは、2年2ヵ月ぶりとなる6thアルバム『ノクティルカ』をリリースし、現在はそのツアーのクライマックスにいる。結成当時は10代だった彼らも、今年で30歳。アーティストとして、そして人間としての分岐点に差し掛かった彼らの、揺れる想いと消えない情熱。ツアーも残すところ東名阪の3本となった藍坊主のhozzy(vo)、渡辺拓郎(ds)に、原点回帰の“青春”を今の目線で綴った新作に至る胸の内を語ってもらった。このバンド、まだまだこれからだ。

hozzy(vo)&渡辺(ds)からの動画コメント!

――『ノクティルカ』がリリースされて、ブログのコメントとかを見てても反響があったみたいですけど、それはどうでした?

 
渡辺(ds)「改めて、僕らと聴いてくれる人たちの信頼関係みたいなものが確認出来たというか」
 
hozzy(vo&g)「5分の1ぐらいは、結構辛辣なことも書いてるんですよね(笑)。でも、真剣に聴いてるが故というか、自分らが思ってる以上にCDというモノに向き合っててくれてたんだなって改めて感じて、そういう言葉もイヤじゃなかったんですよね(笑)」
 
――藍坊主って、メジャーデビューしてからもう8年もやってきて、でもド派手な仕掛けをしてここまで上がってきたバンドではないじゃないですか。だから、前作『ミズカネ』('10)が初のオリコンチャートTOP10入りを果たして今までで一番いいセールスを上げたのって、やっぱり1つ1つ、今どき珍しいくらい堅実に活動してきた結果で。その中で付いてきたお客さんっていうのは、やっぱり他人事じゃないんだなって今の話を聞いていてもすごく思いますね。
 
hozzy「だから俺も難しいな~と思って。今後そういう人たちの思い描いてる欲しい曲と、一方で今まで俺がちょっと違う掘り下げ方をしてきた実験的な曲を、一時期は重要視して作ってたりもしてたんですけど…言ってもやっぱ俺らも売れたいんで(笑)」
 
(一同笑)
 
hozzy「けど、意図的にバランスを取ったら取ったでお客さんには絶対分かっちゃう。だからこれからもより真剣に音楽と向き合わないと…そういう人たちさえも失ったら、多分俺らは活動出来なくなると思うんで。ホントに襟を正す気持ちです」
 
――地道な活動という意味では、去年は初の日本武道館公演もあって。今はある種の“武道館・再評価”じゃないですけど、みんなが急にまた武道館を目指す流れがシーンに出来つつあるじゃないですか。でも藍坊主は独自のペースで歩いてきて、8年越しでようやく武道館に立ったという意味ではまた感触が違うと思うんですけど、実際にステージに立ってみてどうでした?
 
hozzy「何だろう、やっぱり…違うな~と思った。もちろん会場はすごく広くて大きかったんですけど、過去に学園祭とかに呼んでもらったとき、体育館だとかいうデカいステージは結構経験してたんで。けど、ライブが始まって5曲ぐらい経った後に、ただ立ってるだけなんですけど、下から持ち上げられているような感覚があったんですよ。ちょうど俺らが武道館をやる前に、GOING UNDER GROUNDの松本さんの番組に出させてもらったとき、“武道館は誰がやっても成功するし、絶対に何かパワーみたいなものがあるよ”っていう話をしてたんで、何かそれが分かった気がしましたね。ミュージシャンが“武道館は特別だ”って言うのはこのことなのかって。その感覚は確かに感じました」
 
――昨年はベスト盤を出して、初の日本武道館公演も成功させてって…ある種の燃え尽き症候群じゃないけど、空っぽになんないのかなってちょっと思ってたんですよ。
 
hozzy「『あさやけのうた/すべては僕の中に、すべては心の中に』(‘10)『星のすみか』(‘11)という2枚のシングルを出した流れが武道館をまたいでずっと続いてて。アルバムを作るまで止まる感じは全然なかったんですよね」
 
渡辺「ドラマーという部分では、『あさやけのうた/すべては僕の中に、すべては心の中に』のレコーディングで、何となく自分の中で1周したというか、今まで藍坊主でやってきたことを振り返れた感覚があって。藍坊主に入って自分がバンドに取り入れようとしたけど上手くいかなくて、どうすればいいんだろうって考えてた部分、そうやって少しずつ出来上がっていった自分の中の理論が、全部収められた気がしたんですよ。そこからはもう頭で考えずに思ったことを思った通り、藍坊主でやれている感覚があったんで。1周目が終わって、2周目が始まったみたいな」
 
 
藍坊主っていうバンドが持ってる王道感みたいなものが
何だかんだ言ってすごく好きなんですよ
 
 
――今回のアルバムから沸き立つ“夜の匂い”は、どこからきたんでしょう?
 
hozzy「俺も分からなくて。震災の影響もあるとは思うんですけど、事の始まりはそれより前なので、何でかな~って(笑)。前作の『ミズカネ』を制作してたのが夜だったからかな?(笑)」
 
――でも音楽を作るのなんて、基本夜ですよね?
 
hozzy「でもウチのベースは、朝6時に起きて8時半に出社して、6時に帰る生活を2年間ずっとやってますけど(笑)」
 
――アハハハハ(笑)。まぁ音楽に限らず、夜って何かが生まれる感じがしますよね。
 
hozzy「うんうん。昼間ってそうやって生まれたモノたちが活発に動いてる感じだけど、夜になると一旦静まって、でも深夜2~3時ぐらいを過ぎると、また新しい始まりのアイデアが、プクプクっと泡みたいに出てくるような気がする。その夜特有の“始まり感”みたいなものが、なんかずっと引っかかってたんですよね」
 
――キャリアが長いバンドって、オリジナルアルバムを作ること自体がいわゆるルーティンにもなるじゃないですか。藍坊主は結成からもう12年が経ってて、メジャーで8年やってきて、新鮮な気持ちや楽しんでやれる状況ではあるんですか?
 
hozzy「まぁ一番楽しんでるのは、ベースの藤森ですね(笑)」
 
――アハハハハ!
 
hozzy「毎日規則正しく事務所に出社して、“お前それ辛くねぇの?”って聞いても、“何が? 俺めっちゃ楽しくて充実してるんだけど”ぐらいな感じで。多分今日も、東京で曲作ってると思うんですけど…。あ、もうそろそろ上がり(=18時)だね(笑)」
 
――時間で切るんだ。ロックンロール公務員(笑)。
 
(一同笑)
 
渡辺「全然ロックンロールな生活してない(笑)」
 
hozzy「まぁ俺も、曲を作るのは今でもやっぱり楽しいですね。楽しいですけど、どっちかって言うと、いわゆる作ってこなかったタイプの曲とか、まだこんな曲が出来るんだって探す方が好きで。でも今回は、割とそういう気持ちを抑え目にして、より藍坊主の核になっている部分を、どうしたら煮詰められるのかを考えることの方が多かったかなっていうのはありますね」
 
――今改めて、そこに挑むのは何なんでしょうね? 藍坊主の王道感をより強くするというか、もっと太いものにするというか。
 
hozzy「自分でも藍坊主っていうバンドが持ってる王道感みたいなものが、何だかんだ言ってすごく好きなんですよ。自信もないと続けられないし、よりそれを持ちたい、その良さを絶対に形にしてやりたい。もしまたそれが出来たら、この次はメチャメチャやってやろうとか、そういうワクワクも今だんだんと湧き上がってるんで。今回の作品はそれに必要な過程でもあるというか」
 
渡辺「例えば地面に穴を掘るとしたら、横に広げて掘っていくのか、それとも下に深く掘っていくのか、その作業の繰り返しなんだと思いますね」
 
――それで言うとこのアルバムは、横と言うよりは“深く”掘ると。『ホタル』(M-9)なんかはある意味、今思う青春にもう1度向き合ってみるところもあったと思うんですけど。
 
hozzy「俺らはみんな今年で30歳で、普通の感覚で言うともう青春なんて遥か遠いじゃないですか。29歳と30歳なんてあんまり変わんないよって言う人もいますけど、俺はやっぱりちょっと区切られちゃうんじゃないかと思って」
 
――うんうん。まぁ恐怖じゃないけど、かしら思うことはあるでしょうね。
 
hozzy「そういう揺れ動く感情もあって、20代最後の残り少ない時間を考えてたら、10年前ぐらいにバンドで一生懸命曲を作ってた頃とか、当時の空気感をちょっと思い出して、なんか青春ぽいメロディが出てきたぞ~って(笑)。何だろうな…やっぱ“青い”ってすごくいいなって。あの感じをいつでも思い出して、感傷にふけっても別にいいじゃん!と。それがあって、今のいろんな思い出があるから。30歳を越えて、どんどん歳をとって、おじいちゃんになったとき、死ぬ間際でもその感覚を思い出したい。“今でもずっと青春だ!”って言い張るよりも、“あの頃は良かったな”ってちゃんと振り返るというか。その想いをこの曲に出来たんで」
 
――曲をもらったときに、そういうエネルギーは感じました?
 
渡辺「今回のアルバムは、全曲そういうエネルギーに満ちてると思います。レコーディングでもドラムはホント2テイクぐらいで録って。その音の鮮度、感覚の鮮度を大事にしようという想いは、曲からもすごく伝わってきました」
 
――“感覚の鮮度”って、今作をすごく言い当てている感じがしますね。こなれてもおかしくないキャリアで、王道のアルバムの中にドキドキがちゃんとあったことが、このバンドの強さだなって思ったんですよね。
 
hozzy「あ~嬉しいっす。そこが、俺も藍坊主のいいところだと思ってるので。光るにしてもその光り方がちょっとホタルみたいな感じなんですよね」
 
――派手なドラマを作らなくても、ちゃんと聴いて鳥肌が立つし、それを体は感じるんだなって。
 
渡辺「いやもうそう言ってもらえれば、感無量です」
 
――とか言いながら、ダークでオルタナな『エフィラ』(M-7)が好きなんですけど(笑)。でも、あの青春の感覚というかあのドキドキって、やっぱりちょっとずつなくなるじゃないですか。だから、青春って何なんだと思ったら=ドキドキすることなのかなって。
 
hozzy「家のすぐ目の前に大学があるんですけど、この時期の一番いいとこって、ちょっと慣れてないというか、みんなが始まりでドキドキしてるじゃないですか? そういう子たちを見てると俺、“走りたい”って思うんです」
 
――え?
 
(一同爆笑)
 
hozzy「ツアーに向けてそれこそ、家の前を走ったりしてたんですけど、“ちょっと今日眠いな~疲れたな~”とか思うと、弱い心がもたげてくるんです。けど、たまたま用事があって外を歩いてたら、その大学生ぐらいの子たちがギターを背負ってラーメン屋から出てきたんですよ。それを見ただけでもう、“俺走る!”って」
 
(一同爆笑)
 
hozzy「あの空気感がたまんないんですよ。あ~なんか思い出すわこの感じって(笑)。全部がもう、始まりでしかないですもん」
 
――音楽でどうなるかもまだ全然分かんないときの、練習の後にラーメン食って語るあの感じ。
 
渡辺「俺だったらそのままラーメン屋に吸い込まれる気がしますけどね(笑)」
 
 
もう1回、アコギ1本で作れるような音楽を、今こそやってもいいのかなって
 
 
――他誌のインタビューとかを読んでいて印象的だったのが、“時代にごまされたくない”とか、“メインストリームになるような曲だけをずっと書いていたらぼやける”とか言っていて。
 
hozzy「そんな偉そうなこと書いてました?」
 
――書いてました(笑)。
 
hozzy「(その記事を見て)あぁ~言ってますね(笑)。もう今回、あんまりそういうこと言わないようにしようと思ってたのに、俺(笑)」
 
――メジャーで戦う以上、やっぱりそこの折り合いを付けながら勝っていかなきゃいけないっていう…。
 
hozzy「勝ててないですけどね~(笑)。でもまだ負けてねぇぞっていうところで、夢は見てます。でも、今回意識したのが…今ってパソコンでギターのフレーズでも何でもすぐ重ねられて、すっごい雰囲気が出るんですよ。それにメロディを乗っけて歌うと、もう出来上がる」
 
――うんうん。それなりの曲に聴こえるというか。
 
hozzy「そう。カッコいい“感じ”の曲が幾らでも出来る。でも、そこから上にいくのがすごく難しくて、いつも行き詰っちゃうんですよ。だからちょっと1回、昔の作り方に戻ろうと思って。ホントにアコギ1本でメロディを作った曲が、今回はすごく多いんですよ」
 
――機材のことも含めて全部経験した上で、また敢えてシンプルに曲を作るというのは、それこそ10年前と同じやり方だとしても意味が全然違いますよね。そして、敢えてそのやり方にしたのは、何か意図があるわけですよね?
 
hozzy「最近はもういろんな人の音楽を聴いていても、ギター1本で作ってるような曲はやっぱり少ないなって感じて。さっき言ったようにパソコンで結構音を重ねて、アンサンブルも簡単に作れちゃう。30分もあればカッコいい音楽が出来るんですよ。そこから先はホントにセンスの問題だと思うんですけど。そういう音源を聴いてて、すげぇカッコいいんだけど、その出来る過程を俺は知っちゃってるから…何て言うか…刺激がないんですよ。今の自分はそれじゃ全然面白くない。だったらもう1回、アコギ1本で作れるような音楽を、今こそやってもいいのかなって。なるべくツールに頼らないようにしようかと。でも、他のミュージシャン批判とかでは全然なくて」
 
――全然批判になってないですよ。名指しで言う人とかいますから(笑)。でも、その作り方が今回のアルバムの強さにつながってるのは確かだと思います。
 
 
これがクリア出来たら、もう一段新しい藍坊主をやれそうな気がする
 
 
――今作が出来上がったときってどう思いました?
 
hozzy「手応えはすげぇありました。ただもう、自分がいいと思う感覚とか基準がどれだけ多くの人に当てはまるかというと、俺はそこが乏しいところがあるので」
 
(一同笑)
 
hozzy「ツアーで今回の曲の良さをより分かってもらえるように、仕向けるしかない(笑)」
 
――仕向けるしかない(笑)。
 
渡辺「今回はシングル以外の曲に関して、ディレクターとかプロデューサーみたいな、いわゆる第三者的な立場の人を置かずに全部自分たちでやったんですよ。やろうと思えばやりたいことを全部出来ちゃう状況だったんで、逆に自分たちの中でどれだけ明確なものを持って臨めるかっていうのはありましたね。後はもう『ノクルティカ』を聴いてもらって、その人の中に芽生えた感情が、大切なものであったらいいなって」
 
――それこそ今回のアルバムには『ノクティルカ』という聞き慣れないタイトルが付いてます。
 
hozzy「カミそうですよね(笑)」
 
――最初『ノクルティカ』だと思ってました(笑)。
 
hozzy「実は俺も自分で名付けておきながら、そっちの方で覚えてました(笑)」
 
(一同笑)
 
――『ノクティルカ』は“夜光虫”という意味なんですよね?
 
hozzy「コレは“夜光虫”の英語表記で、『バク』(M-5)にも夜光虫という言葉が出てくるんですけど、タイトルには毎回アルバム全体通して聴いたときに思い浮かぶ色を付けてるんです。それがホントに夜光虫じゃないですけど、暗いところでぼやっと光る青い感じ…発光してるようなものが浮かんでるイメージがすごくあって。夜光虫は色の名前じゃないけど青も違うし、青白いもヘン(笑)。いろいろ考えてたら、ちょうど10年ぐらい前に地元の海で夜光虫の群れをたまたま見たのをハッと思い出して。夜光虫って刺激を与えると光るんですけど、まさにそのときの色だって。歌詞の中にも夜光虫が出てくるし、『ホタル』という歌もある…ネットで調べてみたら、英語で“ノクティルカ”だと。やっべぇ超いい響きじゃんってみんなにメールで送って」
 
渡辺「もう気合いの入った文章がね(笑)」
 
(一同笑)
 
――“ノクティルカ”って生まれて初めて聞きましたよ。
 
hozzy「俺もコレを作るまで聞いたことがなかったです(笑)」
 
――昔見たその風景が今回のタイトルにもつながって。ある種の青春がテーマにもなったりアルバムに、そういうタイトルが付いたのも面白い縁ですね~。あと、1つ安心して欲しいのは、20代より30代の方が面白い。
 
渡辺「おぉ~っ! キタ! キタキタ!」
 
hozzy「ホントっすか!?」
 
――コレは安心してください。圧倒的に面白いっす(笑)。
 
hozzy「アハハハハ(笑)」
 
渡辺「ヤバい(笑)」
 
hozzy「じゃあちょっと、心置きなく行こうと思います(笑)」
 
(一同笑)
 
――この言葉の意味が、次のアルバムを作る頃には分かると思いますよ。
 
hozzy「じゃあ今度はそれをインタビューで語らせてください。ホントでしたねって(笑)」
 
――まぁやっぱね、何かが終わってしまう感じはしますから、気持ちは理解出来ますけど。
 
hozzy「そうっすよね。終わる方ばっかに気がいっちゃうけど、そっか、始まることもありますもんね」
 
――そうですよ、だって次の10年が始まるんですから。だからまた“俺40になるの怖いっす”って、10年後にインタビュー出来たら最高だと思いますよ。ドキドキするようなことをまだやろうとしていたらね。
 
hozzy「そのモチベーションを持ってたらコレ、本物ですね」
 
――そういうバンドになれてたら最高。さらに今の4人のままだったらなお美しいけど。逆に公務員になってる人がいるかもしれないですけど(笑)。
 
(一同笑)
 
hozzy&渡辺「ありえますね~(笑)」
 
――そして、ツアーは地元の小田原から始まって、クライマックスは東名阪でファイナルと。ちなみに大阪って藍坊主にとってどんな印象なんですか?
 
hozzy「イメージ的に手強さみたいなのは結構あったんですけど、最近はみんながウェルカムで、むしろもっと来いよ!みたいな感じで迎えてくれる。ここ何年かぐらいで男のお客さんが増えて、半分以上男みたいな(笑)。だから俺は、男がすげぇ元気な気がするんですよね~」
 
渡辺「すっごい印象に残ってるんですけど、以前BIGCATでやったときに、ヒップホッパーみたいな、キャップを斜めにかぶって帽子のつばに金色のシールが付いてるみたいな人がいて」
 
hozzy「湘南乃風と間違えたんじゃね? 藍坊主、名前が似てっから(笑)」
 
(一同笑)
 
渡辺「でもその子が前の方ですごく楽しそうに観てくれてたのが、なんか記憶に強く残ってるんですよね。お客さんのバラエティが他のどこよりも幅広い気がします。いろんな人が来てくれてるなって」
 
hozzy「すっげぇギャルみたいな女の子もたまに混じってて。それも俺らのことを湘南乃風と間違えてんじゃないかって…(笑)」
 
(一同笑)
 
――ツアーに向けては何かありますか?
 
渡辺「まず、2年ぶりのアルバム、お待たせしましたというところと、ツアーも2年ぶりで、大阪ワンマンも2年ぶりと。ただ、久しぶりにツアーが出来るのは楽しみだったんですけど、リハを繰り返す内に乗り越えなければならない壁が幾つか出てきまして。これがクリア出来たら、もう一段新しい藍坊主をやれそうな気がする。そういう意味では今回のツアーは楽しいだけじゃないツアーになると思うんで、ぜひ一緒にライブがしたいんですよね。ライブって自分たちだけがやるもんじゃないので、そういうライブ会場の雰囲気を一緒に作る作業がしたい。ぜひツアーに来てもらいたいなと思います」
 
hozzy「また次の作品を作る上で、今回のツアーに来てくれる人たちの反応とか、その人たちを見て湧き上がってくるモノを感じたいなって。表情をちゃんとキャッチして、創作意欲につなげるというか。ぶっちゃけもう、今は何もない空っぽな俺なんで。30歳を越えたところでの楽しみ方…新しい、まだ自分が作ったことのない曲だったり言葉が出てこないと、全然面白くない。そういうものを見つける意味でも、今回のツアーはすごく大事にしたいと思ってるし、大阪に来たときは、やっぱりみんな楽しませるライブをしたいですね」
 
――30過ぎるとドキドキはそんなにしないけど、いざドキドキしたときはヤバいよ。
 
(一同笑)
 
――それを信じてやってかないと意味がないと思うと思います。ウェルカム・トゥ・ザ・サンジュウですよ(笑)。
 
hozzy「いや~ちょっと勇気出てきた(笑)」
 
――それではまたライブでお会いしましょう。本日はありがとうございました!
 
hozzy&渡辺「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 



(2012年7月 5日更新)


Check

Release

瑞々しいバンドサウンドが胸を掴む
原点回帰の6thアルバム!

Album
『ノクティルカ』
発売中 3000円
トイズファクトリー
TFCC-86381

<収録曲>
01. 天国からの手紙
02. イエロームーンチャイルド
03. 生命のシンバル
04. 花火計画
05. バク
06. 夜はひらめく
07. エフィラ
08. メテフィラ
09. ホタル  
10. 涙が滲む理由

Profile

あおぼうず…写真左より…藤森真一(b)、渡辺拓郎(ds)、hozzy(vo)、田中ユウイチ(g)。’99年、当時高校生だった藤森とhozzyとで前身となるブルーハーツのコピーバンド、ブルーボーズ"を結成。’01年、藤森の保育園からの幼なじみ田中が加入し、バンド名を藍坊主に改名。インディーズでアルバム1枚、シングル2枚をリリース後、’04年5月にアルバム『ヒロシゲブルー』でメジャー進出。’05年3月リリースのメジャー1stシングル『ウズラ』から渡辺が加入し、現在のメンバー編成となる。秀逸なメロディと共感度の高い身近なテーマを題材にした歌詞、ライブを積み重ねることで身に付けた確かな演奏力と透明感のあるボーカルが持ち味。音作りのみならず、ジャケットやポスター、ツアーTシャツのアートディレクションに至るまでメンバーによるセルフプロデュースで行われ、2ndシングル『スプーン』(’05)以降パッケージの中で何らかの形でhozzyのイラストが使用されている。

藍坊主 オフィシャルサイト
http://www.aobozu.jp/


Live

全国ツアーも残すところは東名阪!
2年ぶりのワンマンライブが各地で

『aobozu TOUR 2012 ~夜型人間は朝眠る』
【名古屋公演】
Thank you, Sold Out!!
▼7月7日(土)18:00
名古屋クラブクアトロ
スタンディング3800円
当日券その他のお問い合わせは…
ジェイルハウス■052(936)6041

【大阪公演】
Thank you, Sold Out!!
▼7月8日(日)18:00
梅田クラブクアトロ
スタンディング3800円
当日券その他のお問い合わせは…
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。

【東京公演】
チケット発売中 Pコード165-226
▼7月20日(金)19:00
Zepp DiverCity(TOKYO)
1F立見3800円 2F指定3800円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※ドリンク代別途必要。

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Present!!

『ノクティルカ』直筆サイン入り
クリアファイルを2名様に!

【締切】7月31日(火)23:00
※当選は発送をもって代えさせて頂きます。