‘10年代のリアルを描くpaioniaが
バンドの結成からルーツであるSyrup16gへの想い
1stミニアルバム『さようならパイオニア』リリースまでの
怒涛の日々を語るインタビュー&動画コメントが到着
日常にコミット出来ないもどかしさや違和感を感じつつ、かと言ってドロップアウトする程の衝動もない。彼女に振られれば女々しくもなるし、身も蓋もないことも言いたくなる。強がってみてもそれも嘘だと自分にバレている。ミュージシャンだからと言って誰しもに劇的なストーリーは訪れないし、うだつのあがらない1人の男にもドラマはある。そんな“リアル”を切り取った世界観をメロウなサウンドに装填した1stミニアルバム『さようならパイオニア』を3月にリリースしたロックバンド、paionia。孤高にして愛すべき伝説のバンドSyrup16gに憧れた’88年生まれの若者が描く日々は、ロックミュージックのフォーマットに落とし込むために過剰に感情のフェーダーを上げることなく、24歳の目線で、温度で、時にそれは足りないからこそリアルで、素直で誠実だ。東京は下北沢を拠点にじわじわとその期待度を増す彼らに、結成からレーベルとの出会い、そして新作までをインタビュー。ライブへの意外な観点から元カノの話にまで飛び火した(笑)、バンドのはじまりのストーリーを味わって欲しい。
paioniaの慣れてない感ちょいアリの初々しい(?)動画コメント!
――’08年に高橋(vo&g)&菅野(b&vo)で結成ということですけど、そもそも2人はそれまでどういう風に音楽を始めて、どういう風に出会ったんですか?
高橋(vo&g)「僕は小6の終わりぐらいからちょっとギターを弾いていて。親父がフォーク世代で、それに影響を受けた、というよりはやらされたんですよ(笑)。最初はイヤイヤだったんですけど、やっぱりコードが弾けたりすると楽しいなって。そこからのめり込んでいって、中学の間はホントにずっと1人で、家でただギターを弾くっていう。高校時代には軽音に入ってギタリストをやってたんですけど、でもコイツの場合は…」
菅野(b&vo)「全然バンドも組まなくて、家で3年間ベース弾いてました(笑)」
――めっちゃ暗いやん(笑)。一応、軽音学部には入ってるのに。
菅野「姉がバンドやってたんで、最初は僕もやりたいなって思ってたんですけどね。ギターはみんな始めるし、ベースの方がかえって需要があるんじゃないかっていうところで楽器は選びましたね」
――なのにバンドは組まないみたいな(笑)。
菅野「はい(笑)。組めなかった、僕に甲斐性がなくてね」
――家で3年間ベース弾いてる人と(笑)、一緒にバンドをやろうとなったのは?
菅野「結構お互い似た音楽が好きで。でも彼は彼で別にバンドやってたし、受験とかでバンドから一旦離れて…まぁ大学入ってからやろうみたいな感じで」
高橋「コイツはストレートで大学に入ったんですけど、僕は浪人して。そこで、地元のコンテストに出てみるかっていうことでようやくバンドを組みまして。ドラムはいなかったので地元の先輩に叩いてもらって」
――福島県の大学に行ってたんですか?
菅野「いや、たまたま2人とも大学は東京で、夏休みに福島に帰ったときにそのコンテストがあったんで」
――ややこしい(笑)。
高橋「ちょっとビビったというか、東京のコンテストに出たらすごいヤツがいそうなんで。福島だったらいけんじゃないか?って」
――福島ナメんなよ!(笑)
(一同笑)
菅野「ナメてましたね(笑)。でもね、ナメてたから」
高橋「何の賞も取れず」
――最初から音楽の趣味が合うなとは何となく思ってたわけですね?
高橋「というかもう、僕は菅野にすごい影響を受けてて」
菅野「Syrup16gとかね」
高橋「必然的に同じものが好きになっていくという(笑)」
――高校時代にもうSyrup16gがいたんだなぁ~もうそれはすごい青春時代だな(笑)。どういうきっかけで聴き始めたんですか?
菅野「姉がたまたまCDを借りていて、ちょっと気になってたんで僕も聴いたみたんですけど、すごくいいなって。アルバム『coup d’Etat』(‘02)を最初に聴いたんですけど、もう今までに聴いたことがない歌詞だったんで。でも、確かに僕もこう思ってるな~って、久しぶりに気持ちとリンクしたというか」
高橋「僕は最初はピンと来なかったんですよ。でも、浪人中に聴き直したら、もう“うわぁ~!”ってハマっちゃいましたね(笑)」
尾瀬(サポートds)「僕は大学に入ってから知ったんですけど、他のバンドと圧倒的に違うと思ってるのは、鬱っ“ぽい”ことを歌ってるバンドが多い中で、Syrup16gは…どす黒いホントのものを感じて。潔さじゃないですけど、コレを歌にして世に出して表現するのってすごいなって。もちろんドラムの中畑さんも好きなんですけど、歌詞にかなり引き込まれてました」
高橋「歌詞ですね、みんな」
――僕がSyrup16gに一番最初に出会ったのが、インディー時代のアルバム『COPY』(‘01)だったんですよ。当時レビューを書くために聴いて、もうすっごい衝撃を受けて。自分が確かに思っているのに気付いてなかった、無意識を意識させてくれるというか、感覚を覚醒させるというかね。やっぱりスタイルで音楽をやっていないのは聴いてて完全に伝わってくるし。そんな器用な人じゃないっていうのがね。
高橋「そうですよね~まさに」
――じゃあその原体験があって、バンドを一緒に組み、どこでドラマーが合流するんですか?
高橋「実は一番最初にドラマーとしてバンドに誘ったのは、彼(尾瀬)なんです。大学の友達の友達ということで存在は知ってて、界隈では上手かったんで。でも」
尾瀬「僕が別のバンドをやるんで話が終わっちゃったんですよ」
高橋「なので違うドラムに決まったんですけど、2年ぐらい活動して、やはり就活ということで辞めて。そこで改めて誘ったら、そのとき彼はもうフリーだったんで」
尾瀬「いいタイミングだった。ちょっと前にバンドを辞めてたんで」
高橋「そしたらもうリリースとかの話がポンポン進むというか、もう目まぐるしすぎて。早かったですね~」
尾瀬「僕、運いいんですよ(笑)。自分でそう言うのは好きじゃないんすけど、例えば懸賞ハガキを書くと、結構な確率でビールとか米が当たったりするとか(笑)」
――そうなんや!(笑)
尾瀬「あと、森永チョコボールのキョロちゃんの景品、僕の周りでほとんど当てた人がいないんですけど、僕はもう4回ぐらい当ててたり」
(一同笑)
高橋「めっちゃ買ってるんじゃないの、それ?(笑)」
尾瀬「いやいや。まぁそういう小っちゃいことなんですけどね(笑)。あ、あとお金はよく拾いますね」
――アハハハハ!(笑)
尾瀬「ちゃんと届けますけど、5000円とか」
――マジで!?(笑)
尾瀬「額が額なんで、目の前にあった和菓子屋さんに“コレ落ちてました”って渡して。ホントに今までの人生累計で、結構な額にめぐり合ってますよ(笑)。自販機のお釣りとか」
――じゃあ最悪、手ぶらで家を出ても、まぁ金拾うから大丈夫かみたいな感じやね(笑)。
(一同笑)
伝えたい気持ちとかはないんですけど
とにかく思ってることを、ホントにそのまんま書く
――曲を書くようになったのはいつ頃だったんですか?
高橋「高校時代も曲みたいなものは作ってたんですけど、当時はギタリストだったし演奏の部分だけ作って、あとはボーカルの奴に任せるっていう。歌詞もメロディも書いてというのは、ホントに大学に入ってからですね。歌に関しても、Syrup16gを聴いてボーカルもやりたいなっていう気持ちにさせてくれたというか」
――歌うこと自体も昔から好きだった?
高橋「そうですね~カラオケとかも好きだったんで。あと、最初はフォークギターから始めた=弾き語りも多かったので。歌うこと自体は好きでしたね」
――paioniaとして何を伝えたいとか、核となるものはあるんですか?
高橋「伝えたい気持ちとかはないんですけど、とにかく思ってることを、ホントにそのまんま書く。ゆら帝(ゆらゆら帝国)とかの歌詞もすごく好きなんですけど、自分はそこまで想像力がないというか。でも自分が出来ること、思ったことを書くぐらいなら出来る。やっぱり今まで聴いてきて好きになった音楽も、Syrup16gはじめTHE BACK HORNとか、嘘がないのがカッコいいと思っていたので、絶対に嘘は書きたくない、それは核だと思ってます」
――2人から見て高橋さんの書く曲って、どういう風に感じてます?
菅野「素朴だなと思います。あとリアルだなって。ノンフィクションの歌詞…例えば“あ、あの人の歌詞ばっかり”みたいな(笑)」
――またコイツの歌かよみたいな(笑)。
尾瀬「アハハハハ(笑)。まさに彼というものが出てる。ホントにそのままの形で、素晴らしい(笑)」
――今作には入ってませんけど、今後は菅野曲の入った音源も楽しみですね。
尾瀬「そうですね。実は僕、最初は菅野くんの曲を聴いてpaioniaに可能性を感じたんで」
菅野「ありがとうございます(照笑)」
音楽って曲だけじゃなくて、その人の人柄とか、ユーモアとか
そういうのを含めて好きになる
曲と人間像に違いがないと思ってくれてたらいいなって
――今作『さようならパイオニア』のリリースまでの流れはどんな感じだったんですか?
高橋「去年の夏に『素直』(M-3) 『何もできない』(M-4)をまず配信リリースして。ホントはそれだけのはずだったんですけど、今のDAIZAWA RECORDSの担当の方が、僕らの過去の自主音源を聴いて、アルバムも出そうと決意してくださって」
――まずはとりあえず配信だけの予定が、過去の音源にポテンシャルを感じてくれたと。それこそあれだけ好きだったSyrup16gとかが在籍したDAIZAWA RECORDSから、ピンポイントで話が来たときってどう思ったんですか?
高橋「いやもうコレは…」
尾瀬「大騒ぎだった」
菅野「幸せだった」
高橋「その事実だけでもう死んでもいいかな…」
――アハハハハ!(笑) あかんあかん!
高橋「ぐらいの気持ちでしたね(笑)、ホンットに。やっぱりDAIZAWAはSyrup16gという存在があって知ったようなもんだったし、単純にDAIZAWAから出てるアーティストをよく聴いていたので。いや~信じられなかったっす」
――ライブ後に声を掛けられて、みたいな感じだったんですか?
高橋「いや、DAIZAWA RECORDSの固定電話から(笑)。“CD出さない?”みたいな。“あ、あ、はい…”みたいな、もう何がなんだか…という状態で。騙されてんじゃないかって(笑)」
(一同笑)
尾瀬「だから去年の夏からの記憶がホントにフワフワしてて」
菅野「濃密だったよホント」
高橋「DAIZAWA RECORDSだと椿屋四重奏とかも聴いてたんで、今回のドラムテックで小寺良太(ds・ex.椿屋四重奏)さんがレコーディングの初日に来てくれて。それももう…信じられなかったですね」
菅野「嬉しかったですね~」
――どんなアルバムにしようというビジョンはありました?
高橋「コンセプトとかはないんですけど、ホントに今までのベスト盤的な」
――そうなるといろんな時代の曲もあると思うんですけど、歴史を顧みて自分たちはこういうバンドだ、こうなりたいと見えたところはありますか?
高橋「Syrup16gの五十嵐(vo&g)さんだったりもそうですけど、曲のイメージとプライベートが一緒というか…音楽って曲だけじゃなくてその人のインタビュー記事を読んだりして、その人の人柄とか、ユーモアとか、そういうのを含めて好きになる。そういう風に曲と人間像に違いがないと思ってくれてたらいいなって」
――例えば『no youthful』(M-2)とかも、若さって普通は肯定すべきものというのが世間一般の価値観ですけど、この曲のそれはちょっと捉え方が違いますよね。
高橋「まぁ僕らが今、大人なのか子供なのかもよく分かんないし、幾つになっても葛藤はあるかも知れないですけど、いろいろ考えちゃう。とにかくキツイんですよね。僕の中で大人になる=いろいろ受け流していけるというか。だから、大人になったら楽だろうなっていう(笑)」
――2年後にはこうじゃないかもしれないし、そう考えるとまさに今の言葉というか。
高橋「そうですね。自分でもよく分かってないというか、何も答えが出せてないので。まぁ『スケールアウト』(M-6)に関しては、一応“自分しか信じない”という答えは出てるんですけど。ポジティブな意味でね。誰が正しいかはホントに、誰にも分からない。だからこそというか」
――あと、気になったんですけど、『何もできない』『彼女の握る手』(M-5)は同じ人物が対象なんですか…?
高橋「…はい(小声)」
(一同笑)
菅野「今んとこ全部一緒だろ?(笑) 自主音源のヤツとかも全部一緒ですよ」
――そうなんや(笑)。俺が歌詞から同一人物だと感じたってことは、それだけ素直に書いてるということですね。
高橋「見抜かれましたね(笑)。コレは時系列なんですよ」
菅野「ね~」
尾瀬「フフフフフ(笑)」
(一同笑)
菅野「今すっげぇ楽しい(笑)」
――それだけ自分にとってハードな出来事というか、大事な人だったってことですよね。
高橋「そうですね~ハードでしたね。人生でこんなことあるんだって感じだったので」
――それはまぁ…載せるか分かんないけど教えてください(笑)。
(一同笑)
高橋「いや、ただ単純に俺が付き合ってた女の子にフラれた…だけのことなんですけど、まぁ歌詞を見てお分かりの通り、もうバカみたいに信じてたんで。それを唐突に言われ、自分だけ何も気付いていなかったみたいな」
――“好きな人が出来たから別れたい”みたいな?
高橋「いや…なんか、“好きかどうか分かんない”みたいな」
――うわ~(笑)。そう言われたときどう返したらいいんやろうね…。
高橋「でも僕はそこで、お互いめっちゃ好き同士じゃないと絶対に付き合っちゃいけないと思ってたので、“じゃあ別れよう”って言ったんですよ」
――向こうが言ってきたわけじゃないのに? それは気持ちにブレがあると。
高橋「そうです。じゃあ付き合ってられないって、僕が断ち切ってしまった…。僕はホントは別れたくないんですけど、いざ言っちゃったら…」
菅野「あれよあれよとな」
高橋「本当になってしまったという。最初はちょっと期待してたんですよ。また戻って来るんじゃねぇかっていうポジティブなシンキングでいたんですけども…(笑)。『何もできない』はフラれてすぐに作った曲で、『彼女の握る手』はそれから2年近く経った後、もう1回告白したときに…」
――アハハハハ!(笑) もう1回いったんや! すげぇ!
菅野「で、“ダメ~!”ってね」
(一同笑)
高橋「それでホントにダメなんだ…って思い知らされて。でも、最後には“ありがとう”って言えたんですけど」
――何も言わなかったら、“彼女も後悔してるかもしれない”とか、そういう風に前向きに捉えられるけど、その賭けに出たことで、“ナシ”ってハッキリしてしまう怖さが。
高橋「そうなんですよ(笑)。いや~断ち切りましたけどね。アドレスも消して」
――そう考えたらこの4、5曲目に1人の男の1つの歴史が(笑)、描かれている。
高橋「そこに気付いてくれたらもう」
菅野「ここまで聴いて、解釈して頂けるって嬉しいね」
高橋「いや~嬉しいですね~。こんなに言って頂いたのは、初めてだったから」
――でも、自分の心がマイナスだろうがプラスだろうが、揺さぶられたことで曲が生まれたわけですもんね。
高橋「そうですね。だからホントに、コンスタントに曲が書けないんですよ。そういうことが起きたとき、バーっと歌詞を書くんで。ちょっとそれが問題なんですけども(笑)」
――例えばメジャーデビューして、“じゃあ来月までに30曲書いてきて”って言われたら…。
高橋「絶対ムリっすね(笑)」
――そんな30コもドラマないと(笑)。
高橋「もう毎日女の子に告白するしかない(笑)」
――このアルバムが出来上がったときはどう思いました?
高橋「単純に嬉しかったんですけど、ホントにがむしゃらに録ってしまったので、緻密さはないと(笑)。でもホントに精一杯で、なんかその感じがいいなって。自分で言うのもアレですけど」
――数年後にDAIZAWA RECORDSから出た『さようならパイオニア』聴いて、衝撃が走って音楽を始めましたとかいうヤツが出てくるかもしれない。
高橋「ソレはもう死んでもいいっすね~!」
菅野「そういう人たちを、待ち望んでますね。やってもらいたい、自分のバンドを」
――今回のタイトルが『さようならパイオニア』ということですが、改めて由来を聞かせてください。
菅野「僕らは最初カタカナで“パイオニア”だったんですけど、それだと例の大企業があるから、いろいろな著作権に引っかかる。そうならないために、小文字ローマ字表記にしようという運びがあったんで、カタカナの“パイオニア”に別れを告げて始めましょうという意味ですね。あとは1stで“さようなら”っていう面白さ」
――じゃあpaioniaというバンド名はそもそもどこから?
高橋「コレはゆらゆら帝国の『パイオニア』(マキシシングル『ゆらゆら帝国で考え中』(‘00)収録)っていう曲の怪しさから(笑)」
菅野「でも、“先駆者”とかそういう意味合いを込めてやってると思われがちで」
――普通それが一番に来ますからね。じゃあ俺たちが何かを切り開いて行くぜ! とかじゃないんや(笑)。
菅野「全っ然ない!(笑)」
この先30になっても40になっても
年相応の気持ちをちゃんと出せてたらいいな
――全国でライブする機会もこれから増えるでしょうけど、ライブはpaioniaにとってどういう場所なんですか?
菅野「実は環境としてのライブハウスは好きじゃなくて。嫌煙家だし」
――そうなんや(笑)。
菅野「ただ、演奏を生で聴けるということは、やっぱりかけがえがないじゃないですか。だから、とても大事な場所だとは思ってます。あと尾瀬松くんが前のドラムとタイプが違ってダイナミックというかすごく楽しそうに叩くんで、そういうところで結構こっちもアツくなれて、最近ライブが楽しいですね。ホントにこの半年とかじゃない? 楽しいって自覚出来たのは」
高橋「今までライブの良さ、楽しさがあんまり実感出来てなかったので。僕ら自身、人のライブを観に行く習慣が全くなくて、家で1人で聴きたい派なので(笑)。だから何でそんなにみんなライブに行きたいのかな~って」
――アハハハハ!(笑)
高橋「場所も地下とかで、なんかこう気分が滅入る(笑)」
菅野「暗~いところでね。音もうるせぇしよ~って」
尾瀬「アハハハハ(笑)」
高橋「携帯の電波も入んないし」
菅野「でもノルマはしっかり取られますから。で、適当な店長に言いたい放題言われる(笑)」
(一同笑)
――それで言うと尾瀬松島が、ライブが楽しくなるぐらいの新しい風を…。
菅野「そうそうそう」
尾瀬「ありがとうございます(笑)」
――ライブは音を生で感じるのもそうですけど、視覚的な要素もめっちゃデカい。このCDを作ったヤツらが、目の前に確かにいて歌を歌ってる。それこそそれもリアルじゃないですか。全国の中で、今まさに自分の目の前にいるっていう事実を突き付けられる場所なんで、それは観る人にとってやっぱり嬉しいですよね。
高橋「なるほど。確かに」
菅野「楽しみにしたいっすね、はい」
――最後にpaioniaの今後の将来像があれば聞きたいなと。
高橋「今こういうスタンスで曲を作っていて、この先30になっても40になっても、年相応の親父の気持ちをちゃんと出せてたらいいな…とだけ、思いますね」
菅野「paioniaじゃなきゃ出来ないことを増やしていきたいですし」
――次の作品の形態は分からないけど、まぁ歌詞を見たらこの間何があったかは分かる(笑)。
(一同笑)
高橋「何もないといいんですけどね~(笑)」
――アハハハハ!(笑) でもないと、いい曲出来ないでしょ?
高橋「まぁそうっすね~(笑)」
――だから“アルバム”ってよく言ったもんで、作り始めて完成するまでの僕たちの記録というか。
高橋「そうですね、一生そうなんじゃないかな。アルバムのことを考えて曲を作ったら、やっぱりどこかで嘘が交じる。今はそんな気がしてるので」
――じゃあまた次の作品を楽しみにしてますよ。本日はありがとうございました!
高橋&菅野&尾瀬「ありがとうございました!」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2012年6月 1日更新)
Check