インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > “和製スティーヴィー・ワンダー”木下航志の才能のもとに モンパチ、スタレビ、スクービー、ノーナに吾妻光良までが集結! 1stアルバム『Kohshi』インタビュー&動画コメントが到着

“和製スティーヴィー・ワンダー”木下航志の才能のもとに
モンパチ、スタレビ、スクービー、ノーナに吾妻光良までが集結!
1stアルバム『Kohshi』インタビュー&動画コメントが到着

 生後1ヵ月で未熟児網膜症のために光を失いながら、2歳よりピアノを始め、幼少期よりジャズに傾倒。そのソウルフルな歌声と生き様から“和製スティーヴィー・ワンダー”と称される盲目のシンガーソングライター、木下航志。’05年のCDデビュー以降、着実なライブ活動とひたむきに音楽と向き合うミュージシャンシップに、リスナーはもちろん多くのアーティストが魅了され、10月28日にリリースされた待望の1stフルアルバム『Kohshi』では、そのケミストリーと才能が一気に開花! MONGOL800のキヨサクの書下ろし曲あり、スターダスト・レビューの根本要のギター&コーラスあり。SCOOBIE DO や 日本ブルース界の鬼才・吾妻光良(吾妻光良とThe Swinging Boppers)、NONA REEVESの西寺豪太(vo)に小松シゲル(ds)、ズクナシの衣美(vo)etc、彼の魅力に惚れ込んだミュージシャンが多数参加した同作。プロモーションで大阪を訪れた彼に、現在の心境を訊いた。

アルバムへの想いと関西へのメッセージ動画はコチラ!

――’05年にデビューシングル『通り雨』がリリースされてから6年、今年の10月28日に遂に1stフルアルバム『Kohshi』がリリースされましたが、率直な今の気持ちはどうです?
 

「ようやく自分らしいアルバムが出来たなぁっていうのはありますね。今まではスタッフの方の意見に自分が乗るような作品になっていたんですけど、今回は明確に自分の中でこういう音楽がやりたいという意思があったので。やっとそれがかたちになって、アルバムが出来た。すごく達成感がありましたね」
 

――今までのキャリアの中で、それこそミニアルバムを何枚も出されてますけど、フルサイズのアルバムは今回が初めてで。さっきの発言の中にも明確に自分の中でやりたい音楽があったと言ってましたけど、具体的には?
 

「今回はピアノをメインにしたアルバム、基本的に弾き語りで、ライブで再現出来ることをコンセプトに作ったアルバムですね。そうじゃない他の曲はなるべく省くようにはしましたけど…まぁなかなかそうも出来ない曲もあったりして(笑)」
 

――(笑)。今回はゲスト陣もバラエティに富んでいて、ひとつ大きなポイントとしてMONGOL800のキヨサクさんとの出会いあったと思いますが、どうやって一緒にアルバムを作ろうという話になったんですか?
 

「共通のスタッフの知り合いがいまして、その方が去年キヨサクさんと結び付けてくれて。シングルを除けば3年ぶりのリリースになるんですけど、次はどのレーベルから出そうかな?と思っていたときにキヨサクさんから“じゃあウチでどうでしょう?”と声を掛けて頂いたので、じゃあもう“よろしくお願いします”っていう」
 

――そのスタッフの方も、木下さんとキヨサクさんは波長が合うんじゃないか、結び付けたら面白いんじゃないかと思っていたのかもしれないですね。初対面の印象で何か感じることはありました? もちろんモンパチの存在は知ってましたよね?
 

「はい。なんかすごく音楽に前向きな人だなぁっていう感じでしたね。東京でキヨサクさんが主催するアコースティックのユニット・The NO PROBLEM’sのライブがあったんですけど、会ったその日に“出てみない?”って言われて、ちょっとビックリしちゃって(笑)」
 

――え? 結局出たんですか?
 

「はい(笑)」
 

――すげぇ!(笑)
 

「そう言ってしまうキヨサクさんもキヨサクさんだなっていう風に思ってですね(笑)」
 

――でもそれ、出てしまう木下さんも木下さんだなってキヨサクさんも思ってるかも(笑)。
 

「いやいや(笑)。キヨサクさんは僕のドキュメンタリー番組を観て頂いてたみたいで、薄々存在は知ってくれてて」
 

――なるほど。じゃあ木下さんとしても突然の誘いではあるけど、出てみようかなと思わせる空気だったり、人柄があったってことですよね。
 

「何かがありました。言葉にするのは難しいんですけど、ありましたね。人を惹き付ける独特のものが」
 

――その日のライブは実際にやってみてどうでした?
 

「一発で“あれ? なんかイケるんじゃないか”って思いました(笑)。それからThe NO PROBLEM’sでもピアノと歌をちょこっと担当させてもらってます」
 

――そうなんですね。まずそういう出会いがあって、じゃあ実際にアルバムを作りましょうという中で、今までのレコーディングや制作と変わった点って何かありました?
 

「今まではかなり短期間でレコーディングをしてたんですけど、今回は結構時間をかけて、ゆっくり制作出来たアルバムでしたね。ですので、込もってる想いもひとしおなんで」
 

――今作では『pray』(M-11)など曲自体もキヨサクさんが書くパターンもありましたけど、自作ではない曲をプレイすることに関してはどうでした?
 

「キヨサクさんが作ってくれた想いも大事にしつつ、自分の演奏する部分も大事にしつつやったんですけど、キヨサクさんから“好きな風にやっていいよ”って言われたので、すごく気が楽って言ったらアレですけど、結構やりたいようにやらせて頂きましたね。ただ、今回はゆっくりめの曲を結構書いてもらったんで、どう歌えばいいのかがなかなか明確にならずに苦戦しながらも、やり切りました(笑)」
 

――でも個人的には、今回のアルバムの中では『風の扉』(M-3)や『pray』、『梅雨空』(M-8)であったり、割とゆったりめな曲が好きなんですよね。ライブさながらのエモーショナルな感じもあるし。
 

「ピアノと歌を同時に録ったので、そんな感じが…」
 

――なるほど。そういう空気感やある種の緊張感みたいなものが、逆に心地よく感じられたのかもしれない。あと、キヨサクさん以外の参加メンバーで言うと、スタレビの根本要さんなんかはどういう接点があったんですか?
 

「根本さんが熊本でテレビ番組をやられてて、その番組でよく一緒にセッションさせてもらったりしてたんですよ。で、今度何かやりましょうよって話になったときに、自分がアルバムを出すので根本さんに参加して頂こうということで、今回実現しましたね」
 

――そういうのってだいたい口約束でね、終わったりしますけど…(笑)。
 

「そうですよね(笑)」
 

――ちゃんと実現して、しかも『Dream Girl』(M-2)『Love』(M-10)の2曲に参加してもらってと。音楽の世界の大先輩で、しかも今現役で走ってる方と一緒にやってみることで、何か新しく感じることはありました?
 

「すべての作業がサクサク進むので、やっぱりすごいなぁと。しかもあの味わい深いギターだったり歌を入れてくれるので、流石というか、すごくありがたかったですね。いつものお喋り好きの根本さんとはもう訳が違う(笑)」
 

――(笑)。あとはモンパチのレーベルメイトでもあるSCOOBIE DOも、木下さんとはすごく意外な組み合わせだなと思ったんですけど。
 

「僕の制作をやってくれている方がSCOOBIE DOと引き合わせてくれて。ここまでジャンルが違う方とは初めてだったんですけど、意外にしっくりきましたね。両者が上手い具合にミックスされて、すごくいい曲が出来たなと思ってます。これまたありがたい!(笑) また今後もご縁がありそうだなと思いましたね」
 

――面白いですよね。ホントに両方のいいところが出てるというか。『Love』ではSCOOBIEならではのベースラインだったりサウンドを感じながらも、曲は木下さんの色っていう。さらに吾妻光良さんとのコラボ曲『School Days』(M-6)は、アメリカのポピュラーミュージックに日本語詞を当てはめて作ったんですよね?
 

「今回初めてこういう取り組みをやらせてもらってるんですけど、こういう速いナンバーも自分に合ってるのかなと思いましたね」
 

――今までここまでアップテンポな曲はなかった?
 

「ないんです、実は」
 

――他にもNONA REEVESの西寺郷太さんは詞で、小松シゲルさんはドラムで参加していて、ズクナシの衣美さんもコーラスで入っていたり、アーティストのチョイスがめちゃめちゃ粋だなぁというか、適材適所な感じがします。
 

「今回はプロデューサーでもありベーシストでもある名村武さんと一緒に、いろいろ話し合って試行錯誤したうえで、選んで参加してもらいましたね。この出会いは大切にしていきたいなと思ってます」
 

――レーベルからのオーダーがあって、スケジュールに沿って作るのもプロですけど、今作みたいに時間をかけて、自分が一緒にやりたいプレイヤーや人が引き合わせてくれたアーティストとモノを作るのは、今までとは違う充実感がありそうですね。
 

「なんか今回のアルバムは…長く聴いて頂けるアルバムにしたいっていう想いがすごくあって。12曲それぞれに自分の個性が出てるアルバムになったなと思いましたね」
 

――もうすぐ2011年も終わってしまいますけど、自分にとってどういう1年だったと思います?
 

「すごく充実した1年になったなぁと思ってます。素晴らしい皆さんに参加して頂いて、こういうすごいアルバムが出来て。来年はそのアルバムを引っ提げて、じっくりじっくり、皆さんに聴いて頂こうかなと思ってます」
 

――年内のライブは12月に広島で、年明けの1月には東京、鹿児島、宮崎でもライブが決まっています。来年はぜひ関西でもライブをしてもらえれば嬉しいなと。その日を待ってますよ。
 

「はい! ありがとうございました!」



Text by 奥“ボウイ”昌史




(2011年12月 2日更新)


Check

Release

豪華アーティストが多数参加した
6年越しの1stフルアルバム!

Album
『Kohshi』
発売中 2500円
HIGHWAVE
HICC-3325

<収録曲>
01. Music
02. Dream Girl
03. 風の扉
04. Trying to be a man
05. 僕の新しい携帯電話
06. School Days
07. 煩悩のブルース
08. 梅雨空
09. My Blue Heaven(私の青空)
10. Love
11. pray
12. Blue, blue

Profile

きしたこうし…‘89年鹿児島生まれ。未熟児網膜症の為、生後一ヵ月で失明。’91年、お母さんが買ってくれたおもちゃのピアノを2歳で弾き始め、5歳よりクラシックピアノを始める。’04年にNHK総合にて『響け僕の歌 木下航志14歳の旅立ち』が放送され、大反響を得る。同年アテネパラリンピックのNHK公式テーマソングを担当。’06年、デビューミニアルバム『絆』を発表。’07年には2ndミニアルバム『Voice』、初の書籍『Voice~とどけぼくの歌声』、初のDVD『木下航志18歳の夏 ソウルを求めて』を発表。’08年に高校を卒業し、3rdミニアルバム『WE GOT RHYTHM』を発表。’09年、『ユース・アセンブリー2009』のイベントにおいてニーヨーク国連本部で日本人初のパフォーマンスを行う。’10年には米国マクドナルド主催による北米最大のゴスペルイベント『ゴスペルフェスト2010』にて日本代表として出演。今年6月にはMONGOL800のキヨサクプロデュースによるシングル『pray』を、同10月28日には待望の1stフルアルバム『Kohshi』をリリースした。

木下航志 オフィシャルサイト
http://www.kishitakohshi.com/


Live

年内は広島でリリース記念ライブ
年明けよりツアーを開催!

『ニューアルバム「Kohshi」
 リリース・ライブ』
▼12月4日(日)18:30
BLUE LIVE 広島
テーブル自由席3500円
※当日券その他のお問い合わせは…
BLUE LIVE 広島■082(250)5522
※小学生は保護者同伴に限り入場無料。


『LIVE 2012~Kohshi~』
チケット発売中 Pコード152-213
▼1月8日(日)18:00
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
全席指定3000円
HIGH WAVE TOKYO■03(5433)4326

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


チケット発売中 Pコード597-428
▼1月9日(月・祝)18:30
鹿児島CAPARVOホール
全席自由3000円
[ゲスト]キヨサク(MONGOL800)
SRファクトリー■099(227)0337

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


チケット発売中 Pコード597-490
▼1月14日(土)19:00
宮崎SR BOX
全席自由2500円
SR BOX■0985(83)3181

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら