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「1回1回のステージで大事に歌っていきたい」
楽曲『夜明け』やコンサートへの意気込みを聞いた
姿月あさとインタビュー!

11月22日(火)、サンケイホールブリーゼでコンサート『夜明け』を開く姿月あさと。オリジナルからジャズナンバー、懐かしいヒット曲など、様々なジャンルの楽曲を披露するというこちら。『夜明け』というコンサートタイトルの由来や、コンサートの構想、そしてバンドメンバーについて聞いた。

姿月あさとからのメッセージもどうぞ!

姿月あさと(以下、姿月)「『夜明け』というコンサートの題名ですが、昨年末に『アクトレス』というディナーショーを秋元康さんにプロデュースをしていただいたんです。その時に歌った8曲は、すべて私のオリジナル楽曲で、秋元さんが作詞をしてくださったものです。その中に『夜明け』という曲がありまして、今回のコンサートの題名にさせていただき、歌わせていただきます」

では、ディナーショー『アクトレス』の内容とは?

姿月「秋元さんが書いてくださった1曲1曲がストーリー仕立てになっていまして、私は女優という設定で、その女優が舞台に出ていく前の、楽屋での一こまが描かれています。自分が初舞台を踏んで、いろんな恋をしてというような一人芝居をしながら歌につながって行くという流れです。最後は、開演のブザーが鳴って、楽屋からステージに出て行くという設定なんですが、今回はその最後の3曲ぐらいをお届けしようと思っています」

秋元康との出会いは、様々な分野で活躍する表現者たちが日本文化の更なる深化と広がりを目的に参集したボランティア集団『エンジン01』での活動がきっかけだったそうだ。

姿月「2008年に『エンジン01』のシンポジウムで高知県に行って、坂本竜馬のミュージカルをやったんです。その総合プロデュースを秋元さんがなさって、私が竜馬役をやらせていただいて、そこからの出会いです。その後も私のコンサートを観に来てくださって。そして私のオリジナル作品の作詞も手がけてくださることになったので、大変大きなプレゼントを頂いたような気がします。ディナーショーでの曲を書いてくださったときは、1日1曲、夜中に詞が送られてくるんですね。曲も、何千曲とある中から秋元さんご自身がお選びになって。そうやって毎日1曲ずつ、夜中にメールで送られてきて、そのやり取りしていました。ものすごくお忙しい方でレコーディングも強行スケジュールだったんですが、そういう中で書いてもらえたことが、すごくありがたいことでした」

そのメールは夜中3時、4時に届いていたそう。

姿月「秋元さんに、“夜中にメールして1分以内に返事が返ってくるのはお前ぐらいだ”って言われました(笑)」

そうやって作られた全8曲のオリジナル曲。その中から『夜明け』を今回のコンサートタイトルに選んだ理由は?

姿月「『夜明け』の人生山越え谷越えみたいな歌詞が自分にも当てはまるんですね。人生を歌うといいますか、大きなテーマ性のある歌詞が大変深く、自分も詞を読んで涙を流して、最初は練習中も涙なしでは歌えないような感じだったんです。まだCD化にされていませんが、今は1回1回のステージで地道に、大事に歌っていこうと思っています」

その歌詞は、秋元康と話をした中で、生まれてきたのだろうか?

姿月「私が1年ぶりぐらいに開いたコンサートに秋元さんが観にきてくださったんです。で、久しぶりにコンサートができたことに泣けてきて、ステージ上でで“うぅ”ってなったんです。その姿をご覧になって、一緒に来られていた方に“姿月ってどうしたの?”と聞かれて、その方たちが“こういうことがあって”とおっしゃったそうです。でも、だからといってその後に私に“どうしたの?”とかお聞きになることもなく、『夜明け』の詞を書いてくださったんです。だから涙なしでは歌えないというか…。こんな素晴らしい歌があるとことをまだまだ、世の中にお知らせできていないので、地道に頑張って、この歌を世の中に広げていきたいと思っています」

そんな『夜明け』の歌詞で心に響いたフレーズはどこだろう?

姿月「…全部ですね。人生いろいろありまして、いろんな時期があったんですけど、“そういうことを忘れて、前に進んで行け”って言ってくださったのが秋元さんで。そして歌を書いてくださいました」

姿月が人生をかけて歌って生きたいという『夜明け』を含め、『アクトレス』の全8曲は秋元康との出会いによって作られた。それは宝塚歌劇団退団後、10年という節目に偶然、もたらされたものだったそう。

姿月「出会いの不思議さにも感動していますね。自分のオリジナル楽曲がほしいと、それを目標にしていたこともあって。そのためにいろんな活動もしてきて。人脈とか出会いとか、お金を出して買えるものではないですから…。本当に何なんでしょうね、出会いというものは。不思議ですね」

なお、コンサート『夜明け』では大よそ16曲を披露する予定だそう。ほかに、どんな楽曲を考えているのだろうか?

姿月「日本語の歌謡曲というか、昔懐かしい曲も歌おうと思っています。懐かしい曲って脳に張り付くという感じがありますよね。コンサートを観終わった後に、皆様が口づさんで帰れるような歌があったらいいなと思って選曲しています」

そして、それら楽曲を奏でるプレイヤーは、ピアノに榊原大、パーカッションに大石真理恵、ベースに竹下欣伸という顔ぶれだ。3人への印象を聞いた。

姿月「お一人お一人、すばらしいプレイヤーで。今回バンマスは榊原大さんなんですが、大さんらしさがありますね。大石さんはマリンバとパーカッションを。そして竹下さんはクライズラー&カンパニーの頃によくコンサートを観に行っていたんです。そんなふうに自分が観ていた方とご一緒できるのは大変光栄ですね。楽曲も、ああしよう、こうしようと言い合ってみんなで作ってます。よりよくなるためのセッションといいますか、そういうことができる大事な仲間ですね」

では最後に、ソロ活動を始めて今年で11年目。この先、新たなる10年、20年に向けての気持ちを聞いた。

姿月「宝塚では自分が想像していた以上の羽を背負わせていただいたので、退団のときにも“今日、羽を下ろしました。これからはまた違う羽を生やしたいと思います”と言って卒業しました。今、雛鳥に羽が1枚、2枚、ちょっと生えたくらいだと思うので、いつかまた違う、大きな羽を背負いたいと思っています」




(2011年11月17日更新)


Check

●公演情報

姿月あさとコンサート『夜明け』

発売中
Pコード:145-837(11月19日(土)まで販売)

▼11月22日(火) 19:00

サンケイホールブリーゼ

全席指定-6800円

[問]ブリーゼチケットセンター[TEL]06-6341-8888

※未就学児童は入場不可。

前売り券は11/19(土)まで販売!
チケット情報はこちら

●プロフィール

姿月あさと

しづきあさと●大阪府出身。1987年、宝塚歌劇団入団、初舞台は雪組。1998年3月には、宝塚歌劇団に65年ぶりに誕生した「宙組」のトップスターに抜擢される。そして2000年5月に宝塚歌劇団を退団。同年6月からはソロヴォーカリストとして活動を始めた。以降、コンサートやミュージカルなど、類稀な歌唱力を惜しみなく発揮したステージを展開している。

姿月あさと公式サイト
http://www.shizukiasato.net/