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「観ないと絶対損だからね! タダゴトじゃない!」
怒髪天 増子直純の言葉に嘘はなかった…
前代未聞のアレンジで聴かせたホールツアー初日レポ!

11月4日(金)、ここ大阪はNHK大阪ホールを皮切りに、怒髪天初のホールツアー【怒髪天&THE JOE-NETS『LIVE ALIVE TOUR 2011 "GOLDEN MUSIC HOUR"』】がスタートしました。
この怒髪天&THE JOE-NETSとは、増子直純(Vo)さん、上原子友康さん(G)、清水泰次(B)さん、坂詰克彦(Dr)さんの四天王プラス様々なミュージシャンを招いた、これまた怒髪天史上初のビッグバンド編成でのライブなのです。しかも、東京、札幌、名古屋、福岡と巡回するのですが、場所によってTHE JOE-NETSメンバーも異なるという、これ以上何を望もうかというかなり贅沢、そして本当にレアなライブなのです。
さきの大阪場所では、勝手にしやがれより田中和(TP)さん、福島忍(TB)さん、田浦健(T-SAX)さん、飯島誓(B-SAX)さんが、そしてソウルフラワーユニオンの奥野真哉(KEY)さんと、ギタリストのカトウタロウさん、女性コーラス隊、その名も“男前シスターズ”にうつみようこさん、BUGY CRAXONE・鈴木由紀子さん、detroit7・菜花知美さんがTHE JOE-NETSとしてご登場。かのブルース・ブラザーズ・バンドを髣髴させる、ド迫力のロックンロール・ショーを繰り広げました。
ということで、ぴあ関西版WEBでもさっそくその模様をレポート! 怒髪天といえば『ナニワ珍遊道』ですが、いつものフォーマットを飛び出して、最新ニュースとしてお届けいたします。なお、大阪場所はツアー初日ということで、事前発表された曲目以外は綴っておりません。ゆえに、ぼんやりしていて何を言っているのか、ご理解しがたい箇所もあるかもしれませんが、どうぞお許しください!

SPG_3409.JPG今年5月から2ヶ月に渡って行われた全国ツアー『LIVE LIFE LINE TOUR』のアンサーツアーという位置づけでもあった怒髪天&THE JOE-NETS「LIVE ALIVE TOUR 2011 "GOLDEN MUSIC HOUR"。これはさしずめ、怒髪天4人で全国を駆け巡り足腰を鍛え、作り込んだ強靭な肉体に、これまで観たことのない豪華絢爛な装飾を施したライブだったと思います。曲目も、何段階も上昇しながら山場が訪れてくる構成に。どこまで昇るのか、いつまでも上へ上へと連れていってくれるような、天井知らずの盛り上がりで楽しませてくれました。

開演前。ステージは幕が下りています。開演を告げるブザーが鳴ると、待ってましたと言わんばかりの拍手が起こり、幕が上がると同時にオールスタンディングに。そんな中、怒髪天&THE JOE-NETSのオールスターによるソウルミュージックで増子さんがご登場。「レディース&ジェントルマン! よく来た! We are 怒髪天&THE JOE-NETS!」という口上で、さらなる歓声と拍手が。その拍手もホールならではの厚みがあり、うわ~と会場を包み込むよう。この感覚をもまた、ホールライブの豪華さを味わえるポイントでした。

そんな拍手や手拍子の響きに、ゾクゾク、ワクワク、ドキドキするホーン、ピアノ、ギター、コーラスアレンジ。開幕と同時にパワフルな楽曲や祝祭的な楽曲が間髪入れずに披露され、「このツアーは本当、観ないと絶対損だからね! タダゴトじゃない! しかもこの大所帯に合う曲ばっかり集めてきたから! ギャラとスケジュールの都合上(笑)、もう二度と観られないメンバーだよ!」と増子さん。それは決して大げさな煽りでも何でもない、あの場いた誰もが納得した言葉だったと思います。




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アルバムをそのまま再現したような楽曲に異国情緒漂うアレンジが施されたもの、楽器が増えたことにより歌詞の心情がより伝わってくるものなど、どれも初めてのアプローチで楽しませてくれます。そしてイントロが流れるたびに大歓声が起こり、まさに「キターーーーーー!!」状態。もしもライブがニコニコ動画で配信されていたら、画面はこの一言で埋め尽くされていたことでしょう。そんなふうに、どんどん膨れ上がるお客さんの期待感。ステージではその期待をしっかりと受け止め、それ以上の音で返してくれる。終始そんな具合のやりとりがありつつ、私たちの期待と想像を遥かに越えるアレンジとスケールで聴かせてくれました。

SPG_3663.JPGそんな中、「このバンドで演奏するとすごくいいから」(増子)と、名曲『サムライブルー』を。ホーンセクションとツインギターが加わり、なんとも深みを増したサウンドでぐっと聴かせてくれました。その音には、この歌の持つ世界観を一つ抜け出たような、さらに普遍的なものへと昇華したような印象がありました。続く『サンセットマン』では、ピアノとボーカルから物語が綴られ、そこにつぶやくようなシミさんのベースが乗り、クライマックスでは琴線を揺さぶる友康さんのギターソロがありと、徐々に壮大な光景に。黄昏色に染まる照明も実に美しく、歌の世界に吸い込まれそうな魅力がありました。ちなみに、この2曲のアレンジは、友康さんの頭の中で鳴っている音を表現したものだそうです。

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SPG_3899.JPGSPG_4580.JPG途中、機材トラブルにも見舞われたのですが、ピアノ、ベース、ギター、ドラムによるアダルトなメロディをBGMに、増子さんがひたすらおもしろいことを話して修復を待つという時間も。増子さんのいつものお話のBGMが、“ワイングラス片手系”というのも、このライブでしか観られないものでした。ほかにも、奥野さん、カトウさん、友康さんによるバトルプレイもあり、その様子はまるでプロレス。ピアノVSギターVSギターという攻防戦は、かなり見ものでした。また、サウンドのみならずボーカルのアレンジや、レア曲にレアなアレンジを施すという贅沢な被せ技もありと、いずれも一つ一つを語ると夜が明けてしまいそうなボリュームでした。

SPG_4413.JPG MCでも、「たのしいネ! どうだい? こういうのも! ホント、あんまりないからね! いつもはスウェット、ジャージ姿の君たちの彼氏や旦那が、何かの記念日の時みたいにタキシード着てくるみたいな(笑)。友康、どう!? 楽しいね! 友康は演奏しているって感じだね! こんなホールでできるの、うれしいね! シミはちょっと後ろにいるから寂しいね!」と増子さん。ステージの立ち位置も、シミさんは坂さんのお隣という、これまたいつにないポジションだったわけですが、「気分は(YMOの)細野晴臣さんだよ!」とシミさん。また、ある曲のアレンジについて話しているうちに、坂さんの宇宙人説が浮上。「坂さんは本当は宇宙人だから。日本人のふりして喋ってる!」(増子)と、ときどき日本語が拙くなってしまうのも宇宙人だからという、衝撃の告白(!?)もありました。

いつものように笑いに包まれたところで、「ここでグッとくる曲を…」と、またしてもかなり深いところへ。そのうちの『夢と現』では、鐘の音のように深く響くシミさんのベースソロから始まり、レクイエムを髣髴させる奥野さんのオルガンに薄暗いライトの中から聴こえてくる増子さんの声。やがてドラム、ギターも重ねられてと、重層的に広がった音は胸に迫り来るものがありました。また、詩に描かれた様々な人生の断片が目の前に浮かんでは消え、しかし最後には深い悲しみの底から一筋の希望の光を見たような…と、まるで短編映画を観ているような感覚にも陥りました。

 そしてステージは一転、アッパーチューンの連発で歌えや踊れやの大騒ぎに。「このズボン、買ったばっかりなのにビリっていっちゃった!」と増子さん。その激しさ、おわかりいただけますでしょうか。「今日は最高だ! ありがとう! すごい嬉しい! 今日で全力を使い切りそうだけど、さらにズボンが破けそうな曲をやってやるぜー!」と絶叫してフィナーレへ。最後は聴けば必ず元気が出るあの定番曲を盛大なアレンジで聴かせて本編終了。そしてアンコールでもカバーに定番、新録ものをたっぷりと、しかもたたみ掛けるように披露して、怒髪天初のホールライブ・大阪場所は幕を閉じたのでした。


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何度も同じことを書いていますが、ホーン、ピアノ、ギター、コーラスとパートが増えたことで、すべての楽曲に聴いたことのないアレンジが施され、1曲1曲に驚きや感動が待ち受けていました。それがこのホールツアーの醍醐味なのですが、その一方で友康さん、シミさん、坂さんの姿や音も一層際立っており、プレイヤーとしての個性がさらにクロースアップされているように見えました。そんな姿を堪能できたのも、このビッグバンド編成ならではのことだと思われます。

うっかり瞬きを忘れてしまいそうなほど見どころが盛りだくさんの怒髪天&THE JOE-NETS『LIVE ALIVE TOUR 2011 "GOLDEN MUSIC HOUR"』、大阪公演のお次は、11月7日(月)に東京で。そして、札幌、名古屋を巡り、千秋楽は11月25日(金)の福岡場所。各地で「行こうかどうしようか…」とお悩みの方は、まだ間に合います! この機会をぜひお見逃しなく。

と、ここまで長々と書きましたが、怒髪天初のホールツアー、怒髪天&THE JOE-NETS『LIVE ALIVE TOUR 2011 "GOLDEN MUSIC HOUR"』は、“迷わず行けよ、行けばわかるさ”の一言に尽きました! 純粋に“怒髪天を好きでよかった…”と思えた、何とも至福な時間でした!

 

(取材・文/岩本和子  撮影/SLOT 渡邉一生)

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怒髪天&THE JOE-NETS「LIVE ALIVE TOUR 2011 "GOLDEN MUSIC HOUR"

2011年11月4日(金)大阪 NHK大阪ホール

<THE JOE-NETSメンバー>
GTR:カトウタロウ、TP:田中和、TB:福島忍、T-SAX:田浦健、B-SAX:飯島誓、KEY:奥野真哉
CHO:うつみようこ、CHO:鈴木由紀子(BUGY CRAXONE)、CHO:菜花知美(detroit7)

(2011年11月 6日更新)


Check

怒髪天&THE JOE-NETS
「LIVE ALIVE TOUR 2011
"GOLDEN MUSIC HOUR"」

11月7日(月)東京 NHKホール

<THE JOE-NETSメンバー>
GTR:カトウタロウ、TP:田中和、TB:福島忍、T-SAX:田浦健、B-SAX:飯島誓、KEY:奥野真哉、CHO:うつみようこ、CHO:鈴木由紀子(BUGY CRAXONE)、CHO:菜花知美(detroit7)

開場 18:00 / 開演 19:00
全席指定4200円
当日券は17:00から販売
info. HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

11月11日(金)北海道 道新ホール

<THE JOE-NETSメンバー>
GTR:カトウタロウ、TP:田中和、TB:福島忍、T-SAX:田浦健、B-SAX:飯島誓、KEY:クジヒロコ、CHO:鈴木由紀子(BUGY CRAXONE)、CHO:菜花知美(detroit7)、CHO:コヤマシュウ(SCOOBIE DO)

開場 18:30 / 開演 19:00
前売¥4,200(税込)
Pコード:141-676(11/10(木)まで販売)
info. WESS 011-614-9999

11月12日(土)北海道 道新ホール

<THE JOE-NETSメンバー>
GTR:カトウタロウ、TP:田中和、TB:福島忍、T-SAX:田浦健、B-SAX:飯島誓、KEY:クジヒロコ、CHO:鈴木由紀子(BUGY CRAXONE)、CHO:菜花知美(detroit7)、CHO:コヤマシュウ(SCOOBIE DO)

開場 17:30 / 開演 18:00
前売¥4,200(税込)
Pコード:141-676(11/11(金)まで販売)
info. WESS 011-614-9999

11月19日(土)名古屋 中京大学文化市民会館プルニエホール

<THE JOE-NETSメンバー>
GTR:カトウタロウ、TP:田中和、TB:Coh、T-SAX:田浦健、B-SAX:飯島誓、KEY:奥野真哉、CHO:うつみようこ、CHO:鈴木由紀子(BUGY CRAXONE)、CHO:菜花知美(detroit7)

開場 17:30 / 開演 18:00
前売¥4,200(税込)
Pコード:141-298(11/18(金)まで販売)
info. JAILHOUSE 052-936-6041

11月25日(金)福岡 ももちパレス

<THE JOE-NETSメンバー>
GTR:カトウタロウ、TP:田中和、TB:福島忍、T-SAX:田浦健、B-SAX:飯島誓、KEY:奥野真哉、CHO:うつみようこ、CHO:鈴木由紀子(BUGY CRAXONE)、CHO:菜花知美(detroit7)

開場 18:00 / 開演 18:30
前売¥4,200(税込)
Pコード:141-264(11/24(木)まで販売)
info. BEA 092-712-4221

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怒髪天公式サイト
http://dohatsuten.jp/

ぴあ関西版WEB 大看板連載!
『怒髪天 増子直純のナニワ珍遊道』
https://kansai.pia.co.jp/series/dohatsuten/