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KING BROTHERS is BACK!! 
『KILL YOUR IDOL』でメジャーに再び殴りこんだ
西宮発世界行きのロックバンドが
大阪ワンマンを前に語る怒涛のインタビューが到着!

 ‘98年に兵庫県・西宮にて結成(現在も在住)以来、国内外を問わぬツアーで実力派アーティストたちと数々の共演を果たし、その圧倒的なテンションと、強烈な衝撃と感動が共存する破壊的でスリリングなパフォーマンスで、ライブシーンにおいて確固たる存在感を放ち続ける“西宮の狂犬”ことKING BROTHERS。その壮絶なライブは観る者の度肝を抜き、昨年リリースされたアルバム『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』によって、水面下での人気に一気に火がつき全国的な注目度も一気に急上昇。そして遂に、6月22日にリリースされたミニアルバム『KILL YOUR IDOL』にて、約8年ぶりのメジャーシーンへ復帰!! 再び覚醒した関西最強にして最狂のライブアクトの、現在地に至るまでの長い道のりと変わらぬ信念をあぶり出す、7月26日(火)心斎橋クラブクアトロ・ワンマン直前インタビュー。

KING BROTHERSのロックンロール動画コメントはコチラ!

――KING BROTHERSは歴史のあるバンドですけど、前作『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』を出してからのこの1年間というのは、その中でも特別な1年だったんじゃないですか?
 

ケイゾウ(vo&g)「『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』を出すまでにもすごい時間がかかって、バンドが山あり谷ありでやってきて、ようやく出せたんで。その前からだと6年ぐらい空いているし、あの作品をきっかけにメジャーでやらせてもらえる機会も獲得出来た。一気に前進していってる気がしますね」
 

――シンノスケとタイチさんは加入後初のアルバムを出して、バンドの一員としてやってきた密度の濃い1年だったと思うんですがどうですか?
 

シンノスケ(b)「あれを出すまでは準備期間というか修行期間で(笑)。前作を出して、やっと世間の人に分かってもらったところもあると思うし、自分らの役割もハッキリしたと思ってます。そういう意味では、前作を出したことによって、より明確に活動が出来た1年だったなと」
 

タイチ(ds)「4人でイチから作った音が世に出て、内容で判断してもらったことで、何て言うか…ようやく実感が出来たというか」
 

――状況が動き出すきっかけとなった1枚を作り出せた後、今回の『KILL YOUR IDOL』に至るまではどういった流れがあったんですか? メジャーの話とも関係してくるとは思うんですけど。
 

ケイゾウ「やっとこの4人で転がり出したんで、こういう話にもなったんですけど…次の準備に取り掛かってる段階ではありましたね。なので、メジャーの話があったうえでの『KILL YOUR IDOL』で。これはうちのバンドのやる気と取ってもらっていいと思うんですけど」
 

――メジャーでまたやってみようというのは全会一致の意見で?
 

ケイゾウ「そうですね。やっぱりよりたくさんの人に知ってもらいたいし、いろんな人に観てもらってジャッジしてもらいたいと常に思ってるんで」
 

――率直に嬉しいもんですか?
 

ケイゾウ「嬉しいですね。ただ時代がね…メジャーというものに対して昔思い描いていたような理想が崩壊していってるのも、僕らはずっとやっているので分かるし。だからこそ、やっぱりもう1回そこで、KINGはこうやるっていうのを見せたい。今もめっちゃ戦ってますけど、’00年にEMIとメジャー契約したときは、やっぱり経験値が少なすぎて。思ってることは今と変わらないんだけど、何も傷跡を残すことが出来なかった。今回はそうじゃなくて、もうむちゃくちゃしたろと(笑)。是非応援して欲しいですね。面白くしていきたいんですよ。つまらないものばかりなので」
 

――当時と今では、いい意味でも悪い意味でもメジャー/インディーの境目がなくなってきた中で、もう1回KINGがそこに行って何を鳴らすのかは、すごく興味深いですね。
 

ケイゾウ「やっぱりメジャーで出来る機会は、選ばれた奴にしか与えられない部分はあると今でも感じているので。そこでKINGにやりましょって言ってきたのはなかなかすごい話だと思うし(笑)。このタイミングで…この複雑な時代に、ずっとおもろいことをやろうとし続けてきたから、俺たちにそういう話がきたと思うんで。ホントの大人の事情は分からないですよ? でも俺たちはそこに乗っかって、めちゃおもしろくしてやりたいと思ってるから」

 

――今までのポリシーも持ちつつ、ここからおもしろいことをやっていこうという中で、どういった音源を作ろうというのはあったんですか?
 

 

シンノスケ 「より分かりやすい、ポップなものを作るべきなんやろうなとは思うんですけど、やっぱり問題提起をしていく方がおもしろいし、やり方としては逆に一番分かりやすいと思うんで。ぶつけるような作品を作りましたね」
 

マーヤ(g&vo)「メジャーがどうのこうのというのはなくて…前作に比べて良くなってるし、経験からくる言葉、経験からくるブルースを抜き取ったようなものにはなってると思いますね」
 

タイチ 「新たな楽曲と歌詞、刺激という意味で、シンチャンが『Kill your idol』(M-1)っていう曲を持ってきて。現状みんなの思ってることが伝えられるものにはなってると思う。再出発という言われ方はよくされますけど、まさに新しい名刺代わりにはいいんじゃないかと」
 

――すごくヌケがいい感じがしたんですよね。あと、変わらぬ鋭さを持ちながらも闇雲にそれを爆発させるんじゃなくて、刀を研いで、ココというときに一発で仕留めるというか。その辺の押し引きに逆に迫力を感じるというか。先ほどマーヤさんから経験という言葉が出ましたけど、まさにそれだなぁと。作業的にはスムーズにいったんですか? 皆さんの目的意識とか方向性は統一されてると感じたんですけど。
 

ケイゾウ 「まず名刺代わりの作品をということで始まって、曲自体は早い段階で揃ったんですけど、やっぱり地震のことを含めいろんなことがあって…。それに大いに影響されて流れが変わっていくんですけど、最後にそこからまた見つけ出しての、『KILL YOUR IDOL』なんです。地震がなければホンマにツルッと出来てたと思います。でも、そこでまたバンドがすごく成長出来たと思うし。毎回レコード作るときはたくさんチャレンジしたいし、評価っていうのは出してみないと分からないんですけど、今回もやっぱり簡単にはいかなかったですね。今回こそ簡単にいくと思ってたのに(笑)。やっぱり生きてるといろんな課題を突きつけられるんですよ。でも、いいステップになると思います。とにかく現状で最高の曲が揃ってるから。これがKING BROTHERSの今のかたちだと思う」
 

――震災で音楽を聴く気持ちすらなくなる人もいれば、音楽の力も無力さも感じる人がいたりと、短い時間でめちゃめちゃ音楽の価値が揺らいだ時間だったと思うし。その中でブレずにいられたもの、たどりついたものは何だったんですか?
 

ケイゾウ 「俺らはずっといつも何かを、全開でいろんなことを表現というか、叫び続けてきたんで。レコードを聴いてもらった印象がすべてというか。俺たちが発信してることがね」
 

――年齢重ねていったら、思い通りにいくこといかないこと、自分に出来ること出来ないことも分かってきて。その中でもやり続けていくしかないんですけど、全開で叫ぶのって純度がいると思うんです。やり始めた頃は何も知らないから純度だけでいけますけど、いろんなことを知ってしまったうえで、純度を保つのってむちゃくちゃ難しいじゃないですか? それをバンドとして保てててる秘訣みたいなものはあるんですか?
 

ケイゾウ 「これしか出来ないしそこが俺たちの強みだと思ってるから。嘘くさい音楽はやっぱり出来ないんですよね。クールだと思えないし、そういうことに気付けた。振り返ればだいぶ経験を積んできたと思うんですけど、そこがずっとブレてないのがバンドの評価につながると思っていますね。もう1回メジャーでやらせてもらえるタイミングでこの『KILL YOUR IDOL』というのは、自分たちの主張であり、表現がうまく出たと思っています」
 

――今の音楽シーンやヒットチャートに対して、なんやねん!っていう気持ちはあるわけですか?
 

ケイゾウ 「やっぱりカウンター(・カルチャー)というか、そういう感情なんですけど…だからこそメジャーでまたやりたいとずっと思っていたし。今はホントにいい意味でそういうものすらなくなっていってるとは思うし、価値があるものじゃないともう人は認めてくれない。嘘でもとことんおもろいものは評価されると思うけど、嘘でおもしろくないものは誰も評価しない。俺たちの価値っていうのも=これから自分たちの評価になっていくと思うんで。純度を高めて、“何があってもやっていくんだ”って自分たちに突きつけるためにも、このレコードはすごく重要やと思う。厳しいけど、いろんなことを突きつけられるかどうかは…この数ヵ月のレコード制作の中でも、すごくありましたよ」
 

――この1年はいろんな価値観がめまぐるしく動いていった1年でしたよね。Twitterしかり、宣伝の仕方しかり、震災における音楽の立ち位置しかり、そんな揺れ動く時代の中で、このリリースタイミングがやってくるのも不思議な縁ですね。我が道を行く気持ちだけじゃなくて、シーンから他のバンドを引きずり下ろすじゃないですけど、自分たちが上がっていく強い意志もあると。
 

タイチ 「ずっと思ってるのが、みんなやっぱり日々しんどかったりとか、今日は仕事がキツイなとかでも、何かしら聴いてくれる人と俺らにシンパシーがあるかがすべてだと思うので。その人たちと会えるなら、そういう人らのためにも叩きのめそうと思いますけど」
 

ケイゾウ 「引きずり下ろすというよりかは、引き上げるというか。今のアンダーグラウンドと呼ばれてる日本のシーンはめちゃおもしろいから。そういうのを一気に引き上げるためのバンドの在り方としても、メジャーでやるというのがいいなと」
 

――『KILL YOUR IDOL』というタイトルはどこからきたんですか?
 

ケイゾウ 「タイチ先生、説明してもらっていいですか?(笑) 元々はタイチがイベント名として考えれくれたタイトルなんで。言葉自体は物騒な話なんですけど、その奥にはもうちょっとね…タイチ君、お願いします(笑)」
 

タイチ 「自分がより真実に近付くために、ホンマに信じてるものでも一旦疑えと。そこから乗り越えて、自分の頭で考えて、選んでから行けよと。それこそ、KING BROTHERS自体を疑ってくれてもいい。それをメジャーで唱えるのが楽しいというか、意味のあることやなって。元々イベントのタイトルやったんですけど、聴いてくれるそういう人らに対して全力でがなりたてるっていうのがロックンロールのマナーだと思うんで。あとは、コミュニケーションの最初のきっかけになればいいなと思ってて。例えば“ヤだな”とか“腹立つ”という感情だとしても、どうにか自分らと関わりたいっていう…まぁここまで言ってしまうのがいいことなのかは分からないですけど。ホントに聴いてもらって、それぞれが素直に持った感想でいいと思うし、何年後かに関わってくることもあるし。そのきっかけとして持っていて欲しいとは思います」
 

――そう考えたら付くべくして付いたタイトルですね。このCDが誰かのもとに届いて、家のプレイヤーで再生されて何かを思うことがあるっていうことだけでも、音楽の力はまだあるんやって思いますね。あと、『無敵の結末』(M-3)のホーンセクションも新鮮だし、『AC/DC』(M-4)のまんま感も楽しい(笑)。ティーンエイジャーのときに聴いた音楽で、何かわからんけど“うわー”ってなるような、単純な興奮がある作品やなって。
 

ケイゾウ 「それは嬉しいですねぇ」
 

――『KILL YOUR IDOL』に伴うワンマンライブも7月26日(火)にあります。会場の心斎橋クラブクアトロはKING BROTHERSが初めてワンマンした場所でもあるし、気合も入るだろうし、特別な感じはしますか?
 

ケイゾウ 「僕はやっぱり中学校のときにクアトロで観た、ギターウルフのライブでぶっ飛んでバンドを始めたんで、そこでやるのはすごく思い入れがある。初めてワンマンしたのはもう10年以上前ですけど、めちゃワクワクしましたし。あそこなくなっちゃうんですよね?」
 

――そうなんですよ。9月末で。
 

ケイゾウ 「最後にそこでやれるのはすごく嬉しいです」
 

――おそらく、あのステージに立つのは最後でしょうね。
 

ケイゾウ 「昔の僕みたいな奴が、帰りの電車で“俺もうバンドやって食っていく!”みたいに(笑)思ってくれたら嬉しいなぁ。どこに行ったときもそういう風に思ってもらえるようにって、一生懸命やってますけどね。山あり谷ありでいろんな時代が俺たちにはあるけど、ホンマにこの4人でね、今まで知らなかったたくさんの人に知ってもらえるチャンスになると思ってるから。ここから俺たちのことを知ってくれる人たちが、ずっとカッコいいと思ってくれるようなバンドでいれたらいいですね」
 

 このインタビュー前日にKING BROTHERSが出演したイベント『想う壺音泉!』でも、大阪城音楽堂のオーディエンスを圧倒する激烈パフォーマンスを見せた彼ら。そんなライブですら、「いつも通りやったし、楽しかったけど…もっともっとコミュニケーションが取れたというか、ちょっとまだ未完全というか。“前に来てくれ!”って言ったんですけど、僕の頭の中では全員が前に来るイメージやったから、チクショー!ってね」(マーヤ)と語る彼らの目指す頂は、まだまだ先にある。『KILL YOUR IDOL』を引っ提げた7月26日(火)心斎橋クラブクアトロのワンマンは、すべてのロックリスナーに捧ぐ伝説化必至の一夜になるはずだ。必見!!
 

Text by 奥“ボウイ”昌史

 




(2011年7月22日更新)


Check

Release

メジャー返り咲きにして狂い咲き
問答無用の“This Is R&R” EP!

Mini Album
『KILL YOUR IDOL』
発売中 1500円
初回限定盤 VICL-63753
※紙ジャケット、CD-EXTRA仕様
通常盤 VICL-63754

<収録曲>
01. Kill your idol
02. Spaceship
03. 無敵の結末
04. AC/DC
05. 砂の城
06. PERFECT R&R

Profile

キング・ブラザーズ……写真左よりマーヤ(g&vo)、タイチ(ds)、ケイゾウ(vo&g)、シンノスケ(b)。’98年に兵庫県西宮市にてケイゾウ、マーヤを中心に結成。’99年、アメリカにて1stアルバム『KING BROTHERS(通称:BULB盤)』をリリース。当時、“東のミッシェル(ガン・エレファント)、西のキンブラ”と称された、ハードコア/ブルース/ガレージ/パンクetcのエキスを注入したハイボルテージなロックサウンドが話題に。’01年には4thアルバム『タイトル無し(通称:虹盤)』にてメジャーデビュー。続く’02年にはジョン・スペンサーがプロデュースを手掛けたミニアルバム『6×3』を発表。以降も、国内外を問わぬツアーや巨大フェスに参戦。ザ・ストロークスをはじめとする数々のツアーサポートを務める。メンバーの脱退に伴い’06年にライブ活動休止を発表するものの、’07年よりシンノスケ、タイチを加え、長年続いたベースレスのスタイルから4ピースのフォーマットに変化し活動再開。’10年には約6年ぶりとなるアルバム『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』をリリース。’11年6月、ミニアルバム『KILL YOUR IDOL』で再びメジャーへ活動のフィールドを移す。

KING BROTHERS オフィシャルサイト
http://www.kingbrothers.jp/


Live

思い出の地・クアトロでのワンマン!
9月には強烈メンツのイベントに参戦

『KING BROTHERS presents 
~KING SIZE E.P. 『KILL YOUR IDOL』
発売記念ワンマン~』

チケット発売中 Pコード140-962
▼7月26日(火) 19:00
心斎橋クラブクアトロ
スタンディング3000円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。

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『SKATERS NITE 6』
チケット発売中 Pコード145-884
▼9月23日(金・祝) 15:00
名村造船所跡地
オールスタンディング3500円
[出]EGO-WRAPPIN’/YOUR SONG IS GOOD/眠眠眠 a.k.a neco眠る/GOMA/Sawagi/韻踏合組合/日本の宇宙/KING BROTHERS/RISE FROM THE DEAD/NAKATANI/高津直由
NOON■06(6373)4919

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